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漕艇部

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2018.04.17

【連載】早慶レガッタ直前特集『花信風』 第4回 C:徐銘辰 × B:尾崎光

 尾崎光(スポ4=愛媛・今治西)と徐銘辰(政経3=カナダ・St.Andrew‘s highschool)の二人は、昨年の早慶レガッタでは第二エイトで3.5艇身差の圧倒的勝利を収め、9年ぶりの完全優勝に貢献した。満を持して対校のシートを獲得した今、それぞれ何を思うのか。その胸中を伺った。

※この取材は3月8日に行われたものです。

「自分に自信を持つことができたシーズンだった」(尾崎)

ラストイヤーでついに対校の座を勝ち取った尾崎

――昨年の早慶レガッタの完全優勝で始まった昨シーズンを振り返っていかがでしたか

 セカンドクルーに乗っていたので、セカンドクルーのことを考えると思ったより圧倒的に勝ったので、個人的に今回の大会が少し怖いと思っているのは、去年のレースはうまくいきすぎたというか横に並んだ瞬間がなかったので、その分(カーブは)曲がりやすかったですね。横に艇がない分やりたいようにカーブを曲がれたので。ただことしそういう同じ状況になるかというとそうではないかもしれないので対校のように横に常に並んでいるときでもうまくカーブでコースを取れるかどうかというのが心配ではあります。

尾崎 自分もジン(徐)と一緒にセカンドに乗っていて、そこで一つ練習過程としては結構いろいろ怒られることもあったり大変なこともあったりして悩むこともあって、充実はしているんですけど結構大変な時期というのを過ごして、セカンドのいい結果を残すことができて、自分的にはそこからシーズンにその勢いのままに臨むことはできたかなと思います。そこはインカレ(全日本大学選手権)のA-Final(決勝)4位という結果につながったかなと思います。これまで努力はするんですけどなかなか結果として出ないというのが続いてきて、それを継続していてようやく結果が出たのが昨シーズンで少しずつ結果に結びつけることができたかなと思っています。そのままそのシーズンを終えてもこの対校エイトの選考に勝つことができて、すごく自分に自信を持つことができたシーズンだったかなと感じました。

――やってきたことが実になってきたということですか

尾崎 そうですね、少しずつ結果として表れてきたかなと思っていて、積み上げてきた分が目に見えて結果になってさらに自信になってきたかなと思います。

――クロアチアに遠征に行かれたりしたと思いますがそれはいかがでしたか

尾崎 自分は初めての海外がボートでのクロアチア合宿という感じだったんですけど、ボートのやることというか基本的なことというのはそんなに大きく離れていないというか、そのアプローチの仕方というのがやはり日本とクロアチアでは違ってきて、同じことをするのでも、日本ではこういうアプローチをするけどクロアチアではこういう考え方もあるよと教えてもらって引き出しは増えたかなという感じはしました。世界のトップアスリートも横で漕いでいてその人を直接見ながらという感じだったのですごく新鮮でいい体験になりました。

――日本に帰ってきて部に還元できたなとおもうことはありますか

尾崎 自分が直接還元できたかはわからないんですけど、今クロアチアから習ってきたことを自分たち4年生であったり、ジンも行ったのでジンもだったり監督と一緒にできるだけそれを体現できるようにというのを早慶戦に向けて行っていて。これまでいろいろ試行錯誤しながらやってきたんですけど、少しずつですけどそのかたちとなり始めたかなというのがあるので、そのような面では自分も率先してクロアチアの文化というのをワセダなりに再現することというのはできてきているのではないかなと感じます。

――徐選手は大学からコックスを始めて3年目となりましたが成長や気持ちの変化は感じますか

 成長もあったし気持ちの変化もありますね。毎回毎回乗るたびに新しいことに気づいていて、成長している自分を発見しているし、責任感という面でも増していくというか、前はただコックスがやることをやればいいと思っていたとすると今はそのコックスがやるべきことが実はこれだけで限られているのではなくて、やろうと思えば全体的な面にもかかわることになるんだということにも気づきました。対校のコックスとして引っ張っていくために全体の面で考えてすべての環境を備えることをやろうと努力をしているところです。

