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2018.01.07

【連載】新体制始動特集『再興』 第1回 加藤雅樹×福岡高輝

 第1回は、前チームで下級生ながら稲穂打線の主軸を任された2年生コンビ。ことしの東京六大学秋季リーグ戦(秋季リーグ戦)で、東大と並んで70年ぶり最下位という屈辱を味わった早大だが、その中でも特に目立ったのは打撃陣の低迷だ。来季の早大にとって加藤雅樹(社2=東京・早実)、福岡高輝(スポ2=埼玉・川越東)のさらなる飛躍は欠かせない。今後も主軸を担っていくお二方に、秋の振り返りと、再起に懸ける思い、そして今後への意気込みを伺った。

※この取材は12月5日に行われたものです。

「この冬死力を尽くしてやり切らないといけない」(加藤)

好調の春から一転、秋は苦しいシーズンを送った加藤

――秋季リーグ戦の同率最下位という結果をどのように受け止めていらっしゃいますか

加藤 歴史に名を残す負け方というか、最下位という結果はワセダにとって恥だと思うので、現実をしっかり受け止めて、春からはやり返すという気持ちでこの冬死力を尽くしてやり切らないといけないなと思います。

福岡 今までいい成績を残してくださったOBの方々に申し訳ないという気持ちがあって。この結果を取り返すには春に優勝するしかないのかなと思っています。

――秋は打撃の面でチャンスで一本が出ない状態が続いたと思います

加藤 そうですね。そこの弱さやもろさがチーム全体、そして守備の面でもありました。そこは練習の細かい部分からくると思うので、そこは突き詰めないと駄目だなと実感しました。

福岡 加藤が言ったことが全てだと思います。

――チームが苦しい状況の中でも、個人として心掛けられていたことはありますか

福岡 チャンスで回ってきたら、前半加藤の調子が悪かったので、自分と宇都口さん(滉、人4=兵庫・滝川)で返せたらいいなと思っていました。

加藤 そうですね、自分は最初から迷惑を掛けていつスタメンから外されるか分からない状況まで陥ったので、死にもの狂いで、敵と戦うというよりは自分と戦うという気持ちで少しでもチームに貢献できるよう、なんでもいいから塁に出て返ってくるだとか、なんでもいいからランナーを返すだとかいう気持ちでやってました。

――後半にかけて自分に勝てたという実感はありましたか

加藤 勝てたまではいかないですけど、後半東大戦でそこそこの成績を残せたので、だいぶ応急処置というか、ヒットを狙った最低限の打撃だったと思うのでそこを最低ラインに考えたいです。

――福岡選手にお聞きしたいのですが、秋の早慶戦の試合後、シーズンを通して調子を保つのは難しいとお話しされていましたが、それは肉体的な面と精神的な面どちらが大きかったですか

福岡 やはり精神的な部分で難しさを感じました。打率を意識してしまって負のスパイラルというか、気持ちが沈んでどんどん打てなくなってしまうというのがあったので、精神的な部分ですね。

――加藤選手は、首位打者を獲られた春に比べて苦しんだ秋を振り返っていかがですか

加藤 春うまくいって自分の中で調子も良くて、首位打者を獲って自分の中で落ち着いてしまった部分があったというか。秋はもっといい成績を残すんだと思う一方で首位打者を獲ったという自分への甘さが少なからずあったと思うので、そういう期間を過ごしたことで、いい反省になったと思って来季以降につなげたいです。

――昨年対戦されて特に印象に残った選手などはいますか

福岡 法大の菅野さん(秀哉、3年)は球がとても速いですし、慶大の佐藤(宏樹、1年)もキャッチャーのミットに入ってから自分は振ったくらいだったので、えげつないなと思いました。

加藤 慶大のピッチャー陣ですかね。佐藤もそうですし、関根(智輝、1年)、石井(雄也、2年)などの自分たちと同じ世代、もしくは下の世代の投手に力でねじ伏せられた印象があるので、そこを打てるようにならないと、早慶戦で勝てないとワセダじゃないと思うので、印象に残ってます。

――加藤選手は、1年間ワセダで4番を務められてご自身の中で変化したことはありますか

加藤 大きな自信も挫折も味わいましたね。野球の怖さを思い知らされる一年にもなりましたし、ワセダの4番としてふがいなかったですし、最下位のままではなく優勝したときの4番と言われたいので、頑張りたいと思います。

