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ラグビー部

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2016.09.15

【連載】対抗戦開幕特集 『THE 15』 第2回 フランカー佐藤真吾×フランカー加藤広人×NO・8宮里侑樹

 スクラム、ディフェンス、ブレイクダウンの三つの柱を重点的に強化している今季のラグビー蹴球部。それだけに、フランカー佐藤真吾(スポ2=東京・本郷)、フランカー加藤広人(スポ3=秋田工)、NO・8宮里侑樹(スポ2=沖縄・名護商工)からなるバックローたちが、どれだけハードワークできるかがカギとなってくる。今回はその三人に、今の思いを語っていただいた。

※この取材は9月7日に行われたものです。

「チーム全体としても調子が上がらなかった」(加藤)

苦しかった春シーズンを振り返る加藤

――まず、春を振り返って100点満点、何点の出来でしたか

宮里 これは自分の取り組みに関してになってしまうんですけど、春はケガが多かったのもあって40点くらいですね。みんなの練習量に自分がケガしていたことで及ばない部分が大きかったので。

加藤 結果の観点から見たら100点満点で20点です。春はチームのことに力を入れてやってきて、一貫してその点をぶれずにやってきたことは良かったと思うんですけど、それに伴う結果がついてきませんでした。結局、春は拓大、高麗大以外には全て負けてしまって自分たちの思うような結果が出せなかったという点で20点くらいかなと。

佐藤 結果に関しては、30点くらいですかね。理由としては、さっき加藤さんも挙げたんですけどアタックをやっていないことを考慮しても、全部あんなひどい内容の試合にすることは防げたのではないかなと思います。あと、個人的な話ですが去年の夏合宿からずっとケガしていて。8ヶ月ぶりにやっと復帰してからみんなに追いつくことでやっとだったのでそういった面でも自分の点数は低いです。

――チームのシーズンの始まりとしては高麗大の白星スタートでした

加藤 僕と佐藤はまだケガをしていて出場できていない状態だったんでリハビリを外でしていました。どうしたら自分たちがベストな状態でチームに戻ってこられるかというのを日々模索しながら過ごしていましたね。

宮里 僕もケガをしていたんですけど高麗大戦の1週間前に復帰だったんです。そういったこともあって、あんまりチームの戦術ということを理解してなくてなんとなくやってしまった部分があったと思います。

――チームの始まり方としては高麗大戦は良いものだったのでしょうか

加藤 そうですね。チームディフェンスだったりダブルタックルだったり、力を入れてきた部分がしっかり発揮された試合だったと思います。何度かダブルタックルをしてそのままオーバーするといった場面が見られたので、チームとしてやっていることが正しいんだなとか、チームの始まりとしてはいいかたちで始められた試合だったと思います。

――では春季大会全体を振り返っていかがですか

宮里 ダブルタックルとかディフェンスの面では良かった部分もあったと思うんですけど、やはりアタックに関してトライを取りきれないというのがあれだけ負けてしまった要因かなと思います。

加藤 僕は青学大戦までケガで出場機会はなかったんですけど、その青学大戦で公式戦で初めてワセダが負けてしまって、僅差でしたがそれでチームの雰囲気が悪くなってしまった部分はあったと思います。次の週から僕が復帰ということだったので、僕が入ることでチームの雰囲気が好転すればいいとは思ったのですが、変えることができなかったのが悔しいです。自分的にもパフォーマンスが上がらず、気持ちが沈んでしまった部分もありました。

――春季大会の間はチームの雰囲気も良くなかったのでしょうか

加藤 そうですね。あの時はずっとチームディフェンスに力を入れていたんですけどそれが結果に結びつかなくて。個人の士気が下がってしまうこともありましたし、それでチーム全体としても調子が上がらなかったですね。

佐藤 ディフェンスに力を入れてずっとやってきたんですけど、それが機能した部分と機能していない部分がありました。加えて機能している部分があっても結果だけ見れば負けてしまう試合ばかりだったので、正直なところ「これで自分たちは大丈夫なのだろうか」と懐疑的になってしまう部分がありました。

