アーチェリー部

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2017.12.28

【連載】新体制特集『Next Stage』第2回 市川遼治×棚田歩×小池美朝

 第2回に迎えるのは、市川遼治(スポ1=群馬・高崎商大付)、棚田歩(スポ1=北海道・帯広三条)、小池美朝(スポ1=大分)の1年生トリオ。3人とも4月から関東学生リーグ戦(リーグ戦)に出場し、貴重な戦力として貢献している。今回は1年目で積んだ競技経験から大学生活、今後の決意を伺った。

※この取材は12月6日に行われたものです。

「王座(全日本学生王座決定戦)はいままでにないくらい緊張した」(市川)

ルーキーながら王座決勝の舞台を経験した市川

――まずは普段の練習の話から聞いていきたいと思います。練習は週に何回あるのですか

市川 最低週に5回ですね。土日は全体練習が入っていて、平日の5日間はノルマ練といって3日以上の練習が義務付けられているので、合計週5日練習する形です。

――平日のノルマ練は皆さん自分で選んでやるのですか

市川 そうですね。平日は自分の授業のコマ数に合わせて練習を組んでいきます。

――早大に入ろうと思った理由は何でしょうか

小池 文武両道をしたいと考えていた中で、他の大学でもアーチェリーが強いところはあったのですが、色々な分野で頑張っている人が沢山いる場所で、自分も同じように高め合えていけたら、素晴らしい大学生活が送れるんじゃないかと思って選びました。

棚田 僕の高校の先輩がワセダにいて、色々な話を聞いた時点で「ワセダいいな」と思っていました。そして受験期を迎えた時に考えてみて、早大を目指したいと改めて思ったので、勉強して入りました。

市川 自分は結構ワセダの(アーチェリー部の)ブログをよく見ていて、他の大学と比べてもワセダはTwitterやブログの更新率が高く、部活の雰囲気を掴みやすかったですし、もちろんワセダより強い大学は他にもあるとは思いますが、勉強面でも高いレベルの大学ですし、かつ雰囲気の良い部活でアーチェリーをやりたいと思っていた中で、こういった条件に一番当てはまったのがワセダでした。実際入ってみて本当にいい部活だなと思います。

――高校時代と大学時代の違いはありますか

小池 私は小学生の頃からアーチェリーをやっているんですけど、中高時代にアーチェリー部に所属していたわけではなかったので、初めて部活として行動しているので、大会に出ていてもチームメイトの存在や、教え合うことがいままでなかったので新鮮だなと思っています。

棚田 僕は高校時代に比べて大学の方が、組織としての固まりの強さがあるなと感じています。もちろん高校の時にも幹部の仕組みなどはあったのですが、試合に行った時にそれぞれ仕事があったり、大学に入ると幹部としての重要度が高くなり、OBの方々含めた色々な人とのつながりの強さが大学にはあったりするので、そういう面でも一段階上の組織だなと思いますね。

市川 僕も高校と比べて大学の部活の方が組織として強いと思います。例えば、高校の時は先生方がやってくださったお金の管理などを、我々が役割を担ってやっていくというように、しっかり組織として動いているので、高校の時に比べて自分で考えなければいけないですし、4年生で卒業するまでに、アーチェリーとは別に成長できる場なんじゃないかなと思います。

――入学前に想像していたことと違ったことはありますか

棚田 平日に関しては、授業が思っていたより少なくて練習時間が確保できるので、高校時代に比べて練習量が増えましたね。空きコマで射っていたら結構練習していたみたいなことがあったり、大学に入ったら勉強と部活で大変になると思っていたのですが、意外とそこに関しては余裕がありました。

市川 自分に関しては逆で、周りから大学生活は楽だとか、授業が少ないと聞いていたのですが、実際いま教職を取っているので春学期は結構授業が入っていて、「あれ?結構忙しいぞ?」というギャップはありましたね。

