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競走部

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2014.12.23

【連載】『集大成』 第5回 井戸浩貴

 前回大会、ルーキーとして箱根路を駆けた井戸浩貴(商2=兵庫・龍野)。今季は5000メートル、1万メートルでベストタイムを更新。また、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)では区間3位に入るなど活躍が目覚ましい。今シーズンの歩みを振り返りつつ、心境の変化や東京箱根間往復大学駅伝(箱根)への意気込みについて語っていただいた。

※この取材は11月26日に行われたものです。

責任と自覚

言葉を選びながら、丁寧に取材に応える井戸

――現在の調子はいかがですか

全日本から腰を少し痛めてしまっているのですが、ポイント練習には戻りつつあります。もう大分良いのですが、悪くなかったのが少し途切れてしまっただけなので、また状態を一から作り直しているところです。

――集中練習が始まったかと思いますが、どのように練習をされていますか

僕は練習を離れていたこともあってゆっくりと入っているのでまだ何とも言えないです。距離を減らしながらやっていて、みんな大変そうだなと思いながら見ているのですが、自分も早く合流しなければいけないなと思っています。

――今季は五千メートル、一万メートルの自己新記録を更新されましたが、トラックシーズンを振り返っていかがですか

一万メートルに関しては秋に28分台が出たので、欲を言えばもっとタイムを出したかったですけど、最低限のやるべき目標というのは出せたかなと思っています。五千メートルに関しては14分00が春に出たのですが、そこから結局13分台があと一歩届かなかったということで、不満が残るかなという感じです。記録を狙うためにホクレンディスタンスチャレンジなども出させてもらったのですが、あと一歩来年の日本学生対校選手権のためのA標準が切れなかったというところを含めて、なかなか調子が合わなくて難しいところもありました。最低限は自己ベストも更新できましたし良かったんじゃないかなというところなのですが、欲を言えばもう一歩二歩いきたかったなというのが感想です。

――今季はどのようなことを重点的に練習されてきましたか

周りからも二年生、三年生になったら緊張とかプレッシャーがなくなってきて伸びると言われていて、練習を引っ張っていけるというというのが一つ大きな理由だと思ったので、やはり先輩に任せる部分ももちろんあるのですが、自分が引っ張る部分を少しずつ増やしていけたらタイムも伸びるのではないかということを考えながらやっています。

――実際に練習で引っ張る場面が多かったのでしょうか

シーズンの初めはAチームの人数が少なかったということもあって、引っ張るのをやらせてもらう機会が多かったので、シーズン初めからそういうことは意識してやっていました。

――早大競走部に入部されて2年目になりましたが、環境の変化はありますか

1年の4月は何が何かわからずに、しかも先輩も怖いしみたいな環境でした。時間の制約が多かったりで、自分のできることがほぼないという感じだったのですが、ことしは寮の当番であったりそういうものがなくなったので、ジョグをもうあと10分やろうとか、そういう感じになりました。自分で使える時間が増えたので、その辺が1年のときと比べて大きく違うところだと思います。

――競技の面で1年目と比べて成長したと感じる部分はありますか

関東学生対校選手権(関カレ)が一番大きかったです。7位に入賞して、上を見れば東洋大の三人(田口雅也、髙久龍、淀川弦太)が前にいたりということで決して満足できる結果ではなかったのですが、1年目に同級生や先輩が出ているのを応援席で応援してみているだけだった試合に自分が参加して、点数を2点だけですが取ることができたので、そこがチームに貢献できて成長できたところだなと思いました。1番印象に残っているレースです。

――ハーフマラソンでは駆け引きもあったのでしょうか

本当は駆け引きをしたかったところなのですが、それができるのは1位、2位、3位だったりとか上の人たちだけで、僕はいままで走ったハーフ(マラソン)も全部、付いて行って離れてしまうというレースしかなくて、関カレも実際そうでした。駆け引きというのは自分もしたい部分なのですが、できなくて課題にしているところです。

――今季は平和真選手(スポ2=愛知・豊川工)や武田凜太郎選手(スポ2=東京・早実)の故障もあり、2年生として引っ張る場面も多かったかと思いますが、いかがですか

あの状態で僕と淳がいなくなってしまったらそのときのAチームは二年生が誰もいなくなってしまうので、二人が戻ってきてくれるのを信じて、淳も含めて僕が踏ん張って二年生として意地を見せないといけないと思って、練習だったり試合に臨んでいました。

