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ア式蹴球部

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2018.12.23

【連載】全日本大学女子選手選手権直前特集 第5回 河野朱里×山田彩未×山田仁衣奈

 今回登場するのは、FW河野朱里(スポ4=静岡・藤枝順心)、FW山田彩未(スポ4=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)、FW山田仁衣奈(スポ3=大阪・大商学園)の3人。FWとして勝利に貢献してきた3人に、シーズンの振り返りからインカレへの意気込みまで幅広く語っていただいた。

※この取材は12月20日に行われたものです。

「関東で結果を出せなかったのはチームでも課題がある」(山田仁)

大事な場面で得点を決めることも多かった山田仁

――関東女子リーグ戦(関東リーグ)と関東大学女子リーグ戦(関カレ)を振り返ってみていかがですか

河野 関東リーグは、全部で1敗1分けでした。前期にメニーナ(日テレ・メニーナ)に負けました。前期自分たちがなんとなく勝ててしまったという危機感があった中で、あれだけ完敗したのは自分の中ですごく刺激になったというか、良い機会になった試合だったと思います。関東リーグの後期は、負けはしなかったけど試合の中で波がつくれなかったなと思っていて、結果的には負けずに試合を重ねられたのは、関カレとかインカレ(全日本大学女子選手権)に向けて自信につながる時間だったのかなと思います。関カレに関しては、毎年2位っていうのがチームとしても変えたい結果である中で、また2位になってしまって情けないというか、自分たちの代でも変えられなかった悔しさがありました。帝京平成大に負けて、日体大に引き分けで、試合の内容で言うと帝京平成大はすごく走ってくるチームなのでフィジカル面で負けたというのがありますし、日体大に関しては崩し切ることができなくて技術面がはっきり出たので、良い反省材料が見つかったなと思います。

山田仁 関東リーグは、前期は結構良いかたちで入ることができて、結果として10連覇できたのはすごく良かったと思います。後期はどんどん課題が出てくるのに自分たちで変えられないという状況が続いていて、関カレが始まって山梨学院大戦でうまくいかなくて、相手がワセダのサッカーを分析して対戦してくる中で、自分たちが関東リーグとかで出てきた課題を上手く消化できなかったという部分で、関カレでは課題が残ったと思います。1敗1分けで2位だったんですけど、インカレ4連覇がかかっている中で、関東で結果を出せなかったのはチームでも課題があるし、関カレで感じたことや課題をしっかり考えてインカレに向けてやっていきたいと思います。

山田彩 関東リーグの前期は、相手チームもあまり完成していないというのもあると思いますし、自分たちが波に乗れる部分もあったので勝ち切れたのかなと思います。後期になると、2人が言ったように、分析されたりとかこっちも考えすぎて上手くいかなかったっていうのが課題でした。関カレに入って、課題が残ったままだったので試合に上手く入っていけなかったりしたり、ずっと分析され続ける中で点が取りにくくなって、最初に比べると大量得点とかはできなくなってきたなっていう印象がありました。1敗2分けの時に、チームでしっかり考えて課題も見つけて、どうするかっていうのを見つけたつもりではあるので、インカレではさらに分析されたうえでも進化して勝てるようにしたいと思います。

――皇后杯は2回戦敗退となりました。いかがでしたか

河野 ベガルタの試合(2回戦)は、正直勝ちたかった試合でした。セットプレーであっさり2点決められてしまったので、試合直後は全然負けた感じがしなかったというか、どうして負けたかという具体的なものが分からなかったので、受け入れられない部分がありました。結果的に負けてるし、ポゼッションも相手の方が上だし、試合を俯瞰してみると負けて当然だなと思いました。自分としても全然前で(ボールを)おさめられなかったし、起点をつくれなかったから攻撃ができなかったし。守備ができなかったわけではなく、自分が前でできなかったから点が取れなかった。去年はINAC神戸戦でジャイアントキリングを起こせたから、周りもすごく期待してくれているのは分かっていたんですけど、何もできなかった悔しさとシンプルに試合として何もできなかった悔しさが印象に残っています。

