ラグビー部

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2018.04.11

【連載】新体制対談『九折不撓』第3回 西田強平副将

 今連載第3回目は西田強平副将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)だ。昨季はAチームにメンバー入りし、着実に成長したシーズンとなった。副将として迎える今季、バックローのポジション争いはより激しさを増すなか、どのような思いを抱えているのだろうか。

※この取材は3月23日に行われたものです。

逆境を乗り越えて

昨季はAチームに加わる機会も増えた西田

――まず、チームとして個人としてそれぞれ昨季を振り返っていかがですか

西田 まず自分としては成長できた1年だったと思います。それは、いろんな転機が多かったというか、自分の中で選抜合宿に行けなかったり、その合宿に途中から呼んで頂いて二次合宿で成果が出せたりだとか。自分のなかでは挫折をポジティブに捉えて頑張ることができたことが自分のなかでの成長を感じたところですね。チームとしては結果が残せなかったんですが、自分のなかでは組織力の部分であまりよくないところがあったのかなと思いました。早大のAチームだけ、レギュラーメンバーだけで戦っている風になってしまっていたのかなと感じていて。120人、30人と部員がいるなかで全員で勝つというところまでは組織がいっていなかったかなと思います。

――組織力が足りなかったとおっしゃいましたが、具体的にはどのようなときに思いましたか

西田 去年も成果自体はブレイクダウンの面であったり体の強さだったりといろいろあったんですが、正直下のチームと上のチームの交流があまりなくて、下のチームの選手たちが自分たちのことを応援したいと思っているんだろうかとか、そういう風な部分で自分が後輩のことをあまり知れていなかったりっていうのが、組織力の面で少し欠けていた部分なのかなと思います。

――個人としてはAチームにメンバー入りする機会も増えましたが、振り返っていかがでしょうか

西田 そうですね・・・。Aチームの中に入れたというのは自分の中で成果だと思うんですが、自分のなかではAチームに入るのがゴールではなく、自分が日本一のために貢献するというのがゴールだと思っているので、そういう意味では絶対ここで満足してはいけないと思いながら練習をしていました。もちろん、Aチームに入らなければ貢献すらもできないんですけど、Aチームに入るだけでなく、試合に出て成果を出すことまでを自分のなかでは目指していきたいです。

――個人としての収穫、課題があれば教えてください

西田 自分自身としては帝京大戦で収穫があって、自分の過去を振り返っても通用しなかったブレイクダウンの部分で通用するようになったのかなと思えたのは収穫だと思っています。課題としては自分は言われることを徹底してやっていた部分があったんですけど、アグレッシブさに欠けていたかなと思います。もっと自分がチャンスだと思ったところのブレイクダウンでかけてみたり、そういうアグレッシブさは今後自分に必要になってくるかなと思います。

――今季就任した相良南海夫監督(平4政経卒=東京・早大学院)は選手たちに判断を任せている部分がありますが、それについてはどのように考えていますか

西田 その点は去年とは一気に変わるところかなと思いますね。正直1から積み上げていかなきゃいけない部分だと思うんですけど、そういう風になった以上は自分の判断力をつけるためにも常に考えてラグビーをするというか、動きながら考えて判断するまでがハードワークだと思うんで、それを日々の練習で徹底することが大事なのかなと思います。

――昨季選手たちから『際の部分』という言葉がよく聞こえましたが、『際の部分』は振り返っていかがでしょうか

西田 所々際のスピードは上がったと思っていて、それは今季も継続しないといけない部分だと思うんですけど、際のスピードが外国人選手や強い選手が相手でも同じだけのパフォーマンスができるのかが今後の課題であって、際のスピードの部分については昨季の収穫でもあったと思います。

「4年生が自覚を持って行動するようになった」

質問に対して真摯に丁寧に答える西田

――現在のチームの雰囲気はいかがですか

西田 自分たちの同期は人数が多いんですが、 4年生が自覚を持って行動するようになったかなと思っていて。そういう意味では雰囲気的には良いかなと思っています。

――練習前には4年生が集まって話をしているそうですが、これも自覚につながっているのでしょうか

西田 そうですね。4年生が話すときも、ただリーダーが話すんじゃなくて、色んな人たち、例えばBチームに上がったばかりの選手なども発言することによって全員が自覚をもってプレーをできるようにと意識しています。

