日本拳法部

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2018.03.08

【連載】『平成29年度卒業記念特集』第45回 橋本周平/日本拳法

目標に向けて最後まで

 「日本拳法部は学生生活の全てです」。1年時から主力としてチームを支え続けた橋本周平(社=大阪・清風)は4年間を振り返った。しかしその4年間は決して順風満帆だったわけではない。主将の責任を感じ、苦悩の日々を送っていた時期もあったという。そんな時、彼の支えになっていたものとは一体何だったのだろうか――。

 橋本が日本拳法と出会ったのは今から約10年前。中学1年生の時に日本拳法部の顧問だった担任の先生に誘われたのがきっかけだった。中高一貫校だったため高校でもそのまま競技を続けたが、大学まで続けるつもりはなかったという。しかし大学の日本拳法の試合を見に行った時に、ワセダというチームが経験者の少ない中で全国優勝などという戦績を残す姿を目の当たりにして憧れを抱いた。さらに熱心な勧誘を受けたこともあり、早大で競技を続けることを決心した。入学した時から、目標は一貫して『全国優勝』。高校時代成し遂げられなかったその夢を叶えようと、橋本はナンバーワンになることにこだわり続けた。

橋本は4年間チームを引っ張り続けた

 入学当初から活躍し、ワセダをけん引し続けた橋本は主将に就任した。しかし、『早大の主将』という肩書きに掛かるプレッシャーは計り知れない。思うようにいかず「辛く、苦しんだ時もあった」と言う。そんな時、橋本を支えていたのは目標だった。常に超えたい人がいる。優勝したいという思いがある。どうしても譲れないその目標への想いが橋本の原動力となっていたのだ。そしてもう一つ彼を支えていたものがある。それは家族の存在だ。特に父は欠かさず試合会場に駆けつけ、アドバイスを送るなど橋本を支えた。主将としての振る舞い方や日本拳法をやっていく中での考え方など、技術以外の面でアドバイスもくれた。まるでもう1人の監督のような存在だった。

 そんな橋本が印象に残っている試合として挙げたのは、4年時の全日本体重別選手権で行われた新人戦での優勝。その試合は橋本自身の試合ではなく、後輩たちの試合だ。今まで勝てなかった後輩たちが着実に力を付け、優勝してくれたこと。それが、自分が勝ったことよりも嬉しかった。「実際はうまくいかないことの方が多いけれど、めげずに腐らずに最後まで目標に向けてやりきること。誰かのせいにしないで自分のために、選んだ道をしっかり貫き通して欲しい」。後輩思いの主将が遺したメッセージだ。

 12月の全日本学生選手権。早大はベスト8に終わり、全国優勝を達成することはできなかった。しかし、橋本が主将として心掛けてきた「こういう人になりたいと思われるような、人の手本になるような」姿を近くで見てきた後輩たちが、その想いを引き継いだことだろう。プレイヤーとして戦績を残すことは大学でやめる。だがこれからもOBとして試合に出場したり、後輩たちの指導をしたりと何らかの形で日本拳法に関わっていきたいという。4年間全てを懸けた日本拳法部での経験を胸に、橋本は新たな一歩を踏み出す。

(記事 宅森咲子、写真 藤本壮汰)

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