競走部

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2018.05.05

【連載】ルーキー特集『新進気鋭』 第5回 太田直希×向井悠介×山口賢助

 早大競走部に今年も春がやってきた。全国でも有数の実力者が早大競走部に集ったが、それぞれがこれまで歩んできた道のりは様々だ。今回の対談では早大のエースを兄に持つ太田直希(スポ1=静岡・浜松日体)、小豆島からやってきた向井悠介(スポ1=香川・小豆島中央)、進学校から一般入学で早大に入った山口賢助(文1=鹿児島・鶴丸)の三人にこれまでの歩みとこれからについて語っていただいた。

※この取材は4月11日に行われたものです。

「東京を感じています」(太田直)

三者三様のこの対談。上を目指す気持ちは同じだ

――きょうの練習は何をされましたか

山口 きょうは4000メートルプラス4000メートルでした。最初の設定が3分10秒から15秒の間で、1000メートルでつないで後半が3分10切りの設定でした。あ、いや、3分15切りです。

太田直 すぐ嘘つくじゃん(笑)。

――みなさん同じ練習ですか

向井 僕は山口と一緒です。

太田直 僕は1万メートルのビルドアップでした。

――もう大学の練習や生活には慣れましたか

山口 慣れてないです。

向井 もうこの通りやな(笑)。

――授業などはいかがでしたか

太田直 ちょっと90分長いなという感じです(笑)。

山口 思っていたより難しかったです。

向井 長いですね(笑)。

――高校時代と比べて大きく変わったことは何でしょうか

向井 自宅から合宿所になったことが一番大きいかなと思います。合宿所のルールとか、同じチームで共同生活するという点で大きく変わったと思います。

山口 やはり今までずっと家で暮らしていたので寮生活になったことと、高校の時はあまり強いチームではなかったのでチームで練習するみたいな感じがあまり慣れないです。

――高校時代は1人で練習されていたのですか

山口 3年の夏が終わってからはずっと1人でした。ポイント練習とかはいろいろなところで参加したりしたんですけど、大体1人でやってました。

――太田選手はいかがですか

太田直 僕も寮生活になったのが一番大きいです。あと、朝練習の量が2倍くらいになりました。

――寮の当番なども大変ではないですか

一同 大変です。

――朝も早いとお聞きしますが

太田直 まだ緊張感を持ってるので今は大丈夫です(笑)。

山口 緊張感が途切れたら寝坊とかし始めると思うので、しっかり緊張感をもってやりたいです。

向井 まだ僕も寝坊はしてないです(笑)。

――みなさんの中で一番早起きが苦手な方は誰なのですか

山口 はい(笑)。

――3人とも地方のご出身ですが、関東に来ていかがですか

山口 人がとにかく多いのと、自然が少ない(笑)。

向井 ラッシュの時がすごく人が多かったです。

――小豆島とはやはり違いますか

向井 (小豆島は)電車が通ってないので。

――太田選手はいかがですか

太田直 人が多いのはもちろんですが、電車の乗り換えがなかなか難しいです。

――よく外出されるのですか

太田直 暇なときは誰も誘わず1人で行っちゃうんですけど。みんなで行くというよりは自分のペースで行きたいという感じなので、行きたいときに行ってます。

――何をされるのですか

太田直 東京を感じています。

一同 (笑)。

――山口選手はどこか行かれましたか

山口 とりあえず街に出て。何をすればいいのかはわからなくてとりあえず街を歩いてみたりはしました。まだ遠くに行ったりするのは怖いので近場で。最近は新宿とかに行きました。

向井 僕も他の人と同じような感じでフラッと行ったりとかはしてます。

――趣味はありますか

太田直 ゲームです。

――お兄さんの太田智樹選手(スポ3=静岡・浜松日体)もよくゲームをされているとお聞きしますが一緒にされたりするのですか

太田直 昔というか最近まではやってたんですけど、最近はそんなにやってないです。

――お二人はいかがですか

山口 普通に買い物をしたりとか。野球観戦とかは行けたらいいなと思っています。近くにプロ野球とかを生で見れる所がなかったので、そういうのを趣味にしたいです。

向井 僕はテレビとかを見るのが好きですね。

「エンジのユニホームを着て走る」(向井)