――夏合宿はいかがでしたか

6月に故障ではないのですが、疲れがたまってしまって調子を崩してしまって。うまく走れない時期があって不安を抱えながらだったのですが、一次合宿二次合宿と重ねていって調子を戻して、三次合宿でちゃんと練習を積めたので、それが秋につなげられたのではないかと思います。

――今季の夏合宿はすべてAチームでの合宿に参加されましたが、昨季と比べていかがですか

きょねんはBチームにいて、Aチームは距離も本数も多くて大変そうだなと他人事に思ってしまっていたのですが、実際にことし走ってみてAチームは毎年夏合宿でこういうことをやっているんだなというのを実感して、これができた自分はある程度成長できているんじゃないかなと思いました。

――夏合宿で一番印象的だったことは何ですか

きょねんBでやっていないので、二次合宿でやった40キロ走と、あとは5キロ走三本ですね。まず、40キロはいままでそういう長い距離を走ったことがなかったので、「ああ…長いなあ…」と思っていました(笑)。5キロ三本はもともときついということを聞いていたのですが、実際に自分で走ってみて予想以上にきつくて、自分が手も足も出ないままに離されてしまったので、自分がすごい自分ができなかった練習ということで印象に残っています。

二度目の駅伝シーズン

――出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)は学生三大駅伝初の中止ということでしたが、中止が決定したときはどのような心境でしたか

正直、僕自身が出雲が初めてで、(走るのが)6人だけということでチーム内でも出るのが難しくて、なかなかない機会にめぐり合えたとは思っていたのですごく残念でした。でも、それをいつまでも引きずっていても、その週末に早大長距離競技会があったので引きずっているわけにはいかないので、残念に思いながらも、すぐに切り替えないといけないなという気持ちでした。

――出雲にメンバー入りしたときはどのようなお気持ちでしたか

出雲は短い距離だったので、なかなか自分には縁がない駅伝なのかなと思っていました。バテることはないと思っていたのですが、スピード駅伝で僕があまり得意としないところなので、不安が半分、でもやってみたいなという気持ちが半分という感じでした。

――いまお話にも出た出雲後の早大長距離記録会では好記録が続出しましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

チームとしては出雲がなくなったというのを後ろ向きにとらえるのではなくて、出雲がなくなった分絶対に次の記録会では記録を出すんだという前向きな雰囲気がチームに流れていたので、それが結果につながったのではないかと思います。

――それでは全日本でのご自身の走りを振り返られていかがですか

展開的に前半に突っ込まなければいけない走りでした。一流の選手、特に5区の横手さん(健、明大)とかが序盤からすごいスピードで走って、それを最後まで持たせられる走りをしていたのを見て、自分がもっと展開に余裕を持っていたらもっと良いタイムで走れていたかもしれないと思いました。でも本来強い選手であればそれだけ速いペースでいっても最後までいけるということがあるので。自分は区間3位だったのですが、今回優勝した駒大の一緒の区間の西山(雄介)に41秒あけられてしまって、結局自分が優勝を目指すチームにとって足を引っ張ってしまったので、まだまだ自分が強い選手ではないということと、優勝するチームになるためには自分がやるべきことがまだあるのではないかなと感じました。

――どのようなレースプランを考えていらっしゃいましたか

前半で一気に流れを作ってしまうという考えでした。(自分の区間の)前と後ろが光延(誠、スポ1=佐賀・鳥栖工)と淳(佐藤、スポ2=愛知・明和)で初の駅伝が二人いるので、そこに苦しい展開で持っていかないように、後ろが近いならそれをしっかり離してきて、前がいるなら前が見える位置で持ってきてあげるというのを、初駅伝の二人の間ということで、二年目でやるべきことなんじゃないかなと考えていました。

――佐藤さんは同期ですが、レース前にお話などされましたか

僕がきょねん7区を走っていて、前日に「7区ってどんな区間なの」っていうのを聞かれたので、それについて自分が経験したことを話しました。それ以外は深く話しすぎると本人が緊張してしまうので、「頑張って来いよ」と一言だけ言いました。

――8位でタスキを受け取って、前を追う展開でした

城西大、東海大に追いつくというのは自分がすぐにしないという仕事で、ほかの方もおっしゃっていましたけど、山梨学院大がかなり近くにいて7区の選手はすごく強い選手(阿部竜巳)だというのはわかっていたので、それを淳がプレッシャーを感じないように自分がどうするかというのを最優先に考えていました。