――そういった選手自身も歯がゆい思いが続く状況でチームではどういった話し合いがされましたか

加藤 方針が信じきれないというわけではないのですが、あまりにも結果がついてこないことでこのままディフェンスだけやっていてもいいのかと不安に思っている人は多分たくさんいました。 けど、そういった中で詠真さん(桑野詠真主将、スポ4=福岡・筑紫)や、委員から「ことしは一つずつ積み重ねてやっていくということを決めていて夏からはアタックにも取り組む。調子が上がっていくための土台作りを今はしているわけだから、指導陣が考えているプランを信じてみんなでやっていこう」という話を全体に向けしていました。

――2年生でも話し合いなどはされたのですか

佐藤 そうですね…、いやしてなかったかな…。

加藤 自分のことで精一杯でしたって言いな。

佐藤 2年生はまだ自分のことで精一杯でした(笑)。

一同 (笑)。

――山下大悟監督(平15人卒=神奈川・桐蔭学園)の体制になってから半年が過ぎました。印象はいかがですか

加藤 練習面ではやはり厳しい部分があるんですけど私生活では気さくに話しかけてくれます。自分たちが想像していた以上に接しやすい方でした。フィールドでも私生活でもどちらも厳しい人なのかなと思ってたんですけど、そんなことはなくてオンとオフの切り替えがすごいなと感じています。

宮里 まさにその通りで、とても接しやすい方ですね。話しかける前まではオーラとか威圧感というのがすごかったんですけど、一度話していただいてからは印象が変わりました。特に自分はケガのこととかで気にかけていただいたのでありがたかったです。

佐藤 いや、前に話してくれた二人のおっしゃる通りで(笑)。世間のイメージとは少し違うと思います。最初は話したことがなかったので分かりませんでしたが、考えていたよりすごく接しやすかったです。

――いい関係が築かれているのですね

加藤 そうですね。お互いがお互いのことを理解し始めたという感じです。夏合宿やこの間のヤマハ戦など負けてしまってはいますが、手応えをつかめる試合ができるようになってきたので、これからに向けて、チームの雰囲気も良くなってきたのかなと思います。

――今季はスクラム、ディフェンス、ブレイクダウンの三点に力を入れてきていますが振り返ってみていかがですか

佐藤 スクラムは春からずっと一からやり直してきて、しかも他大と比べて組んでいる本数が桁違いなんです。スクラムは数を積み重ねれば経験値がついてどんどん強くなっていくので、春は結果が出ていませんでしたが夏合宿とかは自分たちが手応えを感じるレベルまで上がってきています。しかもそれが武器となって得点源にもなっていたので成果として認められると思います。

加藤 チームディフェンスは春ずっと取り組んできたんですけど、結果が出ずに何本も取られたり大量失点してしまう場面が目立ちました。夏合宿では、アタックに取り組み始めたことでボールを取ってディフェンスをやる時間が減ったということもあると思いますが、簡単にやられてしまうことが減って失点の数も少なくなりました。粘り強さが出てきたかなと自分たちでは感じています。

――春の大量失点の要因としてはどういったことが挙げられますか

加藤 簡単につながりが切れてしまってそのギャップをつかれてしまったり、個人能力の高い選手に一気に決められてしまうといった戦術の理解の低さがありました。

――春はアタックに力を入れていなかったことも関係していますか

加藤 そうですね。それも関係なくはないですが、それでも自分たちはディフェンスに力を入れてきたのでそのディフェンスで結果を出さなくてはならなかったのに出せなかったという点では、僕らに責任があると思います。

――それではブレイクダウンについて春を振り返っていかがですか

宮里 春から取り組んできて、自分たちのポジションはブレイクダウンでファイトする機会もよくあるので、少しづつですが精度が上がってきているなと感じています。

――練習メニューも新しい取り組みがされていますね

加藤 そうですね。去年のシーズンの終わりくらいからレスリングコーチに就いていただいている方に週一回、二回くらいの頻度で朝に来ていただいてセッションなどをやっていました。今季からはそれを正式にということで本格的に教えていただいて、体の使い方だとかラグビーに応用できるスキルだったり役にたつことが多いですね。

佐藤 レスリングを実際にやることで、違った目線からの体の使い方を身につけています。タックルだとかうまい相手の倒し方だとかのレスリングの体の使い方がラグビーのブレイクダウンやディフェンスでいきてくるんだと思います。