――今ご自身がコックスとして心掛けていることがあれば教えてください

 課題を解決することを心掛けています。やっぱりいい結果って毎回の練習からつながっていくんですけど、あるときは課題を見つけることすら難しくて練習もうまくいかないこともあって、そういうとき何が課題でしかもそれを解決する方法として何を提示すればいいのかというのを常に考えています。

――それはやはり年数を積み重ねてきたからできることですか

 そうですね。やっぱり年数がなかったらここまで考えることは絶対にできなかったと思います。

――最近の練習はどのようなことをされていますか

尾崎 1週間くらい前からはもっとより繊細な部分というか、9人でいかに船を進めるかというか、ベースとなる基礎づくりというのを徹底的に行ってきて、それができ始めてきたので、もっと速く効率よく進ませるという感じに今ちょうど移行してきたところくらいです。きょうとかも結構練習強度とかも少しずつ上がってきているところです。

 ボートって練習の構成的にゆっくりの漕ぎからだんだん速めの漕ぎに移していくんですけど、今低レートでできたことが高いレートでできるかというとまだまだできないことがたくさんあるので、今移しの段階として少しずつレートを上げながら低いレートでできていたことをキープするという練習をしているところです。

――今ご自身が考える課題はありますか

尾崎 自分が一番感じるのは、さっきジンが言ったようにゆっくりから早くなるということはゆっくりでできていなかったことが顕著に大きなずれとなって表れてくると思うので、そういったところを詰めていく必要があるなと感じています。一番大事なのはそれを漕ぎ通す力というか、同じことをやり続けるのがすごく大事だなと思っていて、自分たちのクルーは波がありすぎるというか、いいとき悪いときいいとき悪いときみたいな感じで、よくてもそれをずっと通すことができないのが課題であるかなと感じているので、早慶戦は(距離がいつもより)長いし波も荒いので、ずっと同じ漕ぎをし続けていくというのが強みになってくると思うのでそういった部分は改善していく必要があるのかなと感じます。

 尾崎さんが言ったことは同感で、他のことを言うとすれば、常にできていないと意識して、これくらいだったらできているなと満足して楽に楽に練習するよりは、狙ったものをしっかり完成度高く完璧に完成させるために常に足りないという意識で課題をもっともっとつぶしていく姿勢をみんなに持たせたいという気持ちですね。

――クルーの雰囲気はいかがですか

尾崎 いいと思います、最近は。ね、いいよね。

 特に問題はないと思います。前向きに練習していっているし、まあ前問題が一回起こったことがあるんですけど。

尾崎 でもそういう衝突というのは付きものだと思うので、なるべく早い段階で衝突してそれを確実に解決して、今はそれも解決できて同じ目標に向かってやることができていると思うので、その目標共有とかチームとしてはすごくいいものが出来上がってきているのではないかなと思っています。

 大きな問題があるときはクルーの中に悪い雰囲気があったりするんですけど、それは悪いことではなくて、問題が何かというのを見つけ出して解決するための一つの課題であると思っています。

――今までお二人が同じクルーに乗ることは少なかったのではないかと思いますが、同じクルーになってお互いの印象は変わったりしましたか

尾崎 (一緒になったのは去年の)早慶戦くらいだよね。

 そうですね。

尾崎 自分的に全然一緒に乗っていないなという感覚はなくて、早慶戦のセカンドだけなんですけど、自分的にはずっと一緒に乗っているぐらいの感覚で、ジンはこういうことを考えているだろうなと想像がつくくらいの感じですね、勝手に(笑)。自分より学年は一個下なんですけど、一番知識量があるんじゃないか、引き出しがあるんじゃないかなという感じで、いつも的確なところでコールを出してくれて。僕はバウで自分もどちらかというと声を出す役割なんですけど、本当にジンの言ったことを繰り返すくらいでクルーの雰囲気がすごくよくなると思うのでそこをすごく信頼してやっている感じです。自分はもうずっと一緒に乗っているかのように感じています。