「守備を重視してやっている」(福岡)

昨秋ブレイクを果たした福岡

――新体制になってからチームで話したことはありますか

福岡 練習の雰囲気をもっと厳しくしていこうというのは話しました。

加藤 あとは、相当バットを振り込んでいますね。美化もしてるよね。

福岡 そうだね。身の回りをきれいにしています。

加藤 グラウンド内も、寮も美化の時期ですね。今すごくきれいです。

――そこから意識を変えていこうということですか

加藤 そうですね、そういったところからしっかりするというのは小島さん(和哉主将、スポ3=埼玉・浦和学院)を中心とした今のチームの特徴ですね。

――秋を終えて技術面で取り組まれていることはありますか

福岡 自分は多分来季からサードにポジションが変わるので、サードはファーストと違ってゴロを捕ってから投げる動作があるので、根本的な捕ってから投げるところまでつなげられるような練習は心掛けてやっています。

――今は守備を重視されている時期ですか

福岡 そうですね、守備を重視してやっています。

加藤 自分は秋バッティングが駄目だったので、4番として打率も残せて長打も打てる、完璧なバッターになりたいので、それを目指しています。

――ご自身の今の調子はいかがですか

福岡 正直あまり実戦をしていないので、調子は分からないですけど、これから春に向けて上げていきたいですね。

加藤 秋で駄目だったところが今明確に分かってきているので、そういう意味ではどんどん成長してきているというか。いい方向に向かっているので、春に向かっていいスタートを切っているなという実感はあります。

――新チームでオープン戦を何試合か戦った中で、チームとして浮き彫りになった課題はありますか

福岡 自分はバッティングの面で安打があまり出ない印象があったので、この冬もっと振り込んでいかないと春のリーグ戦でいいピッチャーから打てるのかなというのはあります。

加藤 ヒットを打てなくても点は取れると思っているので。ヒットを打てるに越したことはないですし、それを目指してやるべきなんですけど、ヒットを打てなくても点を取れるという考え方の共通認識がチーム全体でまだなっていないので、そういった認識をもっと話して突き詰めていくのが一番大事だと思います。打てるに越したことはないのですが。

――チーム全体で出塁への意識が高まったということでしょうか

加藤 それもそうですけど、野球には何千というパターンの攻め方があると思うので一つ一つのパターンでこれがこう、というのが25人全員一致してくることが大事だと思います。9人だけ認識していても途中から出てきた選手が間違えてしまうので、中身の濃い話し合いをもっとしたいと感じます。

――今後他大のマークも厳しくなると思いますが、どう乗り越えていきたいですか

福岡 どんどん振っていくことですね。自分はどんなコースにでも対応できるようになって苦手なコースを自分の中でつぶしていきたいと思います。

加藤 他大のマークが厳しくなるといっても、秋やってみてチャンスボールはたくさんあったので。それを捉え切れていない自分がいたので、捉えるという意味でも丁寧に自分の打撃を見失わずやっていけば必ず結果は出るのでそれを意識してやっていきたいです。

――福岡選手にお聞きしたいのですが、3番打者として塁に出る意識と走者を返す意識どちらを高く持っていますか

福岡 状況にもよるんですけど、秋の最初の方は加藤の調子が悪かったので、ランナーを返す意識があって後半は加藤が打っていたので、チャンスをつくって返してもらおうと考えていました。状況で意識は変えています。

――加藤選手にお聞きしたいと思います。チームの4番として来年以降どのような打撃を目指していきたいですか

加藤 加藤に回せば大丈夫だと言ってもらえるような4番バッターになりたいですし、ここぞという場面で打てるバッターになりたいですね。

――逆に守備の面ではどのようなことに取り組んでいきたいですか

加藤 まだまだ突き詰められる部分はあると思うので、プロ野球の試合を見ていても、プロの選手はカバーリングだったり全てにおいてキビキビそつなくやっているので、見習いたいですし、そういうところができないといいプレーにはつながらないのかなと思います。

