ハンドボール部
2018.11.07
【連載】インカレ直前特集『彩』 第5回 高田紗妃主将×伊地知華子副将
第5回は高田紗妃主将(スポ4=福岡・西南学院)、伊地知華子副将(社4=宮崎学園)の主将・副将コンビです。ハンドボールから私生活についてまで、たっぷりと語っていただきました!
※この取材は10月19日に行われたものです。
「(筑波大戦は)本当にチームが一つになった試合」(伊地知)
仲間想いの伊地知
――まず関東学生秋季リーグ(秋季リーグ)の振り返りをお願いします。チームとしての戦いはいかがでしたか
伊地知 一言で言ったら『春よりも解決しやすい課題が残る試合』というか。何と言ったらいいかね?
高田 勝ちにしろ負けにしろ、明確な課題が出るような試合運びができていたのかなというのは感じましたね。春だったら「頑張りが足りない」とか「コミュニケーションがない」とか大雑把な課題しか出なかった部分が、「ディフェンス、オフェンス、こういうところを気をつけたら勝てるよね」というところまで、秋リーグはプレーに対する明確な課題が出たかなと思います。
――個人としては振り返っていかがですか
高田 春は大学のデビュー戦というところもあり、緊張もあり、ゲーム勘もなくというところだったんですけど、秋リーグは自分のプレーにも余裕がありましたし、周りに気を配るだったり、声かけをするというところでも余裕を持ってプレーできたなとは思っていますね。
伊地知 秋リーグで、金庭(亜季、社4=群馬・富岡東)がケガをして途中から出ることになったんですけど、周りのメンバーとの差を途中から入ってきた自分が埋められなかったなというのが反省です。うまく入り込めなかったなと。
――春に比べて良くなったところはありましたか
伊地知 ミスの原因が明確になりました。春だったら単純なパスミスとかが多かったんですけど、秋リーグはディフェンスにカットされるミスとか、自分の入りが甘かったからカットされたんだなというミスとか、反省しやすいミスだったと思います。
高田 自分はシュートチャンスがある試合もあって、そこでしっかり決められたというのは良かったところかなと思います。
――関東学生春季リーグ(春季リーグ)に比べて1試合の平均得点が上がりましたが、オフェンス面に関しては感じたことはありましたか
高田 「春に比べたら良くなった」とは、どの方からも言われるんですけど、周りのチームと比較してみるとオフェンス面はまだまだな部分が多々あって。でもやっぱりコミュニケーション能力が上がったり、きっかけの大事なところがチームで共通理解できていたから得点力アップというところにつながったなと。もう一つは個々のスキルが上がったという部分で、吉田(瑞萌、スポ2=東京・佼成学園女)、富永(穂香、スポ4=東京・佼成学園女)を中心に決めてきてほしいところでしっかりと決めてきてくれました。春だったらふかしていたり、キーパーにぶつけていたりという部分を、しっかり耐えてシュートコースを狙って打てていたのでそこは得点力が上がった要因の一つかなと思っていますね。
――この1年を通して一番印象に残っている試合は挙げられますか
高田 私は早関戦(早関定期戦)(△17−17)ですかね(笑)。ノーマーク2本外したりとか、自分の中で最悪な状況だったので。逆にあの試合があったことが自分の中では良かったなと思っています。自分の最悪なところが全部出た試合だったので、どこを修正しないといけないかとか、アウェイに行って試合をするのは初めてだったので大阪インカレ(全日本学生選手権)のことを見据えても、関西の笛に対してどうすれば良かったかなとか。自分の個々のスキルとしては、ノーマークになった時に全然決められないところが明確に出たので頭が整理できたのは関西遠征が一番かなと思っています。
