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2018.05.31

【連載】春季早慶戦直前特集『覇者の矜持』 第5回 徳山壮磨

 高い期待を寄せられた入学から2カ月。その期待を裏切らぬ東京六大学リーグ戦(リーグ戦)での鮮烈な神宮デビューは大学野球ファンを圧倒した。中継ぎでの役割を確実に果たしている徳山壮磨(スポ1=大阪桐蔭)はどのような思いを抱いてマウンドに登っていたのか。今季の自己評価や、初めて迎える早慶戦への思いに迫った。

※この取材は5月25日に行われたものです。

「ピンチの場面でも落ち着いて投げられるようになってきた」

救援という立場で、新たにつかんだものもあるようだ

――ご自身は2月からワセダの一員として練習されていましたが、ついに1年生の入部者が確定しました。雰囲気などは変わりましたか

 そうですね、自分達がワセダに来た頃は先輩達と練習するだけだったんですけど、全員そろってからは1年生が来たことによって先に来ていた自分達はその1年生をまとめるというか先頭に立たなきゃいけなくなったので自分たちがしっかりやろうという雰囲気になっています。

――2月のインタビュー中にも「同学年を引っ張っていける選手になりたい」という目標をお聞きしましたが順調ですか

 そうですね、ピッチャー陣だけで12人いるんですけど、自分と西垣(雅矢、スポ1=兵庫・報徳学園)で先頭に立つようにしています。

――リーグ戦で登板がありましたが投げてみていかがでしたか

 立教戦の時は緊張して、独特の雰囲気の中だったので特にそうだったんですけど。何回か経験することによってだんだんと落ち着いて投げれるようになって、自分本来の力が出せるようになってきたかなと思います。

――自分本来の力というのは常におっしゃっている直球で押して変化球で決めるという投球術になりますか

 そうですね。やっぱり初めの方は力が入って球が暴れてしまうことも多かったんですけど、だんだんコントロールできるようになってピンチの場面でも落ち着いて投げられるようになってきているのでそこは一番かなと思います。

――高校時代と現在で公式戦のマウンドに立った時に雰囲気や緊張の仕方など変化したところはありますか

 いや、特に変わらないですね。

――登板してみて課題となる部分は見つかりましたか

 やっぱり六大学のバッターは技術が高いので1球1球神経をとがらせて投げることが大切だなと感じましたし、やっぱりコントロールが1番だなと感じました。

――逆に手応えや強みになる部分は見つかりましたか

 やっぱり気持ちの面でストレートでどんどん押していいバッターも抑えられたので、そこは自信持ってもいい部分なのかなと思います。

――ここまでリーグ戦4試合で登板がありましたが振り返ってみていかがですか

 今のところは出してもらった試合で自分の力を出せているので、与えられた場所で頑張れていると思います。

――特に印象に残っている場面はありますか

 この前の法政戦なんかはピンチの場面での登板になったんですけど、1点はエラーで取られてしまったんですけどその後を三振、三振、レフトフライで抑えられたところは自分としてはしっかり粘れたのかなと思います。

――六大学リーグで投げてみて印象に残っているバッターはどなたですか

 やっぱり明治大学の1番から4番までは特にいいバッターだなと印象に残っています。

――リーグ戦中の調子はいかがでしたか

 いや、そんなに悪くもなく順調に来れていたので問題はなかったと思います。

――東大2回戦では初勝利を挙げられましたが、4年間で目標とする勝利数はありますか

 やっぱり20勝です。そこを超えないとプロの世界ではやっていけないと思うので。20勝は絶対にしたいなと思っています。

――事前のアンケートで先発の登板と中継ぎの登板では「気持ちの持っていき方が全然違う」というようにご回答頂いたのですが具体的にはどのように違うのでしょうか

 先発では自分が先発で投げるというのは分かっていて、アップから気持ちをどんどん高めていくって感じなんです。でもリリーフとなると、どういう場面、状況で出番が来るかは分からないのでそこの気持ちの持って行き方というかスイッチの入れ方が全然違います。ピンチで投げるかとか、点が入ったタイミングで投げるかとかそこの部分は難しいなと感じます。

――登板のタイミングというのはブルペンで調整されるときに急に言われるものなのでしょうか

 そうですね、突然言われることもあるのでその肩のつくり方であったり先発とは違って難しいなと感じます。

――やはりご自身としては2月のインタビューでおっしゃっていたように先発で投げたいと思われていますか

 自分は先発派だと思うのでそこに近づけるように、まだその力はないので力をつけて先発で投げれるピッチャーになりたいと思っています。

――どの部分を伸ばせばご自身にも先発の機会がやって来ると思いますか

 目安としては1回から5回までしっかり抑えられるピッチャーでなければならないです。今もまあ練習試合で先発させてもらったりしているんですけど、そこで経験を積んで勉強してやっていきたいなと思います。