――普段の練習で特に重視されていることはありますか

福岡 守備だったら捕ってから投げるまでの動作だったり、バッテイングは最短距離でボールを出すというのを自分の中で意識しています。

加藤 今はパワーアップじゃないですけど、身体も変えてバッティングの強さを求めてしっかり振ることを意識してやっています。

――試合で打席に立ったときはどのようなことを考えていますか

福岡 自分はストライクがきたらどんどん積極的に手を出していこうと考えています。できれば自分が塁に出てチャンスで加藤に回せるようにするのは意識してます。

加藤 自分も積極的にいく気持ちは大事なんですけど、そこで自分から打ちにいきすぎないように、低めの変化球を見極めることは意識しています。

――チーム内で期待している選手はいますか

福岡 自分は結構、山田(淳平、教2=東京・早実)に期待している面がありまして。彼が1、2番を打って塁に出てくれれば自分と加藤でなんとか返せるので、期待したいです。

加藤 自分は早川(隆久、スポ1=千葉・木更津総合)ですかね。本人として納得のいくシーズンではなかったと思いますし、彼の持ってる力は世間の人たちが知っていると思うので、力を発揮して彼が成長すればいけるので早川ですね。

――ご自身の中で目標にされている選手はいますか

福岡 早大卒の青木さん(宣親、平16人卒)、最近では茂木さん(平28文構卒=現楽天ゴールデンイーグルス)になりたいと思っていて。長打も打てる選手になりたいというのは思い始めました。

加藤 自分はもともとお手本にしていたのは、慶大なんですけど、高橋由伸さんで、六大学の先輩としてもそうですし、打ち方なども見習いたい部分が多いですね。最近では筒香選手ですね。

――お互いよく一緒に練習されていると思うのですが、参考にされている部分などはありますか

福岡 実際スイングが違いすぎて。この間スイングスピードや力の入り方の測定をしたのですが、加藤と違いすぎて全く参考にならないなといった感じですね(笑)。

加藤 そうですね、違う部分は多いですね。福岡はどちらかというと最短距離で出して面で当てていく感じなんですけどそれは福岡の良さですし、自分には違った良さもあるので、そこは互いに認め合いながら、刺激し合いながらやれたらいいなと思っています。

悔しさをバネに

グラウンド外でも息ぴったりの2年生コンビ

――ご自身の中で何かマイブームはありますか

福岡 マイブーム…。

加藤 お前は食べることだろ。

福岡 ちょっと痩せたいんですよね。きょう夕飯抜こうと思ってるぐらいなので。

加藤 駄目だろ、それは。

福岡 マイブーム何かある?

加藤 マイブームか。

福岡 あ、でも自分加藤とティー(バッティング)やることですかね。

加藤 うざいうざい(笑)。

一同 (笑)。

加藤 なんだろうな。

福岡 でも実際ティーしてるときが一番楽しいかもしれない。あ、でも携帯ゲームも好きですね。

加藤 めっちゃやってる。

――何をやられてるんですか

福岡 『荒野行動』というサバイバルゲームをやってます。檜村(篤史、スポ2=千葉・木更津総合)とかと通信して遊んでます。

加藤 基本パワプロじゃん。

福岡 いやもう飽きてきた。

加藤 早いな(笑)。

福岡 パワプロめっちゃやってますよ。

加藤 結構やってたんですよね。全早慶戦のとき二日くらいやってたんですけど。

福岡 でも飽きちゃったんだよな。

加藤 今マイブームは探し中って感じですね(笑)。

福岡 俺とのティーでいいじゃん。

加藤 いや…(笑)。

――オフの日は野球のことを考えているのか、それとも全く考えずリフレッシュするのか、どちらでしょうか

福岡 日によるんですけど、やはりリフレッシュするときも野球のことは少し考えちゃいますね。もっと練習しないとな、とか。

加藤 結構自分は野球のことばかり考えてますね。最近外に出てないんで、野球のこと考えてって感じですね。

――お互い何か共通点はありますか

加藤 ないね(笑)。結構逆じゃない?

福岡 逆だね。でも仲はいいです。部屋隣なんで。加藤が来て欲しいって(笑)。

加藤 いや、うそだろ、お前が来たんだよ(笑)。

福岡 いやいや、来て欲しかったでしょ?いやでも本当に真逆ですよ。

加藤 何、左バッターとか?

――性格なども逆なんですか

加藤 逆ですね。

福岡 めっちゃ見た目とか気にするんですよ(笑)。

加藤 お前も気にするじゃん(笑)。

福岡 お前ダサい、みたいなのめっちゃ言ってくるんですよ。自分全然気にしないんで。俺、気にする?

