メニュー

競走部

« 特集に戻る

2014.12.22

【連載】『集大成』 第2回 安井雄一

 第2回はことし鳴り物入りでワセダの門を叩いた1年生の安井雄一(スポ1=千葉・市船橋)。夏合宿を機に著しい成長を遂げた新戦力に東京箱根間往復大学駅伝(箱根)への意気込みも交えながら、今季を振り返ってもらった。

※この取材は11月26日に行われたものです。

「積極的なスタイルは貫きたい」

取材に応じるルーキーの安井

――上尾シティマラソン(上尾ハーフ)から1週間半経ちますが、現在の調子はいかがですか

上尾ハーフがこの秋のシーズン初めてのレースで久しぶりのレースということもあり、いま少し疲労が溜まっている状態です。

――トラックシーズンの方はいかがでしたか

はっきり言って良い結果は出せず、自己ベストも出せず、関東学生対校選手権(関カレ)も1500メートルで出場させていただいたのですが予選落ちだったので、トラックシーズンは自分の中ではあまり良くなかったなと思います。

――関カレでは初めての公式戦となりましたが、改めて「W」を背負うプレッシャーなどは

ワセダのエンジのユニフォームは凄く重みがあるというのは先輩方も言っていましたし、今回は100年の歴史というのが詰まっていたので責任感というか、そういうのが非常に伝わってきました。

――入部から8カ月経過しましたが、ここまでを振り返えってください

初めての寮生活ということもあり、色々と新鮮なこともあったのですがいまはしっかり生活リズムにも慣れてきて、自分の立ち位置などもようやく分かってきたところです。

――自分の立ち位置というのはどのように考えられていますか

僕が1年生ということで、寮内であったら掃除など基本のことをやる上で部にどう貢献すれば良いかというのが分かってきました。

――入部当時と意識に変化などはありましたか

入部した当時は大学生の先輩方は本当に速いですし、他の大学に関しても記録会などでレベルの違いを感じていたのですが、しっかり練習してくる上で徐々に大学のレースにもついて行けるようになれたかなと思います。

――積極的なレーススタイルが特徴ですが、誰かについて走るというよりは自分でレースを展開する方が得意ですか

そうですね。中学校の時からずっと先頭を走るスタイルで行っていて、誰かにつくというのは凄く苦手です。ただ、大学となると実力もレベルも全然違い、先頭に立てるような余裕がなかったので、練習などで人につくことを意識してどのように後ろにつけば良いか考えながら練習していましいた。最近では人につくことが苦手ということはなくなったのですが、レースでの積極的なスタイルはこれからも貫こうと思います。

――スパート勝負についてはいかがですか

僕は積極的にガンガン行ってしまうタイプで力尽きてしまうのがいつものパターンなので、どちらかというと不得意な方ですね。

――以前足の違和感で早大長距離記録会を棄権されましたが、ケガに対しての意識は常にありますか

そうですね。ケガについての意識は常に持っています。この前の違和感というのはケガというほどでもなく、週に1回は治療院に行ったりお風呂上がりのストレッチだとか、そういう日々のケアはしっかり怠らずにやってきたので良かったと思います。

「早大の1年は光延だけじゃない」

――春先にスタミナ不足を課題に挙げていましたが、夏合宿でも意識して練習に取り組まれたのですか

大学生になると30キロ走などが当たり前になってくるのですが、夏合宿ではスピードを出さないジョギングの練習であったとしても、長い距離を走ったり、時間を長めに走ったりだとか取り組んだので、その積み重ねのおかげで、まだ少し不安は残っていますが少しずつなくなってきたと感じています。

――合宿中に高校との違いを感じたことは何かありますか

全てにおいて違っていて高校は監督がミーティングを行ったり、練習メニューの指示というか各自でジョギングするなどはないのですが、大学は合宿でも自分で考えて練習をする場面が多かったので、その点において違いを感じました。

――1年目の夏合宿の成果はいかがですか

大きく言えば自信ですかね。春は全然結果も出せなくて、自分はやっぱり弱いんだなと思っていたのですが、夏合宿を一生懸命行っていく上で先輩方にも追いつけるようになって、そういう面で自信がつきました。

――逆に課題として残してしまったことはどういった点でしょうか

夏合宿は自分で言うのも何ですがほぼ完璧にこなせたので、課題というものはないかもしれないのです。ただ、合宿中でも膝の違和感だったりとかそういうのがあったのでケガの予防をもっとやらなければと思いました。

