柔道部

2017.11.17

【特集】早慶戦直前主将・副将対談

 ことしも伝統の一戦が柔道の聖地・講道館で行われる。早大と慶大の意地と意地とがぶつかり合う早慶戦。自身の早大での最後の試合ともなるこの戦いに下田将大主将(スポ4=三重・四日市中央工)、齋藤光星副将(スポ4=静岡・加藤学園)、矢野雄大副将(社4=京都共栄学園)はどのような思いで臨むのか。戦いを間近に控えた3人に話をうかがった。

※この取材は11月16日に行われたものです。

「穴がないチーム」(齋藤)

チームについて語る齋藤

――早慶戦に向けて今はどのような練習をしているのですか

下田 20人の勝ち抜き戦なので、流れによっては自分が誰に当たるのかっていうのが分からないのですが、流れをある程度想定して、当たりそうな相手の研究をして、徹底的に投げられない、もしくは取る、という練習しています。また、勝ち抜き戦なので体力が必要です。勝てば、また次の相手に当たっていくことになるので、少し前までは乱取り時間を増やして体力を強化する練習を多く行っていました。

矢野 ルールが特別だからそのルールにあった動きであるとか。

下田 この前、尼崎(全日本学生体重別団体優勝大会)があったじゃないですか。あの時とはルールが全く違うんですよね。この早慶戦だけが多分特別な試合で、昔からある講道館ルールというもので行っています。今までは足持ったら反則負けになるのですが、このルールでは足を持ってもいいし、切ってもいいし、本当に違うんですよね。なので、今までとは全然違う練習方法をしています。自分たちは小さいときとかにこの講道館ルールをやっていたので少し覚えているんですが、やはり1年生となってくると、ほぼ感覚がないので。僕らが中1くらいの時からルール改正が始まったので、小学生くらいの時にルール改正が始まった人たちにはわからないんですよね。だから、OBの人であるとか、昔の動きに慣れている人に技などを教えてもらって練習に取り組んでいました。

――尼崎の後からその練習を始められたのですか

下田 そうですね。それまでに始めてしまうと足を持ったりすると反則になってしまうので、尼崎が終わってから切り替えました。

――2週間くらいということで、結構大変ですか

矢野 まあ、ケイオーも一緒だからね

下田 そうですね。そこまで変わらないといえば変わらないですね。同じ柔道なので、投げれば勝てるので。逆に相手に足持ちとかされるとよくないので、そういうものも知っとかないといけないですね。

――やはり足持ちなどがあることで有利になることがあるのでしょうか

下田 今のルールだと大きい相手と組んでいると、どうしても罰則が厳しくなった分、少し消極的になるとすぐ指導が入ってしまうので、小さい方が不利になってしまっていたのですが、このルールになると、しっかり切ったり、足を持ったりできるので小さい人が大きい相手を倒せます。昔からよく言う「柔よく剛を制す」というのを体現できるものなのかなと思います。

矢野 やっぱり軽量級の人が活躍できますね。団体戦だったら負けない、引き分けにするということが大事なのですが、その負けないということを意識して足をもって守るだとか攻めていったり両手で切ったりだとかというところで軽量級がいつもより有利になってくるかな、と思います。

――雰囲気など現在のチームの現状はいかがですか。

矢野 雰囲気は最高ですね。

齋藤 いいと思います。

――いい流れができているんでしょうか

下田 尼崎が終わっていい流れで来ていますね。モチベーションもみんな高いですし、あとは少人数なのでまとまりが去年よりあるのかな、と思います。

――ことしのチームの特徴などはありますか

齋藤 穴がない。

下田 去年もそうだったのですが、そんなに穴もなく簡単には負けない選手が多いですね。この間の試合(全日本学生体重別団体優勝大会)を見てもらったらわかるように、失点が少ないというのが今の特徴かなと思います。

齋藤 団体戦だと取られない、というのが重要だったりしますね。

矢野 あとは、みんな上下関係とかもあまり厳しくなく、良い意味で和気あいあいと仲良くやっていますね。

「次の年につながるような試合ができている」(下田)

ことし一年間部員を引っ張ってきた下田

――ことし1年を振り返って団体戦はいかがでしたか

下田 目標は達成できていないので、悔しい部分もあるのですが。

矢野 でも、やっぱり毎年近づいている感っていうのはあるよね。

下田 成長は見られますね。次の年につなげられるような試合はできているかなと思います。

――印象に残った試合などはありましたか

齋藤 日大戦とか?

