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2015.01.08

【連載】『NEW ERA』 第3回 黄本創星×竹内諒

 投手陣に故障者が相次ぎ、苦しい状況が続いた昨季。そんな中、リリーフとして何度も早大の窮地を救ってきた竹内諒(スポ2=三重・松阪)と、4試合に出場して経験を積んだ黄本創星(スポ2=千葉・木更津総合)は、部にとってなくてはならない存在に成長を遂げた。主力としての期待を背に迎える来季。甲子園でも注目を浴びた実力者たちは、勝負の3年目に向け何を思うのか――その思いに迫った。

※この取材は12月21日に行われたものです。

「悔しい経験をしてきた1年」(黄本)

秋季リーグ戦では全ての試合でベンチ入りを果たした黄本

――きょうはどのような練習をなさいましたか

竹内 最初に全員で下半身のトレーニングをしてから、ランニング、キャッチボール。その後、午後は捕り込みの練習をしました。

黄本 はい。 

――この冬、トレーニング期間の目標は

竹内 冬のテーマとして掲げていることは、身体を大きくすることです。それを達成するためにウエイトトレーニングを、上半身も下半身も週2回ずつ行っています。

黄本 身体を大きくすること、そしてその身体をうまく動かすためのキレを磨きたいと思っています。そのためにバイオメトリクスというジャンプなどの練習を取り入れています。

――ことし1年を振り返っていかがでしょうか

竹内 春も秋も、最終節の早慶戦で優勝を逃すという悔しい1年でした。自分は(春の早慶戦)2戦目で先発をさせていただきましたが、貴重な経験をしたと同時に大きな悔しさを味わいました。もう二度とあの悔しさを味わいたくないので、この冬しっかりトレーニングを積んで、優勝できるように頑張っていきたいと思います。

黄本 チームとしてもたくさん悔しい経験をしてきた1年だったので、その経験を糧に、来年はしっかり勝てるようにしていきたいです。自分個人としては、春秋とベンチには入ったものの登板機会があまりありませんでした。来年は投手陣の軸となれるように頑張りたいと思います。

――竹内選手は春季リーグ戦で第2戦の先発として活躍されました。春は飛躍のシーズンでしたか

竹内 (大学入学後)初の先発ということで緊張もありましたが、あの場所で得たものはとても大きかったですね。精神面や技術面の向上につながったと思います。

――秋シーズンはリリーフでの登板が目立ちました

竹内 そうですね。秋シーズン序盤の法大戦、明大戦は自分の準備不足で思ったような投球ができませんでしたが、東大戦からは調子を取り戻せました。自分の持ち味を出す投球ができ、その点は良かったと思っています。ただ、最初から万全の状態で準備できていれば、という後悔はありますね。

――立大3回戦では、負ければチームの優勝可能性がなくなるという重圧のかかる試合で圧巻のロングリリーフを披露していました。どんな思いで投げていましたか

竹内 優勝可能性のことを意識すると緊張してしまうので、1イニングずつ、バッターを大事に打ち取っていくということを考えていました。それを徐々に積み重ねた結果、(大学入学後、自身最長の)8イニングとなったという印象です。疲れましたが、チームのために結果を出すことができて良かったです。

――黄本選手は春にリーグ戦初登板となりました。神宮球場の印象はいかがでしたか

黄本 バッターの質やお客さんの人数といい、高校のときとは違うな、と言う印象ですね。

――秋は全試合でベンチ入りし、抑えとして登板機会も増えました。手応えはいかがでしたか

黄本 春よりはバッターに慣れましたかね。自身の調子が上がったことも影響して、思い通りの投球ができたことも多くありました。

――この1年で得た収穫と、明らかになった課題を教えてください

竹内 春季を通じての反省として、低めに投げるコントロールが課題だと思ってきました。秋の後半戦ではその課題であった球をリーグ戦で投げ込むことができて、結果的に抑えられたということが収穫だと思います。課題としては、早慶戦の大事な場面での失投が目立ちました。そのような球は(高めに)浮いてしまった球だと思うので、さらに低めを意識しないといけないと感じています。

黄本 秋の後半からバッテリーで相談して、自分も球を低めに投げることを意識していました。秋季リーグ戦後半から新人戦にかけては、そのことがうまくいったと思います。課題は決め球となるボールが未完成だということ。そこを磨いていきたいですね。

「ほどよい緊張が必要」(竹内)

