アーチェリー部

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2017.12.28

【連載】新体制特集『Next Stage』第1回 鬼塚聡×吉永剛×狐塚佑姫女子副将

 連載第1回は、3年生としてチームをけん引する鬼塚聡(スポ3=千葉黎明)、吉永剛(人3=神奈川・浅野)、狐塚佑姫女子副将(社3=岐阜・聖マリア女学院)の3人が登場。入学直後から常に主力として戦ってきた鬼塚、狐塚と、今季躍進を果たし部に欠かせない存在へと成長した吉永に、競技への、またアーチェリー部への思いを語っていただいた。

※この取材は12月9日に行われたものです。

「うまくはなったけど強くはなれなかった年だった」(鬼塚)

笑顔でインタビューに答える鬼塚

――まずは今季を振り返ってみていかがですか

鬼塚 個人の競技力はアップできた一方で本番では発揮できなかった年でした。練習とか小さい大会では自己新や試合新を射てていたんですけど、早慶戦や王座(全日本学生王座決定戦)といった、実力を発揮しなければいけないところで練習通りの成果があげられなくて、うまくはなったけど強くはなれなかった年だったと思います。

吉永 リーグ戦から12月にかけては順調に成長できたかなと思います。1カ月から2カ月ペースで自己新を更新できて、調子は良かったです。インカレ(全日本学生フィールド選手権)に出れたのもラッキーでした(笑)。大事な試合で自己新を出せたので、自分の成長を感じましたね。

狐塚 私は全日フィールド(全日本フィールド選手権)で優勝できたり、直近で言うと世界室内(世界室内選手権)の選考会に出たりとか人生で一番大きい大会を経験できて、いい1年だったとは思います。ただ、点数の面では周りが伸ばしている中で自分は伸び悩んでいるのを感じて、自分の調子が悪い中でもどうすれば試合に持っていけるかなどを考えさせられた1年でした。

――チームとしてはいかがですか

鬼塚 リーグ戦と王座は56代(旧体制)の方々がどれだけ頑張ってきたか成果を試す感じで、57代(現体制)としては方針も大きくは変えず気持ち良くやってきました。ただ最近は早慶戦で女子はベストに近い勝ち方をした一方で男子が悪い負け方をしてしまったので、このままでは駄目だという感じになっていますね。

吉永 ベストメンバーで挑む試合が夏にあまりなかったので、現状があまり分からず曖昧なまま練習を続けていて、いざ本番の試合になって、うまく隠れていた悪い部分が全部表に出てしまって負けにつながったと思います。それに気付けたという点では良かったのかなと感じます。

――悪い負け方というのは具体的にどのような部分ですか

吉永 試合中から負けている感じだったので、去年と比べて良くないなと思いますね。

鬼塚 何で負けたのかなという疑問がなかったです。まあ負けるよねっていう感じで。

――悪い負けを経験して、チームで変えようとしている部分はありますか

鬼塚 活動方針で決めたことを実行できているのかというのを、男子の幹部代で話し合いました。

吉永 新しく何かを始めましょうというのはないんですけど、初心に帰ってどういうチームにしていきたいのかを考え直して後輩にも伝えるというのはやりました。もっとチームを良くしていこうという感じですね。

――一方で、女子部好調の要因を教えてください

狐塚 まずは一人一人の実力が確実に上がってきてることがあるかなと思います。人数が少ないので自分が頑張らないといけないという自覚があって、それぞれが何カ月も頑張ってくれた結果なんじゃないかなと。あとは、これまでのルールを変えて人数が少ないなりに自分たちがやりやすいように、下級生も含めてみんなから意見を聞いて実行できているのが点数を伸ばすことができている理由かなと思います。

――あえて挙げるなら、王座前と王座後でチームとして変わった部分はどこですか

鬼塚 表面的に変えたのは、今まで主将と女子リーダーだったのを男子主将と女子主将に変えたところですね。男女同じ立場でやるっていうふうにしました。

狐塚 私と舩見(真奈女子主将、スポ3=山形・鶴岡南)が2人で運営をする日もあります。今までは女子2人で運営なんて絶対になかったんですけど、今だとタイミング次第でそういう日もあります。