下田 去年2回戦って差があったのですが、ことしは東学(東京都学生優勝大会)で当たって内容差という本当に僅差だったので、だいぶ差が縮まったというのが自分たちの中にはあって、自信にはつながりました。

矢野 あと、あれや。尼崎の。僕が勝ちましたって(笑)

下田 自分が活躍した尼崎ですね。関大戦で。

一同 (笑)

下田 でも、みんなが喜んでくれて、やっと自分の仕事ができたかなと思いました。あと、チームが一丸になったという感じがすごくありましたね。

――早慶戦に向けてもそこでやはりいい流れができたのですか

下田 そうですね。それで、その後に優勝した東海大との戦いで、世界選手権に出ている2人には取られたのですが、互角の戦いができたのかなと思いました。互角までとは言わないのかな?

齋藤 互角とまではいかなくても、他の大学と比べると失点なども少なかったと思う。

下田 決勝戦は国士館大と戦っているのですが、4-1とかで勝っていますね。で、僕たちは1つは不戦敗で、2つは世界選手権に出ている選手に取られたので。今まではこんなことはなかったと思うので、成長がみられた試合ですね。

――なぜそこまで成長されたのだと思いますか

矢野 幹部がいいからかな。

一同 (笑)

下田 でも、練習量とかは増やしたりはしていますね。人数が少ない分、まとまりもあって、みんな目指すところが一緒でかつ高かったので、去年もよかったのですが、練習の雰囲気がよりよくなったのかなと思います。

――早慶戦でも人数がギリギリで挑まれると思うのですが、少ない人数で苦労などはありますか

下田 もともと自分らの1個上がめちゃめちゃ強くて人数も多くて。それで、結構心配されたり、だいぶ落ちるのではないかと言われたりもしたのですが、そういうのがあって自分が頑張らなきゃというのがあって、練習メニューとか、柔道部のルールとかも改善して、ミーティングなども増やして。そういうのが大きいのかなと思いますね。

――主将、副将になられて去年とことしで心持ちなど違うことなどありますか

一同 それは全然違いますね。

下田 一個上の先輩が頼りになる先輩が多かったので、どうしても頼ってしまう部分があったのですが、抜けて自分ら引っ張っていかなきゃっていう部分が大きくて。去年とは全然違いますね、気持ちの面では。

矢野 しんどくなった時とか全然練習しなかったんですけど(笑)、副将になってからは行動でも示すようになりました。こいつ(齋藤選手)はもう行動で示しているので。

齋藤 そうですね。自分はもういつも行動で示しているので。1年生のときから、がつがつやっていたので、自分で引っ張っていこうと。

下田 でもやっぱり全然違いますね。立場が違うというところで、責任感とかも生まれて、OBからの声とかもあるので。

矢野 あとは自分の中で最後の学年なのでね。

――4年生はどのような学年ですか

矢野 まあ、おかしな人が多いけど(笑)

齋藤 でも、他の学年に比べたら少ないかな、おかしなやつは(笑)

下田 普通の人いないからね、柔道部には。あと、下から見ても仲良しだよね。

――遊びに行ったりされるんですか

一同 そんなことはないですね(笑)

齋藤 喧嘩とかはないですし。まあでも総じて仲は良いと思いますよ。まともだと思いますよ。

矢野 まあ、4年もいたら、楽しくやっていますよ。

「早慶戦が一番燃える」(矢野)

明るく取材に応じる矢野

――これまでずっと早慶戦で勝利が続いていますが、4連覇への思いは強いのでしょうか

下田 結果としてはそうなればいいかなと思っているのですが、毎年メンバーも変わるし、相手も変わればこちらも変わるので。そういったところでいくと、やっぱり自分たちが4年生の代で勝ちたいという思いが強いかな。

齋藤 4連覇っていう意識はないけど、自分たちが4年生で勝ちたいという思いが強いかな。

下田 王座を守りにいくというよりは、こちらから取りに行くっていう意識の方が強いですね。あと、去年は早慶戦が最後だったのですが、それまでは早慶戦が先で尼崎が最後でした。やっぱりこれが最後の試合だからこそ勝ちたいという思いもあります。いいかたちで終わりたいです。

――尼崎で最後なのと、早慶戦で最後なのではどういったところが違うのでしょうか

齋藤 あれじゃない。やっぱり優勝で終われるじゃん、早慶戦だったら。

矢野 勝って終わるか負けて終わるか、ですね。本当に早慶戦だったら勝って終われるんですよ。

下田 どうしても尼崎だと、1位になるのは難しいのでどこかで負けてしまうというのがあるので負けて終わりじゃないですか。早慶戦だったら勝てば優勝なので勝って終われるというのがありますね。それが違うかな。

