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2017.12.17

【連載】箱根事前特集『それが早稲田のプライドだ』 第8回 永山博基

 昨年の東京箱根間往復大学駅伝(箱根)で、『花の2区』へ出走した永山博基(スポ3=鹿児島実)。しかし本来の力を発揮できず、他校のエースたちとの戦いに敗れる。その屈辱を胸に、結果にこだわりたかった今季。しかし度重なるケガでトラックシーズンは万全な状態でスタートラインに立つことすらできなかった。それでも『W』のエースになるために。箱根に懸ける思いを伺った。

※この取材は11月29日に行われたものです。

「当たり前のことをより丁寧に」

今シーズンの試合をじっくり振り返ってくれた永山

――きょうはどのような練習をされましたか

 きょうから僕は集中練習が始まって、八王子(八王子ロングディスタンス)があったので、みんなは5000メートルを3本だったんですけど、少し量を減らして2本行いました。

――八王子が終わってからはどうされていたのですか

 八王子も狙った試合ではあったのですけど、箱根を見据えての八王子だったのでその後もすぐに練習を再開しました。

――集中練習で意識していこうと考えているところは

 特に意識するっていうことはないです。ただ、いまやっている練習をひたすら継続することと、体調管理やケガの予防などの当たり前のことをより丁寧に、しっかりやっていきたいと思っています。

――現在のチームの雰囲気は

 集中練習もまだ始まったばかりで、ピリピリしているということはないです。きょうの練習もみんな余裕を持ってこなしていたので良かったと思います。ただ、出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)と全日本(全日本大学駅伝対校選手権)の結果がある中で、危機感はそこまでないのかなという感じはします。

――箱根が1カ月後に迫りましたが、現在の心境は

 1年って早いなとすごく感じていて、「いよいよだな」という思いと「早く終わってほしいな」という思いもあります(笑)。

――早く終わってほしいというのはなぜでしょうか(笑)

 緊張じゃないですけど、終わって背中をすっきりさせたいというか(笑)。でももちろん楽しみですし、これからが一番重要な1カ月だと思うので、一日一日大事にしないといけないと思っています。

――調子は上がってきているという手応えはありますか

 上がってきてはいますし、練習ができてきているので、後1カ月きっちり練習していきたいです。

――残り1カ月は箱根に向けて緊張感漂う場面もあると思いますが、気分転換はどうされているのですか

 箱根に向けて1カ月間気の抜けない日が続きますけど、だからといってするべきことはいつも通りなのでそこには特別な思いはありませんし、結局オフはオフであるので。いつも通り自分らしいオフの過ごし方をしていきたいです。

――自分らしいオフの過ごし方というのは

 治療に行ったり温泉に行ったり、友達と出掛けたりという感じで好きなことをして過ごしています。

――特に仲の良い選手はいらっしゃいますか

 同期だと清水歓太(スポ3=群馬・中央中教校)とよく出かけたり、ご飯に行ったりします。後輩だと新迫(志希、スポ2=広島・世羅)といま同じ部屋で、普段から話す機会が多かったりで可愛い後輩の一人です。

「自分の中でも求めるものが高くなった」

――トラックシーズンの結果を見て危機感はありましたか

 ただただ1回もスタートラインに立てなかったので、すごい悔しいというより情けなかったなと思います。

――関カレ(関東学生対校選手権)でのチームの結果を見ていかがでしたか

 ハーフで4年生2人が入賞してさすがだなという思いと、そこで2人がしっかり走ってくれましたけど、戦わなければならない5000メートルと1万メートルがぼろぼろで、チームとしても良くなかったと思います。でも一番は、個人として走ることができなかった、チームに貢献できなかったということがチームに対して申し訳なかったです。

――「求めている走りのビジョンと感覚が噛み合わず投げ出す練習ばかり」という文を部員日記で拝見したのですが、そのときの心境は

 春一番の目標にしていたのがユニバーシアード(ユニバ)で、ちょっとそこを意識しすぎたというところはあって。去年の秋、冬の成績があったから自分の中でも求めるものが高くなってしまって、そこが一番かみ合わなかったところでした。

――金栗(金栗記念選抜中長距離熊本選手権)を振り返っていかがですか

 ユニバのための金栗という位置付けでした。結果はあまり良くなかったんですけど、その後ユニバの選考会まで3週間あったので、そこでしっかり走るためにと思ってその後もすぐ切り替えました。プラン通り練習できていたんですけど、結局ケガしてしまってという感じで。

――ユニバに出られないことになったときはどのような気持ちでしたか

 もちろん悔しさもありましたし、堪えたところもありました。すごい貴重な大会ですのでもったいないという思いもあったんですけど、それが全てではなく大事な大会はまだまだ続きますし、まだまだ頑張るべきところ、戦いたい舞台は他にもたくさんあるので切り替えてまたやっていこうと考えました。

――金栗の後3カ月ほどレースには出られていませんでしたが、その間はどう過ごされていたのですか

 ケガを繰り返していたので、走ったと思ったらまたケガしての繰り返しでした。秋も含めてなんですけど、その状態がずっと続いていて、練習できるときもあったんですけど、ケガもたくさんして継続して練習できなかったというか。練習自体が点で、線で結ばれない感じでここまで来てしまいました。

――ケガをしているときはどうされていたのですか

 休むときは休みましたしやるときはやったんですけど、やっぱり大した練習っていうのはできなかったです。でもケガをしたときに、練習だけじゃなくて色んな勉強をして、いま思えばすごい役に立つことも多かったと思います。ケガで大会に出られなくて悔しいしもったいなかったというのはあるんですけど、その時間は無駄ではなかったといま思えるので、そこで費やした時間を今後に活かしていければ良いのかなと思っています。