伊地知 筑波大戦(◯24ー20)ですかね。「最後なんだな」と一番実感したのが筑波大戦で。最後の秋リーグの初戦、「このリーグでラストリーグだ」と思って挑んで、個人的には本当にチームが一つになった試合なんじゃないかなと思っていて。一本一本のシュートがすごいうれしかったし、自分はスタートで出てなかったんですけど自分が出ているつもりですごいうれしかったし、ベンチと中の人たちの連携がすごい取れている試合だったなと思って。
――筑波大戦は涙される姿も見られました
一同 (笑)
伊地知 出てないくせにベンチで「うぅー(涙)」みたいな(笑)。
高田 そうなんですよ(笑)。
伊地知 後から考えて笑える、みたいな感じだったんですけど。めっちゃ恥ずかしくて(笑)
高田 めっちゃ泣いてるやんみたいな(笑)。
伊地知 ベンチの方が泣くっていう(笑)。25分くらいから、ちょちょちょちょーみたいに(涙が)出てきて、「やばいやばい」みたいな(笑)。なんか自分が出れなくて悔しいという気持ちより「本当に頑張ってくれ」みたいな気持ちが一番強かった試合が筑波大戦でした。
――高田選手は主将、伊地知選手は副将という立場で挑まれた一年でしたが意識されていたことなどはありましたか
高田 自分が復帰明けだったというところもあり、3年間ずっとやってなかった中で復帰してすぐ主将をしないといけないという立場で、やらなきゃいけないことは多かったんですけど、今自分を優先するべきなのかチームを優先するべきなのかという優先順位は付け間違えないようにしようと気をつけていました。チームにとって何を一番に優先しなきゃいけないのかというところだけは間違えないように常に意識して1年間取り組んできたかなと思っています。
伊地知 私は全然副キャプテンの仕事とかしてないんです(笑)。なんかキャプテンがやってくれてるし、私的には周りの4年生もみんなが副キャプテンみたいな感じで思っていて。だからイメージ的にはキャプテン1人、みんな副キャプテンみたいな。
高田 雑ー!(笑)。
伊地知 っていう気持ちだったんですよ。言ってくれる人もちゃんといるし、私の出る幕とかも特になくみたいな。逆に私は言えない分、言ってくれてる人に対してフォローするみたいなことが多くて、そこはバランスが取れるようにしていました。(言ってくれる人が)言い過ぎて(私も)言うんじゃなくて、(言ってくれる人が)言い過ぎたらフォローするとか、そういうところは意識した気がします。
――今年から監督が宇野譲監督(平19人卒=熊本・済々黌)に変わりましたが何か変化はありましたか
高田 私はだいぶ変わったと勝手に思っています。脇若さん(正二前監督、昭50教卒=岐阜・加納)はずっと前から監督をやられていて、女子部になっても10年間やられていたので自分の中での監督のプランというか自分の監督が出来上がっていた方でした。なので今までは脇若さんが考えるゲームやチームビルディングに対して上級生がどうするかという、監督と最上級生の関係性で毎年のチームがつくられていたんですけど、今年はまっさらな状況で。宇野監督は今まで監督をされていてこちらに来られたということじゃなくて、初めての監督だったので、自分たちもどう監督と接していくかということを考えましたし、たぶん監督もどうやって自分の監督をつくりあげるかというところで必死だったとは思うので、お互いに協力し合いながらという感じでした。自分たちも監督をフォローするし、監督も監督として初めて選手たちをフォローするというところで協力し合いながらつくり上げたチームなんじゃないかと思っています。
伊地知 ちょっと上からだったら申し訳ないんですけど、(監督に)委ねすぎないというか、割り切って「自分たちでやるんだ」という気持ちで案を出して監督に最終判断をしてもらうみたいな感じだったので、今までと比べて本当に学生主体というチームだなと思いました。
ハンドを始めたきっかけは?