春秋を通じて3勝を挙げた竹内

――オフの日はどのように生活されていますか

黄本 二人共同じ授業を取っていて、その授業を一緒に受けます。その後は…。

竹内 買い物に行ったりします。吉祥寺に一緒に行ったり、(買い物に)行かない日は夕方に戻ってきて、夜にトレーニングをしたりすることもあります。

――授業との両立はいかがですか

竹内 そうですね。朝に練習して、午後から授業という日は、午前中の練習の疲れがあって、なかなかきついです。

――ちなみに吉祥寺では、何をお買いになるのでしょうか

黄本・竹内 服ですかね(笑)。 

――体調管理の面で、普段の生活から意識されていることはありますか

黄本 あまりエアコンを使わないということ。体温調節も服を着ることで調節するようにしています。

――できるだけ自分の身体に負担がかからないようにという

黄本 はい。 

竹内 自分もそうですね。エアコンをつけたままにして寝ないこと、あまり(エアコンを)使わないことを心がけています。

――お二人は寮生活ですが、大変なことはありますか

竹内 朝寝坊しないことですね(笑)。

――何時に起きるのですか

黄本 朝6時半に点呼をして、それから掃除の時間になります。まあそれに遅れないように(笑)。

竹内 全体的に、寮は快適ですね。

――高校野球と大学野球の大きな違いは

竹内 高校時代のときからトレーニングは自分で考えてやっていたので、その(トレーニングの)質が上がりました。大学に来てメニューが増えたので、自分のやりたいような身体づくりができていると感じます。

黄本 高校の時は決められた練習が多かったのですが、大学に入ってからは自分で計画を立てることが必要だと思いました。

――舞台は甲子園から神宮に移るというかたちですが、球場の雰囲気は違いますか

竹内 全然違いますね。リーグ戦独特の雰囲気と、甲子園独特の雰囲気は別物だと思います。

黄本 神宮の方が(声援などが)ガヤガヤしているという印象です。

――投げているときの気持ちとしてはいかがでしょうか

竹内 そうですね。早慶戦は特にガヤガヤしています(笑)。

――早慶戦はやはり特別なのでしょうか

竹内 全く違いますね。観客席が外野まで埋まって、いっぱいになるので、すごくやる気が出ます。負けられないですね。

――緊張というよりはやる気につながるのでしょうか

竹内 緊張もしますが、それよりはやる気ですかね。

――登板前の緊張を和らげるリラックス法や、これをやれば落ち着くといったジンクスはありますか

黄本 ジンクスはありません。自分は緊張したほうが(投球が)良くなると思っています。(緊張)しないならしないことで力も入らないと思いますし、良い緊張をすることのほうが大事かなと思います。

竹内 そうですね。緊張しすぎるのも良くないですが、ほどよい緊張が必要だと思います。

――お二人とも高校時代に母校を甲子園初出場に導いていらっしゃいますが、そのことがいまの糧になっているということはありますか

黄本 その経験はあるのですが、いつまでも甲子園のことを引きずっていてもしょうがないと思うので、この大学野球の舞台で結果を残せるように頑張っていきたいです。 

竹内 そうですね。

――年末年始に帰省してやりたいことはありますか

竹内 家族とゆっくり過ごしたいと思います。

黄本 家族や地元の友だち、高校の友だちと会って、いろいろと報告をすることが楽しみです。

――大学入学以前からお互いのことは知っていましたか

竹内・黄本 名前だけは知っていました。 

――二人のお互いの第一印象はどうでしたか

竹内 すごく太ももが太いなと思いました。

黄本 僕も、身体が大きいなと。

――第一印象から変化した部分はありますか

黄本 非常に練習に対してストイックですね。自主練をよくやっています。

竹内 そうですね、練習はしますね。正解です(笑)。 

――竹内選手から見て黄本選手の変わった部分は

竹内 (黄本選手も)自主練をしているところをよく見かけます。自分の足りていないところが何か、しっかりと考えてやっている。いろいろな種類の練習を取り入れて、刺激の多いトレーニングをしていると思います。

――正解ですか

黄本 大正解です(笑)。

――試合に欠かせないものとかありますか。

黄本 音楽ですかね。

――何を聞かれますか

黄本 B’zの「ultra soul」を聞きます。

――秋季は5回の応援部の応援も「ultra soul」でしたね

黄本 そうですね。

――竹内選手は何か音楽をお聞きになりますか

竹内 僕はあまりありませんね。前日や試合当日は、対戦する相手チームの応援歌をずっと聞いて、マウンドにいるイメージを思い浮かべています。自分がどういう場面で投げているかをイメージしながら、大音量でずっと聞いていて。そのおかげか、その(相手チームの応援歌の)音楽が自分を応援してくれていると感じたときもありました。

