バレーボール部
2015.11.25
【連載】全日本大学選手権直前特集『KNOCK』 第1回 芹澤友希×中川知香×森佳央理
女子部の初回は、下級生ながらチームの主力選手として活躍する芹澤友希(スポ2=茨城・土浦日大)と中川知香(スポ2=神奈川・橘)、森佳央理(スポ1=群馬・高崎女)の三人。直前に控えた全日本大学選手権(インカレ)への意気込みや今季の総括、そしてプライベートについてお話しを伺った。
※この取材は11月15日に行われたものです。
下級生としての役割
言葉を選びながら丁寧に質問に答える中川
――まずは、今季を振り返っていかがですか
中川 春2部でやり、8勝1敗の1位で入替戦にいって1部に上がれたというところまでは良かったのです。ただ、秋のリーグ戦では1勝もできなくて、とりあえず入替戦で(1部に)残れましたが、良かった点も悪かった点もありました。チームの良いときと悪いときの差がはっきりしたというか、どうしたら勝ててどうしたら負けるというのが明確になったのではないかなと思います。
芹澤 このチームが始動してから厳しい練習をしてチーム力も上がってきたと思うし、まとまってきたというのが秋リーグを通して感じました。
森 私は、春リーグは試合に出ていなくて秋リーグから試合に出るようになったのですが、初戦は本当に緊張して全然自分のプレーを出せませんでした。ですが、試合を重ねるごとに段々自分のプレーができるようになってきたので、もっとチームに溶け込めるように頑張りたいと思います。
――リーグ戦を通して個人的に見つかった課題は何ですか
中川 試合を通して、調子が良いときと悪いときですごく波があると分かりました。良いときは自分なりに周りが見えたりだとかするのですが、自分が悪いときは自分がどうすればいいのかが分からなくなることがあります。自分だけしかできない役割を見つけられたらいいかなと思いました。
芹澤 チームの司令塔として、先輩とか関係なく周りを動かしたり、相手のことを分析してどうコンビを組んでいくかとか相手がどういう攻撃が嫌いかとか、戦術的な部分を磨いていけたらいいなと思います。
森 試合を通して自分の課題だと思ったことは、特にブロックです。1部のチームと戦い、高さのある人がいて高校とは全然違ったので、速い攻撃にも対応できるように練習したいと思います。あと1年生なので1年生らしく元気に頑張りたいと思います。
――今季最も印象に残っている試合や場面はありますか
森 私は順天(順大)の試合ですかね。
芹澤 たしかに。
中川 私も思った。でも、2部のときの松蔭戦も(印象に)残ってるかな。入替戦の前の1位でいくか2位でいくかの試合。私だけだね、松蔭が残ってるの(笑)。
――1部と2部の一番の差はどういったところでしょうか
森 速さ、高さですかね。
中川 私は、当たり前のプレーを本当に当たり前にできているなと思いました。2部は相手の凡ミスとかで簡単に点が取れたりというのがあったのですが、1部はラリーしていてチームの約束事が決まっていて、それを当たり前のようにできている気がしました。
森 二段トスを持っていくのすごくないですか?春リーグは外から見ていたのですが秋リーグは立ってみて、ディグ(スパイクレシーブ)がズレた時とかもきちんと二段トスをレフトにきれいに持っていって思い切り決めにいくスパイクを打ってくるので、精度が高いなと思います。
――中川選手と芹澤選手に質問なのですが、ことしから後輩が入ってきて意識を変えたことなどはありますか
芹澤 自分もことしからコートに入ったので、そこまで意識はしていなかったです(笑)。
中川 結構自分のことでいっぱいいっぱいであんまり考えていなかったですね。(森に向かって)ごめんね。
一同 (笑)。
――芹澤選手は今季からスタメンに定着されましたが、苦労したことはどのようなことですか
芹澤 いっぱいあったのですが、とりあえずスパイカーの特徴ごとに(トスを)上げるのも難しかったし、上に先輩がいる中で、先輩にばかり頼ってしまうことがあったのでそこが大変でした。先輩が気にかけてくれるのもありがたいのですが、そこを自分から脱皮しないといけないなと思います。