お互いの印象について語る高田(左)と伊地知(右)
――では、お2人がハンドボールを始めたきっかけを教えていただけますか
高田 私は幼稚園から小学校までずっと男の子と混じりながらサッカーをやっていたんですよ。それで中学受験をして私立に行って、サッカー部の先生とも知り合いだったので「入っていいよ」ということで男子サッカー部に入ることもできたんですけど、男子サッカー部は高校から女子が出れないんですよね。中高一貫校に入ったのに中学3年でまた部活を変えるってどうなんだろうって思って、サッカーという選択肢を消し。それで私の出身校(西南学院中)にあったバレー、ハンドボール、卓球の球技か、陸上をやるかってなって。でも球技が好きだったので必然的にバレーかハンドしかなくて(笑)。「なんかネット挟むのもな」みたいな(笑)。絶対ネット競技は合わないから(笑)。
伊地知 っぽくないですよね(笑)。
高田 「人と当たれないのか」みたいな(笑)。ってなった時にハンドボール部に体験入部させていただいて。「あ、なんかサッカーと似てるな」というところがハンドボールとの出会いでした。そこから入部させていただいたのがきっかけです。消去法で選びました(笑)。
伊地知 私は、小学生の時にお父さんの知り合いの子どもがハンドボールをしていて。それでお父さんから誘われたんですけど、最初はお兄ちゃんだけしか誘われなかったんです。「ちょっとお前にはできんやろ」みたいな感じで(笑)。それが悔しくて「私もやるし!」みたいな感じで小学校4年生から始めたのがハンドボールでした。それまではずっとスポーツはしてなくて、めっちゃ弱々しい子どもだったんですよ(笑)。小学1年生の頃とかは毎日「お母さん学校会いにきて」みたいな子どもで。今考えたらまじきもいなと思うんですけど(笑)。本当にスポーツを始めて性格が変わったなと思います。
――ハンドボールをやってきた中で、一番影響を受けたという方はいらっしゃいますか
高田 私は中高6年間ハンド部で、顧問がずっと一緒だったんですね。影響受けた人はやっぱりその顧問だった塚本先生です。中学もその先生のもとでキャプテンをやらせていただいて、高校も先生のもとでキャプテンをやらせていただいて。自分のハンドボール勘をゼロからつくっていただいたのもそうですし、主将としてのあり方だったりとか、人としてどうあるべきかとか、悪かった部分を常に修正して良い方向に導いてくれました。この1年間だったり、大学生活を送る中でも、やっぱり中高の6年間で言われたことが身についていたり、思い出せたからここまでやってこれたなという風にすごく思っているので。恩師ですね。
伊地知 私は高校の時の顧問の鈴木先生という方です。小中はハンドボール部がなくて同好会みたいな感じでやっていて、その活動とかは自由で適当にハンドするみたいな感じでした。それで高校に入ってちゃんとした指導を受けられるようになった時に、今まで適当にやってたハンドに対してプレーするごとに「なんでここに立つんだ」とか、「なんでこういうシュート打つんだ」とか、「なんでそういうもらい方するんだ」とか言われて。「あ、全然自分考えてなかったな」って気づいたんですよ。そこからは常に次のことを考えたりとか、なんでそこにいなきゃいけないのかとかを考えるようになって。そういうきっかけをつくってくれた先生だし、ハンドボールの楽しさとかも教えてもらった先生だなと思います。
――では、お互いの第一印象を教えてください
高田 めっちゃ怖いなって思ってたんですよ(笑)。
伊地知 は?まじで?(笑)
高田 こんなに笑顔でしゃべるじゃないですか。でも本当に無愛想だなと思っていて。初めて会ったのは高校生の時で、西南(西南学院高)対宮学(宮崎学園高)。対戦相手でした。もちろん試合だから真剣なのはわかるんですけど、なんというか『無』だなと思って(笑)。宮学自体、淡々とこなすけど強いみたいな感じの学校で。そういう人が集まってるのかなと思っていました(笑)。