丁寧に質問に答える向井

――では競技の話に移らせていただきます。まず、陸上を始めたきっかけを教えてください

太田直 自分は中学校の時から陸上を始めたんですけど、その時点で父親、母親、姉、兄の全員が陸上をやっていたので、陸上以外の選択肢がなかったです。

山口 僕は中1まで野球をやっていて、中2から陸上を始めました。単純に野球をやっていて同級生とかがかなり多くてそんなに出場機会がなかったことと、足は長距離になると野球部の中で一番速かったので向いてるかなと思って始めました。

向井 僕は中学校に入学したときに陸上部の先生に誘われたのがきっかけです。

――高校時代印象に残っているレースはありますか

向井 僕は高校2年生の都大路(全国高等学校駅伝)の1区です。タイムは全体の中ではそんなに良くなかったんですけど、格上の選手に勝てたというのはすごく心に残りました。

山口 高校2、3年の時に出た都道府県駅伝(全国都道府県対抗男子駅伝)です。中学校の時は全国大会では都道府県駅伝にだけ出れなくて、それにはどうしても出たかったので出れてうれしかったです。

太田直 僕は高校3年生の全国高校駅伝(全国高等学校駅伝)です。その時タイムだけみたら10何番という順位だったんですけど(浜松日体高校の地区大会の予選タイムは出場校中12位。5000メートル平均タイムは17位だった。)、チームで戦って入賞できたのでそれはとてもうれしかったです。

――都道府県駅伝ではみなさん同じ5区に出走されましたがお互い意識されましたか

山口 僕は2人のこと知ってたんですけど、2人は僕のこと絶対知らなかったと思うので(笑)。僕はスタートリストを見て「ああ、いるな」という感じでした。

――みなさんお互いのことを知ったのはいつ頃なのでしょうか

太田直 僕は、向井のことは中学の時にかなり強かったので中学の時から知っていて、山口は入寮してから知りました。

向井 僕は高3の時くらいに直希のことを知って。でも実際に喋ったのは入試の時くらいでした。山口は僕も入寮の時に知りました。

山口 僕も、向井は中学校の頃から速かったので知っていて、直希はワセダのスポーツ推薦の一覧を見て知りました。

――ご自身の強みと、これから強化していきたい点を教えてください

山口 高校の時は、勉強と陸上の両立が忙しかったんですけど、そのなかで時間のやりくりとかうまく時間を使って無駄なく過ごせるところは強みだと思います。

――何か工夫はされていましたか

山口 勉強や陸上以外の時間で息抜きみたいなことはしなかったですね。

――お二人はいかがですか

向井 僕はあまりいい施設がないところでずっと陸上をしていたので、そういう面で環境への対応力はあると思います。それとまだわからないですが長ければ長いほど、5000メートルより10キロの方が耐性があって、ロードで長い距離の方が好きなのでそこを伸ばしていきたいなと思います。

太田直 自分も長い距離の方が得意なので、長い距離は強みかなと思います。今は筋力強化をしています。

――今、お話にあがりましたが、ロードとトラックではどちらに得意意識がありますか

向井 ロードです。

山口 ロードです。

太田直 ロードです。

――学生三大駅伝に対する思いはありますか

太田直 学生三大駅伝は3冠したいという目標があるので、自分もその一員としてワセダに貢献できたらいいなと思います。

山口 最終的に3冠できればいいなと思いますし、学年が上がってから出るのではなくて結構下の学年の時から出れればいいなと思います。

向井 学生三大駅伝でエンジのユニホームを着て走るというのがチームに貢献できるという条件だと思うので、早くメンバーに入って走っていきたいなと思います。

――現時点で走りたい区間はありますか

太田直 まだあまりないです。

向井 まずは出ることを頑張ります。

山口 箱根(東京箱根間往復大学駅伝)でいえば、山以外がいいです。

――憧れの選手はいますか

向井 やっぱりOBさんたちで活躍されていた竹澤さん(健介、平21スポ卒=兵庫・報徳学園)や、大迫さん(傑、平26スポ卒=現ナイキ・オレゴン・プロジェクト)です。あと地元の香川で中村信一郎(平28スポ卒=現九電工)は憧れです。

