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バドミントン部

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2018.10.04

【連載】2018年度インカレ直前特集『翼』 第4回 小野寺雅之

 団体戦でひときわ目立つ選手がいる。それが小野寺雅之(スポ2=埼玉栄)だ。選手としてシングルスとダブルスを兼任し、そのどちらでも確実に白星を取ってくる。かと思えば、応援の声も人一倍大きい。早大バドミントン部に欠かせない存在だろう。日本B代表も2年目となり、先日はシドニーインターナショナルで優勝するなど波に乗っている。第4回は、そんな小野寺にお話を伺った。

※この取材は8月28日に行われたものです。

高1のターニングポイント

ダブルスだけではなくシングルスでも活躍する


――バドミントンを始めたきっかけは何ですか


兄2人がバドミントンをやっていたのがきっかけです。遊び程度では4、5歳の頃からやっていて、小学校1年生の時にクラブチームに入りました。


――小中高はどのような選手でしたか


小学生の時はバドミントンに役立てるための競技として、サッカーや水泳もやっていました。中学校は、東京の中で上位の学校で兄2人もそこに通っていたので、その影響で家から少し離れた小平第二中学校に行きました。中学校は公立だったので、けっこう遊んでいた部分はありましたね(笑)。高校は全国トップクラスの埼玉栄に進学したのですが、中学までは自分はそういう存在ではなかったので正直入れるかどうかも分からなかったです。兄が入っていた関係で高校からの誘いがあったのと、将来的にはオリンピックとかに出場して活躍したいという気持ちがあったので入りました。入りたい気持ちは元からありましたが、入ったら入ったで同じ学年に全国チャンピオンとかもいたのでそこでやっていけるかという不安はありました。毎日朝5時くらいに起きて5時30分くらいの電車に乗って、家に着くのは夜の12過ぎでした。高校でメンタル面をかなり鍛えた結果が全国優勝の道に辿り着けた要因かなと思います。


――バドミントン人生の中のターニングポイントとなった出来事はありますか


高1の時にジュニアナショナルに入っていたんですけど、その年の全国大会で一回戦負けしたんですよ。その時、試合後に体育館の外でコーチに1時間くらいアドバイスされて。「練習の時から集中して変えていかないと変わらないんだ」というアドバイスが心に響きました。試合に対する意識とか、練習の時からちゃんとしないと試合でも緊張しちゃって思うようなプレーができないことを自覚し始めました。そこをきっかけに自主練とか、みんながやっていないところでランニングしたりするようになりましたね。


――早稲田大学を選んだ理由を教えてください


一つは名前。早稲田大学というブランドです。あと、親が2人とも学校の先生をやっていて。将来的にはオリンピックとかで活躍したいんですけど、それが終わった後に学校の先生になってバドミントンを教えたいなと思っていたので、教職が取れるから早稲田にしましたね。あと、家が近いから。


――2年連続でナショナルに選出されていますね


初めて選出された時は素直にうれしかったです。全日本総合選手権で良い結果が残せて代表のスタッフ陣に引かれたら入れるんですけど、その年、自分は2回戦負けだったので入れるかどうかわからなかったですけど、ちょうど入れ替わりで。代表だった人が引退したりしたので。ほんとなんちゃってですけど、入っちゃったのでそこは嬉しかったです。けど、入ったら入ったで代表としての自覚を持っていなければいけないですし、高校時代のジュニアの代表と違って大人の世界なので、フィジカルとかも全然違ってくるのでまだまだ苦しむ部分もあります。


――現在日本ユニシスに所属している岡村洋輝選手とのダブルスで代表に選ばれていますが、選ばれた時には既にお互いに進路が決まっていた状態でしたか


そうですね。自分は高校2年生の時の全国大会で優勝して、その時監督に「お前はどこに行きたいのか」って聞かれて。早稲田に行きたいですって言って、もうその時から進路は決まっていました。でもナショナルに選ばれる時に代表のスタッフから「今後二人でやっていく気があるか」って聞かれて、「今後二人でやっていく気があるなら代表に入れるよ」と言われたので、進路は別々だったですけど、お互いに「二人でやっていきたいです」って言ったので選ばれちゃいましたね。


――ペアとの所属が違うことによって大変なことはありますか


今自分があまり実業団の方に練習に行けてないです。単位がやばいので授業とか行かないといけないので。ダブルスなのでお互いの息とかも合わせなければいけないんですけど、そこで代表のペアと差が出てきちゃっているので、もっともっと勉強もですけど、バドミントンもやっていきたいです。


