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競走部

2019.02.04

【連載】箱根事後特集『臙脂の足跡』第2回 千明龍之佑

 日本学生対校選手権(全カレ)では5000メートル6位入賞、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では1区出走と、この一年間着実に結果を残してきた千明龍之佑(スポ1=群馬・東農大二)。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)でも往路の主要区間である3区を任され、強みである『大崩れしない安定感』を示した。そんな千明は自身やチームの結果について今何を思うのか。そこには現状を変えていかなければならないという強い危機感があった。

※この取材は1月16日に行われたものです。

「何かを変えていかなくてはならない」

質問に答える千明

――箱根が終わってから解散期間がありましたがどのように過ごされましたか

 以前から足の痛みがあったので、休みの期間はその痛みを取るためにあまり走らずに過ごしました。

――帰省はされましたか

 はい、帰りました。

――高校の先生などにもお会いされましたか

 そうですね。まず高校の練習に他の卒業生や大学で競技を続けている人たちと行って、いろいろな話をしました。

――箱根での走りに対して何か言われたことはありましたか

 自分の総括を相楽さん(相楽豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)に言って、それに付け足しをしてもらうという形でした。自分がまとめたレースの反省は、前半10キロまでは良いペースで1人で押せていけていたのですが、海岸沿いに出てからの残り10キロでペースを上げきることができなくて、後半は区間順位も前との差も詰めることができなかったということです。なぜ後半体が動かなかったか考えると、前半速く入った分足が動かなくなってしまって、そういう部分が出たというのは集中練習であまり走行距離を稼げなかったのと、あまり長い距離ジョグを踏めなかったというのが反省点で挙がりました。

――それはケガの影響でということでしょうか

 そうですね、走れないほどのケガというか痛みではなかったのですが、人よりも落としてといか、悪化しない程度にジョグをして臨んだ結果、後半足が動かなかったので、やはり距離が足りなかったかなと思います。

――3区への出走はいつ決まりましたか

 1週間前くらいに決まりました。それまでは3区はあまり選択肢にありませんでしたね。

――事前取材では4区を希望していらっしゃいましたが、3区に決まった時どんな気持ちでしたか

 3区は中谷(雄飛、スポ1=長野・佐久長聖)が行く予定だったのですが、中谷が1区に流れてその穴を誰かが埋めなくてはならなくて。そこで僕か歓太さん(清水歓太駅伝主将、スポ4=群馬・中央中教校)かとなった時に、歓太さんが4区の方が良い感触を持てたと言っていたので、僕が3区で良い流れでつないで4区の歓太さんでもう一度良い流れに持っていくということでこういう配置になりました。

――当日の調子はいかがでしたか

 まあよく動きましたし、良かったのではないかと思います。

――普段あまり緊張されないそうですが、箱根当日はいかがでしたか

 スタート前もスタート後もあまり緊張はしませんでした。沿道の方の声がとても大きくて耳が痛くなるくらいだったのでそこは驚きました。

――スタート前、1区、2区の情報なども入ってきていたと思いますがどのような気持ちで待っていましたか

 1区で中谷がいい流れで持ってきてくれて、太田智樹さん(スポ3=静岡・浜松日体)はケガ明けだったので順位は落ちるだろうなと予想していたのですが、思ったよりも落ちていました。でもそれを聞いたときにあまり焦りはしなかったので、18番で太田智樹さんが持ってきたときに不安とか焦りはなく、ただ前の人たちを追って、僕が流れを変えるということだけを考えてスタートしました。

――トップと3分44秒、シード圏と2分24秒の差でしたが、どのような意識でスタートされましたか

 まずは一人ずつ追っていくことが必要だと思ったので、気持ちハイペースで入って少しずつ前との差を詰めていこうというレースプランでした。

――前半は単独走の中でも良いペースを刻んでいましたが改めて前半を振り返っていかがですか

 およそ1分の差があった中学大には追い付けたのですが、一つ前でスタートした明大の阿部さん(弘輝)との差は広げられてしまったので、やはり阿部さんを追って付いていくペースで行ったら潰れてしまったと思うので力量の差を考えて阿部さんに付いていかないというレースプランになってしまったのでそこはやはりスタートした時点での力量の差がありました。今回は阿部さんとの差は痛感したので、その差を今後は詰めなくてはいけないなと感じました。

――運営管理車の相楽駅伝監督から何か声はかけられましたか

 前半は設定通りに来ていたので、ペースのことだったりは「順調だよ」と声をかけてもらっていて、15キロを過ぎてから失速してしまったところでは「踏ん張っていこう」だったり「次の歓太さんに楽をさせてあげよう」という声をかけてもらいました。

――中央学院大の3区は東農大二高時代の同級生である栗原啓吾選手でしたがそのあたりは意識されていましたか

 スタート前は同じような場所でタスキをもらうとは思っていませんでしたし、走るとも思っていなかったのですが、追い付いてきて見えた時には勝ちたいと思いました。僕がすぐに前に出てガンガン引っ張って行けたのですが、ラストで仕掛けられてしまってそこで付いていけなくて。やはり勝たなくてはならなかった相手だとは思うので、失敗したレースだったなと思います。

