米式蹴球部

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2018.04.26

【連載】『第66回早慶戦直前特集』【第4回】DB石河佑太×DB高岡拓稔×LB池田直人

 アメフトは「オフェンスが客を呼び、ディフェンスが勝利を呼ぶ」と言われることがある。重要な役割を担うディフェンス陣から、昨季出場機会を増やしたDB石河佑太(創理4=東京・早実)、DB高岡拓稔(商3=東京・早大学院)、LB池田直人(法3=東京・早大学院)の3人に早慶戦への意気込みを語っていただいた。

※この取材は3月30日に行われたものです。

「DBの再建がディフェンスにとって重要」(高岡)

今季活躍が期待される高岡

――昨シーズンが終わってから、オフシーズンの中で重点的に取り組んだことは何かありますか

石河 個人としては、オフシーズンの期間はフィジカルを上げることを重点的にやりました。体重の管理もですけど、ウエイトもしっかりとやっていましたね。あとは、アジリティの基礎的な練習を繰り返しやっていました。

池田 LBとしては、今年に入ってから松尾コーチ(松尾卓治)という新しいコーチに来ていただきまして、松尾コーチは関西学院の出身なんですけど、そこの選手の身体の使い方などを教えていただいたので、それを練習前のビフォアーや練習後のアフターで重点的にやっていましたね。自分としては、その中でもヒットの時に腰を入れて相手に向かっていくということを重点的に取り入れていました。パスカバーにも少し不安があるので、キーリードもより早くできるように心掛けて練習に取り組んできました。

高岡 個人としては、オフシーズンに社会人のチームに混ざって練習させていただいて、すごくレベルの高い方々と練習する中で色々な発見や経験をさせていただきました。いまはそれをDBの仲間に伝えていって、自分たちにあったメニューは取り入れていっています。DBユニットとしては、基礎体力アップを目指して走り込みや、アジリティに特化した練習をやってきました。3月に入ってからは徐々にフットボールの練習も始めていて、これまでやってきた基礎的な動きをフットボールに取り入れていっています。

――昨シーズンをふまえてDB、LBに求められているものは何だと思いますか

池田 LBは状況に対しての反応が遅くて、頭の切り替えがうまくできていなかったので、そこの切り替えをすぐにして状況に順応できるようにしたいですね。あとは、タックルミスや、自分たちのアサインメントの弱みを理解できていないことがあって、その結果ロングゲインや一発TDを許してしまった部分があったので、タックルミスをなくしていく必要があるなと思います。どこのポジションにも言えることなんですけど、フィジカルが足りていなくてやられている場面があったので、フィジカルも必要かなと思います。

高岡 DBは昨年は経験豊富な先輩方が引っ張ってくれて頼もしかったんですけど、僕自身も試合にしっかりと出場したのが法大戦と慶大戦だけで経験のある選手が少ないかなと思っています。昨年は個の力のある4年生の先輩がいたにも関わらず少しアサインメントに頼りすぎていた場面がありました。多様なアサインメントを駆使することも大事だとは思いますが、個人個人が力をつけて、工夫して経験を積んでいくということが今は必要だと思っています。今年はDBの再建がディフェンスにとって重要だと思っているので、今後増えていくであろうアサインメントに対応していけるだけのDBとしての経験の厚みをつけていければなと思っています。あとは、池田も言っていたんですけど、昨年は1発TDを許してしまう場面が何度かあって、ディフェンスの最後の砦であるDBとしては絶対に防がなきゃいけないところなので、パシュートとタックル技術の向上は必要だと思っています。

石河 DBの中でもCBは昨年試合に出場していたメンバーも多く残っているのですが、アサインメント通りにやるということを意識しすぎていて、レシーバーとの1対1の駆け引きがうまくできていないので、今はそこをコーチ陣にも教えていただきながら練習しています。あとは、やはりタックルが甘い場面が多くみられたので、そこは重点的に練習していますね。

――フットボーラーとしての心得や、プレーする際に意識していることなどありますか

池田 僕は試合中も練習中もとにかくずっと声を出しています。相手の動きに合わせてDLとかを動かさなきゃいけないので、常に声をかけていますね。あとは、ルーティンってほどではないんですけどプレー前に相手のセンターの目を見てどんなプレーがくるか予想しています。

