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競走部

2018.12.20

【連載】箱根事前特集『起死回生』第8回 宍倉健浩

 昨年は関東学生対校選手権(関カレ)や日本学生対校選手権(全カレ)に出場した宍倉健浩(スポ2=東京・早実)。昨年の秋ごろの故障から、今年の夏ごろまで満足に練習が詰めておらず、苦しいシーズンになった。一時はモチベーションの低下もあったが、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)の出走できるまでに復活し、東京箱根間往復大学駅伝(箱根)に向けてトレーニングを積んでいる。初の箱根出走にむけて今の思いを伺った。

※この取材は12月5日に行われたものです。

「モチベーションがなかった時期もありました」

真摯(しんし)に質問に答える宍倉

――現在はどういった練習をしていますか

上尾(上尾シティマラソン)の時に右足の大腿骨に不安があったので1週間休養をとったのですが、そこからは集中練習に入ってみんなと同じように練習をつめています。

――順調に練習はこなせていますか

そうですね。集中練習はメニューは全てこなしていて、自分で夏合宿にできなかった分、距離を増やしたりしています。距離を踏んでケアしながらやっています。朝練でみんなよりプラス、2キロから4キロほど多く走っています。

――自分で考えて練習をしているのですか

ポイント練習自体は相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)から出されている練習メニューなのでしっかりこなして、朝練でのプラスは自分で考えてやっています。

――春シーズンを振り返って

今年1年間通して、体調不良やケガを繰り返してしまって正直ほとんど何もしていなかったので練習も積めなかったですし、大会も出ませんでした。春は記録会に出たってきりでその時も記録が出たわけではないので、苦労した1年だったと思います

――課題はありましたか

ケガがどうしても多かったので距離だったり、大学の質の高い練習に対応できていなかったのがあります。やはり今もそうですが長い距離に対応する練習もそうですし、本番でも距離が増えた時の自分の体力などに今の課題があると思います

――ケアの部分で工夫していることはありますか

自分の祖父がもともと自分で治療していたので、治療の器具、電気治療器があったので実家からこっちに持ってきていて、それで自分でケアをしています。

――効果はあらわれていますか

電気を流して、筋肉をほぐすのもので、マッサージと同じようなもので、マッサージをやる代わりに電気で行うといったかたちです。

――ケガの時期のモチベーション管理はいかがでしたか

モチベーションの維持か一番難しかったです。モチベーションがなかった時期もありましたが、それじゃ良くないなと思いました。トラックシーズンはもう厳しいと思っていて、その時に駅伝シーズンで自分がどうしたいかというのを自分でイメージして、そのために逆算して、今何が必要かを考えて、今できることをやろうと思いながら過ごしていました。

――イメージトレーニングのようなことですか

イメージトレーニングというのか分からないのですが、先のことというか自分が直近で目標にしていることであったり、出たい大会のことをずっとイメージしてそのために何ができるかを考えていました。

――他の人からアドバイスなどはもらいましたか

同じように夏合宿に行かなかったメンバーと4年生だったら永山さん(博基、スポ4=鹿児島実)、3年生の大木さん(皓太、スポ3=千葉・成田)だったり真柄さん(光佑、スポ3=埼玉・西武学園文理)もいたので現状を確認しあって今出来ること一緒にジョグをしながら話していました。

――夏は寮でトレーニングをされていたのですか

そうですね。2次合宿は菅平、妙高には行きましたが、ほとんど走れなくて、1次と3次はこっちでやっていたのでずっと軽いジョグだったり補強だったりを行っていました。

――Bチームの練習にも参加されることがあったと思いますが、何か得られたものはありましたか

やはりAチームとBチームで練習の質と量が全然違いました。BチームはBチームなりに箱根に向けて質を落として量を多くした練習など、雰囲気もAチームは他大学のことを意識するのですが、Bチームは1番身近にいるAチームを意識します。目指すべき目標がすぐ近くにいたので、Bチームの雰囲気はすごい良いと感じていました。Aチームは良くも悪くも自分で考えてやる人が多いのですが、BチームはみんなでAチームを倒すというチームの雰囲気がすごくあってそこはすごい刺激になりました。大学に入ってきて初めてBチームに行って合宿を過ごしましたがすごい新鮮でした。

――それはAチームに戻ってから生かされていますか

そうですね。Aチームにしかいなかった頃はすごい視野が狭かったなと感じています。BチームはBチームなりにすごい考えてやっていて、どうやったらAチームに勝てるかとかやっていました。そっちで得られたものは今も自分の中で意識してやっていることです。Aにいた頃とは違う自分になったのかなと思います。