――平塚中継所では清水駅伝主将とのタスキリレーでしたが中継所に入ったときはどのような気持ちでしたか。

 本当にきつかったですし、必死にタスキを渡したのですが、同じ群馬県出身ということで1年間お世話になりましたし、優しくしてもらったので、お願いしますという気持ちで渡しました。

――何か声などはかけられましたか

 僕からは「お願いします」って言って渡して、歓太さんからは「任せろ」って言ってくれたというのは覚えています。

――3区でシード圏との差は2分24秒から1分57秒に詰まりましたが自分の役割は果たせたと思いますか

 最低限のことはできたとは思うのですが、全日本でも箱根でも最低限の走りしかできなかったので、これからは最低限ではなくもっと上を目指して、チームの核になっていかなくてはならないと思います。今回の箱根は自分としては力を出しきれなかったレースなので、あまり満足しておらず、悔しい気持ちです。同じ3区を走った1年生でも、帝京大の遠藤(大地)とかは良い区間順位で走っているので、そこは本当に悔しいですし、勝たなくてはならない立場だと思うので、上位の人たちと勝負できる力をつけたいと思います。

――往路終了後のチームの雰囲気はいかがでしたか

 4区までは想定通りだったのですが、5区で失速してしまい、そこでチームの雰囲気も少し落ちていました。ただ早稲田は復路の選手たちも強いと思っていたので追い上げてくれるだろうという気持ちでした。

――復路はどのようにご覧になっていましたか

 7、8、9区とゴールに行きました。みんな前を追って1秒を削り出していて良い走りだと思ったのですが、みんな集団を飛び出す積極性だったりシード権を必死に取ろうという気持ちはあまり伝わってこなかったので、そこは往路シード圏外で渡してしまった僕らの責任でもありますし、復路の選手にもシード圏を必死に追っていく走りをして欲しかったですね。

――大手町のゴールで小澤直人選手(スポ4=滋賀・草津東)を迎えたときはどのような気持ちでしたか

 小澤さんはスタートしてすぐシード圏との差を10秒、15秒と詰めてくれて、その走りは本当に頼もしかったですし、最後離されてしまいましたが、小澤さんのような走りをみんながしなければならなかったのかなと見ていて思いました。小澤さんだけが良かったというわけではないのですが、小澤さんのような気持ちが足りなかったのかなと僕は思いました。

――総合12位という結果についてはいかがですか

 シード落ちは長年してこなかったので、僕たちの代でシードを逃してしまったのは責任を感じますし、何かを変えていかなくてはならないと思います。

――箱根で印象に残っている選手や場面はありますか

 1区の東洋大の西山さん(和弥)の区間賞は、高校時代からそうなのですが、強気な走りというのが見ていてすごいなと思いました。そこに食らいついていくことを高校時代から目標にしているので、西山さんに負けないように頑張ろうと思いました。

――レース後に1年生同士で話し合ったことはありますか

 これから学年でミーティングをしてそこで色々話す予定なので、色々思っていることを言いたいと思います。

「来年は2区も行ける準備を」

初の箱根路は区間10位。満足いく結果にはならなかった

――4年生が引退されましたが今の練習の雰囲気はいかがですか

 もともと4年生が少ない学年で、練習を引っ張るのは清水さんだったり小澤さんだったりと少ない人数でやっていたので人数的にはあまり変わっていないのですが、やはり存在感というか、チームの色を出していたのは4年生だと思うので、寂しさはあります。

――来年の箱根で走りたい区間はありますか

 今回太田智樹さんしか任せられなかった2区というのは走れるようにしていきたいです。僕が1、2、3区どこでも行けるようになればチームの幅も広がると思いますし、だいぶ楽になると思うので、来年は2区も行ける準備をして、前半4区間のどれかで走りたいです。

――今後出場される試合は決まっていますか

 唐津10マイル(唐津10マイルロードレース大会)と立川ハーフ(日本学生ハーフマラソン選手権)に出る予定なのですが、足の状態が読めないので唐津10マイルは回避するかもしれません。どちらにせよ次の大きな大会は立川ハーフになると思います。

――最後にこれからの目標をお願いします

 まずは立川ハーフがあるので、そこで62分30秒は狙っていきたいですし、自信もあるので、最低でも62分台、目標としては62分30秒を目安としてやっていきたいと思います。その後トラックシーズンになるのですが、昨年の春先はあまり良いタイムで走れませんでした。やはり春先から良いスタートを切れれば関カレ(関東学生対校選手権)、全カレ、全日本予選(全日本大学駅伝対校選手権関東学生連盟推薦校選考会)へとつながると思うので、春先に出る記録会で自己ベストを更新したいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 池田有輝)

◆千明龍之佑(ちぎら・りゅうのすけ)

2000(平12)年3月3日生まれ。167センチ、52キロ。群馬・東農大二高出身。スポーツ科学部1年。自己記録:5000メートル14分02秒16、1万メートル29分10秒27、ハーフマラソン1時間3分40秒。2019年箱根駅伝3区1時間3分30秒(区間10位)。