ハンドボール部
2018.11.08
【連載】インカレ直前特集『彩』 最終回 全日本学生選手権女子展望
学生の頂点を決める大会、全日本学生選手権(インカレ)が11月10日から大阪の地で開幕する。高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)が何度も口にしてきた今年の目標、『日本一』――。その夢を叶える時がきた。
オフェンスは富永穂香(スポ4=東京・佼成学園女)の復帰で攻め幅が広がった。キレのあるフェイントで切り込んでいき、関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)筑波大戦では劇的な勝利に大きく貢献。さらに強烈なミドルシュートが武器の吉田瑞萌(スポ2=東京・佼成学園女)は、秋季リーグで安定した得点力を発揮し、早大では史上2人目の得点王に輝いた。この両45の躍動はインカレでの勝利に欠かせないだろう。サイドの杉山瑞樹(社3=神奈川・横浜創英)はエース吉田が「キーパーを見て確実に入るところに打つ」と太鼓判を押す巧みなサイドシュートでゴールネットを揺らす。攻撃に欠かせないポストは島崎愛(社4=熊本国府)の出場が濃厚だが、紅林詩乃(スポ1=東京・佼成学園女)も控えているため、プレースタイルの違う2人はどんなディフェンスにも対応可能だ。秋季リーグ中盤からセンターを任されている伊地知華子副将(社4=宮崎学園)は周りを動かすだけでなく、自らも積極的にゴールを狙っていく。春から急成長を遂げたオフェンスは一瞬も目が離せない。
富永は相手ディフェンスを翻弄する
早大の安定したディフェンス陣を統率するのは、誰よりも『アツい』主将・高田だ。チームを鼓舞する声かけに加え、3枚目の攻撃的なディフェンスは相手にプレッシャーをかけ続ける。さらに、久保涼子(スポ4=群馬・富岡東)も相手の隙を虎視眈々と狙っている。すかさず攻撃の芽を摘み取り、電光石火の速攻につなげたい。最後のとりでとしてゴール前に立つのはキーパー北村早紀(スポ3=群馬・富岡東)。ピンチの場面で光るキーピングは相手の攻撃陣を沈黙させる。秋季リーグでより完成度が増した守備から流れをつかみ、早大のテーマである『ディフェンスから速攻』を体現できるか。また大型ルーキー阿部美幸(スポ1=東京・佼成学園女)に加え、要所の出場で流れを呼ぶ江島朋夏(スポ4=東京・佼成学園女)、鳥平知穂(スポ4=大阪・四天王寺)ら頼れる4年生らも控えている。秋季リーグ中盤でケガで離脱した金庭亜季(社4=群馬・富岡東)も出場の可能性を残しており、総力で連戦を戦い抜く準備はできている。
指示を出しチームを統率する高田
初戦で早大と相まみえるのは福岡大だ。主将の高田をはじめ、九州出身の多い4年生はこの試合に懸ける思いは一際強い。まずは落ち着いて自分たちのプレーをすることに集中し、初戦を突破したい。2回戦で当たるのは関学大と富士大の勝者。関学大との対戦となれば、同点に終わった早関定期戦の決着をつけることになる。3回戦は東海大が勝ち上がってくるか。春秋のリーグ戦ではいずれも敗戦を喫しているが、何度も対戦し特徴を知っている相手。早大にも十分に勝機はある。順調に勝ち上がり、優勝候補筆頭の女王・大体大との一戦を迎えたい。
チームワセダ全員で『日本一』を懸けた戦いに挑む
1年の集大成であるインカレ。4年生にとっては、ワセダでの戦いの最終章だ。「全力で戦って、全力で楽しんで、『日本一』に」(高田)――。個々の力、それぞれの持つ色を織り交ぜ、ワセダセブンが大舞台を彩る。
(記事 宅森咲子、写真 林大貴・小松純也・宅森咲子)