相撲部

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2015.10.16

【連載】インカレ直前特集『進化』 第5回 榊原祥孝

 2年後に100周年を迎える相撲部。ことしは東日本学生リーグ戦で優勝し、1部昇格も達成した。また徐々にチームの力が上がってきただけではなく、結果も残してきている。集大成となる全国学生選手権(インカレ)への意気込みを、榊原祥孝主将(社4=千葉・専大松戸)に語っていただいた。

※この取材は9月27日に行われたものです。

協力しあう生活

笑顔でインタビューに答える榊原


――きょねんは5人入部しましたがことしは1年生1人でした。雰囲気はいかがですか

榊原 少なかったのでどういう感じになるのかなという不安はあったんですけど、結構若林(若林魁、スポ1=岐阜農林)は陽気なキャラなので、2年生だけでなくチーム全体に上手く溶け込んでいるなという感じです。最初は不安だったんですけどいまは全然気にせず接しています。

――マネージャーも入ってきましたが変化はありますか

榊原 際立った変化はありませんが、日頃自分たちだけで稽古の準備を時間をかけてやっていたのが、マネージャーが来てくれたおかげでてきぱきと物事が進むので、それは良かったなと思います。

――同好会から部員となった選手もいましたが、部員が増えていくことは嬉しいですか

榊原 そうですね。もともと入ったときは3人しかいなくて、団体戦、特にリーグ戦は出られない状況だったので、それからを考えると同好会も自分が1年生の時に作ったものですし。

――それはすごいですよね。榊原さんが作ったのですか

榊原 部としては自分が協力して。デーモンさんの呼びかけで始まったものではありますが、自分が道場を使える日を調整したりしました。初めはまわしのつけ方も知らないという感じだったので、まわしのつけ方や所作、シコなどの基本動作をやってあげて。いまでこそ普通に練習できるようになりましたが、そういうレベルからスタートしたので、蒔いた種がだんだん花開いてきたなという感じです。長かったですけどね。日頃からラグビー部や柔道部から借りてきたんですが、そういう人はあまり練習に出られないので、試合で活躍できるかと言ったらなかなか難しいので、そういう面を考えるとたとえ身体が大きくなくても、そんなに運動神経が良くなくても、日頃から練習に参加している人だったら可能性のある競技なので、そういう人たちを出そうというふうにはなりました

――今回は部屋別にわけてお話を伺っていますが、一人部屋は寂しいですか?メリットはどんなところでしょうか

榊原 一人部屋はいいですよ、自由ですし。ただたまに寂しくなりますね。すごく面白いテレビを観たときに、笑っているのが自分だけみたいな。たまに虚しくなります。でも基本的に、朝ベルを鳴らしっぱなしでも怒られないので、本来なら気にしなくてはいけないことを気にしなくていいので楽です。3年間一人部屋なので、二人部屋は厳しいかもしれません。

――相撲部はかなり仲がいい印象があります。試合もチーム力で勝っているところがあると思いますが、なぜそんなに仲がいいのでしょうか

榊原 基本的に無理に気を張る必要がないです。もちろん部での上下関係はありますが、上の人に敬語を使ったりだとか、目線を配るのは必要ではありますが、それ以上のことはこっちも何も言わないです。いままでもそういう先輩が多かったので。自分が1年生の時も上が少なくて、食事を作る、練習をする、準備をする、片付けをするというのを、全部みんなでやらないと終わらないのでそういう習慣はついています。だからいまは部員が多いので、みんなでやりだすとわちゃわちゃするのでやらないことはありますが、例えばきょうはみんな忙しくて準備ができないなら、私たちがやることは普通にあります。実際、きょねんのインカレも、朝一番に行って席を取らなくてはいけないのですが、自分はケガで出られないのがわかっていたので「じゃあ俺が行くよ、選手はみんなだから」というように上下関係はあってもとらわれすぎない組織だという印象を受けてきたので、それは伝統としていいことだと思います。それが好きで入っているところもあるので。自分の洗濯物は自分で洗濯するし、道場とかみんなで使うものは1年生たちがやることはありますけど、基本自分が出来ることは自分でやることになっていますね。