――2度目の全日本出走となりましたが、緊張はされましたか

ことしは2年目だし緊張しないだろうとずっと1週間ぐらい前まで思っていたのですが、ことしも緊張しましたね。でも、緊張する要素が変わっただけなので。きょねんの全日本は「初めての駅伝だ」と思って、箱根は「初めての箱根だ」って思って緊張したんですけど、ことしはことしで1年生から(タスキを)もらうし初めての駅伝の2年生に渡すしどうしようかなということを考えたら緊張してしまって。緊張の原因がある意味変わったので、質が変わったとは思うのですが緊張することには変わりなかったですね。

――緊張したときのリラックス法などはありますか

もうパパッと寝ます(笑)。

――前回6区を走られた高田康暉選手(スポ3=鹿児島実)からは何かアドバイスはありましたか

高田さんからは、後半に坂があるから頑張れと言われました。

――実際に走られて坂はいかがでしたか

前半に突っ込みすぎてバテてしまって離しきれなかったところもあったのですが、9キロのところで東海大を7秒くらい離したのにも関わらず、坂でバテてしまって追いつかれてしまったので、きょねんの箱根も後半に遊行寺の坂があって結局そこでバテてしまったので、克服できていないんじゃないかなと思いました。

――坂に関してはどのようなイメージを持っていますか

僕は上り坂がすごく苦手で、きょねんの箱根で坂で失敗してしまって、みんなの前で上り坂を克服しますって言ったんですけど、ことしも失敗してしまったのでいまだに課題のまま残っています。

――得意とするコースはありますか

6区みたいに急な下り坂が続くと僕は脚を壊してしまうと思うのですが、ゆるい下りか平坦が続いてくれれば僕はそれでいいです。

――全日本を終えてチームではどのようなお話をされましたか

チームでその日には箱根でやるしかないから切り替えていこうという話で、渡辺さん(康幸駅伝監督、平8人卒=千葉・市船橋)も相楽さん(豊長距離コーチ、平15人卒=福島・安積)もそんなに怒るタイプではないのでそんなに怒られたわけではないですが、チームの雰囲気としては反省すべきところは反省して、みんな本来の力はあったので、なんでその力を出せなかったのかというのを考えていました。

――早大の駅伝での課題はどのような部分だと思われますか

結局、前半の流れで優勝を目指すところから置いていかれてしまっているので、1区2区3区が課題だと思います。

――反対に早大の駅伝での強みはどのようなところだと思われますか

今回の全日本で修平さん(山本駅伝主将、スポ4=愛知・時習館)が自分の仕事をしっかりキャプテンとしてやってくださったように、後半に28分台、29分台前半の選手がいて、箱根では修平さんや三浦さん(雅裕、スポ3=兵庫・西脇工)がいるので、前半さえ乗り切れば後半ちゃんと持っていける自信があるというところだと思います。

――早大競走部で尊敬している選手はいますか

僕は田口さん(大貴、スポ4=秋田)をすごく尊敬しています。この前の全日本での修平さんのキャプテンとしての走りもすごく尊敬したのですが、田口さんが普段いろいろな選手が相談に来たりしたときにアドバイスをしている姿を見て、走りはもちろんなのですが走りだけではなくチームを陰で支えている存在感があって素晴らしい先輩だと思っています。将来は自分もそういう風に陰で支えられるような人間になれればと思います。

――田口さんとはよくお話をされるのですか

真面目な話をしたり、遊んだりしています。

――チームメイトの方とどこかに遊びに出かけることはありますか

特にどこかに遊びに出かけるということはなくて、土曜日は翌日練習があるのでみんなあまり出かけないので、土曜日の昼を一緒に食べに行ったりとかしています。

――2年生の雰囲気はいかがですか

2年生は何と言ったらいいのかわからないのですが、仲良いところは仲良いですね。練習でみんなが揃うということがなかなかなくて、練習で揃えばみんな仲良いんですけど、練習で揃わないとばらばらになっちゃうので。なかなか難しい学年だと思っています。

――1年生にはどのような印象を持っていますか

1年生は楽しくて元気がいいという印象があります。しっかり練習もやってきてくれているので、ある意味頼もしかったり、その分自分がきちんとやらないといけないなという危機感だったり刺激を与えてくれるので、チームに活気をくれていますね。1年生には負けていられないということで、練習だったり一緒に走る試合で、きょねんは「先輩に勝ちたい」という思いだったのですが、ことしは「負けられない」という思いも出てきて、もっと最低限の走りをするというところに重点を置けるようになったのではないかと思います。

求められる『強さ』

今季、安定した成績を残している井戸

――改めて前回の箱根を振り返られていかがですか

あんなに人が多いと思っていなかったというのが正直な感想で、あんなに人が多くいながらも、自分の学校を応援してくれている声が届くというのがすごくうれしくて、余裕のある前半の走っている最中や走り終わったあとにすごくありがたいなと思いました。箱根はたくさんの人に応援されていてすごい大会なんだなということを肌で感じました。