――森選手に質問です。大学のリーグ戦で戦ってみて、高校のバレーと違うと感じた部分はどういったところですか
森 アタッカーの技術力と馬力が全然違うなと思いました。
――下級生として心掛けていることは何ですか
森 私も1年生でコートに入っていて、先輩たちも気にかけてくれるのですが、自分のことだけで一生懸命になってしまっているので何とも言えないです。ミスを恐れずにプレーするよう心がけています。
中川 3、4年生はチームの中心として下級生を見てくれていているので、1、2年生は思い切りやってついていくしかないよねという話になって、喜ぶときに2人で変な行動をしていたりだとか。
森 入れてください(笑)。
一同 (笑)。
芹澤 ちょっとしたことでチームの雰囲気を盛り上げようと心掛けています。ガッツポーズが小さいんじゃないかとか、そんなことばかりやっていました(笑)。
――他校で注目している選手や気にかけている選手はいますか
中川 順天のリベロは1年生なのにすごくうまいなと思って、試合のときに見ていました。
――やはり同じポジションの選手を注目して見ますか
中川 そうですね。
森 1年生で出ているセンターの選手とかは見ちゃいます。比べるじゃないですけど。
――早大の先輩で目標としている選手は誰ですか
森 私はリンさん(関根早由合副将、スポ4=神奈川・橘)のブロックを尊敬しています。すごく上手なのでいつも見ています。
中川 私はきょねん同じポジションだった先輩の中川美香さん(平27スポ卒=神奈川・大和南)です。コートの中で存在感があったというか、いたらみんなが安心しているような感じがありました。自分もそういった目立つとかではなくて下から支えるような存在になれればいいなと思いました。
芹澤 黒木さん(麻衣、平27スポ卒=大阪国際滝井)です。いま自分はスパイカーに気にかけられているのですが、麻衣さんはスパイカーを気にかけて堂々とプレーしているのがすごいと思います。
――4年生の三人はどのような存在ですか
中川 一人一人個性があって、それぞれが役割を全うしているという感じがします。
芹澤 唐木さん(沙彩主将、スポ4=千葉・柏井)はキャプテンとして練習から厳しく言うし、チームが沈んでいるときには盛り上げてくれるというか。
森 いるだけで締まりますよね。リンさんは、コートの中が明るくなります。笑顔で溢れません(笑)?
中川 佳苗さん(高園、文構4=東京・田園調布学園)は声をかけてくれると安心します。主務としての仕事もすごいなって思います。
仲の良い三人の私生活
明るく取材に応じる森
――ここからはプライベートについてのお話を伺いたいと思います。練習のないオフの日はどのように過ごされますか
芹澤 バイトがあればバイトで。
中川 バイトがあればバイトだし、友達と遊ぶときは遊ぶ。
芹澤 何もなければ、寝る!もう、昼まで寝る!
森 友希さん寝すぎて頭痛くなるんですよ。
芹澤 そうなんですよ、頭痛くなっちゃうんですよ(笑)。
――一緒に遊びに行くことはありますか
芹澤 あるね!
森 あっ、行きましたね!
中川 大江戸温泉行ってたよね?
芹澤 結構あります。
森 岩盤浴も行きましたね。
――温泉好きなんですか
森 ゆったり、まったりしたい。
中川 せかせかはしないんだ、お風呂行って。
芹澤 うん、ゆっくりすることが多い。
――チーム内で他に遊びに行く方はいますか
芹澤、中川、森 同期ですね。
――中川選手と森選手から見て芹澤選手はどのような方ですか
芹澤 言って言って!
森 ニコニコしてる。
中川 いつもなんかこんなヘラヘラしていて、バカキャラみたいな感じになってるけど、
森 でも試合中とか練習中とかは、
中川 内に秘める思いが強そう。
森 すごい考えてるけど、みんなには笑顔というか、あんまりそういうの出さないという感じですね。
――中川選手はどのような方ですか
森 知香さんは心が強いんだなと思います。
芹澤 自分がある!ぶれない!
森 あと、すごい向上心がある感じがします。
――森選手はどのような方ですか
芹澤 何も考えてなさそうだけど、何か考えてるんじゃないかと思う。
森 ええ、考えてますよ(笑)
芹澤 聞いてるようで聞いてない!
