ア式蹴球部

« 特集に戻る

2018.07.03

【連載】第69回早慶サッカー定期戦直前特集 第4回 小島亨介×大桃海斗

 今季のア式において守備を束ねる存在として、フルタイム出場を続けているのがGK小島亨介(スポ4=名古屋グランパスU18)とDF大桃海斗(スポ3=新潟・帝京長岡)だ。文字通り今年のチームを支えているお二人に前期の振り返りをしていただき、早慶戦に向けた意気込みもうかがった。

※この取材は6月22日に行われたものです。

「(戦績は)実際にやっていても驚き」(大桃)

前期リーグ戦でフルタイム出場したのはこの2人だけだ

――ここまでの戦いぶりを振り返って、いかがですか

小島 予想もしてなかったですね。印象的には、うまくいきすぎているというくらいの感じですね。

大桃 同じくそうですね。開幕戦は勝てましたけど、そこからそんなに勝てるとは思っていなかったんですけど、思った以上に勝っているなと。実際にやっていても驚きですね。

――昨年末のあの天皇杯予選の敗戦をお二人はベンチで見られていたと思います。あのころと比べて何が変わりましたか

小島 考えるようになったというのは間違いないです。去年とかは大げさにいえば与えられた中でやっているという感じだったんですけど、そういった枠組みもとっぱらってしまって、自分たちで考えて、限界をつくらずに突き進んでいくみたいなイメージなので。楽しさもありながらやれてます。

大桃 監督が変わったというのもあって、雰囲気は間違いなく変わったと思います。去年の古賀さんの時よりも、学生が自分たちで考えて、それをピッチの中で表現しようとするということが一番変わったかなと思います。去年とかは、コジくんが言ったように、与えられた中で頑張っていたという感じですけど、今年は自分たちの中で力関係も考えながらどういうふうにやればうまくいくかというのをスタッフに提案してというのをやっているので、それがうまくいっていると思います。

――アンケートでも、小島選手には『新鮮さ』が好調の要因とお答えいただきました

小島 外池さんが結構新しいことをやるのが好きな人なので、毎節メンバーも変わったりとか、今年は分析も掲げているので、相手の映像を見て自分たちがどういう戦術を立てるのかというところも考えて、フォーメーションとか選手も決めてやるので、そういう意味では戦い方も選手、フォーメーションも固定されずにやっているので、そういった意味では新鮮さがあるなと感じています。

――それが雰囲気の明るさなどにもつながっているんでしょうか

大桃 そうですね。それもあると思います。

――『オプションの豊富さ』という点についてはいかがですか

小島 去年だったらフォーメーションも選手もある程度固めていたと思います。でも今年は、3バックは1試合しかないですけど、4-2-3-1や4-1-4-1を相手によって変えたりとか、臨機応変に対応できるオプションがあります。自分たちにとっては追い込まれるような状況がないので、心の余裕をつくってもらえているので、そこは自分としてはすごくいいです。

大桃 自分たちの中でも選択肢が増えるし、どうやったらうまくいくかを試合中に考えてやるということは、今までではなかったことです。それは今年外池さんになって、やり方が変わって新しくできたことだと思います。

――小島選手は過去3年間でコンスタントなリーグ戦の出場はありませんでした。今年にかける思いも強かったのでは

小島 大学入って、年間通して試合に出たことは無いので、今年は最後の年になるので、シーズンを通してトップの試合に出続けるというのは、自分の年間通しての目標でもあるので、プラス結果がついてきたら最後の良い年になるなと言うのは強く感じています。

――大桃選手も、昨年の後期はレギュラーの座を失い、今季は挽回の意味もあるシーズンになっていると思いますが

大桃 (去年は)前期から出ていた中で後期は1試合しか出れなくて、もちろん悔しかったです。でも、今のチームは後ろが若いというか、2、3年生の人数が多いこともあって、責任感を持ってやっています。自分のプレーをうまくやることよりも、チームのために何ができるのかというのを考えるようになったと思いますね。

――言ってみればディフェンスリーダーのような立場になったとも言えると思います。変化はありましたか

大桃 今までだったら準弥くん(DF鈴木準弥、平30スポ卒)がいたりとかしましたけど、今は真ん中を杉山とか工藤とか2年生と組んでいて、リーダーシップを張らなきゃいけないと思っているので、気負っているわけではないですけど、楽しくやってます。

