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2018.12.22

【連載】箱根事前特集『起死回生』 第12回 新迫志希

 新迫志希(スポ3=広島・世羅)にとって、トラックシーズンは今年も苦しいものとなった。続く駅伝シーズンでも、出雲全日本大学選抜(出雲)は区間11位と流れを変える走りはできず。そして迎える東京箱根間往復大学駅伝(箱根)。2年連続でエントリーメンバーに選ばれながらも出走はかなわず、悔しい思いを味わってきた。トラックシーズンの振り返りとともに、悲願の大舞台を前にした心境を語っていただいた。

※この取材は12月11日に行われたものです。

「落ち込んでいる暇は僕らにはない」

取材は和やかな雰囲気で進んだ

――きょう(12月11日)はどのように過ごされましたか

授業に行って、きょうは急に寒くなったので部屋で過ごしたり、練習の準備などいろいろしました。最近は少し長めに走っているのでそれも踏まえて練習しました。

――上尾シティマラソン(上尾ハーフ)以降、調子はいかがですか

上尾に出てすぐ箱根に向けて練習して、ほぼ休みなくここまできているので疲労はあるんですけど、調子は上向きです。

――集中練習で重点的に取り組んでいることは何でしょうか

質も高くなってくるし、距離も長くなってくるのでそれをしっかりこなせるだけの体作りや、気持ちの面を大事にしています。

――1、2年生と比べて集中練習の消化具合はいかがですか

かなり違いますね。できなかったことが、今年になってできない方が少なくなってきているのでここまでの練習具合はかなり良いです。

――今のチームの雰囲気は

全日本(全日本大学駅伝対校選手権)が終わってすぐに上尾ハーフがあって、落ち込んでいる暇も僕らにはないし時間もないので、やるしかないと個人がそう思ってくれていたらいいなと思います。

――では、トラックシーズンの話に移ります。初戦となった六大学対校のレースを振り返っていかがですか

初戦で5番か6番くらいで全然勝負ができなかったし、その出遅れを5月、6月も引きずってしまいました。結局、初戦が上手くいかなかったのでどんどん後も上手くいかなくて、初戦は大事だなと思いました。

――同じレースに出場された太田智樹(スポ3=静岡・浜松日体)が自己記録を更新されました。どう思われましたか

やっぱり悔しかったです。2年の時にかなり力をつけて、すごく練習もできていたし同じ学年なので、負けて遠くの存在になってしまったので悔しいという気持ちが強かったです。

――ゴールデンゲームズinのべおかと順大記録会では中盤に失速して、良いタイムは出ませんでした

どちらもほぼ同じパターンで失速してしまって、最初は良かったんですけど後半になって伸び悩んでいたのは、単純に走り込みが足りなかった部分とどういう気持ちでレースに出たかという部分で、今になるとあまり気持ちが入っていなかったのかなと振り返って思います。それを踏まえて駅伝シーズンには生かしたいと思っています。

――関東学生対校選手権の標準記録を切れなかったことはどう捉えていましたか

最低限の記録も切れなかったので、情けないとしか言いようがないですね。

――昨年と同じようにあまり結果を残せなかった前半シーズンとなりました。課題はどのようなところにありましたか

いろいろなものを取り込みすぎて自分がパンクしてしまったのと、やらなかったことが多すぎた2年、3年でした。距離に対してもそうだし、人の言うことにあまり耳を傾けてなかったのもそうでした。今振り返ってみると結果が出なくて当然なのかなと思います。

「夏合宿で自分と向き合った」

春シーズンは苦しい期間となった

――前半シーズンを終えて、どのようなお気持ちで夏合宿に臨まれましたか

夏合宿は自分と向き合う時間がたくさんあったので、どうして記録が出なかったんだろう、とかどういう気持ちで陸上をやっているんだろうと必死に考えたし、自分がどうなりたいか、というのもずっと考えて夏合宿を過ごしました。目標が少しずつ明確になってきて、昨年よりは少しだけ良い夏合宿になったので良かったと思います。