――ラグビーとレスリングで似ている箇所も多いのでしょうか

加藤 多いわけではないんですけど、これがラグビーだとどういったことにつながってくるということをしっかり説明していただいて実践するので、僕らも体で感じる部分はありますね。見た感じではいまいち分からなくてもやってみると、たしかにな、と思うことが多いです。

――学年が上がってそれぞれ半年が経ちました。気持ちの変化はありますか

加藤 僕は去年までは2年生でまだ下級生だったんですけど、ことしはむしろ3年生で上級生ということでチームを支える立ち位置になりつつあります。僕はまだまだ未熟な部分もありますが、これからの抱負も含めて、キャプテンを支えたり、FWを支える役目を果たしてチームに貢献できたらなと思っています。

――ロックからフランカーへのポジション変更もありましたね

加藤 最初はロックで復帰して、ずっと1週間くらい練習していました。最初ユニットで復帰してスクラムとかラインアウトだけ練習していたんですけど、ずっとその時はロックでしたね。その後に実戦復帰したんですけど、拓大戦でフランカーに入ってそのままフランカーです。最初は「あれ?」と思ったんですけど(笑)。フランカーの方が好きなので僕個人としてはうれしいんですけど。

――フランカーのどういったところが好きなのですか

加藤 まずフランカーは自由なんです。自由にボールの近くにいて高い仕事量でパフォーマンスを求められるのが楽しいです。

佐藤 スクラムを組まなくていいからってだけじゃないんですか?(笑)

加藤 そんなことないです(笑)。

――佐藤選手、宮里選手も新一年生が入部してきて変わった点はありますか

宮里 いや、1年生楽しそうですよ。自由人な1年生が多くて楽しそうでいいなと思います。

佐藤 自由というか、個性が強いんです。

宮里 そう、それが言いたかった(笑)。

一同 (笑)。

佐藤 個性が強くて一人一人のセンスが高いのでそういった部分が岸岡(智樹、教1=大阪・東海大仰星)とか直人(斎藤直人、スポ1=神奈川・桐蔭学園)にはプレーにも現れていると思います。

――注目している1年生はいますか

佐藤 それはやっぱ岸岡ですね。FWから見てもやはり居てくれると助かるというか、プレーを見ていて面白いんです。こっちが驚くというか「おー!」となるプレーをしてくれるので。

加藤 中野(将伍、スポ1=福岡・東筑)は、去年Uー20の練習の時に一緒のチームでプレーしたことがあって、その時から注目していたんですが、さらに成長していますね。大学レベルに入ってもコンタクトの部分で当たり負けしませんし、パスやディフェンスも昔に比べて良くなっていると思います。去年から知っている選手なのでそういった成長がチームメイトとして頼もしいしうれしいですね。

――2年生に上がって変わった点はありますか

宮里 特にないですね。意識的にプレッシャーとかも考えないようにもしています。

佐藤 宮里はいじられる標的が増えました(笑)。

――後輩にということですか

宮里 そうですそうです、なめられてます。仲はいいと思うんですけどね(笑)。

――この三人の仲の良さはいかがですか

加藤 いや、全然しゃべらないです(笑)。

宮里 いや、それはさすがに嘘ですよね?(笑)

佐藤 さすがにしゃべらない関係ではないです!

加藤 春は、僕が佐藤と同部屋で、これからは宮里と同部屋なので結構仲がいい方だと思います(笑)。

――お互いのそれぞれの印象を教えてください

佐藤 とにかく加藤さんは私生活からすごく真面目で、しっかりしてますね。本当にすごいなっていつも思ってます。

加藤 そんなに褒めても何も出てこないよ(笑)。

佐藤 いや、本心からですよ!(笑)

――どういったあたりが真面目なのですか

佐藤 僕は部屋が同じだったんですけど、細かいところに目がいくというか、掃除とか洗濯もいつもマメにやっている印象があります。すごくきれい好きですね。

宮里 自分と逆ですね(笑)。

――宮里選手の印象も教えてください

佐藤 こいつは運動神経はバケモノなんですけど、とりあえず群を抜いて頭が悪いので(笑)。

――成績の面でということですか

宮里 あんまりこの話掘り下げないでください(笑)。

佐藤 いや、成績の面ではないんです。たまに会話が通じないんですよ!

