軟式庭球部

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2017.08.03

【連載】インカレ直前特集『CHALLENGER』 第7回 杉脇麻侑子女子主将×佐々木聖花(8/3)

 「私たちが負けたときは、団体が負けたとき」。様々な重圧を背負い、ワセダの勝利だけを見つめて駆け抜けてきた杉脇麻侑子女子主将・佐々木聖花(ともにスポ4=東京・文化学園大杉並)組。3連覇がかかることしのインカレへの覚悟について伺った。

※この取材は7月22日に行われたものです。

「最後だからやるしかない」(佐々木)

ことしでペア結成6年目となる杉脇・佐々木組

――東日本学生大学対抗競技大会(東インカレ)団体優勝おめでとうございます!決勝日体大戦の1−4からの大逆転した試合について振り返っていただきたいです

杉脇 気持ち的には試合に入る前緊張していましたが、強気でした。けれど試合に入った途端、足が動かなくなりました。いつも手が届いていたボールにも追いつけなくてなんかおかしいなと。調子が悪いというより、いつもと違ってなんか体がおかしいなという感じでした。そいたら、どこ打っても決まらない状態でいつの間にか1−4になっちゃってました。今までにないくらい心臓が痛くて苦しくて、本当にこのままだとやばいなって感じました。その時、きょねんのキャプテンの永井さん(里佳、平29スポ卒=東京・文化学園大杉並)がインカレの時『意地』っていう言葉をテーマにしてていて、それを思い出したらいつの間にか逆転していました。意地というか底力というかそういうのを見せられたのかなって思います

佐々木 自分もすごい緊張してました。東インカレはだいたい毎年雨で殲滅(せんめつ)から点取りに方式に変わります。殲滅戦のイメージもないし、東インカレで3次戦にまでにもつれ込むのは初めての経験で、朝一の試合で、と色々初めてでした。相手も緊張してるはずなんですけど、相手の方が試合の入りがすごくよかったです。しっかりラケット振っていて、自由自在に攻められてました。自分も全然ロブ取れないし。けど、いざ1−4になった時に、逆に向こうがリードしていたのに、もっとさっきみたいに攻めてくればいいのに置きに行って、丁寧なテニスに変えました。同時に、こちら側も狙う方を変えました。攻め方を途中で変えたからそれが良かったかなって思ってます。そこから自分たちの展開に持っていけたので、そこが勝因かなと振り返って感じます。応援も全力で声をかけてくれて、その期待にも応えたいと思いました。正直1−4になって本気で危なかったんですけど、やはり6連覇がかかってたから諦めずに頑張ることができました。

――日体大は応援が印象的です

杉脇 試合中はあんまり感じないんですけど、試合を待ってる間、他のペアが試合している時にすごい聞こえます。アップでボールを打ってる時も日体大の声ばかり聞こえることがあって、「あ、今、押されてるんだー」って。

――今シーズンに入ってお二人は追い詰められてから強いというイメージがあります。自分たちで変わったと思うところはありますか

杉脇 いつも追い詰められてるよね(笑)

佐々木 うんうん(笑)なんででしょう。逆になぜ相手側は勝ちきれないのだろうと思います。王座(全日本大学王座決定戦)もそうでしたけど、やるしかないのに、なぜ途中からやらなくなっちゃうんだろうって。勝った経験が少ないからか、わかんないですけど。なんか人のことばかり言って生意気みたいだけど(笑)

杉脇 一回勝たせてしまうと勝ち癖がついてしまうので、その意味では王座も東インカレも勝たせなくてよかったです。苦しくても勝ちきったことは大きいと思います。

――王座で2番が負けてまわってきた時に杉脇さんが「私が優勝を決められるのかと思うと嬉しかった」というコメントを頂きました。そういった強気になれるのは今年に入ってからなのでしょうか

杉脇 今まで王座では3番勝負にならなくて

佐々木 王座で3番勝負は1年生の時以来だよね

杉脇 今年度からだよね、3番勝負が回ってくるのも。関東学生リーグ戦で立大に負けていた時期は、なんとなく勝てるだろうと思って入っている自分がいて。負けたことでそのことを反省しました。それからは2番の子が負けてまわってきても、ハイタッチする時に、「まかせてー」って言ったりなどプラスの発言をするようにしました。そしたら王座の時も今回の東インカレも勝ち切ることができました。

――大将ペアとして意識していることや心がけていることはありますか

杉脇 大将ペアってあんまり思わないようにしてますね。

佐々木 思わないようにしてるけど、絶対負けちゃいけないとは思うようにしています。

杉脇 それはあるかも。私たちが負けるときは団体でも負けるときって思っています。

佐々木 団体で3番に出ると相手の大将と試合することが少なくないです。相手も置きに来ず、向かってくるテニスです。だからこそ負けちゃいけないって思うのかも。

――負けちゃいけないと思うと同時に、プレッシャーがやはりかかると思うのですが

佐々木 きょねんの試合を思い出すと、私は前の試合絶対見れなかったです。見ちゃうと緊張するし、なんか息ができなくて。やっぱりプレッシャーを感じると、上がっちゃいます。緊張はするんですけど、今年は覚悟があります。最後だからやるしかないという気持ちがあるから、きょねん程息ができないとか、そんなことにはならないです。