小池 私も結構忙しいなと感じています。特に春学期は一人暮らしを始めた頃だったので生活に慣れるのにすごく時間がかかったのと、自炊などもしているので思ったより自分がやりたいことをやる時間がないなと感じています。大学生になってスケジュール管理を全部自分でやらなければならないっていうのと、トレーニングや練習量は高校の時は全部自分で考えていたのですが、大学に入ったら休日は全体として流れが全部決まった練習をするので、最初は協調性を求められるのが少し苦しかったです。加えて教職を入れることで、その大変さを思い知らされたり、自分がもう少しトレーニングしたいのにできない時とかあったりしました。あと、高校の時は1人だったので定期戦というのがなかったんですけど、大学に入ったらリーグ戦(関東学生リーグ戦)の時期は毎週のように試合があったり、定期戦や遠征が増えたので、フォームを直したいのに直す時間がなかったり、割り切ればよかったのに割り切れないでいて、そういう面では大変だったなと思いました。

――やはり定期的に試合が組まれる環境に対する適応などは苦労しましたか

市川 結構苦労しました。高校時代はある程度出る試合は決まってはいるんですけど、大会と大会の間のスパンが長かったので、大会へ調子を合わせやすかったんですが、今は試合前の1週間とか常に調子を保っていなければならないような中で、一度調子を崩すと再び上げるのが難しいなと感じています。

棚田 僕も最初は苦労しました。定期戦は30メートルと50メートルの試合がほとんどなんですけど、全国大会になると70メートルの試合だったり、フィールドという競技だと、距離が変わったりして、その距離に対する感覚っていうのが試合ごとに変わったりしているので、感覚を合わせるのに最初は苦労しました。

――アーチェリー部の全体練習ではどのような練習をしているのですか

小池 9時頃から15時頃まで射つ練習があって、その後にサーキットトレーニングや弓を使ったトレーニングがあります。射っている時にもグループ練習といって、学年関係なく部員が決まっているグループに分かれて、グループの中で射形を見合って意見を言ったり教え合うという練習があります。

――それは男女別ですか

小池 いえ、一緒です。

――一番きつい練習は何ですか?

市川 僕はサーキットという練習ですね。夏に結構やったんですけど、アーチェリー場の外が四角くて走れるんですよ。そこを最初に1周した後、3周する時に各四隅で筋トレをやりながら走るっていうのをやるんですけど、「これアーチェリーに必要なのかな」と思いながら毎回やっています(笑)。高校の時も自分は走るというより、ひたすら射って練習していたので、つらかったですね。

――お二人もサーキットはきついと感じますか

棚田 そうですね。僕も夏の時期は暑いししんどいしで、めっちゃ嫌でしたね(笑)。

小池 私はそこまで憂鬱になるほど嫌な感じではなかったです(笑)。アーチェリーを始めた時からトレーニングはしていたので、もちろん楽ではないですけど、めっちゃ嫌だと思うほどではないです。

――ここからことしの試合について振り返っていただきたいと思います。皆さんは4月からリーグ戦に出場されていましたが、試合慣れしたのはいつ頃でしたか

市川 自分はリーグ戦の第4戦から参加させてもらったのですが、最初はもう緊張しまくりでした。試合の時に後ろから声援なんて高校の時にはなかったものですから、全然環境が違う中でものすごく緊張したんですけど、最後の3位決定戦の学習院大戦ではだいぶ落ち着いてプレーできたかなとは思います。

棚田 僕は第2戦から出させていただいたのですが、第5戦の日体大戦が終わって、王座(全日本学生王座決定戦)に出ることが決まって一つの大きなプレッシャーが消えたので、僕も3位決定戦の学習院大戦が一番気楽に射てましたね。実際点数も高く出ました。

小池 私は王座も出ていたのですけど、リーグ戦などでは全然点数が出なくて、普通の点数が出せるようになったのはごく最近、本当に9月くらいかなと思っています。

――いまお話に出たように、市川選手と小池選手は王座に出場しました。あれほど大規模な大会はなかなかないと思いますが、どうでしたか

市川 そうですね、先ほど学習院大戦で試合慣れは出来たと言ったんですが、実際王座の初日は平打ちだったので普段とあまり雰囲気が変わらなかったので、落ち着いて出来ました。ですけど、2日目になってこれで4年生の引退が決まるだとかを考えたり、4年生が一致団結して応援してくださいましたし、4年生への思いっていうのを自分で考えてしまって、自分にプレッシャーを与えてしまいました。いままでにないくらい緊張しましたね。

