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2017.12.18

【連載】箱根事前特集『それが早稲田のプライドだ』 第11回 藤原滋記

下級生のころからいわゆる『つなぎ区間』で堅実な働きを見せてきた藤原滋記(スポ4=兵庫・西脇工)。最上級生となった今季、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)で待望の主要区間に出走したものの、実力を出し切ることはできなかった。この悔しさは箱根路で晴らすしかない。集大成の舞台がいよいよ間近に迫る中で、藤原はいま何を思うのか。今シーズン全体をふり返りつつお話を伺った。

※この取材は11月29日に行われたものです。

「夏合宿を経て一つ大人になったというか、自分の視野が広がった」

今シーズンをしっかりと振り返ってくれた藤原

――集中練習が始まっていますが、ここまでの手ごたえはいかがですか

まだ序盤なので順調とかそういう段階ではないんですけど、今のところ疲れもそんなになくてすぐに走り込みに移ることができました。

――どういった点を重視して今後の集中練習に取り組んでいこうと考えていますか

やっぱり箱根になると10人きっちりとそろえなければいけないというところで、自分は4年生として一番練習も余裕がある立場だと思うので、自分のことだけではなくてしっかり周りのことも気にしながら取り組むというのは心掛けています。

――上尾ハーフ(上尾シティマラソン)以降、良いコンディションを維持できていますか

そうですね。上尾ハーフはあまり調整しなかった中でも順調に走れたので、上尾ハーフが終わってから箱根に向けてあまり休まずに練習を積んでいます。

――チーム全体の調子についてはどのように見ていますか

なかなか全日本まで足取りがそろわないことが多かったですけど、ここにきて永山(博基、スポ3=鹿児島実)や新迫(志希、スポ2=広島・世羅)といった走るべき選手が上向きになっているので、あとは7番手、8番手あたりの選手をいかについてこさせるかいうところだと思います。

――今季はどういった思いで駅伝シーズンに臨みましたか

最上級生になって結果で示さないといけないという中で、春シーズンは脚のケガもあって思うように結果が残せなくて安井(雄一、スポ4=千葉・市船橋)に任せきりという部分があったので、駅伝シーズンは自分の調子も上がってきて、自分が引っ張っていくんだという気持ちで臨んでいます。

――2月には香川丸亀国際ハーフマラソンに出場しましたが、どういった意図がありましたか

集中練習もあまりできていなかったんですけど、量は積んだというところで試合にでるならハーフだと思っていて、相楽さん(豊駅伝監督、平15人卒=福島・安積)からも提案を受けたので出場しました。

――結果についてはどのように受け止めましたか

去年の11月ごろから脚がおかしくて、なるべくしてなった結果というか走れなくて当然の結果だったので、そこは一つ自分を見直すきっかけにはなったと思います。

――トラックシーズン全体を総括してどのように感じていますか

関カレ(関東学生対校選手権)だけは外せないと思って関カレ一本に向けてやっていたんですけど、ケガもひきずったままで出るだけで精いっぱいという状態で臨んでしまいました。

――最上級生という立場である中で、ケガに苦しむことにもどかしさは感じていましたか

一番結果を残すべき立場が4年生だと思うので自分が結果を残せなかったのはすごくもどかしかったですし、何より他の同期に負担をかけてしまってすごく申し訳なかったので、出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)、全日本は終わってしまいましたけど、箱根で取り返すつもりでやっていきます。

――トラックシーズンはケガが続く中でどういった取り組みをしていましたか

自分自身の悪い癖というか思い切って休めないのが自分の悪いところで、どうしても不安だから走ってしまうというのがあって、それを割り切って長い目で見て駅伝にどう間に合わせるのかという考えにシフトしました。

――夏合宿では順調に練習を積み上げることができたのでしょうか

それまで練習を積めていなかったので一次合宿の出来がすごく悪かったんですけど、2次合宿以降は地道に積んできたものが生きてきたというか、順調に練習を消化することができました。

――特に意識して取り組んだ点はありますか

今までは与えられた練習をこなすことを考えていただけという部分があったんですけど、それだとどうしても自分の良さが消えてしまうので、補強で自分に足りないところを鍛えるとかそういった部分を意識してやっていました。

――4年生として臨んだ夏合宿でしたが、これまでとの違いはありましたか

3年生までは自分のことだけを考えていればいいという部分が多少なりともあったと思うんですけど、4年生になると自分のことだけでなくチーム全体を見なければいけないので、そういった意味で夏合宿を経て一つ大人になったというか、自分の視野が広がったかなと思います。

――Aチームの人数が例年と比べて少ないことについてはどのように感じていましたか

相楽さんの方針もことしは少人数でやっていくということでした。層が薄いといわれていますけどそれは本当のことなので仕方ないと思いますが、駅伝を走ってみて練習から人数が少ないというのはやっぱりチームが勢いにのらないと感じたので、箱根に関してはチーム全体で励ましあいながらというかみんなでやっていくというのを意識して練習したいと思っています。