高岡 僕も小さい頃からルーティンをやれと教育されてきましたね。誰の影響かは分からないですけど(笑)。シチュエーションや相手の体型、時間を考えて、1番されてはいけないことをまず考えます。フラッグフットボールを小さい頃からやっていて、やらなきゃいけないことと、やられてはいけないことを頭の中で整理すると落ち着いてプレーに入れるので、必ず状況の整理はするようにしています。あとは何よりフットボールを楽しむようにしています。辛そうな顔でフットボールをしていても楽しくないので、練習や試合の最初から楽しむようにプレーしています。

石河 心得ではないんですけど、4年生になって最上級生になったので、練習中以外でも周りをよく見るようには心掛けていますね。練習の雰囲気を作っていくのは4年生だと思うので、練習中に声が出ていなかったりしたら盛り上げたりっていうのはしてますね。ルーティンとかずっと続けてやっていることは特にないですね(笑)。

「自分を越える」(池田)

今季LB主任を務める池田

――理想とする選手、目標としている選手はいらっしゃいますか

池田 僕は特にいないですね。僕のポジションは少し特殊なんですけど、僕がいま目指しているのは1年生の頃の自分です。昨年は良いパフォーマンスができていなかったので、今年はそれより2倍、3倍良いパフォーマンスをしなければと思っています。とにかく自分を越えるというのを目標としてやっていますね。でもまぁ、あえて挙げるとしたらピッツバーグ・スティーラーズのライアン・シェイジアー選手がパスカバーも上手くて、足も速いので凄いなと思って見ています。

高岡 僕は、そうですね。自分のプレースタイルが自分自身でもはっきりこれだというのがないので、理想的な選手っていうのは特にはいないですね。でも、色々な上手いプレイヤーの良いところを盗んでいこうと思ってはいます。昨年までいた山口さん(昴一郎、平29社卒=東京・佼成学園)、寺中さん(健悟、平27教卒=東京・早大学院)といった偉大な先輩方がDBを頭で引っ張っていたので、その2人は目標としていますね。

石河 CBとしては、昨年の久保さん(颯、平29国教卒=東京・早大学院)が理想ですね。フィジカルもしっかりあって、レシーバーと駆け引きできる技術もあったので、目標としています。自分の課題としてメンタルの弱さがあるので、湯舟さん(大地、平29創理卒=東京・早大学院)は何をやられても耐えていられる、ポジティブでいられるメンタルの強さを持っていたので、すごいなとずっと思っていました。

――チーム内で一推しの選手はいらっしゃいますか

池田 新2年生のLB橘(風雅、教2=大阪・豊中)ですね。僕とポジションが同じ後輩で、センスに溢れた動きをしますし、パスカバーが上手くいですね。ずば抜けて上手い選手ではないんですけど、パート練習の中の基礎的な練習の中だけでも上手いなっていうのが分かりますね。僕にとってまだ脅威ってほどではないんですけど(笑)。彼は絶対にこれから伸びてくる選手だなと思います。あとは同期のLB杉田(直人、法3=東京・早大学院)とLB野城(翔也、創理3=東京・西)ですかね。杉田はクレバーなプレーができますし、高校の時から一緒にプレーしていて信頼もしていますね。野城は昨年特殊なポジションで、色々と苦労したと思うんですけど、彼自身試行錯誤していて、ポジショニングとかも「ここにいてほしい」っていうところに自分で考えて動いてくれたりしていて、とても良いプレイヤーだと思います。

高岡 僕も同じく新2年のDB高橋(弘汰、法2=東京・早大学院)とDB大西(郁也、法2=東京・早大学院)ですね。僕と同じ高校の後輩なのでプレースタイルも人柄も良くわかっているので信頼もしていますね。昨年は2人ともシーズンの途中まで怪我をしていてなかなか試合には出られなかったんですけど、今年に入って伸びてきているなと思いますね。2人ともお調子者なので、あまり褒めるとよくないのでこれくらいにしておきます(笑)。

石河 CBとしては、新3年のDB永井(雄太、商3=東京・早大学院)とDB山下(大樹、教3=埼玉・早大本庄)かなと思います。永井は自分とは違うプレースタイルを持っていて、自分にはないものを持っているのですごく羨ましいところではありますね。山下は身体能力が異常に高いですね。そんな感じです(笑)。