小池 すごく緊張したとかは無いんですけど、その頃は一人暮らしを始めたり生活に慣れてなかったのもあり調子を落としていて。自分が王座の選手に選ばれたのはいいんですけど、いまは戦える状態じゃないと感じていました。王座の時は緊張したというより、早く調子を戻さなければという思いの方が強くて、自分的に情けなかった試合だったなと思います。

――その後はフォームの改造に取り組まれて、いまは点数も安定してきたと思うんですが、フォームを改造しようと思ったきっかけは何ですか

小池 まず点数が出てなかったのと、高2の時にいい点数を結構出してたんですけど、さらにいいフォームを求めて高2の冬に変えたら、感覚がすごく悪くなって大学の最初の方で点数がガクンと落ちてしまって。このままだと大学に入ったまま潰れて終わってしまうと思ったので、どこをどう直せばいいのかあやふやな中模索していって、先輩方にも少しずつアドバイスしていただいて、いまようやく点数が普通くらいになってきました。この試合がきっかけというのはなくて、試合に出続けている中で点数が出ない状況が続いたから着手しました。

――変えた後のフォームははまっていますか

小池 東大との練習試合からは点数が安定してきているとは思うんですが、まだ納得できるフォームではないのと、撮ってもらった動画を見ると実際の感覚と違ったりするので、いまはまだ直してる途中です。

――市川選手は関東学生新人個人選手権(新人戦)の時にケガ明けだったと伺ったのですが、その後の早慶定期戦(早慶戦)や早慶明新人戦での調子はどうでしたか

市川 8月終わりに指を痛めてしまい、休んだり調整したりしながら、新人戦を迎えました、あの日は自分としてもそこまで痛みを感じずに終えられた試合だったんです。でもあの日から射てることが楽しくて、ペースを考えずに練習していたらまた少し痛めてしまって、迎えた早慶戦も早慶明新人戦も良い練習ができないままグダグダ終わってしまいました。今までケガして射てないというのを経験したことがなかったので、自分としても調整の仕方が分かりませんでしたね。いまは来年のリーグ戦に向けて調整してる段階です。

――インドアシーズンというよりはその先の春のリーグ戦を見越しているわけですね

市川 そうですね。出れるような試合もいったん置いといて、来年のリーグ戦に向けて調整するという感じです。

――棚田選手も新人戦と早慶戦で欠場していましたが

棚田 恥ずかしい話なんですけど(笑)、器械運動の授業で肩をケガしてしまって、1カ月近く射てない中、ちょうど新人戦と早慶戦が被ってしまったという感じです。

――久しぶりの試合となった早慶明新人戦の時には高得点を叩き出しました

棚田 ケガした当初は、間に合わせなきゃいけないと焦っていましたが、それを断ち切って射つのも我慢して、まあ一回だけ射っちゃったんですけど(笑)。平日は練習場にも行かずに、3週間くらい射たない期間をつくって治すのに専念したら早慶明新人戦の1週間前くらいに痛くなくなったので、頑張って体力と感覚を取り戻すことを最優先にやっていたらそこそこ良い点数が出たので良かったです。

――冬の間に強化したいことはありますか

小池 冬は定期戦などもないですし大きな大会もなくて、絶対ここに合わせなきゃいけないという試合がありません。この1年間ずっとトレーニングが上手くいかなかったのでもう少し身体を絞るのと、フォームもまだ未完成なのでそこを詰めて点数につなげられるようにしたいと思っています。

棚田 僕はインドアの調子が上がってきたので、その強化にあてたいです。インカレの予選はもう終わったんですが、全日本に出るために点数を稼がなければいけないので、それに向けて練習していきたいと思っています。

市川 ケガが再発しないように気をつけつつ、いままで射ててなかったので、本数を多く射つことで感覚を取り戻すことだけを目指してこの冬はやっていきたいと思っています。

「(棚田は)何をしても全然怒らないです(笑)。」(市川、小池)

