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2017.02.19

【連載】『平成28年度卒業記念特集』第20回 高田直騎/卓球


憧れのワセダでの成長

 主将として過ごした一年間を、高田直騎(スポ=福岡・希望が丘)は冗談まじりに「もう二度とやりたくない」と振り返った。ワセダの伝統、ワセダの歴史。様々な重圧がのしかかった日々だった。大島祐哉(平28スポ卒=現ファースト)や山本勝也(平28スポ卒=現リコー)といった主力が抜け、昨年と比べて戦力的にも厳しくなったワセダの卓球部。そのチームを率いるのは、まさに困難の連続であった。

 小学校2年生のときに出場した全国大会での負けが悔しくて、卓球にのめり込んだ高田。中学から地元を離れ、3年生からは寮にも入り競技に取り組んだ。自分のことは自分でこなさなければならない一方、結果も求められる。そんな環境に身を置きながら、着実に技を磨いていった。高校は、卓球の名門である福岡・希望が丘に進学。主将を務めた3年生のときには、チームを総体ベスト4に導いた。ワセダへの憧れはあったものの、同世代には他にもたくさんの実力者がいる。「正直、いけないかな」と思っていた。ところが、かつて高田と同様にワセダへの入学を夢見ていたという高校時代の監督が、背中を押す。「運命というか、奇跡」。ついにワセダの卓球部に仲間入りを果たした。

 今後の目標は全日本実業団選手権でランク入りだ

  「大学では弱くなるのは一瞬で、強くなるのにはすごく時間がかかる」。高校までは練習でも監督の指示に従うことが多かったが、大学では自ら考えて練習をしなければならないという思いが強くなった。4年生で主将になり、新チームで初めて挑んだ春季関東学生リーグ戦(リーグ戦)は6位。なんとか入れ替え戦を回避したものの、昨年度秋の3位と比べて大きく順位を落としてしまった。危機感を持った主将は、苦手だった上に立って指示することを心掛けるようになる。試合に出る人も出ない人も、チーム全員の意気込みが同じになるよう雰囲気づくりに取り組んだ。全日本大学総合選手権団体の部では、春季リーグ戦でストレート負けした筑波大と対戦。再び敗れたものの、団体戦スコア2-3とあと一歩のところまで迫り、成長を実感する。そして秋季リーグ戦では、ついに2位まで持ち直した。

 個人として印象に残っているのは、4年生のときの関東学生選手権。法大のエース村井桂と激闘を展開した。ファイナルゲームまでもつれ込み、7-10と追い込まれたが逆転。強化してきたセーブレシーブで好機をつくり出し、白星を手繰り寄せてランク入り目前まで勝ち上がった。ワセダでの主将を経験して積極的になったという高田。中高でも主将であったが、その時はまだ周りの意見に流されやすかった。しかし学生主体の大学では、監督の指示を待っているだけでは主将は務まらない。自らチームのことを考え、周囲にも思いをはっきりと伝えられるようになった。憧れのチームで苦しみながらも全うした立場を通し、大きく成長した。

 高田は、今後も実業団で競技を続行する。仕事との両立が求められ、さらに厳しい環境になることであろう。そんな中でも、「今までやってきたことを継続して、新たに自分の技術や戦術を増やしていきたい」と高田は前向きだ。全日本実業団選手権でランク入りできるよう、チームへの貢献を誓った。活躍の舞台を移しても、ワセダで鍛えた積極性と培ってきたプレーで存在感を示す姿に期待したい

(記事 橋本望、写真 本田京太郎)

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