――トラックシーズンと夏合宿では陸上に対する気持ちの違いがあったということですか

そうですね。

――夏合宿では結果を残せなかった要因を「練習と本番のイメージがかみ合っていない」とおっしゃっていましたが、改めてそうなのでしょうか

試合に近い練習でもなかなか上手くいっていないことが多かったので、当然試合でも後半の伸びなどがなくて、今も変わってはいないですね。

――夏合宿で成果や収穫はありましたか

今のところ(成果は)出ていないので、これから出せていけたらいいなと思っています。

――世田谷陸上競技会ではシーズンベストを出しましたが、復調していたということですか

もっとタイムを狙っていたので、そこで自分が復調したなとは思いませんでした。出雲の前の実戦的な大会だったので、そこでうまく弾みをつけられれば良かったんですけど、自分としては納得がいかなかったのでぼちぼちってとこですかね。

――出雲で好走された中谷選手(中谷雄飛、スポ1=長野・佐久長聖)からタスキを受け取った時のお気持ちはどのようなものでしたか

 1年生におんぶに抱っこというかたちで、自分も負けていられないなと思ったんですけど、それとは真逆で結果も順位も全然ダメだったし、中谷のワンマンチームと言われても仕方がないことなんじゃないかと思いました。

――同じ区間を走った昨年に比べてタイムは縮められました

1分くらいタイムが縮まっていたので、昨年はどれだけ遅かったのかなと思いました(笑)。昨年は遅かったんですけど、今年の方が区間順位が良くないので、自分の区間は結構重要な所なんだなと出雲が終わってから思いました。

――10位というチームの順位をどう捉えていますか

 よく早大は出雲で失敗すると言われていてその後、全日本、箱根とうまくいくという勝手なイメージが独り歩きしていて、正直出雲の10位というのが妥当というか、なるべくしてなった順位かなと思っています。

――全日本の前に行われた早大記録会では、下級生が自己記録を更新するなか良いタイムはでませんでした

 体は結構良かったんですけど、気持ちの面が全然向いてなくて、そのギャップがその時は自分の中ですごく苦しかったですね。

――気持ちの面が向いていなかったというのは具体的には

 全日本の前の重要と言われる練習で、なんで普通に練習にしないのか、とか大会にする必要ないじゃないか、といろいろ考えるとなかなかそっちに向いてなくて、いざ走ってみると体は良かったんですけど全然気持ちがついていかなくて。途中で投げてしまったレースになってしまったので、あの時は本当に苦しかったですね。

――監督からの信頼はとても厚いですが、それはどう感じていますか

 監督からはお前はチームを引っ張れと口酸っぱく言われているんですけど、なかなか信頼に応えられていないのが現状です。その信頼や気持ちを無駄にはしないように、あと3週間あるので箱根で結果を出せるように十分力をつけていきたいです。

――全日本に出走しなかった時のお気持ちを教えてください

 ずっと全日本は出てたんですけど、自分の出ない全日本はどうなんだろうと思うと、やっぱり面白くないというか。自分が出ないレースって結構興味がないので、応援はもちろんするんですけど、チームが悪い順位だったから自分の気持ちが沈むとか、自分が出たらとかはあまり考えなかったですね。

――2つの駅伝の結果をどう捉えていますか

 歴史上の中で全日本は最低順位だったので、矛盾しちゃうんですけど本当にショックでしたね。頑張っていないわけじゃないんですけど、これが今のうちの実力って考えたら歴代の先輩方に申し訳ないなと思いました。

――2つの駅伝を終えて、チームの雰囲気はどうでしたか

 あまり悔しがってなかったんですかね。清水歓太さん(清水歓太駅伝主将、スポ4=群馬・中央中教校)はアンカーだったので悔しそうにしていたのは分かったんですけど、他の選手は抜け殻というか…。どっちなのかなと思いました。悔しいのか悔しくないのか分からなかったです。