――ナショナルに選ばれていて感じる利点はありますか


それはやっぱり選ばれてなかったら、海外の選手とかともできないので。そこで刺激をもらえますね。あと選ばれてなかったら大学内の大会だけでは大会も少ないですし。


――逆に苦労することはありますか

代表だから負けちゃいけないというプレッシャーがありますね。プレッシャーを持っちゃうと余計に感じてしまうので、あまりプレッシャーを感じないようにしてはいますが、自然と感じちゃうので。結果も残せていないですし、そこは不安ですね。


――ナショナルのペアと大学の大会に出るペアは違いますが、普段どのような練習をしていますか


そうですね、あまり組んでないですね。個々の能力で戦っているという感じです。


兄より上に行きたい

――早稲田の練習は自主性が求められますがいかがですか


別に大変なことはないと思いますね。むしろ自分のやりたいこと、克服したいことをやることができるのでその点では良いと思いますね。


――やはり高校とは違いますか


高校は監督に「やれ」としか言われていなかったので。高校は一年間に4日間しか休みがないんですよ。12月30日の午前中まで練習があって、1月3日からスタートで。それ以外に休みがないんですよ。それぐらいハードだったですけど、やっぱり言われたことをやるだけでは強くなれないですし、自分のやりたいことをできる点で、今のキャプテンは言えば取り入れてくれるのでその点では良いですね。


――現在はダブルスとシングルスの両方で結果を残されていますね


実は、中学まではシングルスしかやったことなかったんですよ。高校に入って「高校ではダブルスもあるからやれ」って監督に言われたんで(始めました)。その時にいろんな人と組んだんですけど最終的に、岡村と組むことになったんです。結果も残して、ダブルス楽しいなと思うようになってからずっとダブルスになっちゃいましたね。


――ダブルスの方が好きですか


好きです。シングルスはきついです(笑)。あのコート一人ではきついです(笑)。


――自分のプレーの持ち味は何だと思いますか


前に入るのが速いことですかね。ダブルスのとき、どっちかが前に出ないとトップアンドバックの形になれなくて、レシーブばっかりになっちゃうので。自分は前衛なのでそこは相手より速く前に出ることを意識してやっていて、そこは速くなってきました。でも、代表の選手はそれ以上に前に入るスピードが速いので、そこで先に前を取られちゃうと自分たちが守る体勢になってしまいます。だから、大学生の中では速いのかもしれないですけど、世界のトップレベルの人たちよりはまだまだなので、そこをもっと速くしていきたいですね。


――好きな選手はいますか


好きな選手は早川賢一選手です。今代表のコーチをやっていてずっと教えてもらっています。ベスト8で負けてはしまったのですが、リオオリンピックにも出場していました。自分が一番好きな選手ですね。自分と同じ前衛タイプの選手なので、いつもプレースタイルとかを教えてくれるんですが、早川さんは天才なので俺たちにはなかなかできないです。


――そういう選手から練習を教えてもらえることもやはりナショナルに入っている利点の一つですかね


そうですね、むちゃくちゃいいですね。代表に入ってなかったら教えてもらえてないと思うんですよ。そこですね、さっきのとこ。代表には入ったら良いことは?って、質問してきましたもんね。しくったな、そう答えればよかったな(笑)。


――お兄さんもナショナルに選ばれるなど活躍をしていますが、どういう存在ですか


種目は違っても、兄貴よりは成績とかで上に行きたいです。


意外と人見知り

――チームの雰囲気はどうですか


いいですよ。吉村(徳仁、スポ3=富山・高岡第一)さんいるじゃないですか、いつもバカやってそうな(笑)。あの人は盛り上げ隊長なので。雰囲気は良いと思います。他の大学よりは縛りとか決まりとかが緩い方なので楽しくやらせていただいています。


――一番仲の良い選手は誰ですか


吉村さんです。高校の時高校に早稲田の選手が練習に来る機会があったので以前から仲は良かったですね。ご飯に一緒に行ったり、練習とかトレーニングも一緒にしますね。楽しいですね。先輩なんですけど一緒にいて気を遣わなくていいです。


――学校は楽しいですか


楽しいです!楽しい?いや、自分あんま友達いないんで(笑)。結構自分隠キャなんです。去年とか遠征とかと重なって学部のオリエンテーションに行ってないんですよ。4月は全然授業に行ってなくて、5月に初めてクラスに行ったらグループが既にできていて。クラスの授業の時はいつも端っこの方で携帯いじってました。これ本当なんですよ(笑)。