宮里 いやいや、それは盛ってるよ!うそだよ(笑)。

一同 (笑)。

――天然というかおっとりしているのですね

宮里 そうですね、出身が沖縄ということも関係しているかもしれないです(笑)。

――東京に来てびっくりしたことはありますか

一同 (笑)。

宮里 去年の特集でもこれ聞かれて、電車とか答えたんですよね多分。でも一年を過ごしてきて感じることは頭の違いとかですかね?頭脳の違い。

佐藤 (笑)。

宮里 東京の人はすぐ横文字使いたがるんですよ!自分がカタカナ苦手なんで難しいです。

――加藤さんから見た二人の印象はいかがですか

加藤 そうですね、真吾は計算高いです。なんですかて、常に周りの雰囲気を読み取って自分が優位な位置に立つっていう(笑)。

一同 (笑)

加藤 例えば、先輩も含めて誰かをいじって盛り上がっている時に自分はそっとそれに混じって便乗してるくせに、「自分はなめてないですよ」とか言ってて(笑)。良い意味でも悪い意味でも計算高いです。あとはラグビーのセンスが、これは二人に共通しますが抜群ですね。

――計算高いと言われていますがいかがですか

佐藤 まあ、その通りで計算高いですね(笑)。

――宮里選手についてもお願いします

加藤 そうですね、汚いです…。

一同 (笑)。

宮里 いやいや、「きれい好きではない」って言ってください!汚いはちょっと…。親が悲しみます!(笑)。

加藤 なんていうんですかね、おおざっぱなんですよ。ちょっと目を離すと洗濯物のカゴが山積みになっていたり、机の上がものだらけになっていたりするんです。3回くらい注意したら片付けてくれるんですけど(笑)。それでも宮里はスポーツに対してはすごく真面目なので、言われたことに素直に答えて吸収しようとしているなという姿勢はいつも感じています。

――宮里選手からみた二人はいかがですか

宮里 加藤さんはそうですね、すごく面倒見が良いです。それはもう自分が入学した当初からなので、入学する前からもいろいろ連絡させていただきましたし、すごく心強かったです。かなり頼れる先輩ですね。

加藤 嘘つけ(笑)。

――同じ部屋になってから気づいた加藤選手の良いところはありますか

宮里 まだ1週間なのでなんとも言えませんが、やっぱりきれい好きですね。自分があんまり掃除しないのでいろいろ世話を焼いてくれるっていう(笑)。

――佐藤選手に関してはいかがですか

宮里 加藤さんも言ったんですけど計算高いというか、人生うまく生きてるなっていう。そういう渡るのがうまいんですよ、本当に(笑)。ラグビーに関してはセンスが溢れてますよね。

加藤 ALL東京だしね。

佐藤 いやいや、加藤さんはJAPANじゃないですか(笑)。

一同 (笑)。

――加藤選手とケンカしないためにも、元ルームメイトとして宮里選手にアドバイスはありますか

宮里 いや、さすがにケンカはしないですよ?(笑)

加藤 僕そんなに怒らないので。

佐藤 ほぼ怒られたことないです。

加藤 ほぼっていうか一回もないでしょ!(笑)

佐藤 一回もないです(笑)。でもそうですね、気を使っちゃいけないというのはありました。先輩だからといって逆に気を使いすぎることが加藤さんは嫌いなので。「僕がやります!後輩なんで!」みたいなのは、あんまりやりすぎないってことがありましたね。

加藤 でも宮里は気を使わなさすぎなんですよ(笑)。僕がカーペットをコロコロでよく掃除するんですけど、こいつ何もせず座ってるんです。徹(柴田徹、社1=神奈川・桐蔭学園)は僕がやるのを見てすぐに手伝ってくるんですけど、宮里はずっと見てるだけなんですよね。

一同 (笑)。

宮里 いやいや、部屋が狭いんで3人動くとさすがに窮屈かなと思って端っこで縮こまってました(笑)。

「自分たちの自信につながる一因になった」(佐藤)

夏合宿での手応えを語る佐藤

――夏合宿の事も伺いたいのですが、網走合宿を振り返って

加藤 網走では試合自体はなかったんですけどアタックを取り組み始めました。ようやくアタックだとかフィットネスの部分に向き合って練習して身心ともに成長できたかなと思います。

