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水泳部

2019.01.31

【特集】世界短水路事後インタビュー 竹内智哉

 昨年の12月11〜16日にかけて、中国・杭州で行われた世界選手権(25メートル)(世界短水路)に出場した竹内智哉(スポ2=神奈川・湘南工大付)。初のシニアの国際舞台で決勝進出を果たし、確かな爪痕を残した。今回はそんな竹内に、今大会や大会直後に中国・昆明で実施された高地合宿の振り返り、そして4月にある日本選手権への意気込みなどについてお話を伺った。

「すごくいい経験になる遠征だった」

代表の舞台で課題と収穫を得た竹内

――短水路は得意な方ですか

 昔から短水路の方でもジュニア五輪で優勝することができていて、短水路の調整に苦手意識はないですね。むしろ短水は得意な方かなとは思っています。

――11月にあったFINAワールドカップ東京大会後の練習で、重点的に修正してきたポイントはありますか

 他国の選手と比べると、前半のバタフライ、背泳ぎの入りでのタイムがだいぶ遅いということで、前半から速く入ることを重点的に意識して、世界短水路に向けて練習していました。

――直前に行われた浜松合宿ではどのような調整をされたのですか

 試合までに日にちのある選手や、会場に入ってすぐ(試合がある)選手がいたりと、結構バラバラだったので、チームでというよりも、自分の中でやらなければならないことを選んで試合に向けて調整していったという感じですね。

――グループ分けされて練習されていたようですが、どのような基準で分けられていたのですか

 グループ分けに関して僕はあまり知らされてなかったので、向こうが決めてそれに入っていくという感じでした。

――梅原孝之コーチ(JSS)のグループだったようですが、具体的にどのようなご指導を受けましたか

 結構指導というより、自由な感じでやらせていただいていたので、これ、といった指導はなかったです。でも、僕が今回日本代表を経験するのが初めてという中で、種目としての指導ではなくそれまでの道のり、調整していくにあたってこうしたほうがいいんじゃないかと僕の自主性を考えて新しい意見を言ってくださったりとか、そういう面ですごくお世話になりました。

――同じグループには他にどのような選手がいらっしゃいましたか

 梅原コーチのグループには、JSSで一緒に練習していた瀬戸大也選手(平29スポ卒=現ANA)、赤瀬紗也香選手(ANAAS)と五十嵐千尋選手(T&G)と先輩の渡部香生子選手(スポ4=東京・武蔵野)、入江陵介選手(イトマン東進)。大学生はバタフライの矢島優也選手(明大)と、吉田冬優選手(明大)と僕で一緒に練習をしていました。

――瀬戸選手らの練習、泳ぎを見ていて具体的に学んだことや、刺激を受けたことはありますか

 僕今回合宿は瀬戸大也選手と同じ部屋で、僕が初めてなのもあって、試合までの心構えだったりはすごく見ていて勉強になりましたし、話してみても勉強になったと思います。

――世界短水路本番の話になりますが、4日目の男子4×200メートルフリーリレーまで出場がありませんでした。3日目までは現地でどのような調整をされていましたか

 なるべく世界大会といえども、普段の自分のやっていることを崩さないようにして、挑むようにはしていました。

――リレーでは9位で予選敗退という結果でしたが

 元々出るかどうかは不明だったので、確実に残ってやるという気持ちはさほどレース前にはなかったですけど、いざレース直前になるとせっかく出させていただいてるので、残りたいなという気持ちも出てきました。しかし、思っていた以上に海外選手たちが速く、僕たちの方はそこまで(タイムを)上げられなかったという。残れなかったという点では悔しかったなという感じですね。

――自身のリレーでの1分45秒62というタイムについてはいかがですか

 ベストが確か(1分)46秒0ぐらいだったので、ベストは上回って泳げているから、最低ラインは超えたかなという感じでしたけど、45秒を切るぐらいには泳ぎたかったかなと思います。

――男子400メートル個人メドレーの予選はどれくらいのタイムで泳ぎたいと思っていましたか

 予選からほぼベストかベストを出すくらいの気持ち、そうじゃないと残れないと思っていたので、予選からしっかり泳いでいこうという気持ちでこの試合に臨みました。

――予選を5位で決勝に進出しました

 順位とタイムは、予選は良かったかなと。

――決勝ではどのくらいのタイムや順位を目標にしていましたか

 タイムとしては4分4秒台か、それを切るぐらいを一応目標にはしていたんですけれども、世界大会決勝という大きさにやられてしまったというか、そういうのでタイムと泳ぎがうまくいかなかったというのがありますね。

