その他

« 特集に戻る

2017.03.08

【連載】『平成28年度卒業記念特集』第46回 山元豪/スキー

主将の背中

 ことし6年ぶりに男子総合優勝を達成したスキー部。主将としてチームをけん引したのが、山元豪(スポ4=富山・雄山)だ。毎年一歩届かずにいた男女アベック総合優勝へのプレッシャーと初めて人の上に立つ不安の中で、いかに悲願達成に導いたのか。部員と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、世界を舞台に活躍する主将の4年間を振り返る。

 中高時代は同じ部門の選手がおらず、一人で練習していたという山元。ワセダに入って環境は大きく変化する。世界で活躍する先輩達からたくさんの刺激を受け、練習の質は向上した。生活面でもはじめての寮生活は新しいことばかりで最初は抵抗があったが、他の部門の選手と関わるようになりスキーに対する世界も広がった。変化の中で迎えた1年目のシーズンは、ユニバーシアードや世界ジュニア選手権に出場し世界のレベルを実感。ナショナルチームの一員として戦ううちに、オリンピックも強く意識するようになる。2年時の全日本学生選手権(インカレ)ではノルディック複合部門で優勝し、学生の「キング・オブ・スキー」の称号を手に入れた。順調に成績を残した山元は、3年時にW杯出場を果たす。日本チームとして30位以内を目標に掲げのぞむも、結果は圏外。トップ選手との実力の差を痛感すると同時に自身の課題も見つけ、収穫の多いシーズンとなった。

 迎えたラストイヤー、主将に指名され大きな転機が訪れることとなる。アスリートとして自分の事だけを突き詰めていた山元にとって、チームをまとめ盛り上げるという主将の仕事は、慣れないことばかりだった。苦手だった人前で話すことも克服し、チーム全体を見渡せるよう心掛けた。自らの背中を見た後に刺激を与えられるよう、誰よりもトレーニングに妥協を許さなくなった。海外遠征で部を離れる事も多かったが、その分山元は自らの活躍を見せることで、チームのモチベーションを上げていった。

 スキーは個人競技である。しかし、唯一チームとして結束が求められるのがインカレだ。山元は1年から4年まで全員がポイントを取らなければ勝てないことを3年間痛感していた。「一人一人にチャンスがある、勝つ可能性を秘めている。」全員にハングリー精神を持って戦って欲しい、そんな思いを込めて決めたスローガンが『総活躍』。このスローガンを胸に、チームはことし大舞台で躍動した。特に目立ったのが、ノルディック複合競技の活躍だ。自身の3位を含め、6人中5人が入賞。山元の背中を見た後輩達は確実に進化を遂げていた。チーム全員で勝ち取った男子総合優勝。「最高に幸せなインカレでした。」と笑顔で締めくくった。

チームメイトに胴上げされる山元

 「主将をやってよかった。」主将を務めた1年間は山元に大きな自信をつけた。競技面だけでなく、リーダーとして努力する山元の姿は周りの部員にも影響を与えたに違いない。次は世界で活躍することを目指して――。培った力を糧に、山元は新たなステップに進んでいく。

(記事、写真 松富リサ)

« 特集に戻る