宮里 環境が上井草と変わって新鮮だったのと、気温も低くてやりやすかったのでいい環境で集中して取り組めました。アタックをやり込んだという部分で頭を使う合宿でしたね。

佐藤 ことしの合宿の中では一番きつい期間だったんですけど、そこを何とか乗り越えられたからこそアタックだとか新たなステップに進めたかなというのは感じていますし、次のステップにも進めるようになったと思います。今後もそういった練習が続くので、その練習にどういった姿勢で取り組むんでいくかがが今後のワセダのレベルアップにも関わってくると思います。

――フランカーとNO・8はどういったようにアタックに参加するのでしょうか

加藤 フランカーはグラウンドの端にいますね。NO・8は結構自由です。去年とそんなに変わらないですね。

――それでは例年よりも試合メインのスケジュールとなった菅平での合宿を振り返ってみていかがでしたか

宮里 菅平はやはり試合メインの合宿だったので体への負担は去年よりは軽いものでした。その代わり中大、東海大、帝京大と戦ってきたんですけど、中大戦で自分はケガをしてしまいました。その後はあまりいいパフォーマンスができず、網走合宿でやってきたことが出せなかったという点で悔しさが残ります。

加藤 宮里も言っている通り、試合が大きな割合を占める合宿だったので練習の強度はそこまで高くなくベストな状態で試合に臨める配分だったのかなと思います。それでいままで取り組んできたディフェンスと網走で着手したアタックがうまい具合に機能し始めていると思いますね。結果としては中大戦しか勝てていませんが戦える部分もいくつか見えてきました。秋への手応えというか春に不安になっていた自分たちの自信につながる一因になったかなと。だけど、このままではまだ何も得ていないのでこれからのシーズンに向けしっかりハードワークして一日一日を大切にしていきたいと思います。

佐藤 練習があんまりなくて、リカバリーの時間とかが多かったんです。自分の帝京大戦への気持ちの持っていき方だったり、体のコンディションだったりをすごくいいレベルまで自分の力でもっていけたので個人的には収穫の多い合宿でした。チーム的にも手応えを感じる部分はあったので、良かったなと思います。

――ターニングポイントとしていた帝京大戦を特に振り返っていかがですか

宮里 帝京相手にスクラムトライを取れたということがチーム的には大きいと思いますし、自分たちのミスで取りきれないところもあったのでそこの精度を上げていけば前半勝って折り返していたかなと振り返って思います。

加藤 そうですね、やっぱり前半はスクラムトライも決めることができましたし、ディフェンスがしっかり機能していて、(前半は)帝京大を2トライに抑えることができました。前半2点差で抑えて戦えてはいたんですけど、後半に入るとやはり疲れの色が濃く出てきて、チームでやりたいことというのが増え始めました。簡単にトライも取られてしまってだんだんと士気も下がって、点数が開いてしまったという部分があったので、その後半をこれからどう修正していくかということがこれからの勝負になってくると思います。

――やろうとしていたことがかみ合わなくなってきたとは具体的にどういった部分でしょうか

加藤 竹山晃暉くんだったり、尾崎晟也くんだったりといった良いBKがたくさんいる中で、簡単にキックを与えてしまうとワセダにとっては決定的なプレーに繋がりうるので、キックを与えていいアタックをさせないということは話し合っていました。けど、プレッシャーをかけられて後半戦は簡単にイージーなキックを与えてしまってその二人にいいように走らされてしまったことですね。

――佐藤選手は帝京大戦にどういった感想を持っていますか

佐藤 僕は去年Bチームで出場していて、ことしは去年と比べるともちろんフィジカルの差は感じましたがそこまで圧倒されることはありませんでした。それもチームのS&Cの成果が出ているんじゃないかなと。あとは戦略としてはやってはいけないプレーとして、相手のキーマンにボールを渡すことがあったんですけど、そういったプレーが後半は目立ったので、そこのミスを減らしていければもう少しいい試合になったのではないかなと思います。