――夏を振り返って一番成長した部分はありましたか

夏が明けてから9月、10月の時に自分で意図的に距離を踏んだのですがそこで長い距離への抵抗がなくなりました。上尾もタイムは良くないですが、感覚はすごい良くて、20キロに対しても抵抗があるわけではないので、秋シーズンで自分が振り返って成長した点だと思います。

――ケガからの復活にはどういった要因があると思われますか

そうですね。自分は夏終わった時に出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)はメンバーが決まっていましたが、全日本には厳しいかなと思い、箱根一本にしぼろうと考えていました。その時に、駒野亮太長距離コーチ(平20教卒=東京・早実)にまだ全日本は間に合うという話をしていただいて、それでもう一度全日本も視野に入れて考えて練習してみようと思ったのが一番のきっかけです。そこから全日本にどう間に合わせるかを考えて自分の中で全日本で走れるために必要なことを考えた時に夏合宿で一番距離を踏まなきゃいけないなと思ってそこから練習量を増やしてかなり意図的に練習していたのでそこでみんなと同じような練習ができるようになりました。そこが復活のきっかけでした。

――駒野コーチの助言が大きかったのですね

そうですね。あの時はあまりモチベーションがなく、箱根も4カ月ぐらいあったので意識しにくい目標でしたが。駒野コーチから全日本を目指そうという話をしていただいて、2カ月先の直近の目標が自分の中でできてそれがすごい自分の中できっかけで復活の第一歩でありました。

――出雲前のケガも同じ部分のケガでしたか

7月から9月はずっと同じケガで去年の大腿骨を折ってからは、他にもいろいろなところをケガしたのですが、夏合宿の時に膝を痛めてそこから2カ月程度膝のケガをしていました。

――質問したケガがなければ出雲の出走はありましたか

そうですね。自分はどちらかというと5000メートルメインでやってきて、出雲は得意としている距離でした。今年は出るだけじゃなくて勝負していこうという気がありました。ただ一次合宿の時に膝を痛めてから治りが遅くて、出雲は厳しいかなと思い始めて諦めて全日本に向かおうと思いました。

「(全日本2区区間13位は)実力の問題だった」

全日本では2区に抜てきされた

――走れるようになったのはいつ頃でしょうか

9月末ですね。

――全日本に区間エントリーされた時の気持ちは

期間は短かったのですが、自分でやるべきことはやれたと思っていたので、去年と違って出来ることは全てやってエントリーされたので納得がいきました。エントリーされて当然という気持ちでいましたが、2区というエース区間になると思っていなかったのでそこだけは自分の中で抵抗がありました。ただ来年以降を考えるとエース区間で勝負しなければいけないので、今年はうまくいきませんでしたが良い経験になったと思います。

――全日本の時は状態として何割ぐらいまで戻っていましたか

あの時の状態から言ったら、調子は良かったは良かったですが、夏は練習していなかったですし、練習期間も少なかったので、今の状態から考えると6、7割でした。そこから今順調に練習を積めて、箱根には合わせられるので箱根は良い走りが出来ると思います。

――総合15位の結果に関してはいかがですか

エースの永山さん、太田さん(智樹、スポ3=静岡・浜松日体)が出れなくて、チームの状況的に厳しい部分がありましたが、中谷(雄飛、スポ1=長野・佐久長聖)頼みの走りに、なってしまいました。中谷だけが頑張って結果が出ずにずるずるといってしまいました。みんなが目指すレベルをもう1段階上げなければならならないのかなと思っていて、あの時に自分も含めて他大と比べた時にレベルが劣っていたというのがありました。そこで自分が任された区間で区間、3番、5番というのは目指さなきゃいけないと思います。まずそのレベルにいなかったので実力の問題だったのかなと思います。

――チームとしてどういったことを話されましたか

出雲、全日本が終わってから箱根まで2カ月しかなくて、4年生はそこで終わりです。4年生からはこの2カ月本気でやらないと同じような結果になるし、残り2カ月それぞれが変わるための何かを考えてやれという話をしました。それでみんな考えて今できることをやっているのかなという印象です。