――そのようには思えないですけどね


それよく言われるんですよ(笑)。バドミントンはあんな感じなのに、友達いっぱいいそうじゃんって。でも人見知りなんですよ。初対面の人だと全然しゃべれなくて。仲良くなったら結構喋れるんですけど。


――文武両道は大変ですか


大変です。単位ほしいです。実技は余裕ですけどテストと代表なので出席率が低くて。公欠は付くんですけど、その代わりにレポートを出すとか。レポートだといいですね、テストだと勉強ができないので。なるべくテストの授業を取らないようにしていますね。あと、代表の遠征とテスト期間が被った時は先生に媚びを売ったりして、テストをレポートにしてもらいましたね(笑)。


――ゼミには入っていますか


ゼミは2年秋からなのでこれからですね。吉永ゼミに決まりました。吉永先生のゼミは結構人気らしいんですよ。10人しか入れないんですけど入っちゃったっす(笑)。GPAとかで決まるらしいんですけど、自分は低いんですけど入っちゃったっす(笑)。その先生は体育の教員の先生で、そこにいきたいなと思って。友達もそこに行くって言ってたんで。第一希望だったので決まった時は嬉しかったです。


――趣味はありますか


ドラマを見ることです。毎シーズン5個ぐらい見ています。


――夏休みで一番楽しかったことは何ですか


去年行くことができなかった海やプールに行ったことですかね、とっても楽しかったです。


目指すは3冠

今年は高校の後輩でもあるルーキー大林拓真(スポ1=埼玉栄)とペアを組む


――去年の団体戦は一人で単複両方取らないとチームが勝てないという状況でした


とても大変でしたね。今年は1年の大林(拓真、スポ1=埼玉栄)が入って戦力が増えたので負担は軽減されたかなと思います。やはり何試合もこなすとなると足が持たないです。疲れてくるとパフォーマンスが落ちてきます。


――今年のインカレの目標を教えてください


目指すは3冠です。ですが準決勝、決勝のことばかり考えると、1、2回戦で足元をすくわれてしまうので初戦から一試合一試合全力でやっていきたいです。シングルスは正直厳しいかもしれないですけど団体とダブルスでは優勝したいです。特に団体は優勝したらみんなで喜ぶことができるので一番優勝したい種目ですね。


――大学卒業後の目標はありますか


ユニシスに入りたいです。高校の時はパートナーと一緒に声はかかったんですけど、自分は先生になりたかったので。やっぱり大学に行かないとなれないじゃないですかですか。でも、ユニシスにも行きたかったんですよ、悩んだんですけど早稲田を選びました。


――悩んだ際は誰に相談されましたか


家族で結構話し合いましたね。でも親は大学行った方がいいよって、やっぱり資格とかが取れるので。真ん中の兄貴はバドミントンしかなかったですけど、僕は先生というやりたいことがあったので先生という資格を取りつつもバドミントンをやるという道を選びました。


――オリンピックにも出場したいと先ほどおっしゃっていました


そうですね。東京オリンピックの4年後に行われるパリオリンピックの出場を目指しています。今の自分はB代表なんですけど、東京だと今のうちからA代表に入っていないとオリンピックレースとかにも参加できないので。今はランキングが全然足りないので、フィジカルとかそっち系を早川さんと一緒にやっています。その早川さんも「一緒にパリ行こうよ」って言ってくれているので。


――小野寺選手にとってバドミントンとはなんですか


バドミントン…。何だろう。楽しいです。勝つと楽しくて負けると悔しくて次は勝ってやるぞという気持ちになりますね。辞めたいと思ったときももちろんありましたけど、なんだかんだ今までこうやって続けてきているので楽しいものですかね。


――ありがとうございました!

(取材・編集 佐藤菜々)

バドミントンは「楽しいもの」と答えてくれた小野寺選手。団体でも「楽しく」プレーする姿を見せてくれることでしょう!

◆小野寺雅之(おのでら・まさゆき)

1998(平10)年9月16日生まれ。168センチ。埼玉栄高校出身。スポーツ科学部2年。2年連続でナショナルBに選出されている小野寺選手。先日、シドニーで行われた国際大会で初優勝を飾るなど活躍の場は世界にまで広がっています。インカレでもその実力でチームに白星をもたらしてください!対談の際はターニングポイントの意味がわからず答えに戸惑うといったお茶目な一面も見せてくれました。

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