山口 同じ鹿児島出身の永山さん(博基、スポ4=鹿児島実)は憧れています。高校2年生の時の都道府県駅伝で永山さんからタスキを貰ったんですけど、その時永山さんに渡った時点で確か25番だったんですけど、僕がもらった時には11番くらいになっていて。近くでその走りを見て憧れました。

太田直 僕は憧れの選手はあまりいないです。

――他大で意識されている選手はいますか

太田直 他大というよりはやっぱりチーム内が強いので。仲間でありライバルとして勝ちにいきたいというのはあります。

「中学の時からずっと(早大に)行きたいと思っていました」(山口)

一般入学の山口

――では、早大の競走部について質問させていただきます。まず早大に進学した理由を聞かせてください

太田直 自分は高校の時からよく先生から陸上だけじゃなくて勉強も両立するのが人として成長できるということをよく言われていたのでワセダだったら勉強も陸上もトップレベルだったのでワセダを志望しました。

山口 僕もほぼ一緒で、単純に勉強ではネームバリューがあるというか頭がいい大学に行きたいプラスやっぱり陸上をやってて箱根とかも走りたいと思ったので、その一番といったら駅伝も強いですし頭もいいのでワセダがいいなと思いました。中学の時からずっと行きたいと思っていました。

向井 僕も一緒で文武両道できる大学の一番はワセダだと思ったからです。

――早大の競走部に入る前は競走部に対してどういう印象を持っていましたか

向井 小さい時箱根を見ていた頃からエンジのユニホームというのは目立っていて、一番記憶に残っている大学ではあったと思います。

山口 話を聞いたら自由な感じで1人でも走れる選手が伸びていくような大学なのかなという風に思っていました。

太田直 僕もワセダは自由な感じで、自分のリズムでやらせてくれるイメージは持っていました。

――実際にその一員になって印象は変わりましたか

太田直 プラスして、自由なところもあるんですけどメリハリというのが付いていて、しっかりするところはしっかりするチームだとわかりました。

――相楽豊駅伝監督(平15人卒=福島・安積)はどのような監督でしょうか

太田直 結構動きを見てくださるので動きについてのよく指示をいただいています。

山口 優しい感じがして、あまり自分のことを見ていないようでよく見ているみたいな感じですかね。「ああしろ、こうしろ」と言うのではなくて、自分の感覚を聞いてどうなのかみたいな感じで、僕の意見を聞いてから言ってくれるような感じかなと思っています。

向井 同じような感じで、意見を聞いてそれに対してアドバイスをしてくださってるなと思います。

――同期の皆さんに対する印象はいかがですか

山口 練習を見ていても、鹿児島ではあれだけレベルの高い選手はいなかったので。この前も3000メートルを8分14で走っていて。そんな選手は周りにいなかったので、高校のトップは違うなと思います。普段過ごしている中では、特に中谷(雄飛、スポ1=長野・佐久長聖)とか千明(龍之佑、スポ1=群馬・東農大二)は穏やかな感じなんですけど走りになると違いますね。

太田直 同級生は短長含め強いので、チーム内にいい目標というか高いレベルがいると自分の今の力というのがよくわかるので、一緒に練習していても、「コイツに勝ったらここまでいける」というのがよくわかるのでとてもいい環境だなと思います。