中川 あっ、そうそう、それはある!
森 聞いてないようで聞いてるんじゃないんですか?
中川 違う。聞いてるようで聞いてない。
森 つ、つらい、もうこれ悪口ですよね?(笑)
中川 いやでも、内に秘めてるようで秘めてないような秘めてそうな…。でも、いまプレーヤー二人とマネージャー二人で、プレーヤーが少ない中で1年生の仕事もちゃんとやってますね。他の同期にも気にかけてるなっていうのは思います。
――最近ハマっていることや趣味はありますか
芹澤 すぐあるよね?知香。
中川 え?
芹澤 動画作り!
中川 あっ、そうだ!それもあるけどもうハマりちょっと終わっちゃった(笑)。おとといくらいまでだけど、最近ハマって人の誕生日とかに送る動画をずっと作ってました。暇あればずっと画像動かして、保存してみたいな。
芹澤 ハマってることないな。
森 恋愛ドラマを見ること。
芹澤 ああ!ドラマ通なんですよ自分!
森 私は最近月9とか恋愛のドラマ見ています。
芹澤 テレビ通で月曜とか5個くらい見るんですよ(笑)。
――何のドラマが面白いですか
中川 月9!
森 『オトナ女子』!
芹澤 オトナ女子!
森 オトナ女子良いですよね?
中川 え、知らない。
森 篠原涼子のやつです。
中川 知らない。
森 見た方がいいですよ。あとあのお坊さんのやつ。
芹澤 月9!あとあれだよ、『ラストキス』!
芹澤、中川、森 (笑)。
芹澤 (取材陣に向かって)『ラストキス』知ってますか?
中川 それあんまり言わないほうが良いよ(笑)。
芹澤 以上です(笑)。
――バレー以外で好きなスポーツややってみたいスポーツはありますか
森 私、バドミントンやってみたいです。なんかちょっと似てませんか、バレーとバドミントン?なんか楽しそうだなと思って。寮に住んでて、友達がバドミントン部なので、話聞いていてやってみたいなとちょっと思ってます。
中川 ハンドボール。今だから言えるんですけど、中学校に上がるときに、ハンド部に入るかバレー部に入るか迷っていました。自分たちの代でハンド部ができたんですよ。だからハンドはずっと興味があります。
芹澤 ソフトボール!
中川、森 あー、ぽい!
芹澤 自分もなんですけど、中学校のときにどっちか迷って、流されてというかみんな周りがバレー部に入ったのでちょっと自分もいこうかなという感じでバレー部に入りました。
――ソフトだったらどこのポジションをやりたいですか
芹澤 それはちょっとわからないです(笑)。
中川 キャッチャーじゃない?
芹澤 えっ。自分の弟もお兄ちゃんも野球やってるんですけど、多分それでソフトボールやりたいなと思ったのかもしれないです。
――バレーを始めたきっかけは何ですか
芹澤 友達に誘われて(笑)。
森 私は東京に小4まで住んでて、5年生のときに転校した小学校の先生とバレー部の子に誘われて入りました。
中川 私はお姉ちゃんが2人いるんですけど、両親も姉も全員バレーやっていました。姉の試合会場行った時に自分と同じ背丈くらいの女の子と男の子がユニホーム着ていて、そのユニホームがかっこいいから入りました(笑)。
――部活と大学生活の両立は大変ではないのですか
中川 一日長くなったよね?高校に比べたら。
森 そうですね。終わる時間遅いですもんね。でも朝ゆっくりじゃないですか?あ、でも知香さん早いですもんね。
中川 でも全て早いわけじゃないけど。
森 休むときはしっかり休みますよね、大学って。
中川 でもそんな思ってたより難しくないって思う。最初思ってたときはヤバいんじゃないかって思ってたから。
芹澤 高校よりは全然楽な気がします。
――スポーツ科学部ではどのような勉強をされているんですか
芹澤 ビジネスコースで、スポーツの経営とかを一応学んでます。
中川 自分はコーチングコースにいっていて、コーチの練習の組み方だったりとかもやるし、自分自身がスポーツマンというかアスリートとしてどうやっていくかもやるし、幅広いです。アスリート目線もあるし、コーチ目線もある。
森 私は、コース選択が2年生なんですけど、教職とってるので、多分2年生になったら教育コースに行くと思います。まだ教師になりたいといまは思ってないんですけど、教師の立場、教える立場の目線からもしっかり勉強したいなと思ってます。
――バレーをやっていてよかったなと思う瞬間や楽しいなと思うのはどんなときですか
中川 試合に勝ったとき。
芹澤 まあ、そうだよね。
中川 あとずっと勝てなかった相手に勝てたとき、できるようになったとき。
芹澤 チームがまとまって、行くぞってなったとき!