小島 まあでも、一番重要なのは背負いすぎないことですね。4年生だから引っ張っていかないといけないとか、リーダーシップをとらないといけないとかはもちろんありますけど、そこだけに重点を置いていたらチームとしての戦い方はうまくいかないと思います。流れとか悪くなった時はもちろん自分も声を出したりはしますけど、ピッチ入ったら全員がリーダーシップをとれるぐらいが一番いいと思うので、そういった面では今年入ってからモモとか、武田とかもすごく声を出したりしてくれているので、全員で戦っている感じがあるので、今までと比べるとチームとして戦っているなと言うのはすごく感じます。

――今季のご自身の出来という部分ではどうですか

小島 良くもなく悪くもなくという感じですかね。自分の力を100%発揮できる試合もありますし、僕なんかは東京国際の時に自分のミスで失点してしまったということがあったりとか、自分の力を出し切れない試合とかもあったので、良くも悪くもという感じでしたね。

――外池監督に話をお聞きした際、「東京国際大戦のミスを乗り越えたパフォーマンスが頼もしい」という趣旨の話もあったと記憶しています

小島 乗り越えるというか、GKなので、ワールドカップとか見ていても自分のミスでの失点とかはトッププレイヤーでもするので、一番大事なのはリバウンドメンタリティのところで、試合中もミスをしたあとの行動がすごく大事になってくるので、メンタルが下に落ちすぎないことは意識しています。そういった意味では、次の試合の法政戦で、ある程度の自分の力を出せたと思うので、良かったです。

――大桃選手はいかがですか

大桃 自分は調子の良い悪いはあまり感じないタイプで、気にしているのは、試合に勝ててはいるけど失点が多いということです。無失点がなくて、毎回1、2の失点をしてしまうというのは、センターバックをやっていて毎試合考えているところではありますね。(自分の)調子とかよりもチームのことを考える方が多いですかね。

小島 失点は気になりますね。気になりますけど、そこだけを見ないようにはしてます。もちろん無失点にはしたいですけど、チームが勝つことが僕の中で一番重要なことなので、無失点の試合が多くなれば、前の選手からしたらすごく楽だと思うので、増やせればいいなとは思っていますけどね。

――関東大学1部というリーグの特徴などは何か感じますか

小島 個の能力は間違いなく1部のほうが高いというのはあって、チームとしての戦い方も1部のほうが徹底されているなというのもありますね。でも一番は守備のところで隙があまり無いというところで、2部だったらあれっていう得点が入ったりすることも多いので、スキがないなということは感じます。

大桃 個の能力の違いというのも、当然1部、2部であると思いますし、、『この大学はこれがストロングで、これがウィークで……』というのがわかりやすいです。その分自分たちで考えることは多いんですけど。

――10試合を戦った中で印象的な試合はありますか

小島 僕は専修ですね。専修が一番守備していて怖さは感じました。個で打開する能力もありましたし、前への推進力もあって、そこに対して人数も多くかけてきたので、結構相手の攻撃に考えさせられるものがありました。守りにくいのはありましたね。

大桃 勝ってうれしかったのは筑波だったかな、という感じですね。2節で、やり方も変えて戦ったし、不安がかなり大きかった試合だったんですけど、そんな感じの中で勝ったというのがシンプルに嬉しかったですね。

小島 あれは自信になりましたね。1節目は運も味方に勝てたと思っていて、2節目の筑波戦が勝負だなと思っていました。チームとしてもそこから勢いに乗れたというのはありますね。

――前期のMVPを挙げるとしたら、誰になりますか

小島 相馬ですね。相馬がいなかったら点が入らないですからね。みんなスタメンで出ている選手はみんな頑張っていますけど、結果を出してるのは相馬だと思うし、いなかったらなかなか勝てていない試合も多かったとは思いますね。率直に感じます。