鬼塚 早大アーチェリー部男子チームと女子チームという感じから、アーチェリー部として1つにまとまった感じです。

――監督が代わりましたが、いかがですか

吉永 練習に来てくれる回数が増えました。単純にうれしいです(笑)。

狐塚 相談もしやすくなりますし、少し困った時に毎週続けて見てもらえたりといった部分はあります。まだお互いに探り探りではあるのですが。

鬼塚 今の監督はとても論理的な方なので、何を聞いても納得させられます。頭の良い方だと思います。

――強豪校とワセダの差をどう感じますか

吉永 個人の実力は圧倒的に負けていると感じます。練習量で敵わないところもあるんですけど、そこで諦めるのではなくて、どう戦うかが重要になってくると思います。

鬼塚 要は自分をどれだけ高められるかですよね。

「競技を楽しめないと始まらない」(吉永)

今季好調の吉永。多くの手応えを得た1年だった

――団体戦の他にも多くの個人戦に出場されていますが、個人戦に出場する意義とは何でしょうか

狐塚 全日やインカレは点数が良くないと出られないので、そこは目標にしています。何で出たいのかというと、普段はチームでやっているので、じゃあ全国での自分の実力はどれくらいなのかというのを知りたい部分が大きいですね。

――団体戦と個人戦は試合の雰囲気が異なると思うのですが、メンタルの作り方等で気を付けている部分はありますか

吉永 私はあまり変わらないです。どっちにしろ競技を楽しめないと始まらないと思っているので、そこを大事にしたうえで、点数を出すためにどうやるかというのが大事なのかなと考えています。

鬼塚 全国大会にワセダの選手が1人で出場しているわけではないので、そんなに変わらないですね。

狐塚 団体戦でも基本女子チームは応援がいないので、個人戦でもそんなに変わらないですね。自分が射っていない時に周りを気にするぐらいなのでメンタル的には違いはないです。ただ、王座のときに応援で自分の名前が後ろから聞こえてきて、普段応援がない分それが心強く感じました。

――狐塚選手にお聞きします。全日フィールドについて、優勝できる自信はありましたか

狐塚 ここで思っていたと言えたらかっこいいんですけど・・・(笑)、本当に思ってなかったです!8位まで予選通過の中で予選7位でしたし・・・(笑)。調子も悪かった中で、かっこ悪いんですけど、相手がうまく外してくれたというのが正直ありました。それでもうまくいったのは、全日フィールドが始まる前に射ち方を自分で明確に決めていたので、それが良かったのかなというふうに思っています。

――最上級生として、意識していることはありますか

吉永 人より多く練習する姿を見せられたらなというのは昔から感じていました。最近は射てていない状況なんですけど、自分としては本数を射つというのは点数を出すうえで重要な要素だと考えているので、その姿を見せることでうまく伝えられたらなと思います。あとはミーティングの時に積極的に発言するようにはしています。

狐塚 話飛ぶけどね(笑)。

吉永 頭の中でどんどん先にいっちゃう(笑)。

鬼塚 私は技術指導という立場なんですけど、振り返ってみると新人に目がいきがちで2年生をあまり見れていないなと感じますね。もっと視野を広く持って指導していきたいなと思います。

狐塚 女子副将として主将2人の動きをよく見て、目が届いていないところにできるだけ気付くようにしています。自分の少しの動きで部の運営が良くなればいいなと思いますね。あとは自分のキャンパスが違うこともあり、あまり所沢の練習に来れないので、来た時にはいろいろな人と話すようにしています。

――同期の選手について、面白い人などがいれば教えてください

狐塚 ばっさー(野村翼主将、スポ3=愛知・岡崎北)が人間じゃないとかですか(笑)?点数が人間じゃない(笑)。彼は人間をやめました。

一同 特に面白い人とかいないんですよね(笑)。

狐塚 あ、聡(鬼塚)の腕が気持ち悪い(笑)!

