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ア式蹴球部

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2019.07.12

【連載】第70回早慶サッカー定期戦直前特集 第9回 笠原駿之介×千田奎斗×山田晃士×上川琢

 第9回はチーム内で最も競争が激しいポジションのGK陣4人。最後方からチームを見つめる彼らの思いとはーー。

※この取材は6月21日に行われたものです。

2年前の早慶戦に出場した笠原選手

――リーグ戦を振り返っていかがでしたか

笠原 去年優勝したのは先輩の力が大きかったなっていうのが開幕してから感じます。結果も残せない時期は難しく感じましが、GK含めてやるべきことをやることが結果につながると思ってやっていました。忠南期間前の勝利は大きかったと思います。

山田 アミノバイタル杯は負けしまいましたが、リーグ戦での勢いは感じているので今後も続けていきたいです。前期は苦しい期間でしたね。結果が出なかったのが大きな要因として一つあるのと、去年とな比較をしてしまっていることですかね。今まで積み上げていたものが偽物なんじゃないかなって思ってしまったり。もちろん誰も口にはしないですけとど。そうなると結果はもちろん出なくて負の連鎖に陥るんですね。ここ2試合は勝ち点6を得て、そこまで4年生中心にチームに対する働きかけがありました。競争も激しくなるような雰囲気も作れていて。それでようやく上向きの兆しがみえてきました。

千田 全体に関することは大体同じですね。なかなかリーグ戦で点が取れない時期が続いていました。自分は法政戦が終わってからけがしてしまっていたのでスタンドから試合を見ることが多かったですね。全体が得点へのイメージが共有できていなかったのが印象強いです。攻撃がデザインされていない感じがずだとありました。らどうしたら自分たちが試合を運べるんだろうって考えていました。それを反映させられなかったです。いっぱい蹴ったゲームもいっぱいつないだゲームもあったり、探り探りで模索していましたね。

上川 前期は無失点の試合がなかったですね。1点の重みが大事になってくることを痛感しました。試合に出た時に、もっと厳しく言ったりできました。2連勝したものの、失点はしているのでそこは直したいです。

――今年の特徴を教えてください

山田 しばらく彷徨っていましたね。去年よりもピッチ外の活動が活発になりましたね。ミニゲーム大会開催したりフットサル早慶戦をやってみたり。良い部分ですね。良くない部分としては強引なテコ入れをしなかったことですかね。余裕を持ってサッカーをしたことがなかったので、正直大丈夫かなって不安でしたね。

笠原 古賀前監督の時のような失点しないってい雰囲気が戻ってきた感じがします。それこそがサッカーっていう競技だなって再認識しています。今年は個で突出した選手がいないと言われる中で、点を取らせないことに重きを置くことは大事だと感じます。

上川 リーグ開幕の時と比べて、メンバーの入れ替わりがありますね。下からの底上げという面では競争力が上がったんじゃないですかね。リーグ戦を勝ち抜くためには絶対に底上げが必要です。実際、リーグ戦が進むにつれてできてきたのは競争が生まれている証拠なのかなって思います。

――印象に残っている試合はありますか

千田 NACK5でやった試合ですね。あまり感情移入しないタイプなんですけど、あの試合は特別でしたね。すごい試合を見ていた気がします。気付いたらめっちゃ真面目に試合を見ていたし。

上川 自分も初めて出た東洋大戦です。責任をすごく感じました。声も出さないといけないですし、応援の声がすごく聞こえてました。緊張よりもやらなきゃいけないっていうのが強かったです。

笠原 点を取れる雰囲気が漂っていることもあって、失点した時もそこまでひどいわけじゃなくて。競り合いとかボールを奪われないっていうのが目立ったのかな。局面局面での勝利が結果につながったんだと思います。

山田 本当に個人的ですが、駒沢戦ですね。失点はしてしまいましたが、あの試合のパフォーマンスが一番良くて。負けてはしまったものの、積み上げてきたものが実感できた試合でしたね。成長したんだなって感じました。今までやってきたことも間違いではなかったんだと。

高い足元の技術をもつ千田選手

――MVPを選ぶとしたら誰ですか

山田 僕はスギ(杉山耕二、スポ3=三菱養和SCユース)です。試合に出ていて体を張って守り続けてくれてますし、個人的にはプレーがトップレベルだと思います。スギだけじゃないですけど、3年生ができることをやっていこう、それでチームに影響力を与えようって意識が生まれてきて。その流れの中心人物の一人だし、練習中の声掛けとかボールを拾いに行くとか。3年生全員心がけてはいますけど、試合に出ていることも考えるとスギはすごく良い影響をチームに与えてくれていると思っています。

千田 俺は恥ずかしいんですけど晃士ですね。自分は法政戦でけがしちゃって、天皇杯予選前もけがしてて。ずっと客観的に見てるんですよ。ずっと目の前に晃士がいて、俺はそれを超えなきゃいけないんです。でもいつもいるんですよ。あれ、フットサル早慶戦いるじゃん?早明戦の応援席いるじゃん?って(笑)。そんな動ける?って。こっちはTM担当で晃士はプロモーション担当で仕事が違うのもありますけど、色んなことに手を出していけるのがすごいです。