「これまでの悔しい思いを全てぶつけたい」

――出雲では9位という結果でしたが、改めて振り返ってこの結果をどのように感じていますか

コンディションが悪い中での試合だったと思うんですけど、それはやっぱり言い訳になってしまうと思います。悪い中でもしっかり走ることが箱根にもつながったと思うので、チームの現状が浮き彫りになったというか、厳しい現実を突きつけられたレースになったと思います。

――個人としては区間5位という結果でした

4年生でありながら『つなぎ区間』に回ってしまったんですけど、走る以上は区間賞を狙っていたので区間5位という結果は悔しいです。ただそれ以上にチームとして9番という結果が残ってしまったということがすごく悔しかったです。

――全日本はチームとしても個人としても思うような結果が残せませんでしたが、今振り返ってどのように感じていますか

全日本は僕自身、出雲より調子が良くて4区に起用してもらって、背水の陣というかこれを機に主要区間で行くぞという気持ちで臨んだんですけど、結果として奮わなくて自信を失うようなレースになってしまいました。自分自身を疑いすぎだということを監督からは言われて、僕自身しっかりと準備はできていたにもかかわらず弱気になってしまったレースだったかなと思います。

――レース後には力不足だったとおっしゃっていましたが、これもやはり弱気の部分が表れてしまったということでしょうか

そうですね。他の選手が前半から攻めていく中で自分は5キロのラップがすごく遅くて、その時点で自分の負けだったというか、主要区間を甘く見ていたという部分もありますし、自分自身を疑いながら走ってしまっていたかなと今振り返って思います。

――練習をきちんと消化できていた選手が少なかったとおっしゃっていましたが、練習の時から危機感というのは感じていたのでしょうか

そうですね。まとまってAチームの練習をしっかりとこなせているのが4年生と太田(智樹、スポ2=静岡・浜松日体)くらいだったので厳しいと感じていたんですけど、それでもチームの中にはやれるんじゃないかという根拠のない自信があって、そこが全日本の結果の要因かなと思います。

――レース後のチームの雰囲気はどのようなものでしたか

出雲が終わってからもそうですけどミーティングを4年生でも全体でも開いて、その中で走った走っていないに関わらず色々な人からの発言の機会を設けて、言ったからには責任をもつようなミーティングにしました。そうするとやっぱり下級生も当事者意識を持ってくれて練習に取り組む姿勢も変わったので、もちろん結果は奮わなかったんですけどチームの危機感は高まったと思います。この危機感は箱根まで維持していかなければいけないと思います。

――全日本から上尾ハーフまでの2週間はどういった練習をしていましたか

全日本が終わってからは疲れも取らないまますぐにハーフに移行するような感じで、スピードを求めるというよりはボリュームを増やすような練習をしていました。

――上尾ハーフではチームトップの成績でしたが、振り返っていかがですか

上尾ハーフは結果というよりもレースの内容を意識していて、前半から先頭集団で積極的なレースをするということだけを考えていました。それができて、ひとつ自分の状態が悪くないという確認をすることができたので良かったかなと思います。

――上尾ハーフでは長い距離への手ごたえを感じることができましたか

そうですね。ことしは夏合宿以降、今までで一番距離を踏もうということをテーマにしてやってきたので、それが表れたレースだったかなと思います。

――全日本で失ったという自信を取り戻すきっかけになったのでしょうか

そうですね。やっぱり全日本で調子がいい中で走れなかったというのはけっこうダメージがあったんですけど、上尾で思い切ったレースをすると決めてそれができたので、ひとつふっ切れるきっかけになったと思います。

――相楽監督から「お前は主要区間を走るべき選手だぞ」という言葉があったとお聞きしましたが、この言葉をどのように捉えていますか

今まではつなぎの区間で他大の選手にどう競り勝つかという立ち位置だったんですけど、やっぱり最上級生になって自分に求められるものが高くなって、そういった期待に応えられる選手にならなければいけないなというのを改めて感じました。

――箱根が1カ月後に迫っていますが、今の心境はいかがですか

いよいよ近づいてきたなと感じているんですけど、エンジを着て走る最後のレースなので、その重みを感じています。

――現在の早大は層が薄いと言われていることについてはどのように感じていますか

やっぱり昨年に比べて層が薄いというのは事実ですけど、このメンバーで戦っていくというのは変わりないので、まずは主力といわれる5人、6人の選手がしっかりと万全な状態で臨むというのと、Bチームから上がってきた選手がしっかりつなぐという駅伝をすれば戦えると思うので、下馬評とかもありますけど自分たちのやるべきことを淡々とやっていきたいなと思います。

――4年生となったいまでもエンジを着るプレッシャーというのは感じていますか

1試合1試合の重みというのも違いますし、下級生に負担をかけるわけにはいかないので、そういった意味で責任の重い立場にいるというのはすごく自覚しています。

――全日本から現在までのチームの雰囲気はいかがですか

もちろんミーティングも繰り返して、全日本を走った走らなかったに関わらずこのままじゃだめだという雰囲気があるので、この雰囲気を保ちながら、悲観的になってもしょうがないので、箱根に向けてチームをどう盛り上げていくかというところを考えてやっていきたいと思います。