 これだけ信頼されていると思っていなかったです。

尾崎 なんでや(笑)。

 ありがとうございます(笑)。バウって結構後ろに離れていて、こういうことをしていたとは気づいていなかったですけど、今聞いてみるとすごくうれしいですね。バウは後ろなので声が届かないんです。自分も叫んでいるし、後ろで何が起きているのかあんまり感じていなかったんですけど、前で自分がコール出している状況で尾崎さんが後ろでそうしてくれていたと思うとうれしいですね。これからも頑張ります(笑)。尾崎さんに関して言いますと、クロアチアも一緒に行ったりしたんですけど、漕手として課題に関しての意識が高いというか、もし自分が動作がどこか間違っていたりしたらそれを狙って直そうという意識が高いほうなのかなと思っていて。経験の少ない自分にアドバイスを求めてくれて、自分がアドバイスをしたことに対して体で修正していくというのは結構勇気が必要なことだと思いますけど、そういうことを常にやってくれているのでそういうところをすごく尊敬しています。

――すごくお互い信頼し合っているのですね

尾崎 そうですね(笑)。ただエイトはジンも言っていたように、去年(の早慶レガッタの第二エイト)もそうだったんですけど(コックスとバウは)一番遠いんですが僕はマイクの声が聞こえるのでいつもジンはそばにいるんですけど…俺遠いんでしょ?間に7人いるから。

一同 (笑)。

尾崎 信頼はし合っていると思いますね。自分もジンを信頼しているからことジンに言われて漕ぎを直したり、そういうことをしようかなと思っているので、そこはすごくいい刺激をもらっています。

――それぞれ漕手、舵手としてここが強みだというところがあれば教えてください

尾崎 僕が自分が一番誇れるのは、ずっとこのバウというポジションに乗り続けているので、状況を見ながらそれをしっかりクルーに還元したり、隅田川って特にラフになるんですけど、そこでも自分の力を出し切れるというのは結構テクニックがいることだと思うんですけどそこですべてを出し切れるというのは自分の強みだなと思っていて。そこでバウペア(バウと2番)が安定することによって船は安定してくると思うので、そこで自分がしっかり漕ぐというのが自分の強みでもあるし、クルーに還元できるのは自分の強みかなと思っています。

 うーん…そうですね、個人的にこれが強みなのかなと思っていたのは…年齢があって、その分人生経験があって(笑)。

一同 (笑)。

 人生経験があるからなのかコミュニケーション力があるというか、日本語がうまいという話ではなくて、思ったことをどういうふうに伝えるべきかとか伝え方によっては漕手が聞きたくない話もたくさんあるはずだし、そういうところを気をつけて伝えないと悪影響を与えるだけなので、そういうところを気をつけて見分けて自分の意見が通るようにいろいろ思考してやっているんですけど、あんまり見えないかもしれないんですけどそういうところでいい結果につながるのかなという考えです。

「後悔を残したくない」(徐)

昨年第二エイトを快勝に導いた徐。ことしは対校のかじを任された

――昨年の早慶レガッタはおふたりともセカンドエイトに乗っていらっしゃいましたが、振り返ってみていかがですか

尾崎 自分もジンも初めての早慶レガッタだったんですけど、そんな緊張することなく、早慶戦っていう日を楽しむことができたかなと思っています。レースもそうですし、それの準備だったり、その日の朝であったり、その日のすべてを楽しむことができたかなっていう感じがありました。自分は昨年は引っ張ってもらう立場だったので、そのようなところで余裕はあったのかなと思ったり、前で後輩たちが漕いでいるので、そこを自分はサポートしていかなくてはいけないと思っていたので、そういうような役割っていうのがあって、そこですごく早慶戦を楽しむことができたんじゃないかなって思います。