山田 あざっす(笑)。

笠原 難しいな。さっきも言ったんですけど、このチームにとって客観的に外から見たときに、やっぱり加藤っすごいんだなって改めて思います。出た試合は結果残しますし。去年は彼にとって難しい時期だったと思うんですけど、それを乗り越えてトップチームで結果を残しているのはすごいですね。技術だけでなくてけがしてる選手の思いとかを背負ってるのをすごく感じますね。

上川 自分も加藤です。カサくんと似てる部分になってしまいますが、去年ずっと苦しんでいて。チーム全員がランテストのときに走ったりもしてて。あいつ一人じゃないってことを皆が示そうって。2年生全員で支えて、入部の時も全員で喜びましたね。そこからすごい勢いでチームを引っ張る存在になっていて。活躍してくれるだろうって期待も背負ってますね。

山田 あともう一人いて、須藤ですね。試合には絡めてないんですけどピッチ外のことでマスコットだったり早慶戦のマネジャーだったり、イベントを展開してくれています。そういった活動にものすごく尽力してて。選手紹介動画もあいつが中心となって作っていて。選手をやりながらそういうこともやっていて、ピッチ外で大きな価値を発揮している原動力だと思います。

周りを見て仲間を生かす山田選手

――お互いのプレーの印象を教えてください

山田 カサくんは渋い。去年から思ってたけど。僕は感情を表に出してダイナミックにって感じですけど、カサくんは確実にプレーするんですよ。止めたときもよっしゃってならないで次に切り替える感じられるし。

上川 カサくん、ボールが当たっても動じないんですよ。ビビらずにいて。痛がる素振りも見せず、良い意味で感情を出さないで。

千田 プレーとかじゃないですけど、渋いって感じは分かりますよね。でも俺的には、内にギラギラ燃えるものがあると思うんですよ。カサくんが2年生の時に早慶戦に出ているのを上から見ていたんですよ。カサくん試合が終わったあと、体全身で喜んでて。あ、この人実はすごく熱い人なんだなって。いつもはクールだけど、感情を表に出してるのを見たときに本当にかっこいいなって思いました。

山田 渋い感じなのにたまにふざけますよね(笑)。急にボケるんですよ(笑)。

笠原 ちょっと照れますね。派手なプレーは身体能力のある選手にはどうしても負けてしまうので、基本に忠実というところは心がけています。

千田 ヤマは誰が見ても熱い男です。ア式のGKの中で一番技術もあります。キャッチング、ステッピング、本当に全部。基礎技術はすごいですね。

上川 自分に妥協しない男だなって思います。自分で練習メニューつくってやって吐いてるんですよ(笑)。芯を持っていて、しかもそれが論理的なことに基づいてるんですよ。その上に覇気もあってすごいんです。熱いけど一つ一つのことは冷静で的確ですね。

山田 熱いってのは言われると思ってましたね。GKの実働時間はフィールドよりも少ないですし、親が声を大きく産んでくれたんで(笑)。タクの自分に妥協しないってのは違うよ。

上川 そう言えるのがもう妥協してないですよ(笑)。

山田 なんかもう恥ずかしいな(笑)。ケイトはね。チャラい(笑)。足元がすごく上手で。僕のGK像ってオリバーカーンとかゴールを守るって感じで。そういうイメージだから背後のカバーもして足元の技術がこんなにあるのはびっくり。オリバーカーンが硬派だとしたら、ケイトはチャラいね(笑)。いい意味で!

上川 手足が長いよね。身長も高い上に手足が長いからリーチがすごい。手がにょっと出てくるんですよ(笑)。他の人に比べるとサッカーをすごく理解してて。足が速いわけでもないですけど、予測とかしてて。動き出すタイミングが速いですね。だから背後のカバーができたり。

笠原 予想外のことを、周りから想像できないことをしたいって思ってるよね。GKのプレーだけじゃなくて、プラスアルファで何かしたいって。攻撃にも参加したいって感じだし。考える幅が広くて、それがプレーにもつながってるかな。

千田 自分がこういうプレースタイルになったきっかけがかって。小中高で同じ県に相方がいたんですよ。俺の片割れは誰もセービングとかシュートストップで勝てなかったんですよ。これじゃ勝てないって思って、他の特徴を作ろうと思って。背後のカバーとか飛び出しとか、相手にいかにシュートを打たせないかっていうのを意識してるうちにこうなりましたね。

笠原 一人だけハイパワートレーニングをやるんですよ。筋トレしながらセービングするっていう。一人だけ明らかに飛ぶ距離が違うんですよ(笑)。GKとしては小さい方なのにめちゃくちゃ飛ぶんですよ(笑)。まじでびっくりします。

山田 でもただフィジカルが強いってだけじゃなくて良いGKコーチに指導してもらってたこともあって、理論的なプレーモデルを持ってるんですよね。丁寧でロジカルなプレーを体現してます。インテリマッチョね、って感じですよ(笑)。