――今季投手陣の乱調ともとれる試合がありましたがチームの中で話し合いが持たれたりはしましたか

 そうですね、明治の2回戦なんかは結構点を取られてしまったんですけど、その時はピッチャー全員の課題として配球が結構淡々としてしまったことがありました。そこを狙われて打たれてしまっていたのでストレートと変化球の使い分けを見直したりしました。

――最近はどのような練習を行っていますか

 最近は特に走り込みと投げ込みとかトレーニングを継続してやっています。

――事前のアンケートでは大学に入って新しい取り組みを行うというよりも「高校時代の延長線として日々の練習を行っている」と回答して頂きましたが、それは大阪桐蔭の練習法が1番合っているということでしょうか

 そうですね、大学に入ってピッチングを大幅に変えようとかは別にしていないので、ダメだったら高校の時の修正法を取り入れて、継続して良いところをどんどん伸ばしていこうと思っています。だから大学来てもそこまで大きく変えることはないと思うので高校の継続というかたちで投げ込みと走り込みを行っています。

――沖縄キャンプでコメントをいただいた際に「走り込みを中心に行っている」とおっしゃっていましたが走り込みの量は増えましたか

 沖縄のキャンプよりはやっぱり走る量は減ったんですけど、この大学は走らせるのでキツイです。でも監督さんも「走ってなんぼだ」と言っているので結構走っています。

――高校時代は大会期間といえば2週間程でトーナメント方式だったと思うのですが大学では同一カードの対戦が2日もしくは3日間で約2カ月続きます。気持ちの維持などで工夫することはありますか

 高校時代は短い大会期間だったので、調子がよければそのまま調子がいいままでいくことができました。大学は長いので良かったり悪かったりとなりがちなんですけど、自分は結構高校時代から調整方法を自分でやっていたので特に調子を崩すこともなく自分で考えてやれているので、そこのおかげで調子が悪くならないで来れているのかなと思います。

――その調整方法とは試合の前から長期で取り組むことかルーティンのようなものかどちらでしょうか

 自分は(ルーティンというよりは)試合の1週間前から「この日は投げる日」「この日は落として走る日」「短く走る日」のように細かく決めてやっています。

――岩本久重選手(スポ1=大阪桐蔭)のコメントで「徳山の持ち味は直球で変化球を使って決めにいく」というものがありましたが直球を生かすために工夫していることはありますか

 変化球が来てもストレートがダメなら通用しないので、まずはストレートにこだわりを持ってやっています。ストレートにこだわりを持つことで変化球も生きてくるので、よりインコースのストレートを投げることを今の目標にしています。

――公式戦では岸本朋也選手(スポ4=大阪・関大北陽)とバッテリーを組まれる機会が多かったと思うのですが岸本選手の印象は

 自分が1年生なので岸本さんは「自分が思っているとおりにどんどん投げ込んでこい、何も考えんと投げていいんとちゃうか」と言ってくださっていて自分が投げやすい環境をつくっていただいています。すごく楽に投げさせてもらっています。

――配球に特長は感じますか

 …そうですね、たまにちょっと正直自分合わないなって時もあるんですけど、そこは4年生なので自分よりは野球を知っていると思うので信頼して投げています。

――1球投げるごとに声を出されているイメージがあるのですがあれは意識して出されているんでしょうか

 いやあれは勝手に出ています。普段はあんまり出ないんですけど、公式戦なんで力入っているのかなと思います。

――徳山選手は下半身を使った体重移動がスムーズなことが特徴のフォームだと思います。独特なフォームだと思うのですがいつ頃から今のフォームになったのでしょうか

 結構いろんな人から自分のフォームは独特だと言われるんですけど、今のフォームは中学校の頃にピッチングコーチに教わりました。自分は前田健太投手(ロサンゼルス・ドジャース)がすごく好きで、ずっと見てて真似したりとかしてました。下半身の動きを真似したりYouTube見たりして研究して今も似た感じになっていると思います。動きは結構似ていると思います。

――ボールをリリースする瞬間も長いというかしっかり球をためて投げているイメージがあります

 そうですね、球持ちが早い方がやっぱりアレなんですけど、長い方がより伝わりますし。ためた体重を最大限に球に伝えるっていうのを意識してやっています。

――それは普段おっしゃっている制球力などにつながる部分はあると思いますか

 球の軌道とかも長く持つことでこういう軌道にいかせることもできますし、早く投げればこういくかもしれないけど、長く持つことでこういくのでそういうところに繋がるのかなと思います。