――具体的にはどういった収穫があったのですか

 自分の体をすごく知れました。1、2年時はただ練習するだけというかそこまで深く考えなくても結果も記録も出たということに比べて、ことしは簡単にはうまくいかないことが多くて、考える時間も多かったです。陸上に対して色々勉強して、こういう経験っていうのが本当に大事だったんだなと思います。

――夏の間、自ら志願して複数の実業団の合宿に参加されたとお聞きしました。自ら志願された理由というのは

 春にケガをして色々勉強もしたりという中で、時間がある夏に企業に行って実際に見て学びたいと思い、勉強しに行きました。色んな経験を積めたのですごい良かったですし、充実した夏になりました。

――実際に参加されてみていかがでしたか

 生活の仕方、考え方っていう面でいままでの自分の常識が覆されました。色んな考え方があって今後に活きてくるようなところは、盗めるだけたくさん盗んできました。

――2次合宿取材時、相楽駅伝監督(豊、平15人卒=福島・安積)から永山選手は「バリバリ順調だ」とお聞きしていたのですが、実業団での合宿など手応えを感じていたのでしょうか

 高いレベルとより良い雰囲気の中で充実した練習ができたんですけど、3次合宿が始まる前に全カレ(全日本学生対校選手権)があって、その直前にまた足を痛めてしまって。結局3次合宿も遅れをとってしまいました。

――継続して練習できない時期の焦り、不安はありましたか

 狙った試合で走れなかったりとか、そういったところで悔しさや焦りはありました。

――改めて出雲を振り返っていかがですか

 監督も信頼してくれてエース区間の3区に使ってくださったんですけど、結果で応えることができなくて。チーム的にも9位というすごい情けない順位を取ってしまって、それも自分の走りが全てだったのかなと思っています。

――出雲から全日本への切り替えはどのようにされたのですか

 出雲でそういう走りはしてしまいましたけど、気持ち的にへこんだわけではないので、やるべきことを継続する3週間にしました。

――改めて全日本を振り返っていかがですか

 出雲も出雲でそういう走りをして、全日本も結局間に合わすことができなくて。走るべき区間を走ることができなかったことについて、チームに対してすごい申し訳なかったし、情けなかったです。

――ことし、上尾(上尾シティマラソン)で入賞者が0でした。その結果をどう見ていましたか

 自分もずっと良い結果で走れていないので人のことを言える立場ではないんですけど、ことし1年間、箱根終わって立川(日本学生ハーフマラソン選手権)から振り返ってみても、妥当と言えば妥当なのかなとも思いました。

「誰よりも2区を意識して、誰よりも覚悟も準備もしている」

――ことしの箱根事後取材で「本当に2区が悔しかった」、「遅れた瞬間を鮮明に覚えている」とおっしゃっていたのですが、いまも忘れられないでしょうか

 ことし1年間ケガとかうまくいかないときがすごく多くあって。いまも自分の中で不安はあるんですけど、やっぱり誰よりも2区を意識して、誰よりも覚悟も準備もしているので、リベンジしたいという思いは強いです。

――不安とはどういったものですか

 2区で戦うレベルにはまだまだ仕上がっていないというのが1番です。

――早大のエースとしての自覚はいつ頃から芽生えましたか

 去年2区を任されて、去年の段階から「しっかり走りで引っ張っていかないといけないな」と思って1年間やってきました。ここまで何一つ結果は残せていないんですけど、箱根くらいはエースらしい走りというか、2区へ行ってくれるだろうというみんなの思いもあるので、責任を持った走りをしたいと思います。

――上級生として何か変わったことはありますか

 後輩とジョグとかで色んな陸上の話をする機会があって、自分が持っている色んな知識を伝えていければいいなと思ってやっています。あと、3年目ということで陸上に費やせる時間がたくさんあるので、存分に陸上にも自分自身にも費やしているのかなと思います。

――来季は清水選手が駅伝主将ということですが、永山選手はチーム内でどのような選手になりたいですか

 歓太が主将をやってくれるということではあったんですけど、自分が走りで引っ張っていかないといけないと考えています。それ以外の面でも自分がやるべきことっていうのは変わらないので、走り以外の面でもそうですけど、4年生として当然のことはしっかりやっていきたいです。

――3度目の箱根ですが、箱根に対する思いは変わってきましたか

 言い訳にはなっちゃうんですけど、前回の箱根は自分の力が出せなかったなと思っていて。ことし1年間振り返ってみても本来の力というか万全な状態でスタートラインに立ったことがなかったので、箱根くらいは万全な状態でスタートラインに立って、2区の他大のエースと戦いたいと思います。それに加えて楽しむことも忘れちゃいけないなと思います。

――最後に、箱根に向けての意気込みをお願いします

 これまでを振り返ってみても厳しいとは思うんですけど、あと1カ月でより良いチームを作って、しっかり箱根を迎えれば良い結果が出せると思います。終わり良ければ全て良しじゃないですけど、最後気持ちよく終わるために、あと1カ月みんなで力を合わせて頑張っていきたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉村早莉)

箱根への意気込みを色紙に書いていただきました!

◆永山博基(ながやま・ひろき)

1996(平8)年7月20日生まれのB型。168センチ、50キロ。鹿児島実高出身。スポーツ科学部3年。自己記録:5000メートル13分58秒81。1万メートル28分25秒85。ハーフマラソン1時間2分55秒。後輩の新迫選手と同じ部屋だという永山選手。話す機会も多く可愛い後輩だそうです。先日の八王子ロングディスタンス後も仲良くジョグをされていました。

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