――箱根に出場して、まわりの反響はありましたか

うちの地元は別に陸上の強豪校とかではないので褒められたり、「すごかったね」と言われることも多くて、親もすごくよろこんでくれてうれしかったのですが、結果が僕自身はあまり良くなかったので、素直に受け取れなかったというところがありました。でも褒められること自体はうれしかったので、中途半端な気持ちではなくてやっぱり自分が結果も出した上で、結果と周りからの評価が一致した状態を迎えたいと思います。

――早大競走部の伝統の重みを特に感じる場面はありますか

トラックシーズンを含めて対校戦で期待が高かったりするということは多いのですが、やはり箱根のときに、もちろんほかの大学を応援されている方も多いのですが、ワセダの声が聞こえることが多くて、それだけ伝統があるということ、それがこれだけの応援の数につながっているんだということを感じました。そして、その分自分がやらなければいけないこともあるのだと思いました。

――走る前と後で箱根の競技面での印象で変わった部分はありますか

持ちタイムを持っていたので走る前はもうちょっといけるかなと思っていたのですが、箱根はやっぱり経験者と経験者でないという差が大きかったです。他大で箱根を経験している先輩が自分よりも区間順位で前にいて、それだけ経験がすごく大きな要素としてあって、自分はたまたまタイムを持っていたからいけると思っていただけで、箱根はそんなに甘くないなということを感じました。自分がまだまだ弱いということを感じましたね。ずっと夢だったのが現実になって、その上で自分の中でも「出るだけじゃ駄目だ」という意識を持てたのがいまの自分につながっていて、大きな部分だったんじゃないかなと思います。

――箱根を走ったことは、競技人生に影響を与えましたか

大きかったですね、本当に。もちろん自分の走りもそうなのですが、前日はテレビで「この人が走ってる」、「この同級生が走っている」というのを思いながら見ていました。実際に走って自分は失敗してしまったので。きょねんは1年生の中で自分が結構走れているんじゃないかということを思っていた部分も少しはあったのですが、そのちょっと天狗になっていた鼻を折られて、そこから来年の箱根までに自分のやらなければいけないことをやろうと思ったので、すごく大きな要素でした。

――上尾シティマラソン(上尾ハーフ)は不出場ということでしたが、チームメイトの走りを見ていていかがでしたか

自分が自己ベストで勝っていた信一郎さん(中村、スポ3=香川・高松工芸)がタイムを出して僕が負けてしまったり、淳も大分差を詰めてきたりとか、だからといってまた焦ってケガをしてしまっては仕方ないですけど、刺激にはなりました。

――春先には1区を見据える発言もありましたが、箱根で走りたい区間はありますか

欲を言えば1区を走りたいのですが、出雲、全日本を通して一万メートルで28分40秒台はないとちょっと走らせてもらえないかなと思っているので、自分の力不足を感じていて、しかもいまは練習を少し離れてしまっているというのはあるのですが、いまだに1区は走りたいと思いますね。

――1区のほかで意識する区間はありますか

上りが嫌いなので、きょねん走った8区とかはちょっと…という感じですね。走れるなら下っている3区とか9区とかもやっていきたいなと思います。

――2度目の箱根ということで意識していることはありますか

きょねんは復路だったので、往路を走りたいという思いがあります。往路を走るならやっぱり流れがすごく大事だと思っているので、いかに自分でペースを作れるかというのとしっかり粘れるかというのが大事になってくると思うので、自分ができるように今後集中練習でやっていきたいと思います。

――ご自身の走りの強みと課題としていることはどのようなところですか

前半の速い展開についていけないというのが課題です。一旦離れてからもある程度のペースで押していけるというのが強みだと思っています。

――意識している他大の選手はいますか

中学から地区も一緒でやってきているので中谷(圭佑、駒大)にはまだ勝ったことがないのですが、青学大の秋山(雄飛)とかも同じ学年でやってきているので、そういうところですかね。

――同期の印象はいかがですか

僕はまだできていないと思うのですが、平とか凜太郎はトレーニングルームに行ったり、自分で補強を勉強したり教えてもらったりということをしていたり、時間があればジムも誰かと走ったりとか、みんな自分のやるべきところを見つけて実行していて、いまの2年生は競技に対してすごく真摯(しんし)に取り組んでいると思います。

――山本駅伝主将にはどのような印象を持たれていますか

走りで引っ張ってくださるタイプなので、練習もすごくできていて、すごいなあという印象です。チームをまとめようとしてくださっているというのが伝わってきて、その思いに応えなくちゃいけないと思っています。