笠原 新しいことを吸収する力もすごい。どんどん自分のものにしていくんだよね。武器をどう生かすか常に考えてるし。

上川 まずこの体に産んでくれた親に感謝ですね(笑)。一番最初に教わったのがジョアンっていうスペイン人のGKコーチだったんです。その人に全部を教えてもらいましたね。話す時間が長くて、たまたまで止めることをなくすっていうのを常に考えていました。自分が納得するまで話してくれるんですよ。その時に基礎が出来上がって。GKのレベルが高くて早稲田に入りたいって思ったんです。入ってみて、実際普段の練習も自主性があって考えることが増えて、本当に面白いです。

前線にボールを蹴り込む上川選手

――どんな早慶戦にしたいですか

笠原 華ってアンケートに書いたんですけど、ピッチに立つ選手だけじゃないんです。たくさんの人を巻き込んでる試合なので、そういう様々なところで関わる人がいます。これを目指して入部する選手もいる大舞台ですし、それに部員として参加できることは特別なことだと思います。思いとしては勝利だけです。それに向かうまでの過程で、携わる全ての人と作り上げていきたいです。

千田 1年生の頃、記録の担当していて。試合中しか仕事がなくて他の雑用とかしていたんですよ。多分ずっとスタジアムを歩き回って色んなことの手伝いをしていて。あの舞台が完成した時に、今までプレーヤーとしてしか試合をしたことがなかったのに支える側の立場になったときに感動したんですよ。こんなに大きな試合を作り上げることができたなんて。自分のサッカー人生において1番大きい舞台なんじゃないかなって思います。

上川 自分はピッチから見たらどんな風景なのかが知りたいです。ほぼ満員の等々力で試合をしてみたいです。想像したらすごくて。プロと同じような状況だけど学生で。まずはピッチに立つことですけどね。

山田 僕も憧れの舞台だし目標の一つです。それは観客動員数とか、早慶戦の位置付けを考えたときにやっぱりあそこのピッチに選手として立ちたいですね。ピッチ外のプロモーションチームでミーティングをすることもあって。そこで話してて思ったのは絶対に成功させないといけない舞台なんだなって。試合に出たいっていうのは自分の欲望としてはあるんですけど、あの早慶戦の舞台はピッチに立つ選手だけが思いを表現する場じゃなくて。他のいろんなところで皆が動いて作り上げてるんですよ。早稲田だけじゃなくて慶應も思いを乗せていて。アマチュアスポーツの中で一番と言ってもいいほどエンターテイメント性があると思います。成功の定義が何かは難しいですけど、エンターテイメントを考えると、あの時間を終えたときに多くのことを感じてもらえれば嬉しいですね。

――GKとしてどう早慶戦に貢献したいですか

笠原 素晴らしい舞台を作るのもそうですけど、一番は勝ちたいです。勝つためにGKができることをしっかり徹底できれば結果はついてくると思います。それを達成するために試合に直接関わることもですが、関われなければどうチームを鼓舞するのか。どう貢献するかを見つけ出していく必要があるかなって思います。

山田 GKとしてできることは、まず練習に一生懸命取り組んでチームの競技レベルを上げること。試合に出れなかったときもGKっていうポジションは影響力があると思うので、同じように悔しい思いをしているチームメイトとか、メンバーに入って緊張してるチームメイトとかに声をかけて少しでも早慶戦の成功につながるような立ち振る舞いをすることがGKである人間として貢献できることかなと思います。

千田 自分はサッカーを根性論で片付けるのは好きじゃないんですけど、早慶戦だけは違うんですよ。気持ちがないと絶対に勝てないんです。自分がどれだけ気持ちをぶつけられるか、一瞬一瞬にどれだけかけられるかがカギだと思います。

上川 自分は今けがしていて早慶戦までには間に合わないんですけど、だからこそピッチ外でやることは明確ですね。練習の雰囲気とかは声かけとかで変えられるし。

――早慶戦の意気込みをお願いします

千田 勝つしかないです。

上川 目指せ8連覇!

笠原 結果としても運営面でも圧倒してサッカー人生に記憶に残るような1日にしたいです。

山田 てきることは全部やるので、どうか等々力に来てその瞬間を一緒に喜びましょう。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大山遼佳)

色紙を持つ四人

◆上川琢(かみかわ・たく)(※写真左)

2000年(平12)2月23日生まれ。身長179センチ、体重79キロ。神奈川・伊志田高出身。前所属・湘南ベルマーレユース。スポーツ科学部2年。

◆笠原駿之介(かさはら・しゅんのすけ)(※写真左中央)

1997年(平9)8月15日生まれ。身長177センチ、体重67キロ。埼玉・早大本庄高出身。法学部4年。

◆山田晃士(やまだ・こうじ)(※写真右中央)

1998年(平10)12月31日生まれ。身長180センチ、体重80キロ。埼玉・与野高出身。前所属・浦和レッズユース。スポーツ科学部3年。

◆千田奎斗(ちだ・けいと)(※写真右)

1998年(平10)9月13日生まれ。身長182センチ、体重77キロ。神奈川・金沢総合高出身。前所属・横浜F・マリノスユース。スポーツ科学部3年。

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