伊地知 「イエイ!」とかするなって言われてて、駄目やったもん、そういうの。「ナイシューじゃねえし」みたいな感じやったから、喜ぶ瞬間がなかった(笑)。
高田 でも、本当に怖くて。高校の最後の国体が福岡国体と宮崎国体で合同の合宿をしたんですけど、まあフリータイムとかあるじゃないですか。仲良い子とはすごくこうやってしゃべるんですよ。人見知りなのかわかんないんですけど、私たちはほとんど接点がなかったから、こっちはフレンドリーに話しかけるのに、(伊地知は)素っ気なく「あ、うん」みたいな感じで。そんな態度だったから確実に「嫌いなんだな」って。そういう感じの印象でしたね(笑)
伊地知 そんなつもりなかったんだけどね(笑)。
高田 全然違うんですけどね、今は(笑)。
伊地知 私自分から言えないんですよ。だからめっちゃ話しかけてくれる人に対してちょっと頑張って話す、みたいな感じなので(笑)。全然怖い顔をしてるわけでもなく威嚇とかもしてないし、私的にはもっとしゃべりかけてほしいなという気持ちでした(笑)。
高田 そうだったの?いけないわあれは(笑)。
伊地知 でもなんか紗妃(高田)のくる感じはちょっと怖いなって思ってたかも(笑)。なんか「そのノリにはついていけなそうだなー」って。(高田は)誰にでも人見知りとかしないやん?本当に全く知らない人でも気さくにしゃべりかけるんですよ。そういうのを見てると「ちょっとそういう返しはできない…」みたいな(笑)。だから「存在感消しとこう」みたいな(笑)。
――では、今の印象はいかがですか
高田 真逆でしたよね。全然冷たくないですし、すごくフレンドリーというか。心開けば、なんでしょうね(笑)。4年生になってすごくいろんな人に気を配って目を配って。プレー面だったりで強く言わなきゃいけないところを優しくフォローしてくれたりして。すごく情に厚いと思います。冷酷な感じに見えますけど(笑)
伊地知 見えます?(笑)
高田 うちの第一印象は冷たい感じだったんですよ(笑)。だから、勝ち負けにすごくこだわったりとか、負けず嫌いだったりとか、仲間想いだったりとか、今はすごく熱い人なんだなと思っていますね。
伊地知 確かに、怒られる系とかだったら絶対泣きたくないと思うんですけど、友達が…みたいな感じだとすぐ涙出ちゃうんですよ。泣きたくないけど一番にボロ泣きするみたいな。試合の時とかも一番に泣くみたいな(笑)。でも、優しく言ってくれるって言ってくれたけど、逆に強く言えないから優しくしか言えない感じなので、ありがたいと思っています。
――お2人でバランスが取れているのですね
高田 そうですね。
伊地知 紗妃の今の印象はめちゃくちゃ熱い。
高田 それ第一印象と変わらんやろ(笑)。
伊地知 いや、増しました熱さが(笑)。
高田 くそ熱いな(笑)。
伊地知 くそ熱いんですよ(笑)。キャプテンだからというのもあると思うんですけど、常にハンドボールのことしか考えてなさそう。絶対頭の片隅にはハンドボールがあって「誰を誰と変えて」とか「何時から練習して」とか「どういう練習して」とかそういうのを考えてそう。チーム想い。本当にハンドボール!っていう一生懸命さが伝わってきます。
高田 暑苦しいですよね、本当に(笑)。
伊地知 監督も絶対的じゃない分、他大よりもキャプテンがしっかりしなきゃいけないって絶対思ってくれてるし、その分ハンドボールでできてそう。人一倍考えてそう。