――昨年と比べると自分たちで判断する機会や話し合いをする機会が増えているんですね

西田 はい。練習中のチームトークでも、学年関係なくお互いに言い合える関係を少しずつ構築できているかなと思います。

――副将に就任して1カ月ほど経ちましたが、心境はいかがですか

西田 まだあまり試合がないので、自分は体を当てて体張って(チームを)引っ張っていこうと思っているんですけど、そういう意味ではまだ練習の部分では発揮できていないかなと思います。今は自分としては選手の色んな部分をサポートしないといけないというのが結構大変だったり、面白い部分なのかなと思います。そういう意味では、ただ言葉だけで引っ張るのではなく、自分が発する言葉にも責任があってそれに伴うような行動をしないといけないと思います。それが説得力にもつながってくると思うので、行動で示せればと思います。

――ちなみに、今まではキャプテンや主将の経験などはありますか

西田 一度もないですね。

――慣れないポジションだと思うのですが、苦労などはありますか

西田 (就任してから)1カ月とかなので、結構周りの目を気にしてしまったり、言いたいことを言えなかったりすることはありますね。それは自分でも改善しないといけない部分だと思うんですが、そこは結構苦悩ですね。

――黒木健人前副将(平30教卒=現九州電力キューデンヴォルテクス)から「Aチームの試合経験が少ない中(副将に)選ばれた意味を考えなさい」と言われたそうですが、その意味や答えは見つかりましたか

西田 まだまだその答えに近づいたプレーができているかはわからないんですけど、ただ、僕が選ばれたということは、試合経験がすべてではないというか。どんな状況でも頑張れる人間でないといけないというのが答えかなと思っているので、自分も挫折とか多くてそういう経験は多いと思うので、そういった意味ではチームがどんな過酷な場面においても自分は体を張り続けなければならないと思います。

――きょうのミーティングでは相良監督からはどのようなお話がありましたか

西田 戦術のこともあったんですけど、それ以上にワセダという環境でラグビーができることがどれだけ幸せなことか、凄いことかをおっしゃっていて。それは自分たちでも日々感じることなので、そういうのをことし創部100周年を迎えるので、僕たちが体現できればなと思います。

――現在の練習はどこにフォーカスをして練習しているのでしょうか

西田 今はディフェンスでもアタックでも相良さんが言っていたように自分たちで判断するっていうのをフォーカスしていて。状況判断にフォーカスして練習していますね。具体的に言うと、様々な形のアタックに対してどういう形でディフェンスをするかといったような練習をしています。アタックでも空いたスペースを見つけて、お互いが声掛けをしてそこにアタックする感じで、自分たちで状況判断して、常に空いているスペースを探しながらアタック、ディフェンスをすることを意識しています。

――フィットネスでもスピード系のメニューが増えたと聞きましたが、どのような練習をしていますか

西田 クロスフィットというんですけど、10分間で使う体の箇所が違う6種目くらいを2人組でやって、誰が一番早く終わるかという競争みたいなメニューなんですけど、1つの種目のスピードをどれだけ上げられるかということを競い合っている感じですね。

――今までのフィットネスのメニューとはまた違ったメニューなのでしょうか

西田 今まで大悟さん(山下大悟前監督、平15人卒=神奈川・桐蔭学園)のもとで行った体づくりがあって、ここまでベースづくりができた上で、自分たちに足りないスピードなどにチャレンジできているので、そういった意味では延長線上のような感じもします。

――あと、先日まで英国遠征に行かれていたそうですが、何か感じたことなどはありますか

西田 英国遠征行って感じたのは、早大で100周年って伝統あるなと思っていたんですが、さらに伝統のあるオックスフォード大学に行かせていただいて、ラグビーが生活の一部だなと感じました。で、勉強も両立してラグビーも100%でというのは、自分たちが文武両道を意識していく上では尊敬できる部分で、学ぶものは多かったと思います。

――試合自体は振り返っていかがでしょうか

西田 試合自体は負けはしたんですが、体を当てる部分やディフェンスの部分では成果を見られたと思うので、悪い試合ではなかったなと思います。

――外国人選手との1対1のマッチアップについてはいかがでしたか

西田 個人個人で感じることはたくさんあったと思うんですが、僕自身やってみて外国人選手に対しても高さの部分やタックルの仕方を改善すれば通用する部分はあると思うので、そういったものをオックスフォード大学さんとやったときに、自分の中で感じることができたのは収穫だったと思います。

――相良監督の印象についてはいかがでしょうか

西田 選手一人一人のことを見てくださるなと思っていて、そういった部分が信頼できるじゃないんですけど、個人に合ったアドバイスをしてくださいますね。一人一人とのコミュニケーションがとても多いので、監督が考えていることも分かりやすいですし、それが凄い伝わってくるのは自分としてはわかりやすいので、信頼できると思います。