――今季は『チーム力』、『総合力』で勝ちにいく、ということをチームで掲げていらっしゃるかと思いますが、いかがですか

その通りだと思います。エースがいないと言われているのですが、実際修平さんとか上尾ハーフで優勝した高田さんとかもいますし、きょねんの大迫さんの印象が強かったからというのはあると思います。それでも、たしかに世界にいく選手だったり日本代表になるぐらいのレベルの、(前との差が)2分あってもひっくり返せるぐらいの選手はいなくて。その分はやはりチームの力で補わないといけないと思っています。でも結局チーム力というのが裏目に出てしまったのが全日本だと思っていて、良い方向ばかりチーム力で見すぎていると思うので。チーム力というからには、自分たちがするべきことが何かというのを考えて、チームのために個人がするべきことは何か考えた上で、うまくいく人もいて、うまくいかない人も最低限の走りができて、というのができるようになればことしのチームは強いんじゃないかなと思います。

――裏目に出てしまったというのは、どのような場面で感じられましたか

失敗したときに、「お前だけが悪くないよ」という感じで責めきれないというか。そういうところが残ってしまっていたと思います。チームで守り合うんじゃなくて、高め合うというかたちをとらないとことしのチームはだめなんじゃないかなと思います。

――昨年のチームと比べて違うところはどのような部分ですか

うまいことを言えばチーム力ということで、みんなでやろうという意識が強いです。練習でも離れそうな選手とかに声掛けをしたりというのがすごくあって、みんなでちゃんと練習をこなそうというところがあるのですが、きょねんはきょねんで大迫さんが空気をつくって引っ張ってくださるというところにも良さがありました。どちらが良いかと言われるとすごく難しいのですが、ことしのチームの方が良かったと言われるように結果を出せるようにしないといけないなと思います。

――箱根で意識する大学はありますか

東洋大、駒大とか、あとは4年生がすごく強い明大と、いまトラックでもタイムを出していて勢いがある青学大や、山梨学院大も強い選手が揃ってきていると思うので、そのあたりがライバルとして意識するところだと思います。

――他大に対する戦略はありますか

上尾ハーフのタイムとかを見て、誰がどこに来るかというのを予想して、それだけでは何ともならないんですけど、とにかく相手のユニフォームを意識するという感じですね。

――そういった強豪校と比べて早大に足りないのはどのような部分でしょうか

東洋大や駒大、青学大といったところは、試合でちゃんと結果を残しているイメージが強くて。逆に僕たちが持っている自己ベストの記録の試合を見ると「○○大記録会」っていうのが多いので、そういう強さを持たないといけないと思います。条件が揃っている記録会じゃなくて、対校戦で走れたり、この間の全日本も少し暑かったですけど、そういう中でもきちんと自分の走りができたり結果が残せたりというのが大事だと思っています。僕たちが持っているタイムというのは、たとえば風がなかったり気温が低かったりっていうのがあって、あとは自分の調子とかもありますが、『出ちゃった』記録なので。僕の一万の28分台にしても、チームでちゃんと走れたというのはありますが、実際にその日はすごくコンディションも良くて、はっきり言うと『出ちゃった28分台』という部分も否めないです。やっぱり対校戦で28分台出せばそれは本物だと思う部分もあるので、『速さ』ではなくて『強さ』という部分が他大と比べて決定的に欠けている部分で、必要なのではないかなと思います。

――箱根に向けて、意気込みと目標をお願いします

まだまだ先が見えなくて何とも言えないことも多いのですが、チームが優勝を目指している以上、自分がそれに貢献するかたちでないといけないと思うので、優勝候補といわれている駒大とか東洋大に負けないというのが大事だと思います。チームとしては優勝を目指しています。

――ありがとうございました!

(取材・編集 副島美沙子)

箱根への意気込みを書いていただきました

◆井戸浩貴(いど・こうき)

1994(平6)年7月10日生まれ。170センチ、59キロ。兵庫・龍野高出身。商学部2年。自己記録:5000メートル14分00秒55。1万メートル28分58秒83。ハーフマラソン1時間02分33秒。1年生の印象を「楽しくて元気がいい」と答えた井戸選手。隣でインタビューを受ける光延誠(スポ1=佐賀・鳥栖工)選手に、ウイニングイレブンの腕について「井戸さんには負けませんけどね」と茶目っ気に言われると、「許さん」と応酬する場面も見られました(笑)。そんな仲の良さもチームワークにつながっているのかもしれません。

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