二人から印象を語られ、笑顔を見せる棚田

――再び話は変わるのですが、3人の仲はいかがですか

棚田 仲良いです(笑)。

――お互いのことはもともと入学する前から知っていたのですか

棚田 知り合いっていうのはないですけど、ここ(棚田と小池)は前にミックス戦の3位決定戦で戦って、ボコボコにやられた過去があります(笑)。

――それはいつ頃ですか

棚田 高2と高3の間の春休みの全国での選抜大会ですね。

小池 私、相手をよく覚えてなくて・・・。

棚田 俺が弱かったね(笑)。

一同 (笑)。

小池 試合のことに集中しすぎてて向こうの点数とかも知らないレベルでゾーンに入っていて、入学して言われて初めてそれを知りました(笑)。

棚田 僕はもう入学してすぐ「ああ、この人知ってる。強い人だ」と思いながらやっていました(笑)。

――いまは3人同士はそれぞれどんな印象を持っていますか

小池 棚田くんはすごく場の空気を和ませてくれるというか、何しても全然怒らないです(笑)。

棚田 (笑)。

小池 特に何をしてるってわけでもないんですけど、男子の様子を見てて本当に怒らないんだなあと(笑)。市川くんはしっかりしていて将来主将になってくれればいい感じに引っ張ってくれるんじゃないかなと思います。

市川 そんな責任は・・・(笑)。

――棚田さんから見たお二人の印象はいかがですか

棚田 小池さんは高校時代からめちゃくちゃアーチェリーが強い人っていう認識だったので、一緒になってみて意外と小池さんのおっちょこちょいな一面とか結構見えてきて、「ああ、人間だったんだな」と思って(笑)。結構楽しくやれています。市川遼司はクールぶってて、僕に当たりが結構強いです。

一同 (笑)。

棚田 でもやる時はやる人なのでしっかりまとめてくれますし、1年生の軸になってくれるというか、僕も主将にしたいなと思います(笑)。

――とのオファーを受けていますが

市川 そんなまだまだ早い話です(笑)。

――では市川さんから見たお二人の印象はいかがですか

市川 小池さんに初めて会ったのが大学の春合宿に参加させてもらった時だったんですけど、最初会った時はちょっと引っ込み思案なのかなと思っていたんですけど実際はトレーニングとかストイックで、こんなの女子がやるのかと思ってすごいなと思います。こっちの方は・・・。

棚田 名前で呼べ、名前で(笑)。

市川 まあこんな感じで結構へらへらしてて、1年の中でもバランス的なクッション材みたいな感じですね。何しても怒らないんで(笑)。

一同 (笑)。

市川 やっぱり部活やってると不満とかも出てくるんですよね。その時のはけ口になってくれてにこにこしながら聞いてくれますし、重要なポジションではありますね。

棚田 違うんだよなあ(笑)。ちょっと僕のこの性格をいいことに扱ってるなっていう感じがしますね。最近いじりが激しくなっているので。僕もちょっと怒って(笑)シャキッとしないとなという思いがあります。

――他の1年生とはどうですか

小池 まどかちゃん(小栗円香、文1=埼玉・早大本庄)っていう女の子がいるんですけど、最初全然女の子が入ってくれなくて一人だったらどうしようかと思っていたんです。まどかちゃんは自分の意見をしっかり持っていて、まどかちゃんが入ってくれてよかったなと思います。女子が私とまどかちゃんだけで、向こうは本キャンなので平日一緒に練習したりとかは全然なくて、プライベートでもまだ1回しか一緒に遊びに行ったことがないので、これからいろいろ行ったりしたいです。

棚田 男子の同期は結構みんなで仲良いですね。平日はスポ科、人科の先輩方がいらっしゃるので交流も結構あって、トップレベルの先輩方にフォームを教えてもらえたりしています。

市川 同期だと強いて言うならば理工学部に相木(将寛、創理1=東京・駒場東邦)っていうのがいるんですけど、すごいキャラですね。めっちゃ頭良くて男子校出身なので、考えること、やることがすごいんですよね。僕は共学だったので男子校のノリが男子でありながら分からないので、すごいなあと思います(笑)。

――先輩方だとどなたとよくお話しますか

市川 普段所沢に通っているのでスポ科、人科の先輩方と仲良くさせていただいてます。僕の中ではいまいる先輩の中では池田先輩(亮、人4=東京・国際)、野村先輩(翼主将、スポ3=愛知・岡崎北)、鬼塚先輩(聡、スポ3=千葉黎明)の3人はやはり大きい存在です。その3人と王座に出たのもありますし、鬼塚先輩は関東なので僕が一方的に知っていて、野村先輩は僕が高3の時の試合で後ろで射ってたんですよね。池田先輩も岩手の国体で個人で優勝されていて、一方的なんですけど意外と知っている方が多くて、いまは仲良くさせてもらってます。