――今年から各ポジションの主任になられましたが、どのようなユニットにしていこうと思っていますか

池田 僕はLB主任を3年生という立場でやらせていただくことになりました。LB主任は3年生がやるという伝統みたいのがあるんですけど、立候補した理由としては、これまで僕自身多くの試合に出させていただいていて、ユニットを引っ張っていく責任というのを感じていたというところがあります。昨年のLBユニットは少し緩くて、締めなきゃいけないところで締めきれていないところがあったので、そこはしっかりしていかないとなと思っています。あとは、先ほども言ったんですけど、僕は盛り上がって練習していくのが好きなのでLBが1番声を出していこうと言っています。プレー面では、これまではヒットの仕方が人によってバラバラだったので、そこはチームとして統一感を持ってやっていければなと思っています。雰囲気作りも大事にしていて、先輩後輩とか関係なく、プレー中には指摘しあえるような風通しの良いユニットを目指しています。

高岡 DBはまず、DB全体の主任として小野寺さん(郁朗、社4=東京・早大学院)がいて、その次にCBの主任が石河さん、SF、ローバーの主任が僕という形でやっています。僕が主任に立候補した理由としては、DB主任の小野寺さんの「今年はDBでチームを盛り上げていこう」という方針にすごく共感したのと、自分がプレイヤーとしてまだまだ未熟なので、ポジションの上に立つことで色々と吸収できることがあるかなと思ったからです。チームで1番人数が多いDBというポジションで、試合に出てるメンバーとそうでないとメンバーの中でモチベーションの差が出てきてしまうこともあるので、人数が多くても選手の層が薄いということにならないように、後輩とコミュニケーションをとったりしています。班ごとに分けてアフターをやって話し合いの場を持つことで、LB同様に風通しの良いユニットにしようと心掛けています。コーチ陣とも例年以上にコミュニケーションをとってミーティングを重ねて、練習のビデオをユニット全員で見て、話し合いの場を多く持つように意識して取り組んでいます。

石河 昨年の課題として1番大きかったのが、全員のモチベーションの差でした。上級生の試合に出る選手だけがしっかりとやっていても日本一になるチームとしては足りていないと思っていて、体重管理やフィジカル、フットボールへの考え方が足りていない選手が昨年までは多かったです。そこを改善するためにも今年は下級生にもフィジカル面などもしっかりと強化してほしいと思っています。フットボールへの理解度に関しても、DBで班分けして、下級生が分からないことは練習後のアフターで上級生が指導することで、理解度の差をなくしていくように取り組んでいます。

――春のオープン戦で試したいことや、ここを見てほしいというポイントはありますか

高岡 個人としては、練習試合や合同練習を何度かやって、早慶戦が大勢の方に見ていただける最初の場だと思いますし、その後もレベルの高い相手との試合が続くので、冬から春にかけてやってきたことをとにかく思い切りぶつけるということですね。そこで出てきた課題を夏に修正して秋に向けていこうと思っています。フィジカルアップしてきた身体と、冬に繰り返しやってきた基礎的なステップワークをどれだけ他校に対してぶつけられるかというところは楽しみではあります。ユニットとしては石河さんにお任せします(笑)。

石河 個人としては、これまで公式戦でインターセプトをしたことがないので積極的に狙っていきたいなとは思っています。ユニットとしては、春はスタメンの選手だけじゃなくて2本目の選手もだんだん試合に出てくると思うので、層の厚さっていうのを他校に見せつけたいなと思います。冬にやってきたトレーニングの成果を全力で見せたいと思います。

池田 僕は試したいことはそこまでないんですけど、これまで練習してきたヒットを実際に他校のOL相手にフィジカル負けしないかっていうのは気になるかなということくらいですね。

「流れを引き寄せるビッグプレーを起こす」(石河)

早慶戦への意気込みを語る石河

――早慶戦のお話に移りますが、今年の早慶戦でワセダのキーマンになりそうな選手はいらっしゃいますか

高岡 石河さんです(笑)。これは冗談じゃなくて、昨年の秋に慶大戦で石河さんは悔しい思いをされていると思うので、リベンジに期待しています。このオフの期間で石河さんがどれだけ成長して、慶大を圧倒してくれるのか期待しています。

池田 僕は高岡だと思います。フロント陣は昨年から試合に出ているメンバーも多いので、誰がキーマンっていうのは特にはないので。DB陣は昨年のスタメンの方々が卒業されてしまったこともありますし、高岡はオフシーズンにアメフトについて色々勉強したりしていたので、高岡であったり、石河さんであったりがインターセプトしてくれるとチームが盛り上がると思います。