――大桃選手も大きく頷いていますが

大桃 同じく、相馬くんですね。

今季はディフェンスリーダーとしてプレーする大桃

――お二人は年代別の日本代表でチームメイトになった経験もあると思いますが、当時はどうでしたか

大桃 あんまり喋ってないですよね(笑)。1回なんかで一緒になったくらいで。

小島 サニックスで、1回だけだね。

大桃 だからほぼ喋ってないですよ。大学に入って「あっ」みたいな感じで。

小島 普通に知り合いくらいで。そんなに別に気まずくないくらいで(笑)

大桃 高校の時は仲良いとかはなくて、普通でしたね。その時だけだったので。

――互いのプレーについてはどう見ていますか

小島 攻守両面でレベルが高いなというのは印象として感じてますね。たとえばヘディングでは関東リーグの中では負けてるシーンはあまり見ないですし、攻撃のところでもだいたい後ろからのビルドアップでシュートまで持っていけている良いシーンというのは、だいたいモモから始まってます。

大桃 元から全部のプレーのレベルを上げるというのは意識しているところです。まだまだ自分ではあまり満足はしてないですけどね(笑)

――ご自身では長所に『ヘディング』を挙げられていますが

大桃 長所は何ですかって聞かれた時にあまり答えるものがなくて、まあヘディングにはしたんですけど…(笑)。これというのはあまりないんですよね。

――逆に小島選手の印象はどうですか

大桃 本当に安定感があるので、守りやすいというか、シュートコースを全部切らなくても、コジくんと連携をとって守れるシーンというのが多いですね。『ファーを消せ』とかそういう指示もしてくれますし、やりやすいです。やばいと思った時も止めてくれる信頼、ですね。

小島 身長はそんなに大きくないんで、手の長さを生かして(笑)、シュートを止めるというところは特徴としてあると思っています。

――お二人はピッチ外ではどんな関係なんですか

小島 メシもそんなに……でもたまに行ってたか。

大桃 普通ですね(笑)

小島 そんなにめっちゃ仲良いわけでもないです(笑)。モモもそうかな? 自分はそんなにこの人と仲良いみたいなのがないので……

大桃 俺もですね。

小島 喋るやつはある程度いるけど、めちゃくちゃ深入りするわけではないみたいな。

――オフの時間はどう過ごしているんですか

小島・大桃 うーん……

小島 自分は部屋に結構筋トレの器具とか置いちゃうので、それが盛りだくさんという感じですね。はまっているとしいうか、日課という感じです。固定したことをしたくないので、いろんな道具を集めるのも結構好きで、常に新しいものを取り入れてやっています。

大桃 俺もコジくんが部屋に置いてるやつを持ってますよ。懸垂できる道具みたいな。

小島 懸垂台みたいなのがあるんですよ。あれ買ったの?

大桃 はい(笑)。俺も結構コジくんに似てるかもしれない。

小島 僕は二人部屋なんですけど、一人部屋なので。

大桃 そうです。スペースがあるので、この前はバランスマットみたいなのを買って、暇な時にそれをやるくらいですかね。特にすることないですね。昼寝とかします。

小島 休むって感じですね。

大桃 最近はワールドカップばっかり見てます。昨日は5時くらいまで起きてました。

――みなさん結構遅くまで見ているのですか

大桃 練習あったら基本的に3時は見ないですよね。僕は見たすぎて見ちゃいましたけど、12時の試合くらいでみんな寝ると思います。

――さて、アンケートでは座右の銘をお聞きしました。詳しく教えてください

小島 『他人の人生に影響を与えてこそ、人生には意味がある』ですね。たまたまYouTubeで見たんですけど、黒人として初めてのメジャーリーガーの選手が言っていた言葉で、深いなと。みんな努力はするけど、客観的に第三者に見られた時に、「あ、変わったな」と思われたら、それがその人の人生に影響を与えているってことなんだと。それくらいやらないと意味が無いんだなと思いました。僕が努力をしていて、たとえばモモがそれを感じ取って、「成長したよね」ってなった時に人生に意味があるってことにつながってくるんだなと。

大桃 何にしようか、牧野と相談して書きました(笑)。試合前に外池さんが『志高頭低』と言っていたんですよね。いい言葉だなぁと思ってそのまま書きました。

――イチオシの選手についてもお答えいただきました。小島選手は鍬先選手を、大桃選手は梁選手を挙げられていましたが

小島 クワ(鍬先)はアンカーとサイドバックを両方ともできて、しかもその両方で高いクオリティを出せるので、チームに欠かせない存在だと感じます。見ている人からすると相馬とか太一とかの方が存在感が強いと思うんですけど、陰のMVPというか。クワがいるから攻撃も守備もうまく回るので。バランサーですね。