矢野 早慶戦が一番燃えるよね、やっぱり。

下田 いろんな試合の中でも、練習も一番気合が入るし。それは4年生になるにつれてだんだんわかってくるというか。その伝統とかそういったところが。

――慶大も強いチームだと思うのですが、何かゲームプランなどはあったりしますか

齋藤 まず負けない。

下田 そうですね。個人で絶対負けない。1勝したとしても、次で絶対負けない、引き分けるということですね。絶対最低条件が引き分けるということをずっと全員に言い聞かせています。自分らも乱取りで投げられないということを意識しています。

矢野 まあ、プランはあるけど、細かいところやな。

下田 全体で言ったら、一人一人が負けないということですね。

矢野 力が拮抗(きっこう)しているからこそ、そういった1個の負けとか1個の勝ちっていうのが、大きくなってくるので、相手のポイントゲッターをしっかり止めるだとか、しっかりこっちが取るところは取るだとか、っていうところが一人一人の役割で、それがしっかり果たすことができれば勝てると。

齋藤 今まで団体戦でやってきた失点を防ぐというやり方をここでもまた発揮できれば、早慶戦は勝てるんじゃないかなと思いますね。

――キーマンはいますか

矢野 やっぱり赤岩くん(滉太、スポ3=埼玉・秩父)は頑張ったよね。彼は早慶戦のために本当に裏方の仕事をやってくれていて、そういうおかげで自分らもすごい舞台で試合ができる、と。

下田 今まで副務だったんですけど、主務に代わってすべてを背負ってしまって。本当につらそうな時期もあったんですけど、それでもしっかりやってくれていましたね。

矢野 裏方のキーマンは赤岩くんですね。

矢野で、試合に出るメンツとしては誰だろうね。まあどう当たるかわからないし。まあ初っ端も大事だし、真ん中もだし。そう考えると初っ端が大事かな。

齋藤 そうすると柳川(昂平、社1=三重・四日市中央工)。

矢野 柳川とか東京学生に出たメンツになりますかね。

下田 本当によくわからないですね。

矢野 誰がというわけではなくて、みんながキーマンだという気持ちでやらないと。総力戦になると思いますね。

――ご自身のアピールポイントはありますか 

齋藤 自分は副将なので、結構終盤の方なので、大将に渡ったら大変なので、頼りにはなりますけど、回さないで自分で終わらせられるようにやりたいなという感じです。

矢野 僕は後半の出場で、前半の流れ次第というところもあるんですけど、やはりいい流れできたらその流れを崩さないように戦う。まずは負けない。

下田 もし引き分けたら両方優勝というのもあるんですけど、やっぱり単独で優勝というのが一番いいと思うので、どうしても取りにいかないといけない。自分が当たるのが副将であっても大将であっても抜いて勝って貢献するだけですね。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします 

齋藤 4連覇は意識しないとは言っても自分は意識してる部分はあるので、自分たちの代で最後勝利というかたちで、きれいに締めくくれたらいいなと思います。

矢野 勝負は何があるかわからないことも多くて、特に対人競技はそういうことが多いと思うのですが、でも、自分たちが4年間やってきたことを全部出せるように一戦一戦、集中して戦う。そうしたらおのずと優勝という結果はついてくるのではないかな。頑張ります。

下田 レギュラーチーム、選手、裏方、マネージャー、トレーナー全員合わせて、このチームで戦うのは最後の試合になるので、みんなで勝利をつかみたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 高橋里沙)

最後の早慶戦にふさわしい言葉が並びました。みなさんとても字がお上手です!!

◆下田将大(しもだ・ゆきひろ)(※写真中央)

1995年(平7)9月21日生まれ。身長174センチ、体重81キロ。三重・四日市中央工高出身。スポーツ科学部4年。ことし1年主将としてチームをけん引してきた下田選手。『全員柔道』で最後の早慶戦で早大を4連覇へ導きます。

◆齋藤光星(さいとう・こうせい)(※写真右)

1996年(平8)1月18日生まれ。身長171センチ、90キロ。静岡・加藤学園高出身。スポーツ科学部4年。1年生の頃から行動で示してきたという齋藤選手。4年間の集大成として、活躍に期待です。

◆矢野雄大(やの・ゆうだい)(※写真左)

1995年(平7)12月13日生まれ。身長175センチ、73キロ。京都共栄学園高出身。社会科学部4年。ユーモアあふれる言葉で対談を盛り上げてくださった矢野選手。早慶戦でも会場を沸かせてください!