――選手のみなさんは料理が上手になってきているそうですが、榊原さんはいかがですか

榊原 自分はちょっと得意にはなっていないですね、まだ。調理師免許を持った本田(本田熙誉志、社2=大分・楊志館)が来てからはレパートリーがものすごく増えました。何を入れれば美味しくなるのかを彼はわかっているので。本田が来る前はおっかなびっくりあれこれ入れてみたりしていて実験状態だったんですけど、彼のおかげで料理になったなと思います。OBも(本田さんの料理を食べて)こんなメシは4年間で1度も食ったことがないと言っていました。それくらいいままではひどかったんです。基本、焼肉のたれなんです。エバラなのかキッコーマンなのか、味の素なのか、まずは並べてきょうはどれにしようかという感じなので。そういう料理でした。料理というか、何でもぶち込めばいいという感じでしたね。

――オフの日は何をしていますか

榊原 少し前まで就活があって忙しかったんですけど、いまは時間が出来て、この夏は映画を観たいなと思ったので映画ばかり観ました。小さい頃から映画を観に行くことが好きで、映画館でも観ますし、DVDを借りても観ます。この夏だとキングスマンが面白かったです。

結果を出す2年目

主将2年目を振り返る榊原


――現在までの大会を振り返っていかがですか

榊原 きょねんよりはいいですね。2年間主将をやると決まったときに、1年目は結果を求めないという考えだったのでそれはいいんですけど、2年目は結果を出さなきゃいけないなと思っています。そして実際ここまで結果は出てきていると思います。ただ、波があるのと、チーム力で勝っていることの弊害でもあると思うんですけど、個人戦が圧倒的に弱いですね。

――きょねんはケガされていましたが、もどかしい気持ちはありましたか

榊原 相撲の団体戦って面白いもので、自分が出たから2対3から3対2になってうちが勝ったかと言ったらそういうわけでもないので。自分が出たところでこれは変わらなかったかなと思います。ただ、後輩にはすごく苦しい思いをさせてしまったなと思います。1、2年生だけで戦うのはやはり厳しいので、向こうは3年生中心の経験豊富な選手が多かったので、そういうチームに対抗させるような環境にさせてしまった自分としては申し訳なかったと思っています。

――部としても個人としてもケガ予防はしていますか

榊原 3年の小山が勉強しているので、ストレッチやアイシングなどスポーツ科学的な予防を上手く取り入れたりしています。ケガが増えてきて、環境が変わると相撲をとる人間も変わってくるので、自分はいままで見えていなかったことが見えてくるようになりました。自分はこういうときにケガしやすいんだなと思い出したら、それを予防するようなトレーニングを自分でやりだすので、そういうのが形になってきてからケガ人が少なくなってきたかなと思います。

――ことしは金沢大会進出もできましたが、その点についてどうお考えですか

榊原 結果は散々でしたけど、出られたことは一つの経験ですね。次につながればいいかなと思います。どうしても組み合わせが悪かったので、予選突破という目標は達成できなかったですけど。でもああいう環境で相撲をとれるということは、ここで稽古するよりも大きな財産になるはずなので出られてよかったなと思います。

――部員さんたちの意識も上がってきていますか

榊原 いままでは2部でどう勝つか考えていましたが、いまは2部で勝つのは半分当たり前かな。1部の上位たちにどう勝つかみたいなことが大事かなと。そういう意識になってきたなという感じは受けるのですごくいい兆候かなと思います。

――練習で強くなってきていますが、合宿はトレーニングがメインだったんですよね

榊原 まわしは持って行っていないのでトレーニングばかりです。

――きつかったですか

榊原 やっぱりつらいですね。太っている人にはきついかなっていう(笑)。結構走ったり、階段ダッシュしたりいろいろやっているんで。応援部さんとかそういう本業の人には見せられるものではないんですけどね。デブはデブなりに頑張っている感じはあります(笑)。