森 普段の生活とかで落ち込んだりしても打ち込めるものがあるから、切り替えられる、夢中になれるものがあるから。それが私にとってはバレーです。
――バレー部の良いところや好きなところはどこですか
中川 学生が主体になれる、みんなちゃんと考えてやってる。高校だったら言われてやる感じで、やらされてる感が多かったけど、ちょっとだけど自分でやってる感があって、やらされてる感がそんなにない気がする高校よりは。
森 自分で考えることが多くなりましたね。
「最後笑って終われるようにしたい」(芹澤)
笑顔を絶やさずに話す芹澤
――それでは話をインカレに戻します。いまのチームの雰囲気はどんな感じですか
中川 やるしかないみたいな。相手どうこうじゃなくて、自分たちの軸にしてきたものとかを最後にみんなで出し切ろうって感じですね。入替戦を無事に勝てて、自分たちの良いかたちで勝てたっていうのもあったので、そのかたちをもっていければなと思います。結構締まってる?
森 はい、締まってますね。
――いまのご自身の調子はいかがですか
芹澤 頑張ろうって感じです。まだ、やれることあるんじゃないかなと思います。
中川 まだ波があるので、それを安定させて臨みたいなと思います。
森 私も知香さんと同じで、プレーに波があるので常に一定の調子じゃないですけど、決めるところで決められるようになりたいと思います。
――では最後にインカレに向けて意気込みをお願いします
芹澤 このチームにとっても最後だし、4年生にとっても最後の大会で、今までやってきたことを出し切りたいなと思います。トーナメントで1回戦からすごい厳しい戦いになると思うんですけど、自分たちの良いところを全て出し切って最後笑って終われるようにしたいなと思います。
中川 このチームの最後だし、2年生としてのインカレも最後です。きょねんは自分は最後の試合に出させてもらって、そのときできなかったこととかも全部含めて、いままでやれなかったことを全部、自分のできる範囲でやれればチームに役割としてなんかできるんじゃないかなと思って、そこを頑張っていきたいです。
森 4年生は最後で、一緒に一つでもたくさんの試合をできるよう自分の課題とかをちゃんと克服して、それをしっかりインカレで全て出せるように、チーム全員で終わったときに悔いの残らない試合をしたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 川浪康太郎・吉澤奈生)
色紙にきれいな字で意気込みを書いていただきました!
◆芹澤友希(せりざわ・ゆき)(※写真左)
1996年(平8)1月13日生まれ。身長162センチ。茨城・土浦日大出身。スポーツ科学部2年。持ち前の笑顔と明るさでチームを盛り上げる芹澤選手。同期の中川選手と共に、ガッツポーズの大きさなど得点時の喜び方を試行錯誤しているそうです。インカレでも喜びを爆発させることでしょう!
色紙:『自信』
◆中川知香(なかがわ・ちか)(※写真右)
1995年(平7)7月5日生まれ。身長169センチ。神奈川・橘出身。スポーツ科学部2年。守備の要としてプレー面でチームを支えるだけでなく、下級生としてチームの雰囲気づくりも行なう中川選手。まさに縁の下の力持ち!最近ハマっていることは夢占いで、夢を操ることもできるそうです!
色紙:『粘 あきらめない』
◆森佳央理(もり・かおり)(※写真中央)
1997年(平9)2月20日生まれ。身長175センチ。群馬・高崎女出身。スポーツ科学部1年。1年生ながらスパイクやブロックで得点を重ね活躍する森選手。取材中は終始、試合と違いほんわかした雰囲気でしたが、バレーへの強い思いを語っていただきました。インカレではコートで躍動する姿に注目です!
色紙:『気』