――決勝のレースを振り返っていかがですか

 予選は前半からいくという点では結構良かったです。決勝では後半を上げるレースプランでいこうと思っていたんですけど、それがあまりうまくはまらなかったですね。前半で離されすぎてしかも後半上げ切れなかったというのがあって、結構後悔の残るレースになったかなと思います。

――最後の自由形で1つ順位を上げましたが

 後半で上げるつもりではいたので、自由形で抜くのは当たり前くらいに思っておかないと、その時はいけなかったかなと思います。結果的に(順位が)上がったのは良かったかなと思います。

――予選よりタイムを落としてしまいましたが、それについてはいかがですか

 今まで決勝でタイムを落とすことがあまりなかったので、すごくそれに関しては自分の中でもショックで、もっと頑張らないといけないなと思いました。

――今回の大会で得た収穫は何ですか

 今回初の代表ってことで、得たことは数え切れないくらいいっぱいあります。その中でもやっぱり今後世界大会に出ていきたいと思っているので、それに対してすごくいい経験になる遠征だったかなと思いました。

――課題は見つかりましたか

 泳ぎの面としては、短水路で前半からいくというスタイルを実行しつつ、後半もしっかり泳ぎ切るという体力の面が必要だなと思いました。気持ちの面では、決勝でも動じないということ。今まで経験がなかったというのもあるんですけど、そういうのでも全く物おじしないように、メンタル強化と言いますか、そういう心持ちも大事だなと思いました。

――国際大会を経験して気持ちに変化はありましたか

 国際大会に出たいという気持ちがさらに強まりましたし、その中でも決勝に残ってメダルを狙えるような位置にいきたいなと思いました。

――初の日本代表でしたが雰囲気はいかがでしたか

 僕が大学2年生で、今回の代表組は社会人の方だともう26歳とか30手前くらいの方までいたので、雰囲気としては和気あいあいっていう感じもあったんですけど、(周囲と)年が離れているってことが(今まで)あまりなかったので、すごく新鮮な感じでした。

――今回の代表メンバーで仲のいい選手はいますか

 元から仲いい選手は正直あんまりいなくて、強いて言えば吉田冬優選手が1つ上で、合宿でも何回か一緒だったので、今回の中では一番仲良かったかなと思います。

――吉田選手とはどういう話をされるのでしょうか

 レースに関してが多かったです。吉田選手は初日からリレーなどに出ていたのでその話だったり。あとはたわいのない話だったり、一緒にゲームをしたりとかしていました。たわいのないことばかり話していました(笑)。

――瀬戸選手と同部屋だったということですが、何かエピソードはありますか

 部屋でのエピソードではないんですけど、大也さんは今回の世界短水路で世界新記録を樹立したので、すごく応援していましたね。今まで大也さんは先輩といえども、大学でもかぶってなかったので、ちょっと遠い感じの存在だったんですけど、今回の合宿で結構接する期間が多くなって、こんな身近な人がすごい人で、とても感動しました。

――自分のレース以外で印象に残っているレースはありますか

 その大也さんのレース(男子200メートルバタフライ)が僕の中では印象的でしたね。

――瀬戸選手が200メートルバタフライで世界新記録を出すと思っていましたか

 今回はどっちも出すと前もって言っていて。予選を泳いでから時間が結構空いて、夜に決勝があったので1回昼にホテルに帰る時間あったんですけど、予選のタイム見たらすごく速くて、「めっちゃ速くないですか」と言ったら、「これはいける」って感じで。

――400メートル個人メドレーでも途中まで世界新記録のペースでしたね

 今回調子良さそうで、しっかり合わせてくるところはすごいなと思いました。

――印象に残っている海外の選手はいますか

 あまり僕が詳しくないっていうのもあると思うんですけど、開催国が中国ということで、中国の選手が出場するたびに周りからの歓声がすごくて、こういうところも日本国内だけでやる試合とは別ものなんだなと感じました。予選でも(中国の選手が登場すると)ワーッとなりますし、決勝だとさらに盛り上がって。すごかったとしか言えないくらい盛り上がっていました。

――早稲田のチームメイトから激励のラインなどはありましたか

 みんなから頑張れという感じでは言ってもらってないんですけど、幌村(尚、スポ2=兵庫・西脇工)なんかは同学年で先に(代表を)経験してたりするので。ジュニアの時はありましたが、(シニアに上がってから)僕が代表にいけたことがなくて、まず(代表に)選ばれる時にも「選ばれるといいな」っていうことは言ってくれていて、みんなに意見してもらえましたね。

