米式蹴球部

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2018.04.28

【連載】『第66回早慶戦直前特集』【最終回】DL斉川尚之主将

 「慢心が顕著に結果に出た」。昨年、関東大学秋季リーグで日大に敗北。関東3連覇を逃し甲子園の地を踏むことは出来なかった。悔しさをバネに再起を誓う男こそDL斉川尚之主将(スポ4=東京・獨協)だ。早大がいまだ成し得ていない甲子園ボウル制覇を見据え、チームのために汗を流し続ける闘将にお話を伺った。

※この取材は3月27日に行われたものです。

「カベに立ち向かう」

今季主将を務める斉川

――新体制が始動してチームの雰囲気はいかがですか

 チームの全体練習が始まったのが2月からで、チームの雰囲気としてはすごい活気があって特に下級生からの試合に出たいという意欲がすごく高くて、実際にプレーでも育っているなという部分はありますね。それに触発されて上級生もうかうかしていられないということで、全員がいい意味で競争を意識して切磋琢磨しています。

――競争意識を高める取り組みなどはありますか

 今年の新チームが始まったときに『気魄』というのをスローガンに掲げたのですが、それに伴って1つ1つの練習でも争うというか、1つ1つのプレーに対して勝つということを意識しようとチームは始動して、今年は特に意識をしているのでそのような雰囲気になっているのかなと思います。

――チームスローガンが『気魄』に至った経緯は

 僕はずっと中高バスケットボールをやっていて、その時に東京の京北高校というチームのスローガンがまさに『気魄』でかっこいいなと思っていました。京北高校はとてもいいチームでまさにスローガンを体現していて、1つのモデルのチームと言いますか、かっこいいなと思っていたのとそういうチームにしたいなと思い『気魄』に決めました。

――具体的にどのようなチーム像でしょうか

 とにかく京北高校はとても強いんですよ(笑)。僕もバスケをやっていて最後の高3の引退試合の相手が京北高校でボコボコにされてしまって、そのままその年のインターハイに出場して、とにかくかっこいいんですよ。あこがれもあったのでそういった形になりました。

――春までのオフの期間で強化した点は

 きょねんなぜ負けたのかを12月、1月考えて、色々と負ける要素はあったんですけど、チーム全体の雰囲気としてどこか勝てるだろうと、甲子園に2年連続で出場したこともあって、特に日大戦に対しては日大に負ける訳がないという油断で負けたという部分も感じました。なので、本当に今年はそういう点でも厳しくというのは色々な意味があると思うんですけど、まず練習量が圧倒的に足りていなかったということで、2月から全体練習が始まって、練習量は自分がBIG BEARSに入ってから1番多いなと感じています。

――大人数の組織をまとめるためにコミュニケーションの面で意識されていることはありますか

 僕1人だけが100を超える人数の各個人を見ることは出来ないんですけど、自分が主将になった時に特に下級生とはまだまだコミュニケーションが取れていないと感じたので、主将面談を1月から2月にかけてチームの選手、スタッフ1人1人と話して、自分の日本一へ対する思いと下級生へ対して日本一へなるためにどうチームへ貢献するのか、という話し合いを1人あたり15分か長くても30分くらい面談をしました。その中でこいつは意外と熱いやつなんだとか、意外とここを頑張っているんだと理解をした上で、ポジション主任、オフェンスリーダー、ディフェンスリーダーと積極的にコミュニケーションを取ってチームを知るという感じです。

――主将を務めることになった経緯は

 今年は主将の決め方が変わって、まず監督から4年生の中から候補を1人出してほしいと言われて、4年生のミーティングで主将の立候補を募りました。その時に僕とRB片岡遼也(法4=東京・早大学院)とDB小野寺郁朗(社4=東京・早大学院)が立候補して、その3人以外の4年生で話し合って決めたという感じです。

――立候補に至った要因は

 きょねん日大に負けて甲子園に行けなくて、甲子園に行けないというのが自分がBIG BEARSに入ってから初めての経験で、それが本当に悔しくて4年生になるということで自分の中では闘争本能というかそういうのをむき出しにしていくタイプなので、それがみんなには足りないのかなと思ったのが1つです。『気魄』という意味にもこめられているんですけど、日本一になりたいという思いを先頭に立って引っ張っていくのが自分は相応しいのではないかと思い立候補しました。

――ご自身の強みは

 勝ちたいという気持ちをプレーでも言葉でも表現できるのは、持ち味なのかなと思いますね(笑)。

――理想の選手像などはありますか

 結構相談にのっていただいているんですけど、僕が1年生の時に主将だったDLの村橋(洋祐、平27スポ卒=大阪・豊中)さんは、理想の主将だったと自分の中では思っていて、もちろんプレーもすごかったんですけど、村橋さんが本当に日本一になりたいというのをプレーでも言葉でも行動でも体現していたのかなと思っていて、それが理想ですね。

――これまで意識してきた選手は

 同期のDLは僕も含めて全員未経験でDLを始めて、その中でケガとか色々とあったけどみんな本当に上手くて、特にきょねんは日大戦(だけ)はちょっと出たんですけど法大、慶大戦はケガで完全に出られなかった中で、自分の同期のDL上田(雄大、人4=東京・明治学院)やDL丸茂宏太郎(スポ4=山梨・甲府西)が活躍していたのは、やはりすごく悔しかったですし、みんなそれぞれ持ち味があってそれぞれが努力しているので、いい意味で意識をしているという感じです。

