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2017.03.11

【連載】『平成28年度卒業記念特集』第49回 林孝樹 /柔道

成長とともに

 「よき同期、よき後輩、よき先輩に恵まれ、良い環境で柔道をすることが出来た」と林孝樹(スポ=富山・小杉)は早大での4年間を振り返る。競技の面で、大きな活躍はできなかったかもしれない。しかし、そこには誰よりもチームのことを考える主将の姿があった。

 柔道を始めたのは小学1年生の時。3人兄弟の末っ子である林は上の兄弟の影響で半ば強制的にやっていたという。そんな柔道は大学までやり続けることになる。早大に行きたかった1番の理由は柔道と同時に勉学も高水準で行えるということ。林は数少ないスポーツ推薦の枠を通り抜け、早大への入学を果たす。入学間もなく、柔道部は2部降格の危機にぶち当たる。人数は今よりも少なく、試合には1年生でも出ざるをえない状況。だが、新戦力も加わった早大は一部残留を決めた。下級生の時から、林はチームを支え続けていた。

林はチームを早慶戦3連覇へと導いた

 林は4年間で1番印象に残った試合として2年生の早慶戦を挙げた。それまで慶大に対して5連敗を喫していた早大。その年も慶大には負けるだろうとみなが思っていた。しかし、そんな予想とは裏腹に早大は大将戦での一本勝ちにより優勝。「初めて勝てたという実感の沸いた」という早慶戦。公式戦とは違った試合にそんな特別な思いを抱いていた。そして、早慶戦を主将として迎える。3連覇がかかっていた試合に不安もあった。しかし、自分の前で戦っていた4年生たちが意地を見せ、相手のエースを止める。大将である自分を畳に上がらせることなく、有終の美を飾った。

 主将の仕事はもちろん楽しいことばかりではない。以前は下級生に頼ってばかりの部分があったが、日々の練習を考え、トレーナーと話し合い、1年間部のことを考え続けた。時には主将として厳しいことも言わなければならないこともあり、「自分は嫌われているのではないか」と悩むこともあった。だが、自ら進んで務めたわけではなかった主将も、柔道に向かう姿勢やリーダーシップを示すことで職務を成し遂げた。

 入学時には1部にいられるかどうかの瀬戸際にあった柔道部。その柔道部は今では全国ベスト8を目指して戦っている。その成長には林をはじめとした4年生の力は必要不可欠であったに違いない。林は卒業後、長かった柔道人生には一区切りをつけることになる。かけがえのない4年間を胸に新しい世界へと歩みを進める。

(記事 高橋里沙、写真 熊木玲佳)

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