大桃 (梁に)期待してます。めっちゃ性格いいですし。シンプルに優しいですし。

「出たい気持ちしかなかった」(小島)

最終学年となり、満を持しての早慶戦出場を狙う小島

――早慶戦への思いを教えてください

小島 大学サッカーで一番盛り上がる試合だという印象が一番強いので、出たいという気持ちが一番です。

大桃 大学でやっていてあれだけの人の数の中で試合することはあまりないので、学生たちがつくりあげるという中で、プライドをかけて勝ちたいという思いが一番強いです。

――小島選手は大きな舞台も経験されてきたと思いますが、それでも『特別な舞台』とお答えいただきました

小島 まず観客数が、今まで自分の出た試合の中では間違いなく多いですし、もちろんほかの舞台では緊張感ありますけど、逆に楽しめるんじゃないかなという思いもあります。学生が運営部分もつくりあげるので、それを知っているからこそ楽しんでプレーできるんじゃないかなというのはすごく感じますね。

――出場となれば4年目にして初となります。これまでは外から見ている立場だったと思いますが

小島 もう出たい気持ちしかなかったです。その気持ちを殺して運営とかをやっていたんですけど。でも、運営をやっていても応援してくれる人たちの姿を間近で見たりして、多くの人に支えられているなというのは感じてきたので、そういう思いも背負いながらピッチに立ちたいと思いますね。

――大桃選手は昨年もフル出場されました。去年出場してみていかがでしたか

大桃 緊張するかなって思っていたんですけど、正直全然しなくて、試合の結果もあったからかもしれないですけど、良い思い出というか、楽しかったなという感じですね。

――早慶戦の注目選手を書いていただきました。小島選手はやはり相馬選手ということですが

小島 リーグ戦の姿のままです。観客からも一番わかりやすいと思います。

――大桃選手は牧野選手を挙げています

大桃 早慶戦にすごく出たがっているんです。シンプルに、一緒に出て頑張りたいなと思います。

――どんなプレーで7連覇に貢献したいですか

小島 まずはしっかりコーチングでピンチをつくらせないということがひとつと、それをやった中でも試合の中でピンチは必ずあると思うので、自分も含めた守備陣の中で体を張って守り切るということは意識したいなと思います。

大桃 ずっと無失点だった中で、去年失点してしまって、勝ったけど気にしていたところです。無失点で勝ちたいと思いますね。

――7連覇という数字はプレッシャーにならないですか

小島 プレッシャーはないと言ったら嘘になると思いますけど、そこに考えを持っていく必要は無いと思うので、しっかり分析して、相手がいる中でどう戦うのかというのをしっかりチームで共有すれば、勝てる相手だと思うので、一体感を持って臨みたいと思います。

大桃 ああ、そんなに勝ってるのかとは思いますけど、個人的には良い意味で気にしていないというか、そんなに気負うことなく臨もうかなというふうに思います。

――最後に一言、意気込みをお願いいたします

小島 勝ちます!いつもこれだけです(笑)。

大桃 無失点で勝ちたいですね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 守屋郁宏)

◆小島亨介(こじま・りょうすけ)(※写真左)
1997年(平9)1月30日生まれ。183センチ、79キロ。愛知・東海学園高出身。前所属・名古屋グランパスU18。スポーツ科学部4年。GK。ワールドカップで注目する選手にドイツのノイアー選手を挙げ、NHKの中継に出演した際も、そのプレーに注目していた小島選手。早慶戦ではノイアー選手同様、悠然とゴールを守ります!

◆大桃海斗(おおもも・かいと)(※写真右)
1997年(平9)10月28日生まれ。181センチ、78キロ。新潟・帝京長岡高出身。スポーツ科学部3年。DF。大事にしている言葉に『志高頭低』を挙げてくださった大桃選手。ピッチ外では低姿勢を心がけますが、ピッチ内では打点の高いヘディングで貢献してくれるはずです!

« 特集に戻る