杉脇 私は逆です。きょねんの方が大将でも、4年生でもなかったので、思いきりプレーできました。けど、ことしは本当に本当に1、2番に勝ってきて欲しいと思っちゃいます(笑)

佐々木 正直思っちゃうね(笑)

杉脇 私も前の試合は見ないようにしています。やはり見て試合に入ってるときは、結構流れが悪くなっています。直前まで見ないでアップしてます。

――前の試合を見るとなんで緊張するのでしょうか

佐々木 勝ってる試合だといいんですけど、負けてる瞬間を見ると焦るっていうか、絶対に見ないほうがいいです。

「私たちが負けるときは団体でも負けるとき」(杉脇)

『意地』をみせる杉脇

――インカレがいよいよ始まりますけど、技術的に強化していることがあれば教えてください

佐々木 ローボレーとかハーフポジションの練習をしています。ボレーして、麻侑子にストロークを打ってもらって、ひたすら自分はローボレーで返すんです。中間ポジションにいるときの方が狙われやすいかなって思って。ハーフポジションの強化は今シーズンずっとやっています。

杉脇 私は東インカレに向けては、サーブレシーブを含めて3本まででラリーを終わらせることを意識して練習しています。なるべくラリーをしないで攻めていけるようにしています。あと、東日本選手権での反省で、走らされたボールに対して足があまり動かなかったので、残り2週間(取材時)は重点的に足を強化したいです。

――チームとしてはインカレに向けて何か話し合っていることはありますか

杉脇 ちょうどさっきミーティングをしてて、反省とこれからのこと、あと仕事の再確認をしたりしてました。高校の時、試合前にモチベーションをあげるのも大事だけど、一回ビシッと締めるのも大事だと教わったので、今日からピリッと雰囲気を作って練習していこうと話しました。

――今年はレギュラーメンバーのほとんどが4年生ですが、4年生で話し合っていることなどありますか

杉脇 いろいろあるんですけど、、、

佐々木 いろいろあるね、、、

杉脇 ペアのことや、団体メンバーのことなどです。あと、応援側が選手側に思っていることを言ったりしました。今までそんなに本音で話すこととかなくて、思っててもレギュラーはレギュラーだけで思ってたり、お互い思ってても言わなかったんです。けど最近はお互いに言いたいことを言い合っています。

――具体的には何を話されるのですか

杉脇 応援からしたら選手はもっともっと声出して欲しいとかです。

佐々木 選手側からだと由佳ちゃん(上原、社3=群馬・高崎健康福祉大高崎)が言っていたのは、競った場面で技術的なこと言われると、逆に苦しくなるって。分かってるのに、それを応援で改めて言われると、「うっ」ってなるって(笑)

――お二人はどっち派ですか

佐々木 あんまり気にしないです。言われても気にしない!言われるなら、「ファースト!」ってめっちゃ言われます。言われすぎたらさすがにやばいってなるけど、やりにくさを感じるほどではないです。

――小山舞(スポ2=和歌山信愛)・上原組が唯一後輩ペアですが、印象はいかがでしょう

杉脇 1番に出る選手として思い切ってやってくれてるし、王座もあの場面で挽回してくれたことで、より一層信頼感が深まりました。同じメンバーとして頼りになる後輩ですね。

佐々木 唯一の後輩なんですけど、後輩とは思えないくらい堂々とプレーしてくれます。一番で最初って大事だと思うんですけど、それでも元気よくやってくれるから信頼できるし任せられるし、だからこそ3番に控えてる私たちはもっと頑張らなきゃなと思います。

――今シーズン小山・上原組の成長がすごかった気がします

佐々木 東インカレの2次戦で負けたのは、体力切れだったからです。次の日だったら小山・上原組は絶対勝てる試合でした。足やばそうでしたし。私たちの2倍試合してましたからね。

杉脇 うちらが2番に出てたらあれは違う試合になってたよね?