山田仁 実際戦ってみて、去年はINAC神戸戦の延長15分間だけ出場する機会があって、そこでなでしこ1部のうまさを感じました。その中で、ベガルタと対戦するとなった時に、去年の経験もあってわくわくしていました。自分たちが要所要所でやれる部分もあったし、シュートまでいけた部分もあったんですけど。負けた時は負けた実感がなくて、「これで皇后杯終わったのか」という感じだったんですけど、帰りの新幹線で試合の映像を見た時に、細かい部分でもなでしこ1部との違いをすごく感じたので、そこで実感が湧いてきました。そのレベルにア女も上げていきたいなというのはすごく感じました。

山田彩 私はベガルタ戦からベンチに入ったんですけど、正直初戦は映像でしか見られていないので。2回戦目になって、自分たちに確認して「この人がセットプレーは強いね」っていうのを確認した上で臨んでいたんですけど、2点とも同じ選手に同じかたちで決められてしまったのが印象に残っています。分析していてもそれを超えてくるうまさや強さっていうのがなでしこの選手にはあるんだなと印象に残りました。私は実際にピッチに立ったのは最後の方なんですけど、何回かシュートを打てるチャンスがある中で、シュートと言えるシュートを打てなくて…。自分たちの強みであるコーナーキックも全然取れなかったのが攻撃陣としてのふがいなさは感じました。

――河野さんはINAC神戸への入団発表がありました。神戸を選んだ理由を教えていただけますか

河野 やっぱり攻撃的なプレースタイルが特徴的なチームだからです。元々試合を見ていてもすごく面白いチームだなと思ったし、自分はFWなので攻撃を中心にするチームがいいなとチームを探す上では軸としてあったので、入団する機会をいただけたので、レベルが高い中でも挑戦したいと思って選びました。

――一緒にプレーをするのが楽しみな選手はいますか

河野 練習会に行ったんですけど、その時は代表選手がいらっしゃらなかったので分からないのですが…。高校の時に杉田(MF杉田妃和、INAC神戸)と一緒にやっていたので、またレベルの高いところで一緒にやれるのは楽しみです。

「(河野は)チームの流れを変えてくれるっていうでかい存在」(山田彩)

真剣に取材に応じてくれた山田彩

――次にお互いのプレーの印象について伺います。まずは河野選手の印象からお願いします

山田仁 これ褒めちぎるやつかな(笑)。

山田彩 褒めちぎっちゃおう(笑)。

河野 いや褒めちぎらないで(笑)。

山田仁 FWの選手なんですけどめっちゃうまい(笑)。なんていうか全部できる。パスも展開のボールとかもクロスの精度とか、もちろんFWとしてのシュートセンスもあるし、ここで決めてくれるっていう期待と安心感がすごい強いです。

山田彩 1年生の頃から見ていてゴール前の嗅覚がすごいなって思っていて、一つ一つ細かい動き出しがあるからシュートを決められるんだろうなと思っています。あとは仁衣奈と一緒で一個一個のパスとか落としとかの質が全然違うなって、みんながやりやすいようにパス出せるし、しっかりキープしてチームの流れを変えてくれるっていうでかい存在です。

――山田仁選手の印象をお願いします

河野 FWらしくない選手で、相手をバカにするようなボールタッチがすごいうまいイメージがあります。体幹が強い選手とか体でキープする選手とかはよくいると思うんですけど、そういった選手とはまた違って、体を当てながらそれをエネルギーにして違うステップをしたりとか、相手と真逆の方にタッチしたりとか、ボールを扱うのがすごいうまくて、中盤でボールを持っていてもまあ奪われないだろうなと信頼してますし、自分の動きの感覚を分かってくれている部分もあるので、すごいやりやすい選手です。