――オフの日は皆さんどのように過ごしていらっしゃいますか

小池 高校の時は友達と映画を見に行ったりしていたんですけど、大学に入ってからは完全にオフというのがあまりないです。でも友達と新宿とか池袋に行ったりしています。

棚田 僕も1日オフというのはいままでほぼないんですけど、最近は部活のメンバーで定期的に焼肉に行ったりしています。あとは寮の友達が結構遊びに誘ってくれるのでそういうのもありますね。

市川 僕は棚田とは違う寮に入ってるんですけど対照的に全く交流がなくて(笑)。結構引きこもってたいというかインドア派なので、1日オフってなった時は家でゴロゴロするのが一番楽しいですね。

「日本一になりたい」(小池)

今後の目標を力強く語ってくれた小池

――では改めて競技の話を伺いたいと思います。新体制になってから新しく取り組んでいることはありますか

小池 先ほども少しお話したグループ練習とかは以前もちょっとやっていたという話を聞いたんですが、本格的にやり出したのは新体制になってからです。

――チームの雰囲気などには変化はありませんか

市川 4年生がいた期間の練習って2カ月くらいしかなかったので、個人的には始まりが4年生が引退されてからというか、組織の一員として働いてるなっていう感じがあります。

――皆さんはその中でも早くから団体戦にも出場されていましたが、同期をけん引していこうというような意識はありますか

棚田 1回先輩に言われたのが、仕事をこなせるようにはなったんですけど今度は指示を出せるようになりなさいというものでした。またすぐ新しい1年生が入ってきて僕らも先輩になるので、ついていくだけじゃなくて今度は指示を出して引っ張っていける存在になりたいなと思います。

――同期の中にも未経験者の方もいらっしゃると思いますが、アドバイスやコミュニケーションは積極的にやっているのでしょうか

棚田 未経験の子は本キャンに多かったりするので、全体練習で会った時にフォームを見てほしいと言われることもあって、そういう時はできる範囲でしています。市川の方が指導に関しては能力があるので、結構頼っています。

市川 いままで得た知識と経験的なことの両方で一番合いそうな教え方をするようにはしています。(棚田は)結構感覚派アーチャーなので、年数にして全然知識が少なくて、僕が多いっていうよりはこの子が少ない(笑)。

棚田 いやいや(笑)。

――試合中はあまり考えずに射つタイプですか

棚田 いつもこんな感じだからこんなふうに射てれば当たるなっていう感じですね。論理的というよりはその場の感覚です。変なところにいきそうだと思ったらちょっと弓を振って入れるみたいなタイプですね、あまり良くないんですけど(笑)。

――市川選手は考えて射っていくタイプなのですか

市川 僕も感覚派ですね。でも高校の時にコーチの方が「感覚派でも論理的にもやらなきゃいけない」とおっしゃっていて、自分の中でも論理的に説明できるようにしなければなというのはずっと心掛けながらやっています。

――小池選手はいかがですか

小池 私も完全に感覚派ですね。私は小さい頃はクラブに行っていたんですけど途中からは素人の父と練習していて、たまにいい先生のところに行って教えてもらってという感じだったので、がっちり説明を聞いたりとかはあまりなかったです。自分の練習ノートにも擬音とかがすごく多いです。アーチェリーに限らず他の時も頭で考えるより先に体が動いていますね。射つ前にもこの辺にいくなっていうのが大体分かります。

――射つ中で調子がいい時も悪い時もあると思うのですが、どのようにコントロールされていますか

小池 私は結構ゾーンに入る時があって、その時は自分を上から別の自分が見ているような感覚になります。調子が悪い時はゾーンに入れないことが多いので、自分を客観視していま何が悪いのかとか、点数よりもなぜそこに外れているのかの原因を突き止めて、それを直すにはいま何ができるのかを考えています。リリースが毎回ゆるんでしまっている時はサイトを調節したりだとか、最低でも的の黄色い範囲内には収めるようにしたりしています。