 私は昨年の早慶戦を思い出すと、とにかく楽しかったっていうのとすっきり勝ったっていう印象が強くて、逆にそれによって今回うまくいくかっていう心配ももちろんあって。昨年すごくうまくいったんですね。橋でのカーブの曲がりもそうだし、レースが終わったときもこれはうまくやったって自分でも思ってしまうくらい、うまくいったんですけど、ことしもしそれが出せなかったらどうしようっていう心配を持っています。

――3年前は失格、2年前は沈没、そして昨年は完全優勝を経験されたと思いますが、そこに関してはいかがですか

尾崎 自分は2年生のときも出ることができなくて1年生の時もサポートするだけで、すごく無力だなっていうのを感じて、昨年も正直自分たちはセカンドエイトだったんで、完全優勝したんですけど素直に喜べないところっていうのもあって。自分たちがあの最後の場所でガッツポーズしてたかったかなっていうのがすごくあって、すごくうらやましいなって感じたのを覚えていて、自分が勝った喜びっていうのももちろんあるんですけど、そういうことをすごく思ったかなと感じました。幸いにもことしはその場所に立てるので、僕たちもそこで喜ぶチャンスっていうのを今回もらったのでそれを達成するために、まあ自分たちが喜ぶだけじゃなくてすべての人を喜ばせるようなレースをしないといけないっていう使命があるかなと思います。

 僕の場合は初めて見た早慶戦のレースが沈没したときだったので、そのときはまだ入部してない状態で、入部に興味を持って部員たちに連れていかれて観戦した立場だったんですけど、その沈没したとき一緒にいた引率者の部員たちが泣いたんですね。そのときはまだ日本の部活の深さっていうのも理解してない状態だったし、なんでみんな泣くんだろうって思いながらも、自分もなぜか泣きそうな気持ちで悔しさを感じて、できれば入部して俺も貢献したいなって思ってたのが入部の前の年の早慶戦だったんですね。で、入部したら、なんかいきなり重要なことばっかり任されて、すぐ早慶戦のセカンドのコックスとして勝利することになったんですけど、その結果については本当に嬉しくて。入部前にそういうことを考えて入部したら、結構貢献したじゃんっていう気持ちだったんで、すごくうれしかったですね。 

――昨年は第二エイトで、ことしは対校エイトに乗られることになりましたが、気持ちの変化はありますか

尾崎 セカンドと対校っていうのは乗った感じも全然違うなっていうのが、クルーの雰囲気だったり、対校エイトは技術的に体力的に強い人が集まる分、まあ我も強いよね(笑)。そういう感じがすごくあって、自分はちょっと見ているような立場なんですけど、でもその分やはり皆背負っているものが大きいなっていうのを感じます。僕たちが負けたらもう部の目標っていうのが達成できないわけで、そこの最後の大事なところを担う分、日々の練習でも持つ意識っていうのが全然違うなっていうのを感じていて、ひとつひとつ妥協がない感じで、ここのメンバーとして練習に取り組み、大会に出るからこそ得られることっていうのはすごく大きいかなっていうのはすごくセカンドから対校になって思いました。

 僕の場合その差をめちゃめちゃ感じたんですけど、やっぱり責任感から違うっていうか。セカンドの時は自分の代わりに引っ張ってくれるリードもいたわけだし、やらされる通りやりながら、これならうまくいくぞって心が楽だったんですね、いまと比べて。でも対校になってからは自分がそういう役割をしていかないといけないという責任感をどんどん感じているというか、個人的には前と心が全然違って、課題が見えたら本当にすぐ解決したくなるし、常にクルーをいい方向に向かせるために考える自分を見て自分もいま驚いている状態です。