向井 まずはやっぱり練習を見ていて強いなと思うし、同期で目標になる選手だなと思います。

――よく話す先輩はいらっしゃいますか

太田直 2年生では吉田さん(匠、スポ2=京都・洛南)と仲良くさせてもらっていて、3年生では大木さん(皓太、スポ3=千葉・成田)とよく喋っています。

山口 2年生では本郷さん(諒、商2=岡山城東)が僕の面倒を見る担当をされているというのもあって、ご飯とか連れてってくださいます。あと短距離ブロックで、同じ鹿児島の折田さん(歩夢、スポ2=鹿児島・甲南)とかはよく自分に話しかけてくださいます。

向井 僕も岡山とか香川周辺で石川さん(諒、スポ2=香川・観音寺第一)や本郷さんとお話しすることが多いです。

――太田選手個人の質問になってしまいますが、お兄さんの智樹選手はどのような存在なのでしょうか

太田直 兄はまだ自分にとっては目標というか追いかける存在ですね。

――早大進学にあたって何か声をかけられましたか

太田直 自分が来るときというか、高校2年生くらいの時に「ワセダに来たら?」という風に言われました。そんな簡単に行けないんですけど(笑)。それ一回きりです。

「日の丸をつけて走ってみたいです」(太田直)

太田は4月の日本体育大学長距離記録会で自己記録を更新した

――今年一年間の目標をお聞かせください

向井 今年は最低限として箱根駅伝のメンバーに入るというのが目標で、その中でも駅伝を走れる選手になりたいなと思います。

山口 今年一年の目標としては箱根駅伝に出て、ワセダは上にくるチームだと思うのでそれ相応の走りができればなと思います。

太田直 僕はトラックで入賞という目標を掲げているんですけどそんなに甘くはないと思うのでしっかり自分の力を付けて、それを駅伝に生かして補欠じゃなくて走って優勝をつかみ取りたいと思います。

――最後に、早大での4年間が始まりますが、4年後はどんな選手になっていたいですか

向井 4年後は大学内ではトップレベルでいたいなとは考えていて、全カレ(日本学生対校選手権)とかでも入賞できるような選手で、駅伝でも区間賞を取れるような選手になりたいと思っています。

山口 自分は全然有名じゃないので、同期みたいに全国区で有名な選手になって、関カレ(関東学生対校選手権)や全カレで入賞したり駅伝で区間賞が取れるような選手になりたいです。

太田直 僕は関カレや全カレで表彰台に乗って、駅伝で区間賞を取れるような選手になって日の丸をつけて1回は走ってみたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 佐藤詩織、宅森咲子)

落ち着いた雰囲気の中で対談は進みました!

◆太田直希(おおた・なおき)(※写真右)

1999(平11)年10月13日生まれ。169センチ、52キロ。静岡・浜松日体高出身。スポーツ科学部1年。自己記録:5000メートル14分13秒59。勝負飯はコンビニの赤飯おにぎりだという太田直選手。コンビニによるとつい手に取ってしまうのだとか。赤飯を力に変えて、今年はトラックでの入賞と学生三大駅伝出走を目指します。

◆向井悠介(むかい・ゆうすけ)(※写真左)

1999(平11)年4月16日生まれ。168センチ、50キロ。香川・小豆島中央高出身。スポーツ科学部1年。自己記録:5000メートル14分34秒12。小豆島からオリーブオイルを持ってきたという向井選手。パンにチーズを乗せてオリーブオイルをかけて食べるのがお薦めだそうです。得意とするロードでオリーブ魂を見せてくれるでしょうか。

◆山口賢助(やまぐち・けんすけ)(※写真中)

1999(平11)年5月3日生まれ。174センチ、58キロ。鹿児島・鶴丸高出身。文学部1年。自己記録:5000メートル14分27秒34。初めての取材で緊張されていたという山口選手。色紙に書く言葉は最後まで悩まれていました。中学時代から憧れていたエンジのユニホームを着て走る、空前絶後の山口選手の活躍が楽しみですね。

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