――上尾ハーフでは手応えのあったレースとおっしゃっていましたが、長い距離を走れるという実感はありましたか

 そうですね、かなり持てました。全日本の前に元々故障していて、走ってない期間があってそれを踏まえての上尾ハーフだったので、ちょっと走れるかどうか心配だったんですけど、いざ走ってみると最後まで長い距離に対応できて、スタミナの部分でもしっかりと自分の力を確認できました。後は自分の持ち味であるスピードをどう生かすかということに今は重点的に取り組んでいます。

「三度目の正直」

出雲では2年連続で4区を任された

――先日は部員日記にも熱い思いを書いていらっしゃいましたが、昨年と今年、出なかった箱根をどのような思いで見ていましたか

 やっぱりチームから外れた10人以外の6人はエントリーメンバーから外れた選手となんら変わらないし、自分の中でカベがある箱根だったので、その時はすごく悔しかったし走りたいなと思いました。今年はそうも言っていられない箱根駅伝なので、何とか自分が走るだけじゃなくて結果も求めてやらないと、チームがどういう状況になるか分からないので。本当に箱根では結果を残したいです。

――希望区間はありますか

希望区間は1区ですけど、状況が状況なのでどこでも走れる準備をしていきたいと思います。

――1区を希望されるのは単独走より集団走の方が持ち味を生かせるからですか

そうですね。トラックレースに近いものがあるので、自分の力を使わずに他の力を使って走るというのが、だんだん得意になってきたのでそれを生かしてうまく次の走者につなげるというのが僕の理想です。でもそう簡単にいかないと思うので準備だけはしておきます。

――長い距離に対する不安などは今はないですか

さっきも言ったように、そうも言っていられないので(笑)。長い距離だろうが気持ちで何とかするしかないですね。

――改めてご自身の走りの強みやアピールポイントはどこでしょうか

疲れていないときはきれいなフォームで走るので、それがどんどん崩れていくと順位も落ちていくと思うんですけど、それが崩れなかった時に最後まできれいなフォームで走れているところを見てもらいたいと思います。

――箱根駅伝というのは新迫選手にとってどのようなものですか

一つの大会には過ぎないんですけど、日本中の人が知っている大会なので、今まで出たことがないし一回でも出てみたいなという気持ちはあります。出て初めていろいろな事が分かると思うので、今年は走りたいと思います。

――個人とチームでの目標を教えてください

個人としては区間賞を狙っているんですけど、区間賞を狙えるまで気持ちと体を高めていって、それが現実となるように、必ず区間賞獲れるって言えるような精神状態を作っていきたいですね。チームとしては5番以内が目標です。

――ラストランとなる4年生への思いはありますか

ありますね。3年間ずっと一緒にいて、自分が1年生や2年生の時の4年生とは過ごす時間が違うので。出雲も全日本も悪かったし笑って送り出したいというのもあるんですけど、みんながみんなもうすでに自分の思い描いた通りのことができていないのが現状なので…。4年生の人も結構エントリーメンバーから外れてしまっているので、その分自分がしっかり走りたいという気持ちはあります。

――清水主将はどのような主将ですか

最初は結構心配だったんですけど、主将がその人物を主将にしてくれると思いますね。今は清水さんしか主将できる人はいないと思っているし、とても頼っています。

――最後に箱根への意気込みをお願いします

三度目の正直ということわざがあるんですけど、それをどこまで自分の中で実行できるか分からないですが、いろいろな人に頑張っている姿を届けられたらいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 小林理沙子)

『自信』を持って初めての箱根を走ってほしいです!

◆新迫志希(しんさこ・しき)

1997年4月28日。163センチ、49キロ。広島・世羅高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:5000メートル13分47秒97。1万メートル29分07秒06。テレビでお笑い番組や映画を見ることや、得意なバレーボールの授業で体を動かすことが息抜きとなっているそうです。クリスマスに欲しいものは「休み」。箱根で改心の走りを見せ、その後は地元に帰省してゆっくり過ごしてほしいですね!

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