――帝京大の背中が見えてきた試合だったのですね

加藤 そうですね。確信とまでは言えないんですけど手応えを感じたというか、迫っている、少しずつ目標に近づいている感覚が収穫としてありました。

――山下監督は網走合宿ではいままで手をつけてこなかったことを綿密にやると言っていました

加藤 かなり、きつい内容の練習メニューでしたね。ウェイト、ユニットなどを一日3回に分けて練習していました。三部練ですね。でも3日練習して1回のリカバリー、また1日というスケジュールだったので真ん中の1日で北海道のラグビー協会の方々が激励してくれてチームでバーベキューなども開催されました。北海道の海の幸だったり、お肉だったりをいただけて、すごくおいしかったです。

――夏合宿が終わり、ヤマハ戦でかけられたアドバイスなどはありますか

加藤 最後試合が終わったあとに聞きに行って、フロントローはセットが遅いというアドバイスを頂きました。それできょうがヤマハ戦が終わって初めてのスクラム練習だったんですけど全体にフィードバックしてもらって、みんなで修正しようと意識付けて練習しました。

「対抗戦では必ず結果を残して恩返しする」(宮里)

対抗戦への意気込みを語る宮里

――対抗戦に向けどういった気持ちでいまは練習されていますか

加藤 ワセダは去年、一昨年と大学選手権セカンドステージ敗退というかたちで終わっています。僕自身も試合に出ていましたし、その試合の中で結果が出せなくてファンの方だったりOBの先輩方だったりに情けない姿を見せているので、今年こそはという思いがあります。監督も代わって、いままでにないくらいハードワークをして取り組んできているのでしっかりと結果を出して、日本一を目指して頑張るしかないなという気持ちですね。

佐藤 僕は去年は出ていないので、あんな大舞台でプレーしたことはありませんが、緊張しないような伸び伸びと大きくプレーしたいなと思ってまいす。

宮里 自分はまだケガが治りきっていない部分があるので、それを対抗戦までに完治させることをまずは最優先にしています。去年なにもできなかったという思いがあるので、自分の役目を果たしたいですね。勝ちにこだわって向かっていきたいです。

――宮里選手の考える自分の役目とは何でしょうか

宮里 自分は結構ボールもらう場面が多いのでそこで少しでも、1メートルでも前に出られるように頑張りたいです。

――佐藤選手は初出場ということですがやはり対抗戦で赤黒のジャージーを着るということは特別なのでしょうか

佐藤 そうですね。やはり去年は外から見ていて自分が出たいという思いもあったので特別ですね。

――お二人(加藤選手、宮里選手)から何かアドバイスはありますか

宮里 いやいや、自分も知りたいです(笑)。

佐藤 でも僕はあんまり試合前緊張しないタイプなんですよね(笑)。大学に入ってから全くなくなりましたね。

加藤 逆に僕はちゃんと緊張します(笑)。まあ、緊張するのは試合前のアップまでで、始まったらなくなるんですけど。試合前のルーティーンとしてスパイク磨いたり机を片付けたり、ノートを読み返したりします。

佐藤 僕もルーティーンありますね!僕は試合の日、出発する前に全身をきれいにします。風呂でめっちゃ体洗って、ヒゲも剃って。

宮里 僕は何もないです(笑)。

――春に比べてチーム状態はいかがでしょうか

加藤 良い部分と悪い部分があるんですけど、悪い部分をしっかり潰して良い部分をさらに伸ばしていけたらと思っています。具体的にはスクラムで勝てることが増えてきたり、アタックでしっかりとトライを取りきれる場面が見られたり、チームディフェンスが粘り強く機能しているところですね。逆に悪い部分は、スクラムにムラがあるというかヤマハ戦でかなりやられてしまったこと、ターンオーバーできる部分もあったのに何度も相手に許してしまったことや、アタックの簡単なミスで相手にイージーな球を与えてしまうことがまだ挙げられます。

佐藤 チームの状況は、もう加藤さんがおっしゃる通りですね。でも良い雰囲気で練習ができていると思います。帝京大や東海大に対してまだまだですが、ほんの少しだけでも手応えを感じることができました。ただ、試合直後はすこし浮ついた気持ちというか雰囲気もあったと思うのでそこをもう一度引き締め直してやっていきたいです。