――大会後は中国・昆明で行われた高地合宿に参加されましたが、オフはどこかに遊びに行かれましたか

 観光というほどの観光ではないですけど、何人かで一緒に街に出て買い物をしたりしましたね。僕はなにも買わなかったんですけど、海外の街並みを見るのが好きなので、それはいいリフレッシュになったかなと思います。

「今年で2020を狙えるくらいの位置までにいけるように」

今季はどこまで記録を伸ばせるか

――高地合宿ではどのようなポイントを重点的に強化されましたか

 一平さん(渡辺、スポ4=大分・佐伯鶴城)たちとは違って、僕は世界短水路に出場してい12月前半で泳ぎ込む機会があまりなかったので、しっかり泳ぎ込めるように、高地で体力を上げるというスタンスで合宿には臨みました。

――世界短水路の直後でしたが疲れはありましたか

ありましたね。ありましたし、(大会終了後からの)移動もすぐだったのでしんどかったです。

――杭州から昆明は距離的には離れているんですか

 ちょっと離れているくらいなんですけど、遠征だったので、遠征組で1回日本に帰ってきて、僕次の日の朝に中国にとんぼ返りしていたので、結構それがしんどかったです。(高地合宿に)行く時は1人でいったのは、勉強にもなったし、それはそれで楽しかったです。ある意味プラスにもなったかなと思いました。1人で飛行機に乗るのとか初めてだったので。

――どういうスケジュールで練習をされていましたか

 ほぼこっち(大学)でやるのとスケジュール的にはあまり変わらない感じですかね。あとは帰国に合わせてオフであったりの調整をしました。

――練習メニューはいかがでしたか

 メニューは激変するほどではないんですけど、最初の一週間は体を高地に順応させる期間があって、そういうときに練習の距離とか質とかを落として順応させるというのをやったり。後半は普通に泳ぎました。強いて言えば順応期間でちょっと練習を落とすってことぐらいですかね。

――走っただけで息が切れるなどの話も聞きますが

 普段はあんまり感じないですけど、走ったり泳いだりするとすごい苦しいなとやっぱり思います。まあ、順応してもきついんですけど(笑)。

――現地の選手とも練習されていたようですが、特に刺激を受けた選手などはいましたか

 日本にも来ていた平泳ぎの閻選手(子貝)と一緒に練習していました。また別のチームでは、孫楊選手だったり、徐嘉余選手だったり、中国のスーパースターが勢ぞろいしていましたね。その中でも孫楊選手は、練習がかぶっていないのにフレンドリーに話し掛けてきてくれたり、練習中も僕たちの泳ぎを見ていて、すごく水泳が好きなんだなと。速い選手でも、水泳に対して人一倍努力をしているんだという印象は受けました。

――昨年は自己ベストも大きく更新されました

 タイム的なことに関してはベストを連発しましたし、結果も充実した年になったかなと思いました。それでも夏のパンパシフィック(選手権)では(代表に)入れなかったり、世界短水路では入ることはできて決勝にもいけたんですけど、そこで(タイムを)落としてしまったりとか、全部が全部良かったわけではないので。後悔している点はありますが、来年度につながるいい年にも、飛躍の年にもなったかなと思いました。

――現在はどういうところに重きを置いて練習されていますか

 まずはアメリカのフラッグスタッフに合宿で行くんですけど、冬に泳ぎ込みが足りなかったので、この期間でしっかり強化を図って、4月の選手権(日本選手権)に向けて頑張れたらなと思います。

――日本選手権での目標は

 ユニバーシアード(競技大会)には最低限でも出場したいというのはあるので、ユニバーシアードの代表内定を確実にさせたいなと思います。

――昨年は萩野公介選手(ブリヂストン)に勝たれたレースもありましたが、世界選手権の代表はいかがですか

 あわよくば狙うって感じで。万全な状態だと大也さんと2人は実力的に抜けている部分はあるので、狙うっていうのはまだ早いかなと思うんですけど、ジャパンオープンみたいにあわよくばいけたらな、と思っています。

――最後に今季への意気込みをお願いします

 今シーズンは来年にオリンピックがあるということで、去年は飛躍の年とも言ったんですけど、去年以上にタイムを伸ばして、今年で2020を狙えるくらいの位置までにいけるように、頑張りたいと思っています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 佐鳥萌美)

「代表」入りを目指します!

◆竹内智哉(たけうち・ともや)

1998(平10)年7月31日生まれ。177センチ。73キロ。神奈川・湘南工大付高出身。スポーツ科学部2年。次々と自己ベストを更新する竹内選手。ゆっくりとした口調で質問一つ一つに、丁寧に答えてくださいました。成長著しい竹内選手から、今後も目が離せません!