――リリースがゆるむと外れやすいのですか

小池 普通に射つと真ん中にいくんですけど、私はゆるむと右上にいってしまいます。毎回ゆるむのならそれを計算してサイトを合わせたりしています。

棚田 僕はエイト戦だったら後ろの応援の先輩とかに聞いています。早慶明新人戦で30メートルになった時に当たらなくて焦っていた時に、鬼塚先輩からアドバイスをもらって点数が戻ったので、大学の試合は先輩とかにフォームを見てもらえたりするのでお願いしています。個人戦だったら多く考えると全部できないので、試合の前に一つだけ気を付けることを決めて、もし調子が悪くなったらそこだけを意識して射つようにはしてますね。

市川 僕は練習にとらわれないっていうのを意識しています。試合当日は緊張とかを含めたその時の射ち方がやっぱりあって、きょうは右にいくと思ったら「なんで右にいくんだろう」と思うのではなくて「きょうは右にいく射ち方なんだ」と割り切ってサイトを右に移したりしています。当たらない日はどうしたらばらつきを小さく抑えられるかを考えて、悪いところを修正しようというよりは他のところを貫き通そうという意識をしています。

――来年1年間の目標をお聞かせください

小池 何の試合でもいいので日本一をとることです。それといま目標の70メートルの点数が670点くらいなんですけど、ここ1年くらい70メートルの点数が全然よくなかったので自己ベストの650点くらいには戻せるようにしていきたいです。

棚田 僕も何かの大会で日本一をとることです。高校でも全国で入賞が最高成績なので、来年こそは全国で優勝したいなと思います。

市川 やはり王座が悔しかったので王座制覇っていうのが一番ありますね。個人戦でも日本一をもちろんとるつもりではあるんですけど、自分の中では王座というのが特別なものではあります。

――最後に来年のみならず、大学在学中やその後も含めてどのような選手になっていきたいですか

小池 中学、高校と自分なりに成績は出てきたので、必ず全国でベスト8に入ったりとか、海外の試合にも出たことがあるのでもう一度海外の試合に出れる選手になりたいです。あとは成績とか相手に勝つというよりも自分に勝てる選手になりたいです。いままでを振り返ってみても自分のやってきた練習の甘さだったり、忙しさを言い訳にトレーニングを軽めにしたりもあったので、そういうことをしてたら勝てないと思うのでそういう意味で強い選手になりたいです。

棚田 僕は大学卒業後も続けるかはまだ分からないんですが、大学4年間の目標としては、王座を含め日本一をとってアーチェリーの競技面で頼れる人になると同時に、部活動のチームの一人としても頼ってもらえるようないい先輩になれるように頑張っていきたいです。

市川 僕も大学を卒業した後もアーチェリーはやるとは思うんですけど、本気でやれる時期は大学で一区切りつくと思っていて、最後にやり残しがないように自己投資を惜しまないようにしたいと思っています。点数はある程度出せてもトーナメントとかで負けてしまうのではなくて、うまい選手というよりは強い選手になっていきたいっていうのはあります。あとは棚田も言ってたんですけど、部の中でも頼ってもらえるような先輩にはなっていきたいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉田優、森迫雄介)

フレッシュな1年生の活躍に期待です

◆市川遼治(いちかわ・りょうじ)(※写真右)

1998(平10)年9月18日生まれ。群馬・高崎商大付高出身。スポーツ科学部1年。大学で面白かった授業は?という質問に、返してくれた答えは『基礎バイオメカニクス』。理系だという市川選手は、「高校でやっていた物理をアーチェリーの現場とリンクして考えるのが楽しい」とのこと。これぞ文武両道の大学生活ですね!

◆棚田歩(たなだ・あゆむ)(※写真左)

1998(平10)年9月8日生まれ。北海道・帯広三条高出身。スポーツ科学部1年。場を和ませてくれる存在として、同期の部員から慕われている棚田選手。今回の対談でも他の二人の緊張が自然とやわらぐような場面が多く見られました。早スポのインタビューにもいつも笑顔で答えてくれるのが印象的です。持ち前の優しさで部に明るい雰囲気を生み出します!

◆小池美朝(こいけ・みあさ)(※写真中央)

1998(平10)年8月6日生まれ。大分高出身。スポーツ科学部1年。色紙にしたためた『有意拓道』とは、意志あるところに道は拓けるという意味。小学生の頃、うまくいかなかった試合の後にお父さんが掛けてくださった言葉だそうです。小池選手のストイックさ、競技への強い思いの原点となっているのかもしれません。

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