――課題として他に挙げられる点はありますか

加藤 静かな時がすごく静かだと思っていて、試合中声をかけてもあまり乗ってこなかったりする一方でしっかり反応して盛り上がる時もあってムラがあるんです。そういった部分をなくしていけたらメンタル的にはもちろんですが、フィジカル的にも士気があがって良いパフォーマンスができるかなと思います。

――よく声をかけられる人物は誰ですか

加藤 やっぱり、詠真さんですかね。

――みなさんはあまり声を出したりはしないのですか

佐藤 そうですね、僕らはほぼあげないですね。

――バックローとして、対抗戦において自分の役割とは何でしょうか

佐藤 球際のブレイクダウンの部分ですね。決められた何人かでブレイクダウンの駆け引きを練習するメニューがあるんですけど、そのパフォーマンスを自分は求められているなと感じます。あとはブレイクダウンで相手の一人目をしっかり倒すだとかといった仕事量ですね。

加藤 僕は空中戦ですね。キックオフだったりハイボールだったり、あとはラインアウトといったセットプレーの場面で自分の高さを生かしたプレーに責任を持って果たしたいです。

宮里 自分はディフェンスではブレイクダウンで頭をしっかり入れるということと、オフェンスではボールをもらう回数が多いので強い相手にも当たり負けせず1メートルでも多くゲインしたいです。

――加藤選手はキックオフでのプレーが最近調子が良いですね

加藤 そうですね。キャッチはしていませんが内側に弾いたり相手のノックミスを誘ったりだとかは結構自分でもうまくはまってきたかなって感じです。

――1番楽しみな対戦相手などはありますか

宮里 筑波大です。去年、 筑波大戦に出場したんですけど、その試合が自分が1番怒られた試合だったので今回こそはと思い入れも強いです。

加藤 どれがとかではなく一試合一試合負けられないですよね。一つでも落としたら順位が変わって、(全国)大学選手権出場に関わってきてどんどん日本一が遠くなってしまうので。始まったら特にこれというのは決めずに一試合一試合勝ちにこだわっていきたいです。

佐藤 自分はやっぱり帝京大戦だと思います。これまでの練習の多くを帝京大にフォーカスして行ってきましたし、最後の目標は帝京大を倒すことだと思ってみんなやってきているので対抗戦でそれが一番楽しみな試合です。

――対抗戦で意識している選手はいらっしゃいますか

加藤 恥ずかしいな(笑)。そうですね、じゃあ筑波大のフランカーの占部航典くんで。彼とは高校JAPANの時からずっと一緒にやってきて、結構仲も良いんです。彼自身良いプレーはたくさん持っていて自分が尊敬している部分も多いんですけど、仲が良いからこそ負けてられないというか、同じポジションなので良い刺激になっていますね。ライバルというか良い意味で尊敬しています。

佐藤 僕は知り合いではないんですけどケイオーの廣川翔也選手ですね。タックルとかすごく仕事量が多くて、身長も僕より小柄なのに本当にすごいなと思います。

宮里 NO・8は一人も対抗戦に出る大学で知り合いいないですね、分からないです。

加藤 穣司さん(佐藤穣司、平28スポ卒=現トヨタ自動車)を超えます、って。

宮里 いやいや、言えないですよ!言ったらまた何か言われる(笑)。

一同 (笑)。

加藤・佐藤 そんなんでいいのか、言えよ(笑)。

宮里 いや、尊敬してます!超えられたらと思います。

加藤 おお〜。

――対抗戦での山場はどの試合になりますか

加藤 ターゲットとしては筑波大戦を設定しています。初戦をいいかたちで勝ちきって筑波大戦で僕らの積み上げてきたものをしっかりアピールできればと思います。

――今後戦っていく上でのキーとなるのはどういったポイントでしょうか

加藤 今シーズンから僕らは新しいことに取り組み始めているので、一試合一試合のなかでそれらがどれだけ発揮できるかがキーになってくると思います。さらにこれからの試合のなかでも成長して上がっていかなければ日本一には届かないと思っているので、一試合の重要性を感じながらやっていかなければですね。

佐藤 自分はプレーに関してなんですが、キーポイントはスクラムですかね。スクラムで試合の流れが変わってくるので、スクラムが一番重要かなと思います。

宮里 自分もスクラム、セットプレーですね。良いBKが揃っているので、FWが安定してさえいればトライを取ってくれると信じています。そういった面でもセットプレーの安定にこだわってやっていきたいです。