鬼塚 あーやっちまった・・・。

狐塚 究極のサル腕なんですよ(笑)。

――男子主将、女子主将についてはいかがですか

鬼塚 日本一を目指すうえで点数を出しているというところはやっぱり尊敬していますね。

吉永 翼(野村)に関しては1年のときから点数を出していますし、最近では後輩の指導にも力を入れていて、チームの点数を上げてくれているなと感じます。あとは体調管理に気を付けてくれれば…(笑)。

鬼塚 あとは、視野が広いなと思いますね。きちんと全体に指摘ができるので。

吉永 まなふぃー(舩見)に関しては上から目線になっちゃうんですけど、女子主将になってからチームに指摘もするようになったし、点数面以外でも成長したのかなと思います。

狐塚 一緒に動くことが多いんですけど、準備が完璧だなと思っています。先週はこうだったから明日の試合はここを気を付けようとか、ちゃんと共有してくれますね。ただ、もう少し頼ってくれてもいいのになとは正直思います(笑)。

鬼塚 野村は割り振る力があって、舩見は自分でやる力がある。

「『あ、これ絶対10点入る!』と思う瞬間があって、実際入るのがすごく気持ちいい」(狐塚)

アーチェリーの魅力を生き生きと語ってくれた狐塚

――話は変わりますが、皆さんはいつからアーチェリーを始められたのですか

吉永 中学1年生からです。部活紹介の時にアーチェリーはア行なので順番が最初の方で、かっこいいなと思ってそのまま(笑)。大学では続ける気はなかったんですけど、もう少し頑張ってもいいかなって思って、学部もスポ科だったのでそのまま続けてます。

鬼塚 小4の途中から始めました。始めたきっかけは、親の同僚が指導者で勧められたことです。そしたら楽しくなってしまって、ずっと続けている感じですね。中学の時はアーチェリー部がなくて剣道部に入ったりしてたんですけど、幽霊部員でした(笑)。大学に入る時も、続けることを疑わなかったですね。卒業しても続けると思います。

吉永 すげー。いや、俺別に嫌いとは言ってないよ(笑)?!

狐塚 私も中1からやっています。最初はテニス部に入りたかったんですけど、お父さんから「珍しいことやっておけ」って言われて(笑)。たまたま中学にアーチェリー部があったので、無理やり入ったって感じです。中学の時は、校内で誰かに勝ちたいと思ってやっていて、それでうまくなると全国大会が見えてくるわけじゃないですか。そして高校生になって全国大会で入賞とかするようになるとアーチェリーが楽しくなってきて。そしたら聡(鬼塚)と一緒で続けない選択肢がなかったですね。アーチェリーをやるために大学も探していましたし。高校の時は、強くなりたいという想いを原動力にやっていました。

吉永 完全に俺が異端だ(笑)。

――アーチェリーという競技のどこに魅力を感じますか

吉永 まず、道具がかっこよくないですか(笑)?これが導入かなと思います。あとは、単純に力が強いかどうかじゃないところも魅力ですね。いかにうまく自分の力を使うのかを考えるので、思い通りに体を動かして真ん中を射てたときは気持ちがいいですね。アーチェリーはコンタクトスポーツじゃないので、男女や年齢の差があっても十分戦えるのがいいなと思います。

鬼塚 前の競技だと144本射って1440点満点で、今だと72射で720点満点なんですけど、満点を射った人って誰もいないんですよ。その誰も射ててないところを追求していくのが魅力だと思っています。自己新とか日本新とかに近づいてくるとだんだん緊張してくるじゃないですか。そこで10点入れたときとか記録を更新できたときの喜びに引きつけられますね。

狐塚 たぶんアーチェリーやっている人はみんなだと思うんですけど、自分の弓が1番かっこいい(笑)。自分の弓が大好きでそこに愛着が湧いてくる。自分の好きなように弓矢をつくっていくのが面白いです。あとは、的を狙っているときに、「あ、これ絶対10点入る!」と思う瞬間があって、そう思うと実際入るんですよ。これがすごく気持ちが良くて。それを追求し続けているのかもしれないです。それ以外は、オリンピック選手とかも結構身近にいて、横で射てたりするのもいいですね。

鬼塚 追求できることがたくさんあって、気付いたらアーチェリー生活を送っていますね。

――アーチェリー以外で得意なスポーツはありますか

狐塚 バトミントンが体育の中では得意でした。あとはクライミングが好きです。

吉永 うちの高校珍しくて、体育の授業でやり投げがあったんですよ(笑)。学年で1番飛ばしてました。33メートルぐらい。

鬼塚 世界記録90メートルとかじゃないの?