――雰囲気はどうですか

全日本に出たメンバーはそれなりに良いと思います。ただ出た人と、出ていない人で雰囲気に差があったのかなと正直感じていました。その中でマネジャーの井上さん(井上翔太マネージャー、スポ4=愛知・千種)から檄を飛ばされたりして、最近は良い雰囲気になっています。全日本が終わった直後は箱根に向けてもやもやした感じがありましたが、今は全員がまとまって箱根を目指してやっている感じです。

――全日本のあとはケガをされていましたか

ケガというわけではありませんが、去年左足の大腿骨を疲労骨折して、その時と似たような感じの違和感が出てきてしまいました。去年はそこで無理して疲労骨折してしまったので大事をとって2週間休養に当てました。

――上尾は自分のリズムは崩さず走れましたか

14キロぐらいは感覚がすごい良くてこのままのペースならしっかり走れるなという感覚は掴んでいました。差し込みがきてそこからペースを落としてしまったので上尾の課題としては差し込みの原因を考えて箱根の走りにつなげるために万全の準備をしていきたいなと思っています。

――差し込みは原因はどう改善していきたいですか

今自分が考えているのが背中と腰のあたりまで筋肉がつながっていてそれが引っ張られているのが一番の原因と考えています。試合前と練習しているとどうしても上半身と背中ではなくて足のケアに気を使うのですが、試合前はそういうところまで入念にケアをしようかなと思っています。

――清水歓太駅伝主将(スポ4=群馬・中央中教校)はいかがですか

キャプテンらしさはなった当初はあまり感じていませんでした。ただ、歓太さんが一番真面目でみんなよりも練習しますし、練習量も人より多くやっていて気持ちがぶれずに結果を出す姿勢が、キャプテンとして練習面で引っ張っていると思います。歓太さんは普段はすごい面白くてノリもいいのですが、スイッチが入るとしっかりいうことも言っていただきますし、切り替えの部分でしっかりされているなという印象があります。

――今年は強いルーキーも入学しました

後輩にすごい負けたくないなという気持ちがあるので刺激になっています。中谷だったり千明(龍之佑、スポ1=群馬・東農大二)だったり、自分がこの前一万も負けましたが、実力的に自分よりも上の選手が1個下にいるのは刺激になっています。負けたくないなと気持ちがあるからこそ、普段の練習でも勝つためにどうすれば良いかを考えてやっています。

「良い緊張感があってむしろ楽しめる」

上尾ハーフで初めてのハーフマラソンに挑戦した

――箱根に向けて心境の変化はありますか

集中練習が始まって、もうすぐ箱根が始まるんだなという実感が湧いてきました。それは練習の内容や緊張感も箱根が始まるなという雰囲気が出てきました。必然的に箱根で戦うためにどうするかというのは考えたりしています。

――雰囲気も良いのですね

そうですね。箱根に向けてどう戦いたいというのが明確になってくる時期なので、みんなライバル意識を持って良い雰囲気になっています。

――希望する区間はありますか

自分の任された区間を走り、どの区間でも3番以内を走るのが一番の目標です。全日本もそうでしたが自分の想像とは違う区間になることもチームの状況であるので、そうなった時にはしっかり対応できるようにしたいです。

――チーム内での役割を教えてください

今年はまだエースといえるレベルではないのでつなぎ区間といいますか、つなぎの役目でも他大にしっかり勝つのが重要なのでただつなぐだけじゃなくて自分の任された区間でアドバンテージを取るのが大切だと思います。

――箱根を走る上で自身が考えている課題はありますか

今までも課題でしたが、距離が伸びるほどタイムを落としてしまうのでそこを箱根の時はどう粘るかというのが大事なのでそこに向けて距離を増やしていますし、練習後にプラスアルファの流しを入れたりして、課題克服をはかっています。

――精神面で克服したいことはありますか

去年は全日本前に練習を積めていなくて、出ること自体が不安でしたが、今年は全日本も箱根も今出来ることをやってきたという自信があるので緊張はしますが良い緊張感があってむしろ楽しめるのかなと思います。

――箱根に向けての意気込みを教えてください

チームの目標が総合3位以内なので、そこで3位以内に貢献するために任された区間を走りたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 喜柳純平)

走っている顔にも注目して応援しましょう!

◆宍倉健浩(ししくら・たけひろ)

1998(平10)6月19日生まれ。170センチ、52キロ。東京・早実出身。スポーツ科学部2年。自己記録:5000メートル14分04秒54。1万メートル29分17秒12。最近食べた美味しかったものはホテルニューオータニのスーパーモンブラン。現在の調子は上向きという宍倉選手。初の箱根でも活躍に期待がかかります!