高田 まあ考えますよね、やっぱり(笑)。でもそれが嫌とかじゃなくて、好きだから。ハンドボールが好きとかより、このチームが好きだから考えられることだと思います。プライベートまで考えてるかと言われたらもちろん全然考えていない時もありますし、ノープランで練習に来る時もありますし。でもノープランで練習に行ってもパッと考えられるような準備は常にしているかなと。だから普通にテレビも見ますし、ユーチューブも見ます。それでも何気なくテレビを見ながら「あ、この言葉使えるな」とか。そのためにテレビ見ようとかは絶対しないですけど、テレビを見たときに「あ、これ部活で使えそう」みたいな感じのを取り入れたりはします。まあどっか片隅には常にあるんですけど、強制的にとか、「絶対そうしよう」みたいなのはないですね。
――お互いのプレーに対する印象はいかがですか
高田 淡々とこなす感じだなというのはすごくあるので、冷静にやってくれるところはあるんじゃないかなと思っています。だけど逆に、今センターを任せているということもあって、「みんなにどうしたら点を取ってもらえるか」ということが優先されている部分がちょっと見られるので、もう少し自分が点を取るという気持ちを表に出してもいいんじゃないかなとは思っていますね。
伊地知 (高田は)ディフェンス専門だからあまり一緒にプレーすることはないんですけど、「自分が逆の立場だったらどうだろう」っていうのをすごく考えているなと思っていて。「自分がオフェンスだったらこうされたら嫌だ」っていうことをするし、「相手が右利きだからこっちしか打てないだろう」とか、そういうのをすごく考えながらやっているから、一緒に守っていたら心強いだろうなと思います。
――4年生はどのような学年ですか
高田 もう、大変ですよ(笑)。
伊地知 自由人(笑)。
高田 個の集まりですよね。
伊地知 主張が強い。
高田 一人一人の個がすごく強いので、どうまとめようとも思っていましたし。今はそんなにないですけど、1年生の時とかひどかったよね。
伊地知 誰も譲らない。「いやいやそれ違うやろ!」、「いやこっちの方が正しいし!」みたいな感じで。「スンっ」みたいな(笑)。
高田 ぶつかりましたね。今もぶつかってますけど、今はみんないろんな経験をして大人になったからなのか、折れる時にしっかり折れるようになって、相手の意見を尊重したりするようになったかなと。でもその中に一人一人の軸があるからブレないんですよね。だから強いんじゃないかなという風には思っていますね。
伊地知 みんないろんな考え方を持ってるから、私はいろんな人と話していてすごい楽しいなというのはあって。例えば、「こういう悩みだったらこの人に相談したらいい答えくれるだろうな」とか、「こういう時はこの人と話したいな」とか、それぞれに味があるというか、良さがあるから。
高田 一緒じゃないというところがまたいいですよね。悪い言い方すればバラバラだと思うんですけど、同じところを向いているから団結はしますし、すごくいい学年だとは思います。
――遊びに行かれたりはされるのでしょうか
高田 うちはしない方じゃない?
伊地知 でもこの前行ったやん(笑)。
高田 本当にまれだと思いますよ。
伊地知 この前一緒に温泉行ったんですよ。
――お2人でですか
伊地知 いやいやいやいや(笑)。
高田 いやいやって嫌がってる(笑)。
伊地知 おかしくないですか?(笑)
高田 おかしくないよ(笑)。
伊地知 2人で温泉って行き詰まってません?(笑)
一同 (笑)
高田 ここ2人と愛(島崎、社4=熊本国府)と江島(朋夏、スポ4=東京・佼成学園女)で行きました。
伊地知 あれは珍メンやったよね?
高田 珍メンね(笑)。結構(伊地知は)金庭か鳥平(知穂、スポ4=大阪・四天王寺)かっていう感じ。
伊地知 が多いかなあ。飲みに行く時は江島は結構いますね。えじ(江島)は飲み友です。
高田 誰とでも仲良いですよ(笑)。
――試合前のルーティンはありますか
高田 私はないです。
伊地知 まじで?
高田 え、あるん?