――スクラムの際、フランカーから声をかけることは多いのでしょうか

佐藤 それらありますね、例えば「相手がこうきてるから低く構えろ」とか声かけています。スクラムは普段の練習の時からコミュニケーションを取ることを意識しているので、試合中にもしっかりそれが表れているんじゃないかなと思います。

――加藤選手は昨年はロックだったこともあり、より近い視点でアドバイスができるのではないですか

加藤 そうですね。ロックをやったことでスクラムについて分かることも増えたのでその経験を生かして自分が気づいたことはなるべく伝えるようにしています。

宮里 自分も詠真さんから何かあったらすぐ言うようにしてというのは言われているので、自分が分かることは少ないですが気づいたことは言うようにしています。

――対抗戦で自分のプレーのどのあたりに注目して欲しいですか

宮里 自分はボールをもらうことが多いんですけど、自分の前にはやっぱり強い選手が来ると思います。そこでいかに自分が勝つかで次の攻め方が変わってきますよね。しっかりゲインできるよう頑張るのでそういったあたりを見ていただきたいです。

加藤 さっきも言ったんですけど、やっぱり空中戦です。僕がしっかりと高い球を捕ってチームに貢献できるよう頑張ります。

佐藤 一試合に1回くらい、大きなビッグタックルできるよう頑張ります!

――貝塚隼一郎選手(政経4=埼玉・早大本庄)選手がチームに復帰されました

加藤 そうですね。去年ユニフォームに色々寄せ書きしてもらったんですけど、その寄せ書きをいま見直すと貝塚さんの寄せ書きもあって、それを見ると複雑な気持ちになります(笑)。

宮里 こんなきつい練習に戻ってくるなんて逆に尊敬しますね。

佐藤 本当にきつい練習に何で戻ってきたんだろうというのはありますが(笑)、フッカーとしてはラインアウトとか心強いですね。

――やはりラインアウトでは心強いですね

加藤 そうですね、やはりうまいので。去年も獲得率が相当でしたし、その貝塚さんのスローを生かすためにも僕らが良いチョイス、良いジャンプをして今年も獲得率を上げていけたらと思います。

――最後に対抗戦の目標や意気込み、読者の方へのメッセージをお願いします

加藤 対抗戦は一試合一試合落とせない試合になってくるので、大学選手権優勝に向け一勝一勝積み上げて、僕らがことし取り組んできたラグビーを披露したいです。しっかり結果が残せるよう、これからの残された時間を個人としてもチームとしても努力していきます。意気込みとしては、空中戦で自分らしさを出してチームの勝利に尽力します!ここ数年、ワセダは優勝から遠ざかってしまっていますが、まだそれでも見捨てないで応援してくださる方々への恩返しの意味も含めて頑張ります!

宮里 対抗戦の目標は、昨季は負けが続いたのでことしはしっかりと結果を残すということです。自分の強みを出すことと、ディフェンスではダブルタックルでターンオーバーしてしっかりチームに貢献したいですね。対抗戦では必ず結果を残して恩返しするので、これからも応援よろしくお願いします!

佐藤 目標は言わずもがなもちろん、大学日本一です!そのためにもワセダのバックローとしてタックルだったりアタックであったり色々な場面で顔を出して結果を残したいです。春は本当に悪い結果だったんですけど、夏を越えて力を付けてきているので秋を楽しみにしていてください。

――ありがとうございました!

(取材・編集 三佐川唯)

宮里選手の出身地・沖縄にちなんだシーサーポーズを決めてくれました!

◆加藤広人(かとう・ひろと)(※写真中央)

1995(平7)年9月30日生まれ。186センチ、99キロ。秋田工高出身。スポーツ科学部3年。ポジションはフランカー。

◆佐藤真吾(さとう・しんご)(※写真左)

1996(平8)年8月29日生まれ。178センチ、91キロ。東京・本郷高出身。スポーツ科学部2年。ポジションはフランカー。

◆宮里侑樹(みやざと・ゆうき)(※写真右)

1997(平9)年1月6日生まれ。179センチ、98キロ。沖縄・名護商工高出身。スポーツ科学部2年。ポジションはNO・8。

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