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2017.03.02

【連載】『平成28年度卒業記念特集』第39回 三好修平/フェンシング

『気持ち!』を胸に

 今シーズン主将として早大フェンシング部を率いてきた三好修平(社=愛媛・三島)。経験者である父の勧めにより4歳でフェンシングを始めるが、当初は競技の面白さが分からず辞めたいとばかり思っていたという。しかし小学4年生の時、国際大会に出場する姉の付き添いでドイツに行き、多くの刺激を受け本格的にフェンシングと向き合い始める。その後中学総体3連覇などの実績を残し、早大へ進学。そんな三好のフェンシング部での競技生活は一体どのようなものであったのか。大学での四年間を振り返っていく。

 三好にとって大学入学から3年間は、思うような結果を出せない日々の連続であった。同期や後から入ってきた強い後輩が団体戦でメンバー入りし活躍を見せる中、三好自身は団体戦のメンバーにすら入れないときもあった。また団体戦に出場できたとしても自分の順番が回ってきたときに点数を取られてしまうことが多く、チームの力になれずにいた。「焦りしかなかった」。勝つビジョンを全く持つことができず、一時は早く引退したいとまで思った。

 そんな窮地に陥っていた三好を救ったのは、早大のエース松山恭助(スポ2=東京・東亜学園)だった。松山恭からの技術面、精神面に関するアドバイスにより、フェンシングは戦略次第で勝つことができるということに三好は気づかされた。それが大きく意識を変える。部活としては自分が引っ張るが、フェンシングに関しては松山恭について行こうと割り切るようになった。「松山恭助の存在は大きかった」。この松山恭の強さを認めて良いところを吸収しようという姿勢が、4年時の三好の成長につながっていく。

 シーズン初戦の関東学生リーグ戦(リーグ戦)。男子フルーレ団体はフルメンバーではない中2位に入り、3年ぶりに全日本学生王座決定戦の出場権を手にすることができた。三好にとっては初めて最後回りを任された試合であり、リーグ戦を通じて下級生の頃には持てなかった自信を持てるようになった。「過信はいけないけど自信はすごく自分を強くさせる」。その言葉通り以降も三好の快進撃は続き、関東学生選手権では男子フルーレ個人では初のベスト8入りを果たす。そうした中迎えた全日本学生選手権(インカレ)。リーグ戦で法大に大敗を喫したことを機に、チームは法大へのリベンジに燃えていた。順調に勝ち進んでいき決勝で法大と対戦したが、結果は38―45と勝利することはかなわなかった。しかし最後のインカレは、フェンシング人生で最も思いを懸けていた試合として三好の心に刻まれている。「もう1年団体戦をやりたいと思った」。4年時の試合を通して、フェンシングの楽しさに改めて気づくことができた三好はこう語った。

インカレにて、ガッツポーズを決める三好

 三好にはずっと大切にしてきた言葉がある。それは『気持ち!』だ。「楽しいときも辛いときもどんなときでも『気持ち!』」と自分に言い聞かせることにより、自身を奮い立たせてきた。三好にとって『気持ち!』という言葉が全て行動の原力であり、これまでの人生を支えてきてくれたものといっても過言ではない。

 三好は大学卒業を機に、長年連れ添ってきたフェンシングを離れ、地元愛媛で消防士として働く。今の自分をかたちつくってきた地元の人々に恩を返すためだ。「4歳からフェンシングをしているので、自分の人間性をつくったのはフェンシングだと思っている」。これからもフェンシングを通じて学んだ『気持ち!』を胸に三好は新たな人生を歩んでいく。

(記事 藤岡小雪、写真 加藤佑紀乃)

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