――山下前監督との違いはどこに表れていると思いますか

西田 大悟さんはトップチームを中心に計画性があるやり方を取っていて、チーム全体がウエイトが足りなかったらウエイトをやるし、チーム全体を通して計画を立てていたイメージです。ただ、相良監督は違うわけではないんですけど、チームフォーカスというよりも個人フォーカスした感じで、個人個人に足りない部分やこうしたほうがいいというのを考えてくださるなという印象があります。

――佐藤真吾主将(スポ4=東京・本郷)についての印象はいかがですか

西田 すごい信頼できる主将なんですけど、オックスフォード大戦で開始30秒でケガしちゃったのでそこは不安な部分なんですけど(笑)私生活でも話すことが多くて、チームのことをすごい考えているなというのは感じるので、そこはすごい信頼できますね。

――主将副将という関係で、なおかつポジションも同じですがどのような関係で1年間やっていきたいと思いますか

西田 おそらく真吾も体張って声出して引っ張ってくれると思うんですけど、真吾が監督やスタッフに近い存在だとしたら、僕はより選手に近い存在だと思うので、選手を僕が引っ張っていけるように、真吾は前を向いてひたすら日本一へ向けて頑張ってくれてて、自分はその後ろにいる選手たちを真吾についていけるように支えていくじゃないですけど、サポートしていくのが僕の役目かなと思います。

――今季委員の選手が多いですが、委員の選手に求めていることはありますか

西田 委員の選手も信頼できる人ばかりで、自分たちで物事を考えて発言してくれるので、僕自身が何かを求めるということはあまりないんですよね。で、今季は辺津勘太(法4=東京・早実)という外勤の選手からも選ばれたんですけど、僕自身色んな選手のもとに相談できる委員がたくさんいるというのはすごく大きいことだと思うので、そういった意味では僕たちや委員の選手も選手に近い存在でいて、色々な意見を聞けるような関係でいたいなと思います

――佐藤真吾主将が西田選手を「熱い男だ」という風におっしゃっていましたが、ご自身ではどのように思いますか

西田 僕たちの代は結構熱い男が多いと思うんですよね。ただ、自分のなかでも逆境に耐えて日本一に向かって頑張れる自信はあるので、そういってもらえると嬉しいですね。

――まもなく春シーズンが始まりますが、個人として春シーズンはどのように戦っていきたいと思いますか

西田 まず、自分自身が試合に出て体を張れるように頑張りたいですね。体を張る部分でチームを引っ張っていきたいんですけど、チームとしては、(関東大学春季大会で)Bグループなので、そういった意味では全勝できるように。僕たち同期が多くて、そこが強みだと思うので、4年生が引っ張って春シーズンを終えられるように頑張りたいです。

――個人としてはバックローはポジション争いが激しいと思いますが、どのように思いますか

西田 そうですね。1年生で上手いフランカーも入ってきますし、1個下もいいフランカーがたくさんいて、正直とても熾烈(しれつ)なんですけど、そういうメンバーがそろっているからこそやりがいがあると思うので、競争に自分が勝てるように努力したいと思います。

――昨季Aチームにいた選手が今季も多くチームに残りましたね

西田 経験という部分では信頼できる仲間だと思うので、逆にそういう選手とも考えていることを共有していって、そういった選手が昨季以上に活躍できるように、のびのびプレーできる環境をつくるのも4年生の仕事だと思うので、そういった選手たちともたくさんコミュニケーションを取っていきたいです。

――ご自身が監督やコーチにアピールしたい部分はどこでしょうか

西田 体を張る部分ですね。「試合を通して西田が一番体を張っていた」と言われるように、そういうマインドで毎試合頑張りたいです。

――チームとしては今季創部100周年を迎えます

西田 僕たちとしては今いる部員だけでなく、応援してくださる人がいてこその早大のラグビー蹴球部だと思うので、そういう意味ではたくさんのファンの方に応援していただいているのは本当に嬉しいことだと思いますね。なので、多くの人に応援される環境で結果を残していきたいなと考えています。

――最後に今季に向けた意気込みをお願いします

西田 絶対に大学日本一にならないといけないと思うので、人数が多い分1人1人の個性を生かして、周囲の人を惹きつけられるような魅力あるチームをつくって日本一を奪還したいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 新開滉倫 写真 石塚ひなの)

練習を重ね、『信』と力強く書いて頂きました!

◆西田強平(にしだ・きょうへい)

1996(平8)年8月8日生まれ。172センチ90キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部4年。取材終了後、色紙を書いてもらおうとしたところ、大峯功三ジュニアコーチ(平27スポ卒=福岡・東筑)が取材現場付近を通過。かつて直筆の文字が弊会の一面にも掲載された大峯ジュニアコーチからアドバイスをいただき、無事に西田選手も書き上げることができました!

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