――応援はマウンドにいても耳に入りますか

竹内 打たれているときは(笑)。

黄本 そうだね。抑えているときは、そんなに聞こえませんが。

――特に集中した状態に入っているということですか

黄本 余計なことを考えていないんですかね(笑)。

――野球以外の好きなスポーツはありますか

竹内 フットサル、サッカーが好きです。 

――ご自身でプレーされますか

竹内 そうですね。投手陣でよく行きます。

――どなたがうまいとか

竹内・黄本 皆結構上手いです。

――学年で遊んだりはしますか

竹内 学年では、そこまでありませんね。

――学年よりもポジションでのつながりが深いですか

黄本 そうですね。特に投手は同じ場所で練習をしていて、同じメニューなので仲良くなります。 

「投球以外のところでも頑張らないといけない」(竹内)

 

――新チームの雰囲気はいかがでしょうか

竹内 いままでは中村さん(奨吾主将、スポ4=奈良・天理)や有原さん(航平、スポ4=広島・広陵)と投打に柱となる選手がいましたが、その2人が卒業されるので。どうなるかと思いましたが、皆がまとまって練習している印象を受けます。まとまって元気よく練習していますね。

黄本 雰囲気はとても良いと思いますね。全員が一丸となって、同じ方向を向いて(練習を)やっているなと思います。

――場を盛り上げるムードメーカーのような選手はいらっしゃいますか

竹内 投手であれば、ジャルキンさん(加尓弥麦露、教3=東京・早実)が大きな声を出してチームを盛り上げてくださっているという印象です。

黄本 そうですね。

――エースの有原選手、正捕手の土屋遼太選手(教4=東京・早実)が抜けるため、投手陣の環境も大きく変わったのではありませんか

竹内 その変化はすごく感じていますね。土屋さんにとてもお世話になったので、いらっしゃらなくなると本当に寂しいです。

黄本 そうですね。かなり雰囲気は変わったなと思います。

――新しいチームの中でのご自身の役割は

竹内 捕手というポジションは特に経験が重要視されると思います。そこに1年間いらした土屋さんが抜けるということは、盗塁などでも相手が隙をついてこようとするかもしれない。だから、自分たちは牽制やフィールディングなど、投球以外のところでも頑張らないといけないと感じます。

黄本 同じですね。

――お二人は来年3年生になりますが、どのような先輩になりたいですか

竹内・黄本 憧れてもらえるような先輩になりたいですね。

――ご自身の持ち味は

竹内 気持ちでねじ伏せて抑えるというところですね。

黄本 自分も気持ちが強いところです。これからはさらに、走者を出しつつも抑えられるような、粘り強い投手になりたいと思っています。

――来年はどんな1年にしたいですか

竹内 まず第1戦の先発の座を勝ち取るということですね。チームの柱として、勝ち頭になれるように頑張りたいです。

黄本 そうですね。自分の夢はプロ野球選手なので、そこに通じる道が開けるような成果を挙げたいです。

――具体的な目標としては

竹内 目標は二つあります。まず、最優秀防御率を記録すること。もう一つは、東京六大学リーグの奪三振数記録を塗り替えることです。

黄本 まず、先発して勝てる投手になりたいですね。春も秋も、それぞれ4、5勝を記録したいです。

――ありがとうございました!

(取材・編集 芦沢仁美、豊田光司)

来季も気持ちのこもった投球で、チームに勢いを与えます!

◆黄本創星(きもと・そうせい)(※写真右)

1994年(平6)4月10日生まれ。182センチ、90キロ。千葉・木更津総合高出身。スポーツ科学部2年。投手。右投右打。この冬、キレのある動きを手に入れたいという黄本選手。バイオメトリクスというジャンプのトレーニングで、瞬発力を磨いていらっしゃるそうです。来季に向け、さらにパワーアップを続ける黄本選手の投球から目が離せません!

◆竹内諒(たけうち・りょう)(※写真左)

1994年(平6)7月2日生まれ。180センチ、84キロ。三重・松阪高出身。スポーツ科学部2年。投手。左投左打。春の早慶戦での登板前夜に、有原選手に背中をぽんと叩かれて励まされたことでやる気が出たと話す竹内選手。色紙に記していただいた通り、来季以降は自身が「柱」として投手陣を引っ張る覚悟で臨みます。

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