――尾崎さんはラストイヤーで対校エイトに乗られることになりましたが、そこに関して特に思いはありますか

尾崎 自分は対校に乗らなきゃいけないポジションだったけど全然実力伴わず、これまで全然乗れるっていうイメージも湧かないような状況だったんですけど、ことし自分自身が選考で勝ち取って、この対校というポジションを手に入れることができてそこはすごく安心したっていうか、これからやらないといけないなっていう責任を感じました。それがラストイヤーになって、自分自身が入部当初から持ち続けていたのはやはり恩返しであって、家族が支えてきてきれたからこそ、このようないい環境で漕ぐことができるし、またここまで頑張ってくることができたので、それをどのような形で恩返しできるかなって考えたら、この早慶戦にも両親が来てくれるので、そこで一番いい艇に乗って一番いい景色を見せることかなと思ったので、ラストイヤーこのような形で対校に乗ることができて、あとは結果残すだけかなって思っています。

――ご自身のバウとしての役割は何だとお考えですか

尾崎 最近コーチもそれを強調して言うんですけど、バウっていうのは全員が見えるし、一番艇を感じやすいポジションであるので、自分が感じたことを的確にクルーに伝えて、そういう意識共有をしてより良くすることかなって自分は考えています。またジンが言ったコールを必ず自分がそれを体現するようにもう一度呼びかけるであったり、自分が率先して行うみたいな感じがやはりバウとして自分が培ってきたことというか、やらなければならないことかなと思っています。

――ことしの慶大の印象はどうですか

 でかい。

尾崎 でかいね(笑)。いつもよりでかいよね。

 僕たちクルーの場合決してでかくない。身長的にもでかいクルーじゃないんですけど、160台の人が2人、170も1人いるし、まあこんなもんかなって思ってたんですけど、慶大の艇庫でこの前撮影があって行って、見たらみんなめちゃくちゃでかくて、この身長でそろった艇と戦うんだって。まあ少しプレッシャーはあるんですけど、ただ、身長の差を僕たちのテクニックなり努力で勝ち抜けるっていうのを思うとまたわくわくするっていうか、そんな気持ちです。

尾崎 あと(慶大の選手は)よく食べるよね。

 食べます。

尾崎 近くの飲食店でよく一緒になるんですけど、僕らより食べてます。すごいなあと思って。

 確かに。食べた方が力出せるので。

――身体が大きい方が漕ぐときに力が入りやすいですか

尾崎 もちろん身長が高いと、手足も伸びてきて漕ぎっていうのは全体的に長くなってくるんで、小さいよりかは全然有利だと思います。でも小さくても補うことっていうのはできると思うんで、自分もそうやって漕いできたんで。まあ単純に考えたらでかい方が有利だよね。

 絶対有利です。やっぱり同じ身長のでかい人でそろうのと、でかい人が何人かいて身長の低い人が何人かいるのとでは、全体の総和っていうか漕ぎの長さ的に違うので、8人が同じレンジで漕ぐのと、何人か身長が低い人がいて違うレンジの人が入るのとで艇の進み具合に影響はあると思います。結構ハンディキャップなんですけど、それをどういう風に克服していくかっていうのが、また楽しいです。

――ことしの早大の対校クルーの強みは何ですか

 話し合いがうまくできているというか。自分の意見を出すんですけど、他の人の意見を聞いてそっちの方が合ってるなと思うと、ちゃんと受け入れるし、するする狙ったことがかなえられるというのはいまの対校の長所だと思います。

尾崎 切り替え速いよね。うまくいかないときにこうじゃない?こうじゃない?っていうのもあるんですけど、こうするって決めたらとりあえずそうすることができる。決めたら強いよね。決まるまでは時間かかるんですけど、みんな勝ちたいと思ってるんで、とりあえずこれでいこうって決まったらそれが固く、強く、長く続くかなっていうのを感じます。最近特に強く感じます。

 1回大きい危機があったんですけど、それ以上大きい危機はたぶんこれからもうないと思うので、そのときがみんなの限界っていうかそれを見たんですけど、その中でもそこまで雰囲気が悪く落ちることはなかったし、常に一緒だったんで、これからはあんまり問題ないなって思っています。