山田彩 いなすようなプレーが印象的で、2枚とかでいってもスルスルって抜けていってキープできるイメージで、やばいなっていう状況でも全然取られないのがうまいなってところです。今年は一緒にプレーする機会があまりなかったのですが、この間一緒にプレーした時に、縦のスペースを見てくれたりとか、自分とか人だけでなくてスペースや相手を見ながらパスを配給できるといううまさがあると思います。

――山田彩選手の印象をお願いします

河野 最初の方のイメージはボールを追いかけ回して体を張ってキープして点をとるっていうプレーが中心だったと思うんですけど、4年になってから特に思うのは自分1人で点を取れる動き出しがすごいうまいなって思います。FWはゴールが一番近いポジションだからゴールを目指すのは当たり前なんですけど、1人で目指すのはすごい難しくて、動き出しのタイミングだったり、相手と1対1になっても寄せさせないようなプレーは彩未の独特のプレーで、タイミングのはかりにくいところでシュートを打つのはすごくうまいなと思います。

山田仁 彩未さんはやっぱりシュート力が男子じゃないかって思うくらい本当にすごくて、自分じゃ絶対真似できないんですけど、欲しいなって思います。毎回シュート練、ゲバ(紅白戦)の時とか「それ決めるの!」ってシュートがもう素晴らしいです。本当に真似できないから羨ましいです(笑)。

河野 仁衣奈には無理(笑)。

山田仁 朱里さんも無理だと思うよ(笑)。

――他にやってみたいポジションはありますか

山田仁 GKやりたい。GKかっこよくない(笑)。たまに弾丸のシュートとかを片手で軽く止められたりするので、どんな感じなのかなっていう感覚が知りたいです。

河野 自分はないです。自分は基本FWにいたらどんなポジションにも入っちゃうので、あまりポジションにこだわらない、というかこだわらなくてもいいチームをみんなが作ってくれているので、基本的にないです。

山田彩 特にないかな(笑)。

河野 DFラインの人は攻撃したいだろうから、前線やりたいっていうだろうけど。

山田仁 DFの面白さが分からない(笑)。

山田彩 なんか尊敬してるよね。

河野 やっぱ感覚が違う。

「プレッシャーを感じず楽しくプレーするのがインカレの醍醐味」(河野)

エース河野。インカレでも活躍が期待されている

――インカレはご自身の中でどういう存在ですか

河野 大学女子サッカー界で言ったら、一番重視されるのもインカレだし、注目されるのもインカレです。男子だったら関東大学リーグ戦が一番評価されて、自分たちはインカレっていうのはトーナメントだからその分緊張もするし、ワンプレーがすごく重いなというのは思います。それを逆に感じずに楽しくプレーするのが、自分的にはインカレの醍醐味というか、(プレッシャーは)あるけど楽しくやっちゃうみたいなところが自分は好きなスリルなので、インカレは楽しいです。勝手にチームが1試合ごとにまとまっていく感覚があるのもインカレ独自のものなので、それを感じられるのはすごく楽しい大会です。

山田仁 自分は、今年になって出場する機会が増えて、去年だとインカレの1、2回戦は出場する機会はあったんですけど、西が丘でプレーすることは無かったです。今年出場する機会が去年よりはある中で、今まで3連覇してきた先輩方のプレッシャーもそうだし、(試合に)出ることに対しての重みを感じます。今はもうすぐインカレなんだっていう実感はあんまり無いんですけど、自分にできることを最大限やっていきたいです。自分も結構トーナメントは好きで、リーグ戦とは違って一回の勝負なのでそこは楽しんでやっていきたいです。

山田彩 「集大成」という感じです。1年を通して最後にやる大会なので、チームとしても個人としても締めくくりというイメージです。個人的には、1、2年生でベンチに入って、3年生でまた外れてという感じだったので、あまりインカレに対してピッチやベンチでチームに貢献できていない大会なんですけど、一戦一戦勝っていくごとにチームが少しずつ最後だからこそよりまとまっていくというか、勝ちにこだわる部分で強さが出てくるのが好きです。