――先ほどもお話に上がりましたが、全日本で不調だった永山選手や新迫選手、宍倉(健浩、スポ1=東京・早実)選手が復調の足掛かりをつかんでいると思います。このことについて藤原選手はどのように感じていますか

全日本の結果は奮わなかったんですけど、力負けしたというより力を出し切れなかったというのが大きいと思います。選手が少ない中で一人一人の責任は大きくなると思うので、一人一人がその責任をどう果たしていくかいうのが箱根に向けて大事になっていくのかなと思います。

――4年生がチームを引っ張らなければいけないとたびたびおっしゃっていましたが、現在の練習ではそういった状況がつくれているのでしょうか

そうですね。これまでは僕と安井と石田(康幸、スポ4=静岡・浜松日体)がAチームの練習を常に引っ張っていく状況だったんですけど、ここにきて光延(誠、スポ4=佐賀・鳥栖工)が故障から復帰しつつあって、あとは谷口(耕一郎、スポ4=福岡大付大濠)や河合(祐哉、スポ4=愛知・時習館)といったBチームの選手がAチームに上がってきてすごく積極的な走りを見せてくれているので、やっぱり最後は4年生6人でチームを引っ張っていくというか、そういった1カ月にしたいなと思います。

――4年生の間ではどういったお話をされていますか

本当に毎日箱根をどうするかという話をしていて、何区に誰がいくだとかそんな話をしています。

――チームの中でのご自身の役割はどのように考えていますか

往路で一番いい位置で安井が走れるようにするというのが自分の役割だと思っているので、それを果たすために箱根のためだけの練習と生活をしていきたいと思います。

――前回の箱根は出走はなりませんでしたが、当時の思いを振り返っていかがですか

本当に11月から脚が痛くてだましながら練習をやっていたんですけど箱根には間に合わなくて、チームがゴールしてからも複雑な気持ちでしたし、自分が走っていたらどうだったかとかすごく考えたんですけど、やっぱり4年目の最後の箱根しか残っていないので、そこでどう走るかというのを考えていました。

――藤原選手にとって箱根とは改めてどのような存在でしょうか

中学生のころに早大の三冠をテレビで見てあこがれた舞台で、エンジを着て走れるというのが本当に最後になってしまうので、後悔の残らないように4年間の全てをぶつける走りをしたいなと思います。

――ご自身の走りの強みについてはどのように考えていますか

周りに左右されず淡々と刻むというのが自分自身の良いところだと思うんですけど、今のところ良いところよりは悪いところが目立ってしまっているので、箱根では自分の良いところを前面に押し出していけるようなレースをしたいなと思います。

――往路の中で希望する区間はありますか

自分自身、上りが得意とか下りが得意とかいう選手ではないので監督から言われた区間をどこでも走るつもりなんですけど、やっぱり2区という区間が一番強い選手が集まる区間なので、その区間を走るつもりで練習しています。

――箱根は距離も長く藤原選手の強みをより発揮できる舞台だと思いますがいかがですか

出雲より全日本より箱根と考えてきて、自分自身が一番戦える舞台であると思うので、これまでの悔しい思いを全てぶつけたいと思います。

――出雲、全日本と苦しい戦いが続きましたが、やはり箱根の目標は優勝でしょうか

そうですね。やっぱりそこは安井も変えるつもりがないですし僕らもそのつもりで1年間やってきたので、周りからは厳しい声ももちろんあるんですけど、そういった声を見返す気持ちでやっていきたいなと思います。

――早大が優勝を目指すうえで必要なことは何でしょうか

具体的なことを言えば往路優勝が絶対に必要になると思います。安井にいい位置で渡せるように他の4人で流れを引き寄せるような駅伝ができれば往路優勝も近づいてくるかと思います。

――藤原選手の個人としての目標を教えてください

大学駅伝で一度も区間賞を獲ったことがないので、区間賞を狙って走りたいなと思います。

――区間賞を獲るためにこれから詰めていきたいと考えているところは何でしょうか

区間賞を獲ろうと思ったら前半である程度速いペースで突っ込まないといけないのは近年の駅伝で分かっているので、そういったレースができるような練習を積んでいきたいと思います。

――最後に箱根に向けて意気込みをお願いします

4年生として後輩に何か残せるのかというのを考えた時に、やはり走りで見せることが一番だと思うので、後輩たちが次に向けて何か感じてくれるような走りができればいいなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 大庭開)

箱根への意気込みを書いてくださいました!

◆藤原滋記(ふじわら・しげき)

1995(平7)年10月16日生まれのO型。177センチ58キロ。兵庫・西脇工高出身。スポーツ科学部4年。自己記録:5000メートル14分08秒36。1万メートル29分03秒96。ハーフマラソン1時間03分22秒。ことし1年、「4年生として背中で後輩を引っ張らなければいけない」と繰り返しおっしゃってきた藤原選手。その思いをこめて色紙には『走りで示す』と書いてくださいました。熱い思いのこもった藤原選手の走りに注目です!

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