――今回の早慶レガッタではどのようなレースにしていきたいですか

尾崎 漕ぎ手としたら出て勝ちたいよね。

 そうですね。一番うまくいくのは昨年のセカンドみたいな展開でやりたいんですけど、またそういう風になってくれるかは全然わからないので。

尾崎 楽しめるレースにしたいね。やはり相手が見えなくてずっと追いかけていくっていうレースはつらいと思うんで、しかも自分たちの力を出し切れず終わってしまうと思うので、しっかり漕ぐとこ漕いで、やることやって慶大と対等に。出られてそれを追うのではなくて慶大といい勝負して楽しめるレースっていうのがレースプランかな。

――部としての目標と個人としての目標を教えてください

尾崎 (壁の完全優勝の文字を指して)部はもうあれだよね。

 そうですね。部の目標はあそこに書いてあるんですけど。

尾崎 自分の場合、ことしは昨年と違ってセカンドじゃなくて対校であるっていうのと、アウトカーブ、レーンが逆になるっていうこともあって、多分昨年経験したのとは全くとまではいかないですけど、ほとんど異なるような感じのレースになると思うんで、時間帯とか雰囲気であったり、漕ぐレーンであったり。そういうところがすごく変わってくると思うんで、その中ではまた新しい、初めての早慶戦。初めてではないですけど、前回とは違った早慶戦になるっていうのを考えているので、その中でやはり自分の役割を全うすることが自分の目標かなと思っていて、自分の役割っていうのをしっかり果たすことができたら、クルーのみんなも応えてくれるし、それができればいい結果っていうのがついてくると思うんでまず、個人の目標としては後悔しないように、自分の役割を全うすることが目標です。

 尾崎さんと同じで、とにかく後悔を残したくない気持ちなので、どの結果になるかまだわからないんですけど、負けたとしても勝ったとしてもあのときああすれば良かったっていう気持ちだけは残してほしくない、残したくないって感じですね。そういうことがないようなレースにしたいです。

――それでは最後に早慶レガッタへの意気込みをお願いします

尾崎 自分にとって本当に最後の早慶戦、最後のシーズンになってくるので、すごく人も来るこの隅田川っていう良いところで漕げる最後のチャンスになってくるので、その中で自分の役割をしっかり果たして、早大の完全優勝に貢献できるように頑張りたいと思います。やはり昨年漕いでたくさんの人に支えられてるなっていうのを感じたので早スポさんであったり、いろんなOBだったりにこれからも応援し続けたいと思えるようなレースを自分が残せればいいかなっていうのを強く思っています。

 さっき言った通り後悔を残したくないっていうのは、コックスの役割って自分のクルーだけじゃなくて自分の意見がセカンドクルーにも影響したり女子クルーにも影響したりするんですけど、3クルー全部完全優勝できるように、それがもしできなかったとき、あのクルーにもあれを言えば良かったとかじゃなくて、全体的にいい方向に向かうように、コックスとして頑張っていい結果につなげるつもりです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 新開滉倫、加藤千咲)

早慶レガッタに対する意気込みをそれぞれ書いていただきました!

◆徐銘辰(せお・みょんじん)(※写真右)

1988(昭63)年12月16日生まれ。167センチ、55キロ。カナダ・St.Andrew’s highschool出身。政治経済学部3年。ひとつひとつの質問に対して丁寧に答えてくれた徐選手。母国である韓国で開催された平昌五輪で印象に残った種目はスケルトンだそうです。

◆尾崎光(おざき・ひかる)(※写真左)

1996(平8)年10月26日生まれ。168センチ、67キロ。愛媛・今治西高出身。スポーツ科学部4年。ポジションは対校エイトのバウ。冬季五輪に出場するならカーリングのスイーパーをやってみたいという尾崎選手。「大事なところは弱いと思うので…」と話していましたが、きっと対校エイトでは勝負強い漕ぎを見せてくれるはずです!

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