加藤 髪の毛やばいってさっき言ってたじゃん(笑)。

福岡 だってあれはやばいじゃん(笑)。帽子でつぶれてるんだもん。共通点はないですね。右投げ左打ちで(笑)。

――1年生の頃と互いの印象で変わった部分はありますか

福岡 加藤変わったかな?

加藤 でも最初なんか言ってたじゃん、オラってると思ってたって。

福岡 1年生のときというか、ワセダに入る前の話なんですけど、練習会で見たとき、やはり甲子園とかにも出てたので、結構テレビとかにも取材されたりして、しかもすごいイケメンじゃないですか(笑)。

加藤 オラってるってすごい偏見だよな(笑)。

福岡 肩で風切って歩いてるんだろうなと思っていたんですけど、意外とすごい真面目で優しくて。

加藤 お~褒める褒める(笑)。

福岡 だから結構ギャップ萌えというか(笑)。

加藤 それはキモいよ(笑)。

福岡 これ喜んでるんで(笑)。 でもそんな感じです、1年生からは印象変わってないです。入る前ですね。

加藤 福岡は見た目からして優しそうじゃないですか。目が開いてないし(笑)。だからそのまんまですね。やたらベタベタしてくるし(笑)。

福岡 そういうのが好きなんで。

加藤 意味が分からない。変わってないです、そんなに。

福岡 いい意味で?

加藤 そうじゃん?

福岡 お~うれしい。

――2年生の間で最近面白い出来事はありましたか

福岡、加藤 あったかな。

福岡 基本面白いこと起きてるんですけどね。

加藤 結構面白いやつ多いんで。

福岡 檜村とか結構爆弾で(笑)。

――個性的な方々が多いですか

福岡、加藤 多いですね。

加藤 みんなちょっと狂ってます。

福岡 自分結構真面目な方です。

加藤 真面目か?

福岡 真面目というかまともな方です。まともでしょ?廉太(宮崎、社2=東京・早実)とかに比べたら。

加藤 まあ…。

――来年度以降チームのために取り組んでいきたいことはありますか

福岡 加藤にも言われたんですけど、自分は元気が足りないので、学年も変わったことですし、練習中から元気出して区切りとして盛り上げていきたいです。

加藤 言ったからな?

福岡 でも結構頑張ってる。

加藤 お~さすが。自分は人に言ってるくらいなので、元気もそうなんですけど、気付いたことがあれば下級生なんですけど、言い方に気を付けて指摘できたらなと思います。チームとしてもいいことだと思うので、意識していきたいです。

――冬の期間に取り組んでいきたいことはありますか

福岡 自分はポジションが変わるので、守備を重視してやって、そこでもスイングの量は落とさないようにやっていきたいですね。

加藤 自分は秋あんな成績だったので、来年は優勝したときの4番といわれるようにとにかく身体を変えて、打率も長打も残していきたいですね。

――最後に来季に向けての意気込みをお願いします

福岡 来年の春はチームの優勝に貢献できるように、チャンスで打って加藤に回せるようにしたいです。守備でも迷惑を掛けないようにこの冬頑張っていきたいです。

加藤 悔しい思いをした秋だったので必ずやり返すというリベンジの気持ちを忘れずにやりたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 岡田静穂、皆川真仁)

新生・稲穂打線のカギを握る2人

◆加藤雅樹(かとう・まさき)(※写真左)

1997(平9)年5月19日生まれ。185センチ、86キロ。東京・早実高出身。社会科学部2年。外野手。右投左打。不本意な成績に終わった秋からの逆襲へ向け、強い決意を語ってくださった加藤選手。「最下位のままではなく優勝したときの4番と言われたい」という言葉が印象的でした。チームとしても、4番としても、来春の完全復活を楽しみにしています!

◆福岡高輝(ふくおか・こうき)(※写真右)

1997(平9)年9月8日生まれ。174センチ、82キロ。埼玉・川越東高出身。スポーツ科学部2年。内野手。右投左打。三塁手への再挑戦も明かしてくださった福岡選手。色紙には、加藤選手の達筆ぶりに気後れしながらも、力強く『下剋上』と書いてくださいました。最下位からの巻き返しへ、さらにパワーアップした打撃で来季も早大をけん引してください!

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