――インカレでキーマンはどなたになると思いますか

山田仁 みんな朱里さん(河野)とかさつさん(DF三浦紗津紀、スポ4=浦和レッズレディースユース)とかを挙げていたと思うんですけど、それはみんなが期待しているということで。自分は、すごくしおさん(MF熊谷汐華主将、スポ4=東京・十文字)がキーマンだと思います。キャプテンで、この1年間はつらいことがすごく多かったと思うんですけど、最後のインカレに向けてしおさんの気持ちの入ったプレーはワセダを勝利につなげてくれると思います。

山田彩 真帆(MF村上、スポ2=東京・十文字)で。スタメンで出ている中でも2年生だけど、負けず嫌いっていうのが存分に出ていると思います。勝負所でしっかり体を張ってくれたり、攻撃だけど前線の守備は怠らないし。あの鋭い左足のえぐるようなシュートを期待しています。

河野 じゃあ有紀(DF中田、スポ3=兵庫・日ノ本学園)で。

山田仁 じゃあって(笑)。

一同 (笑)

河野 有紀は、メニーナ戦(関東リーグ最終節、〇1-0)でもDFらしくない得点を決めてくれたからディフェンス面でももちろん信頼を置いてますけど、アシストとかああいうシュートとかを見せてくれたら、結果的にも助かりますしFWが焦りが出てくるのが良い刺激になるし、チームも盛り上がると思うので有紀に期待しひています。

――最後にインカレに向けて意気込みをお願いします

山田仁 ワセダは4連覇をかけて今年は入っていくんですけど、チャレンジャーとして臨みたいという気持ちが強いです。一戦一戦しっかりと向き合って、4連覇がしっかりついてくるようにしたいです。個人的には、今までで一番プレーで貢献できる立場にいて、FWなので得点を決めてチームの勝利に直接貢献したいです。課題で守備に力を入れているので、誰よりも走って頑張りたいと思います。

山田彩 ピッチに立てるかまだ分からないんですけど、立ったからには10分でも5分でも、交代して価値のあった人間だと思われるように出し切りたいです。期待をしてくれた人がすかっとするようなシュートを決めたいと思います。

河野 インカレは、どの大学も実力以上のものが出ると思います。今まで関東リーグや関カレでやってきた大学も全く違うものだと思って挑むので、今まで(早大が)3連覇しているとか考えると浮足立ってしまうと思うので。自分としては、周りと比べるよりは自分のチームをしっかり整えて大会に参加する1チームだという認識を持って挑むつもりです。個人としては、もちろん点は毎試合取る気持ちで挑みますし、得点が取れなくてもプレーで引っ張ることを目標にして1年間やってきているので、どんな試合状況でもその目標は変わらないので、見ている人に伝わるようなプレーをしたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 菅沼恒輝、下長根沙羅)

インカレへの意気込みを書いていただきました!

◆河野朱里(かわの・じゅり)(※写真中央)
身長160センチ。静岡・藤枝順心高出身。スポーツ科学部4年。FW。エースストライカーとして、早大を勝利に導いてきた河野選手。「プレーでチームを引っ張る」という目標を立ててこのシーズンを戦ってきたそうです。インカレでも得点を量産してくれるでしょう。色紙には「勝利」と書いてくださいました。

◆山田彩未(やまだ・あみ)(※写真右)
身長164センチ。ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18出身。スポーツ科学部4年。FW。途中出場から流れを変える役割を担うことが多かった山田彩選手。「交代して価値のあった人間だと思われるように出し切りたい」と意気込みを語られていました。色紙には「自分らしく」と書いてくださいました。

◆山田仁衣奈(やまだ・にいな)(※写真左)
身長165センチ。大阪・大商学園高出身。スポーツ科学部3年。FW。今季先発出場の機会も増えた山田仁選手。インカレでも山田仁選手の鋭いシュートに期待です。色紙には「体現」と書いてくださいました。

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