――成長を著しく感じる選手はいますか

 いっぱいいて本当に1人には絞れないですね。僕はラインズなのでラインズで言うとDLは全員が成長していると思っていて、特にDL古田(泰一、法3=東京・早大学院)とかDL箕輪(京介、社3=東京・早大学院)、2年生もDL茅野(隼士、法2=東京・早大学院)とかが成長しているなと感じますね。OLと練習で当たることがあるんですけど下級生のOLがすごく良くて2年生のOL橋口(慶希、創理2=東京・早実)とかOL原(千手、スポ2=愛知・海陽学園)、OL玉嶋(友彦、スポ2=東京・西)とかもきょねんに試合に出ていない分すごい今年こそは試合に出ようという意識がプレーに出ているので良いなと思います。

――春シーズンの目標は

 春は秋に向けて1番成長出来る時期であり、実践の経験を積んでその課題をどれだけ出せるかという風に思っているので、とにかく勝ちにいくのもそうなんですけど、勝ち方にこだわりたいというのはありますね。1戦1戦ゲームプランとか各ポジションで目指す戦い方があると思うんですけど、それをどれだけ高い完成度で体現できるか。その上でどう勝ちにつなげるのかを意識したいです。特にキッキングはきょねんの課題でもあるので、絶対にキッキングユニットの完成度を春の段階で高めたいと思いますね。

――今年のチームの持ち味はどの辺りにありますか

 特徴としてはきょねんと比べてスクリメージの練習を多くしていて、オフェンス、ディフェンス、キッキングもスタートからフィニッシュまで相手が嫌がることをする。オフェンスであったら笛が鳴るまで相手をドライブしたりブロックしたり、ディフェンスだったら相手が嫌がるくらいのギャザーやタックルをするという意識は高まっていて、それが特徴と言うかチームが目指しているものでもあるので、今年はそこを重点的にやっています。

――きょねんの4年生が抜けた穴は感じますか

 きょねんの4年生が抜けた穴は感じてはいるんですけど、その穴を埋めるために今の4年生もそうですけど下級生も、スタメンが確定していないポジションが多くある中で自分が1本目になろうという気持ちとかはすごく感じますね。そういった意味では、きょねんの4年生と同じ形ではないかもしれないんですけど、それを上回るぐらいのプレーや輝くものがあるのかなと思っています。

――今年のチームの目標は

 今年はもちろん日本一が目標なんですけど、毎年ライス(ボウル)で勝つことを目標にしていましたが今年は学生日本一を掲げています。目標を下げているように見えるんですけど、今までは僕個人の感覚として甲子園に出ることで満足していたんですけど、それを打破するためにも今年は学生日本一という目標を掲げて、甲子園で勝つことをよりフォーカスした目標にあえてしたので、甲子園で勝つことが今年の目標ですね。

――フットボーラーとしての心得は

 日本一を目指すチームに必要なことは学年とか経験に関係なく常にカベに立ち向かっていく勇気ですね。色々と自分で限界を決めない人に入部してほしいです。

「絶対に負けられない」

先頭に立ちチームをけん引する

――早慶戦でワセダのキーマンだと思う選手は

 オフェンスだったらユニットとして捉えるならばOLです。きょねん抜けた敬太さん(鈴木、平29法卒=東京・早大学院)や稲葉さん(玲央、平29法卒=東京・早大学院)、きょねん出ていたメンバーも含めて今1番熾烈(しれつ)なポジション争いをしていて、早慶戦では絶対に誰かがスタメンにはなるんですけど、今年スタメンになったOLがどれだけ出来るかが勝負を左右する大きなポイントになるのかなと思いますね。ディフェンスで言うときょねん抜けた穴が大きいのはフロントではなく後ろのDBのポジションで、下級生も2年生のDB大西(郁也、法2=東京・早大学院)きょねんも出ていたんですけどDB高岡(拓稔、商3=東京・早大学院)とかDB高橋(弘汰、法2=東京・早大学院)。いま挙げた選手以外でもDBの中でのポジション争いは熾烈で、その人たちがどれだけ早慶戦で活躍できるかというのもOLと同じく、試合の勝敗を左右するものなのかなと思いますね。

――早慶戦で思い描く戦い方は

 毎年早慶戦を春にやっていて、新入生も含めて多くの人も来ますし他のOBの方々の協力もあってできているので、ビックプレーをオフェンス、ディフェンス、キッキング全てのユニットで起こしたいです。

――今年の慶大の印象は

 きょねんは慶大らしくない負け込んだ秋シーズンを過ごし、今年からめちゃくちゃ練習がキツくなったと噂で聞いたので、きょねんあれだけ苦しいシーズンを送ってきたからこそ春の早慶戦に懸ける思いが大きいのかなと思っていて、そこが怖いですね。

――その中で特に注意すべき選手などは

 主将のWR松岡拓希(慶大)の弟は早稲田にいますし、ユニバーシアードの選考会もあって主将対談とかもしたんですけど、本当にリーダーシップもあって自分に1番ストイックで、松岡くんが主将であるチームは怖いと思っているので、注意すべきは松岡くんかなと思います。

――早慶戦への意気込みをお願いします

 春の早慶戦に関しては僕が1年生の時からずっと負けていなくて、今年は自分が4年生で最後の春の早慶戦になるので、絶対に負けられないです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 成瀬允)

『気魄』と力強く書いていただきました!

◆斉川尚之(さいかわ・なおゆき)

1996(平8)年3月29日生まれ。187センチ、112キロ。東京・獨協高出身。スポーツ科学部4年。DL。今季主将を務める斉川選手。1年時にも持ち前のリーダーシップが評価され、未経験者ながら新人戦主将に抜てき。高校時代にバスケットボールで培ったスピードは、フットボールに活かされているそうです!ディフェンスの最前線で戦い続ける闘将から目が離せません!

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