伊地知 試合前に絶対マカダミアナッツチョコを買って、試合始まる前までに一袋食べ終える(笑)。
高田 高カロリー(笑)。
伊地知 毎試合。土日は2日連続で朝からチョコを食べてるんですよ(笑)。
――食べ始めたきっかけはあるのですか
伊地知 きっかけはなくて、ただただ自分自身チョコが好きなので、「ちょっとチョコ買って気合い入れよう」みたいな感じで。あ、でも絶対してるのは、これは言っていいかわかんないんですけど、下着の色が赤と青があるんですよ。それで、試合が土日あるじゃないですか。「きょうは燃える日や!」と思ったら赤で行くんですよ。「あしたは冷静な日や!」と思ったら青みたいな。
高田 いや、常に赤でいけよ(笑)。
伊地知 いやいや、青も捨てたもんじゃなくて、冷静かつ燃えるみたいな(笑)。ちゃんと燃える意識はあります(笑)。
――では、お休みの日は何をされていますか
高田 本読むか映画見るかテレビ見るかです。他の情報が欲しいなと。だから結局離れたいんですよね(笑)。チームばっかりになりたくないから、一回オープンにして、いろんな情報を入れようということで。まあ、ハンドと結びついてはいるんですけど(笑)。適当に本読んだりとか、テレビ見たりとか、面白そうな映画があったら映画に行ったりとか、1人でいることが多いですね。自分の中で「駄目だな」と思う時はなるべく誰かと話すようにするために、部内でも他の友達にでも予定を合わせてもらったりしてという感じで。でも1人でいる方が整理できる時もあるので1人が多いですかね。
伊地知 休みの日は常に飲みに行ってます(笑)。ハンド部の人もハンド部以外の人とも行きますね。前までは「オフの日だから遊ぼう」みたいな、「誰か誘って遊び行こう」って感じだったんですけど、最近は1人でいる時間もいいなと思って。1人で家で漫画読んだりネットフリックスずっと見漁ったり、廃人みたいなオフも好きだなって最近思っています。
「全力で戦って全力で楽しんで、日本一に!」(高田)
誰よりも『アツい』主将・高田
――ではインカレに向けてのお話に移ります。集大成のインカレが近づいていますが、ワセダで過ごした4年間はいかがでしたか
高田 誰よりも濃い4年間だったと言い切れますね。一人暮らしをするのも初めてでしたし、その中で家族の支えというものを実感しました。家に帰ったら練習着が洗濯されて干されていたりとか、ご飯が当たり前のようにあったりとか、(そういうありがたみは)気づけなかった部分なので。1人で生活して行く中で自立できたというのもこの4年間であったし。大学入学してはじめてのミニミニ(ミニミニカップ)の試合で膝をケガしてから、ハンドボール自体が出来なかったんですけど、何皮も剥けたというか、成長しまくってたなとはすごく思っています。4年間の中でケガ人の立場も経験しましたし、学生トレーナーに転向して、トレーナーの仕事も経験して、後輩である仕事も経験して、いろんな立場を経験しました。たぶん全役職やったんじゃないかなと思っています。ケガ人という立場とトレーナーという立場と、ありがたいことに新人監督もやらせていただいて、やっていない役職がないかなというところで、すごく内容が濃い4年間でした。
伊地知 ハンドボールの面で成長したというより、人としてすごく成長できた時間だったなと思っています。たぶん高校だったらハンドボールしていて、失敗しても先生が全部「こうしなきゃいけないだろ」って答えをくれてたけど、大学は全然そういうところじゃなくて。監督もいるけどそんなに答えを教えてくれないし、同期もいるけど全部同期に頼るわけでもなくて、自分自身が考えていかなきゃいけないし、どうなりたいのか、なんのためにハンドボールしてるのかというのを自分の中に聞いて答えが出てくるみたいな感じだったので、人として成長したなと思いました。あと、1年生の時は「自分が活躍したい」とか、「自分がシュートを決めたい」とかそういう気持ちが強かったけど、4年生になるにつれて「チームのために自分が何をできるか」とか「どういうチームの一員になりたいか」とかを考えるようになってきました。
――インカレの組み合わせはご覧になっていかがですか
高田 もう、ヒヤヒヤしていたんですよ(笑)。リーグでシード権が取れなかったので「初戦大体大だったらどうしよう」とか。リーグが終わってから組み合わせ発表まで本当に吐き気が止まらないくらい不安だったんですけど、ありがたいことに(初戦は)地元の福岡大ということで。どこが勝ち上がってくるかはわからないんですけど、お世話になった関学大がいたりとか、リーグで一度も勝ったことがない東海大がいたりとか、すごく運命のあるパートに入れたなと。やっぱりどの試合もすごく楽しみですし、良いところに入れたなというのが率直な感想ですね。