佐々木 でもあの二人が明治と東女体大と日体大の1次戦に勝ってくれたから本当に助かりました。

杉脇 その分うちらが最後勝つことができました。助け合いですね

――殲滅戦となると体力勝負になってきますが

佐々木 一応月曜日以外は毎日トレーニングをしてるので、

杉脇 部のトレーニングもやってるし。体力ついたのかなあ。高校の時よりは落ちたかも。

佐々木 高校だとトレーニングは自主的なトレーニングなので、本当を言ったらやらなくていいやつなんですけど、その分練習がトレーニング並みにありました。それで体力ついたよね。

杉脇  わりかし。

佐々木 でも昔よりはやっぱりないかもです。

杉脇 もう気持ちでいくしかないですね。 /p>

――話は逸れますが、インカレって気温的に暑いじゃないですか、やっぱり体力発揮するにはご飯を食べないといけないですけど、喉通りますかね

佐々木  自分は普段は食べれるタイプです。きのうも自分で作った二日目のカレーをご飯山盛りで食べました。けど、遠征になると食べられなくなるんですよね。気持ちは全然緊張してないつもりなんですけど、胃がおかしくなってて。

杉脇 私は毎年インカレで食べれなくなってしまいます。足もつったりしてしまいます。きょねんもトレーナーの山田さんに「食べろ食べろ」って言われました。それでも食べれなくて、ことしは食べなきゃいけないですね。

「緊張するけど、ことしは覚悟がある」(佐々木)

大将という覚悟がうまれた佐々木

――インカレの話に戻しますが、ことしはどこが強敵になるでしょうか

二人 4強決めの明大と準決の日体大です。

杉脇 でも全部ですね。

――インカレは3連覇がかかっていますが

杉脇 いろんなOBさんに、「東インカレよく頑張ったね。でも本当にインカレの石川の地に立ったら緊張するよ」って言われました。それと同時に「3連覇とか気にしないでやってきて欲しい」とも言ってくれました。結果はあまり気にせず一つ一つ楽しんでいこうって思ってます。

佐々木  緊張は絶対すると思います。けれど、自分たちのペアは色々経験してきたし、長くも組んできました。逆にそれを自信にして、自分たちにしかできないプレーをしたいです。東インカレのシングルスの時に日体大の監督さんとお話しする機会がありました。「しぶといね〜」って言われて。自分たちは麻侑子がバンバン打って、自分がバシバシ決めるというテニスではないです。麻侑子がしっかり全体を作って、その中でも攻めていったりとか、展開を作ってくれたところで自分が仕掛けたりとか、そういう二人で一本のテニスです。それがインカレでもできたら簡単に負けないと思います。誰が出るとか、何番に出るとかは決まってないですけど、誰が出ても力を発揮できるように今から後2週間(取材時)チームで頑張っていけたらなって思います。

――団体戦ではもちろん優勝が目標だと思うのですが、個人戦の目標は何でしょうか

杉脇 この前上松選手(俊貴、スポ1=岡山理大付)に「個人戦って狙ってないと取れないんだよ」って聞きました。なるほどって思いましたね。

佐々木 後輩だけどね(笑)

杉脇 だけど素晴らしいじゃん。あんなに強い選手がそう言ってるんだから本当に狙ってないとダメだなって。優勝目指します。

佐々木 自分も最近はインカレでは個人で勝ってないので狙いにいきたいですし、最後は麻侑子と優勝して終わりたいなって思います。

――杉脇選手はきょねんの秋から主将としてチームを引っ張ってきましたが、主将として振り返っていかがですか

杉脇 最初の頃は自分のことに精一杯で、下級生と関わることがなかったです。他の4年生が下級生とコミュニケーションとってくれるから、自分は自分のこととキャプテンのことをやっていました。けれど徐々にチームメイトとして下級生がついてきてくれないと意味がないって感じてきました。下級生との距離が縮まったりと、最近はチーム全体がいい意味で仲がいいので、この仲のいいチーム力をインカレで発揮したいです。

――最後に意気込みをい願いします

杉脇 団体戦は応援の方を見て、楽しいって思える時は勝ってる時だと思うので、そう思えるように私たち全勝して優勝できるようにしたいのと、個人戦も狙って取りにいきます。

佐々木 団体戦も個人戦も優勝目指して頑張ります。団体戦はリーグも王座も東インカレも苦しい試合が多くて、インカレの方がもっと苦しい試合になると思います。けど大将としてチームを引っ張っていけるようにテニスのプレーから元気よく見せていけるように頑張りたいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 栗林桜子)

大将ペアとしてワセダの優勝を守り抜きます

◆杉脇麻侑子女子主将(すぎわき・まゆこ)(※写真右)

1996年(平8)3月16日生まれ。身長155センチ。東京・文化学園大杉並出身。スポーツ科学部4年。誰よりもテニスに対して真面目だという杉脇選手。主将には満場一致で決まったそうです。色紙の『意地』という言葉を体現するテニスがことしは持ち味。最後のインカレではチームのために献身してきた杉脇選手の笑顔が見たいですね!

◆佐々木聖花(ささき・せいか)(※写真左)

1995年(平7)7月23日生まれ。身長163センチ。東京・文化学園大杉並出身。スポーツ科学部4年。唯一4年間インカレに出場してきた佐々木選手。昨年のアジア選手権で船水(颯人、スポ3=宮城・東北)とのミックスダブルスで頂点に立ち、多くの収穫を得ました。ことしも杉脇選手と『二人で1点』で強敵に立ち向かいます。

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