――普段そういう練習はしないんですか

榊原 週に一度、火曜日にトレーニングのコーチが来て、そのときに少し走ったり階段ダッシュしたりはします。

注目される存在に

――東日本インカレでは昇格できませんでしたが、リーグ戦では1部になりましたね

榊原 1部に上がったことはすごいことだと思います。メンバーもそろってきていて、9人が相撲部で埋まるというのはなかなかないことだったんですけど、そういう状況下で1部に上がったのはすごいと思います。もともとチームの状況を考えて、優勝は無理でも表彰台はのぼりたいなという思いだったので。みんなリラックスして土俵に上がっていたなと思います。それが結果につながったんじゃないかと思います。

――リーグ戦での1部昇格に不安点はありますか

榊原 不安点は挙げたらキリがないんですけど、勝てないときにどう対応するかですね。1部に上がったからといって、らいねん1年間評価されるときがあるにしても、日大、日体大に勝てるかと言われたらそんなに簡単なことではないと思います。やっぱり向こうのほうがスター選手はそろっていますし、1部でずっとやってきている人なので。向こうのほうが経験も力も上だと思うんですよね。どうしてもリーグ戦の中で負けが続くときがあると思うんですよ。その中で気持ちをどう立て直すか。なかなかその経験ができていないと思うので、普通ならトーナメントなので負けたら終わりとか、予選があっても3回とかで。4敗、5敗する可能性がある中でどう立て直すか、相撲はメンタルが大事な競技なので、どう対応するかで1部に残れるか、そして上位に残れるかというのが決まってくると思います。

――インカレでの目標を具体的に教えてください

榊原 東日本インカレと一緒でBでベスト4で、1部と戦ってひとつでも多く白星をあげることです。

――いまのチームの状態は

榊原 リーグ戦で優勝したことで、非常にチーム的にはいい状態です。雰囲気も明るいですし、何しろ自信が出てきたかなと。どうしても自分たちは勝てないんじゃないかとか、実際勝っていないしとか報われていない状況が少しあったんですけど、ああいうふうにチームとして結果を残せたというのは全体の自信になったかなとは思います。

――今後の課題は

榊原 注目される存在になったとは思うのでインカレも、西日本のチームもうちがリーグ戦で優勝したことを知ってくると思うので、注目される中でどう戦うかですね。日大や日体大は常に注目されているし、常勝を求められる人たちなのでその中で戦って勝っているという強い方たちだと思います。自分たちはチャレンジャーだったのが、少し勝てる状態で周りから見られている、対策を練られてもおかしくはなくなりました。ここで潰さないといけないと思われるチームになってきたと思うので、そうなってきた中でどう戦うかという。そこから勝って初めてなので。チャレンジャーは楽なんですよ、勝つのは。横綱を倒す側は楽です。でも守る側は大変。まあ守る側になったわけではないんですけど、その中間地点くらいになったときにいかに戦うかです。そこでまたチャレンジャーに戻ってしまうのか、その上に向けて一歩ずつ歩みを進めていけるのかというのはここあと1年の戦い方で変わってくるのかなと思います。

――2年後の100周年に向けて取り組みたいこと、これからの部の意気込みは

榊原 東日本インカレで1部に上がる、1部としてスタートを切ることが大きな目標です。そのために安定して部員を獲得したり、勝てる練習をどんどん積み重ねていく。基本やることは変わらないんですけど、より質を上げていかなくてはいけないなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 平川さつき)

◆榊原祥孝(さかきばら・よしたか)

1993年(平5)8月10日生まれ。175センチ、145キロ。千葉・専大松戸高出身。社会科学部4年。ディズニーが大好きだと満面の笑みで答えた榊原主将。相撲部員を連れて遊びに行ったこともあるそうです。私生活でも部員を大切に思っているのですね!

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