伊地知 私は国体で宮崎国体として出たんですけど、福岡大と当たって負けたんですよ。だから本当に負けたくなくて(笑)。それに九州から出てきて九州に負けるってすごい嫌じゃないですか(笑)。
高田 そうなんですよ。そこなんです。上京してきた意味がないんですよ(笑)。
伊地知 知り合いもいるし、負けたくない。
高田 福岡に残って福岡大で(ハンドボールを)続けるか、(福岡を)出るかという感じだったので。(負けたら)出てきた意味ですよね、本当に(笑)。絶対に負けられないですね。
伊地知 プレーどうこうより、気持ちで負けたくないし。「負けないだろうな」と思いながらやってます。高を括っているわけじゃなくて、「負けられない!」みたいな。
高田 負けたらいかんやろっていう。
伊地知 覚悟という感じです。
――インカレを戦う上でワセダのキーマンとなる選手は誰でしょうか
高田 スポーツイベント・ハンドボールにも同じ質問があって、その時は1名だけということだったので久保(涼子、スポ4=群馬・富岡東)の名前をあげたんですけど。私が期待してるのはやっぱり4年生全員です。それはもう試合に出ているとか出ていないとかじゃなくて、やっぱり一人一人が考えてこの集大成を迎えると思うので。出てる選手はもちろん点を取ったり守ったりというところなんだと思うんですけど、ベンチにいる4年生にもベンチを仕切っている姿だったりに注目していただきたいですし、チームがうまくいくためにたくさんの4年生が考えて動いているので、そこを注目していただきたいなと思っていますね。
伊地知 私は…うーん。誰とかじゃないなあ(笑)。
高田 自分って言っておけば?(笑)
伊地知 期待とかじゃなくて、自分は頑張りたいなと思っています(笑)。
高田 私は華子(伊地知)にめちゃくちゃ期待してますよ。いかにオフェンスを仕切れるかというか、たぶん他のメンバーはディフェンスもオフェンスもやっていく中で60分間集中が持たない可能性もありますし、熱くなっちゃう部分が多くなってきてしまうので、そこを華子にうまくコントロールしてほしいなというのがあるので、すごく期待していますね。
伊地知 オフェンスしか出ないので、頭フル回転で頑張ります。
――ご自身がインカレに出場された時のアピールポイントを教えていただけますか
高田 私はディフェンス専門なので、強い当たりを表に出していきたいですし、相手には「ここ攻めたくないな」と序盤の段階で思わせたいと思っています。プレーだけではなく声だったり、コートに立っている姿から「あ、やばい、攻めたくないな」と思わせていきたいなと思っているので、そういうところを見ていただきたいかなと思っています。
伊地知 点を取った時の喜び(笑)。自分が仲間のために(攻め手を)つくって点を取ってくれた時もすごくうれしいし。「よっしゃ!」っていうのを見たら、相手も「やられたわ」という気持ちになると思うので。どれだけいいシュートを打たせるかとか、自分がいいシュートを打つかとか、そこでどれだけ喜びを表現するかという。気持ちを前面に出して頑張りたいなと思います。
――最後にインカレへの意気込みをお願いします
高田 ようやくチームの最高目標としていた日本一になるための大会が始まるというところで、今までお世話になった方もたくさんいますし、地元から当たっていくというところもそうですし、すごく楽しみにしているので、全力で戦って全力で楽しんで、日本一になりたいなと思っています!
伊地知 一戦一戦死ぬほど頑張って死ぬほど喜んで日本一になりたいです!
――ありがとうございました!
(取材・編集 宅森咲子、写真 岡本雷太)
九州出身のお2人は、打倒・福岡大に燃えています!
◆高田紗妃(たかだ・さき)(※写真右)
1996(平8)年7月9日生まれ。168センチ。福岡・西南学院高出身。スポーツ科学部4年。本人も認める『アツさ』で早大をまとめてきた高田主将。選手として挑む最初で最後のインカレにかける想いは誰よりも強いです!
◆伊地知華子(いじち・はなこ)(※写真左)
1996年(平8)年11月10日生まれ。165センチ。宮崎学園高出身。社会科学部4年。情に厚く、仲間に愛される伊地知副将。次に流す涙は、インカレでの勝利の嬉し涙です!