石河 じゃあ、自分は池田ですかね(笑)。練習の時からそうですけど、池田がディフェンスの元気印なので、池田選手の勢いのあるタックルとQBサックに期待したいと思います。

――慶大の脅威はどこにありますか

高岡 ここ数年はノーハドルオフェンスでテンポ良く攻めてくるオフェンスをやられていて、昨年も前半は集中力も高いので我慢しながらも止められていたんですけど、少しでも気持ちが切れて、向こうを波に乗らせてしまうとどんどんドライブされてしまいますね。あとは1発TDされて、昨年は慶大のオフェンスを波に乗せてやられてしまったので、今年は波に乗せる前にしっかり止めようということは特に意識していますね。向こうがノーハドルできてもペースに乗せられないで、自分たちは自分たちのディフェンスのペースで試合に臨みたいと思います。

石河 慶大さんは1対1になった時に、フィジカル面が強いなというのが昨年戦った印象ですね。サイズもあるんですけど、そこは自分たちがオフシーズンにやり込んできたフィジカルアップの成果を見せていきたいなと思います。

池田 慶大には昨年も結構やられてしまいましたね。向こうのラインズはサイズもありますし、こちらがやられて嫌なことをやってくるので、良い選手が揃っている印象があります。フィジカルでは負けないようにしたいですね。QBも走るのが上手くて、昨年も1度まくられてしまったので要注意かなと思います。

――特に警戒している選手はいらっしゃいますか

高岡 やはり、主将の松岡選手(拓希)は要注意ですね。プライベートでは仲良くさせていただいているんですけど、早大にいる双子の兄弟の直希さん(松岡、政経4=東京・早大学院)とは違ってプレーも荒々しくて、気持ちを全面に出してくるので、とてもいやらしいプレイヤーなので、そこはしっかり止めていかないといけないと思います。特に彼は主将なので、彼が活躍すると慶大全体が盛り上がってしまうので、彼にスポットライトが当たらないような試合にしていきたいと思います。

石河 自分は、特にこの選手というのはいないですね。ただ、WRは松岡主将を中心に、フィジカルもあってキャッチも上手いですし、ブロックも結構しつこくて、ワセダのレシーバーとはひと味違うので、自分の前にどんなレシーバーが来ても対応できるように頑張ります。

池田 慶大は今年選手が多く入れ替わっていて、フロント陣は未知の部分が大きいので、特に警戒する選手はいないですね。

――最後に早慶戦への意気込みをお願い致します

高岡 僕は高校の頃からケガなども重なって、駒沢のあの大きい競技場でまともにプレーしたことがなくて、しっかりプレーできるっていうのがすごくワクワクしています。しかも相手は慶大ということでとても楽しみです。春の早慶戦は3連覇中なので、今年も勝ちきって最後の写真撮影の時に盛り上がりたいと思います。

石河 昨年の秋の苦い思い出があるので、この早慶戦では相手レシーバー陣を抑えて、流れを引き寄せるビッグプレーを起こしたいと思います。

池田 僕も春の早慶戦にしっかり出場できるのは大学に入ってから初めてなので、楽しみです。新体制の早大にとってはこれが初めてのビッグゲームなので、どこまで自分たちの力が通用するかを試せる場なので、思い切りプレーして、楽しめればなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 成瀬允、涌井統矢)

早慶戦への意気込みを書いていただきました!

◆石河佑太(いしこ・ゆうた)(※写真中央)

1996(平8)年4月23日。168センチ、74キロ。東京・早実高出身。創造理工学部4年。DB。先輩後輩誰からも愛される石河選手。早実高時代はケガに悩まされることも少なくなかったが、ストイックに練習に打ち込み屈指のCBへと成長。鍛え上げた鋼の肉体でビックプレーを起こしてくれるでしょう!

◆高岡拓稔(たかおか・たくみ)(※写真左)

1997(平9)年4月26日。180センチ、74キロ。東京・早大学院高出身。商学部3年。DB。早大学院高時代は主将としてチームをけん引した高岡選手。寮生活を始め、アメフト漬けの日々を送っているそうです!

◆池田直人(いけだ・なおと)(※写真右)

1997(平9)年7月24日。168センチ、85キロ。東京・早大学院高出身。法学部3年。LB。今季からLB主任を務める池田選手。ディフェンスの司令塔として、堅守が光るチームへと導いてくれるはずです!

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