狐塚 全然飛んでないじゃん(笑)。

吉永 いやそれは違うじゃん(笑)。でも全身のバネを使ってきれいに投げられた瞬間はやっぱりあるよ。5秒ぐらい呼吸できなくなってたけど(笑)

鬼塚 バレーのレシーブとサーブだけ得意でした。アタックは絶対にネットに触れるからダメだった(笑)。

――今季のベスト試合があれば教えてください

吉永 インカレターゲット予選(全日本学生個人選手権予選)の後半ですね。前半の感じだとボーダーには届かないだろうなって感じだったんですけど、後半323点射てて、池田さん(池田亮、人4=東京・国際)より点数高くて、自己新出して予選も通過して、飛躍のきっかけだったと思います。いや、本当にいい試合でした(笑)

狐塚 まあ全日フィールドですよね(笑)。本当に苦しい1年の中で、唯一心のよりどころというか、あれがなかったら今続けられてるのかなと思うぐらいです。何がベストって、両親が見に来ている中で優勝できたのがよかったなぁって思います。

鬼塚 国体の予選で、自己ベストを更新したことですかね。今までは割と320点台しか出ていなかったんですけど、その時は気付いたら337点が出ていて、あれは結構いい試合だったなと思います。前半終わったときに気付いて緊張して後半はめっちゃ点数落としたんですけど(笑)。

――今後の意気込みをお願いします

吉永 元々全国大会とかは出たことがない人間だったので、1年生のときは絶対自分は応援する側の人間なんだろうなと思っていました。その中でここ最近調子が上がってきて、王座に出れるかもしれないと思えるまでになってきたので、あの試合で自分が射って優勝したいなって思います。あとは東日本大会に出てみたいです。これらがことしの最終目標ですね。

狐塚 私は次の王座までの約半年、普段の練習だったり試合だったり全部で妥協しないでやっていきたいです。これから忙しくなってくるとは思うんですけど、アーチェリー人生の集大成として、アーチェリーを最優先に本気でやっていきたいなと思います。そして目標はやっぱり王座優勝なので、ここでもうひと踏ん張りすれば狙えると思っていますし、なんとか頑張りたいです。

鬼塚 高校で団体優勝の経験があるので、自分がメンバーに入っていなければ優勝できないだろうというぐらいの選手になって、優勝をつかみとりたいと思います。その前に、なにかと自信をつけたいので、全日インドア(全日本室内選手権)、インカレインドア(全日本学生室内個人選手権)で優勝できたらなと思います。あとは、結果や点数以外で部に何かを残したいと思っています。例えば55代は、王座準優勝したときに正選手に55代の選手はいなかったんですけど、あの結果は55代の方々のおかげだと思っているので、自分たちも結果以外のところでも部に印象を残せたらと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 山下夢未)

和気あいあいとした対談となりました

◆鬼塚聡(おにづか・さとし)(※写真中央)

1996(平8)年11月27日生まれ。千葉黎明高出身。スポーツ科学部3年。色紙にしたためた言葉は『千射万箭(せんしゃばんせん)』。「今射る一本をおろそかにせず、全てを新たな気持ちで射よ」という意味だそうです。1試合で多くの本数を射つアーチェリー。この言葉を胸に、最高学年での戦いに挑みます。

◆吉永剛(よしなが・つよし)(※写真右)

1995(平7)年9月12日生まれ。神奈川・浅野高出身。人間科学部3年。男子校出身の吉永選手ですが、入部当初はなかなか女子部員と話せなかったとのこと。最近は呼び方にも変化が生まれたそうで、「ひめって呼んでくれるんですよ!」(狐塚)と、3年目の成長ぶりにうれしそうなご様子でした。さらに仲の良さの増した最上級生がアーチェリー部を率います!

◆狐塚佑姫(きつねづか・ゆうき)(※写真左)

1996(平8)年8月17日生まれ。岐阜・聖マリア女学院高出身。社会科学部3年。社会科学部に所属している狐塚選手。普段はなかなか所沢の射場に通えないため、外部の射場で練習をしているそうです。他の部員と練習できる機会は少ないですが、舩見女子主将を支えようという思いが伝わってきました。頼もしい3年生が引っ張る女子部の活躍に期待です!

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