「みんな素を出してきているので楽しくやれています」

――ちょうど2カ月くらい前に推薦を受けた選手の印象を伺いましたが当時の印象と変わった部分はありますか

 結構みんな素を出してきているのですごく楽しくやれています。

――お互い呼び方とかもそろそろ定着する頃だと思うのですが

 いや、自分は普通に丸山(スポ1=広島・広陵)やったらマル、西垣やったら雅矢ですし、鈴木萌斗(スポ1=栃木・作新学院)なら萌斗で、岩本は久重って感じですね。

――キャンパス内でも一緒に行動されているのをお見かけするのですが

 そうですね、わりと一緒にいます。友達もまだあんまりできてないので。

――意外ですね

 野球部ってだけであんまり寄ってこないので。野球好きな子やったら結構話してくれるんですけど。そこまでまだ自分も踏み込めないなって部分があるんです。まだそんなにいいかなみたいな。

――今受けている中で楽しい授業は何ですか

 バレーボールですね。楽しいです、小学校低学年の時にずっとやっていたので。鈴木萌斗と一緒に受けてて同じチームなんで、めっちゃ楽しんでます。

――授業を一緒に受けたり履修も一緒に組んだ感じですか

 最初なんで結構まとまって受けるようにしています

――高校の先輩にもあたる吉澤選手(一翔、スポ2=大阪桐蔭)からは「まだワセダのユニホームが似合っていない」とコメントを頂いたこともありましたが、ご自身ではどう思われますか

 だいぶなじんできたかなと思います。違和感はまだちょっとだけありますけど、特にあんまり意識はしていないです。

――違和感というのは3年間着てきた高校時代のユニホームの方がしっくりくるということですか

 (ワセダのユニホームは)似合わないなっていうのはいつ見ても思います。早く似合うようになりたいです。

――その吉澤選手とは話をされますか

 そうですね、結構普段からお話しさせてもらってます。

――吉澤選手は最近の六大学リーグにおいて大阪桐蔭高出身の選手がよく活躍している理由は「自信とプライド」だとおっしゃっていましたが、徳山選手はどのように考えますか

 自分はあんまり人と比べないタイプなので特に誰が打っているから、とか誰が抑えてるからではなくてとにかくすごいな、と。これだけ大阪桐蔭の選手が活躍できるというのはすごい事なんだなと思ってます。特に刺激を受けたりとかはないです。

――入学して1カ月が過ぎてだいぶ慣れてきた頃かなと思うのですが大学生活はどうですか

 今のところは特に。順調ですね。

――高校時代よりも自分で自主的に行動しなければならない部分が増えてくると思います

 そうですね、授業とかもそうなんですけど自分でやらなければいけないことは増えたなと思います。

――オフなどの過ごし方は

 月曜も授業が入っているのでそんなに…たまに遊びに行くんですけど。この前とかは福井(章吾=慶大1年)と遊びに行きました。

「堂々と歓声の中で強気のピッチングを」

どんな状況でも自分の投球を貫く

――慶大に対してはどのような印象がありますか

 投手陣も打者陣もすごく数がそろっている印象があります。やっぱり粘り強いチームだなと見てて感じています。

――今季の慶大は打撃も好調です。打線の印象は

 やっぱり粘り強いところはすごく感じるので1人1人気が抜けないバッターがそろっているなと思います。

――特に警戒するバッターは

 4番の郡司さん(裕也、3年)とかはすごくいいバッターだなと思います。

――早慶戦のマウンドに立つというのはどのような事だと考えていらっしゃいますか

 1度も立ったことがないような独特の雰囲気があると思うので、とりあえずは経験を積んで勉強するって気持ちでやっていきたいなと思います。

――慶大戦で自身に求められる役割はどのようなものだと思いますか

 (ワセダの)優勝はもうなくなったのですが、ワセダとして慶応には勝たないといけないと思うので自分もその力になりたいです。そしてその独特の雰囲気の中で自分の力を出せるように投げたいと思います。

――目の前で慶大の優勝が決まる可能性もある中でチームの雰囲気はどのようになっていますか

 そうですね、先輩方はちょっと言っていたんですけど、自分は負けてるし仕方ないなって感じですね。特に意識はあまりしてないです。秋に頑張ればって感じです。

――秋は先発のマウンドに立つことをお待ちしています

 そうですね、立ちたいです。やっぱり第2戦で勝てていないので、そこで自分が先発できるように頑張りたいです。

――早慶戦に向けての意気込みをお願いします

 やっぱり自分は1年生なんで、堂々と歓声の中で強気のピッチングをしていきたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 柴田侑佳)

大舞台での勝負強さに期待です!

◆徳山壮磨(とくやま・そうま)

1999(平11)年6月6日生まれ。183センチ、77キロ。大阪桐蔭高出身。スポーツ科学部1年。投手。右投右打。「どんな状況でも心をぶらさずに、ピンチの場面であっても堂々とマウンドさばきをする」との意味を込めて色紙を書いてくださいました! 中学時代からドラマや映画を見ることが好きだという徳山選手。「意外かもしれないんですけど、実は結構恋愛ものとかも見るのが好きなんですよ」と対談中もドラマの話で盛り上がりました。高校時代は部活動を引退した後に映画館に行かれていたこともあるそう。今季も毎週のドラマ視聴を楽しみにしているそうです。

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