――いつ頃BチームからAチームへ上がられたのですか

3次の岩手合宿というのがあるのですが、それに選ばれればもうAチームというかたちなのでBチームにいる時にしっかり練習が積めて、それが評価されて岩手合宿に連れて行ってもらえて、そこから出雲全日本大学選抜駅伝(出雲)のメンバーにも選ばれました。

――2次合宿中はAチームに上がることはなかったが、3次合宿からAチームということですか

そうですね。

――3次合宿では距離走などをされると思いますが、苦労などはありましたか

1、2、3次とある合宿の中で3次合宿が一番きつくて、全員同じメニューで練習するのですが、レベルの高い練習で辛かった部分は多かったですね。

――光延誠選手(スポ1=佐賀・鳥栖工)などは日本学生対校選手権で結果を残されて同じ3次合宿に参加された訳ですが、合宿中の練習で意識はされましたか

春先から光延にはずっと負けっぱなしで結果もしっかり出していて、他の大学など世間から見て「ことしの早大の1年は光延だけだな」という声がちらほら聞こえていてとても悔しい思いをしていたので、岩手合宿で一緒になり絶対に負けたくないなという思いで練習に取り組みました。結果、練習では一度も負けることなく取り組めたので良かったと思います。

――出雲、全日本大学駅伝対校選手権(全日本)共にサポートに回られて悔しい思いをされたと思いますが、どのような事を考えながらサポートされていましたか

出雲は結果的に中止となってしまいましたが、全日本ではシード圏外の8位となってしまって、先輩方など走った全員が悔しい思いをしていたのですが、そこに居ない自分というのがもっと虚しいというか、自分はチームにとってまだ無力だなと感じながらサポートしていました。

――その悔しさは集中練習や箱根へのモチベーションとなっていますか

はい。まずその悔しさを上尾ハーフで晴らそうと思っていて、上尾ハーフでは良いとは言えないのですが、ある程度しっかり結果を出すことができたので良い流れでというか、集中練習も「今度は絶対箱根のメンバーに選ばれてやる」という気持ちで取り組んでいます。

――集中練習で意識して取り組んでいることは

集中練習は練習も大事なのですが、昨季のワセダを見ても故障者がすごく多く出ているという話を聞いたので、まずは故障しないことを一番に考えて取り組んでいます。

――普段の練習でも自己新記録を出しているとお聞きしましたが、今季の目標タイムに挙げている5000メートル13分台、10000メートル28分台への手ごたえは

13分台、28分台というのは自分の中でも出さなければならないタイムであって正直、早大長距離競技会の際に28分台を狙っていました。結局出場はできませんでしたが、練習で見ても手ごたえはあります。

――箱根では20キロという長い距離になりますが、不安などは

上尾ハーフで初めて21キロを走って後半凄くペースダウンをしてしまったので、後半への不安はありましたがコーチからもしっかりこの集中練習を乗り切れば大丈夫だからという言葉をいただいたので、集中練習にしっかり取り組めば大丈夫だと思っています。

――後半のペースダウンを改善するために取り組んでいることはありますか

後半ペースダウンしてしまったのは、やはり1年生ということもあり無知なのであまり気にしてはおらず、次の課題は何だろうとか何かに取り組まなきゃということはないですね。与えられた練習をしっかり行って、後は筋力トレーニングなどを行っています。

――以前、「山よりも平地が良い」とおっしゃっていましたが、渡辺康幸駅伝監督(平8人卒=千葉・市船橋)から上りに強いとお聞きしました。改めて山への興味は

渡辺さんからもよく「お前、山向いている」とおっしゃっていただいて、いまは山本修平さん(スポ4=愛知・時習館)という大エースがいますが、来年から「誰?」となったら居なくて、一度山練習をしたのですがその際に結構楽に上れたというか凄く手ごたえをつかんだので、任されるなら次からは僕が5区を走ろうと思っています。

――ことし5区以外で走ってみたい区間は

全区間走りたいです。どこでも与えられた区間は走りたいですね。

「笑顔で終わりたい」

上尾ハーフで好記録をマークした安井。箱根では持ち前の積極的な走りが期待される

――箱根を控えて緊張や不安などはいかがですか

箱根には出たいですけれど、僕はまだどちらかというと箱根で結果が出せるような実力はないと思っているので、もし選ばれる方向性になってきたら凄く緊張もすると思いますし、そこらへんはしっかり先輩方に相談して乗り越えたいなと思っています。

――上級生からアドバイスをいただくことはありますか

昨年は平さん(和真、スポ2=愛知・豊川工)だとか武田さん(凜太郎、スポ2=東京・早実)などは1年生でも区間上位で走られていて箱根までのアドバイスなどは結構教えていただいて、「集中練習をしっかりと完璧にこなせば絶対に大丈夫」と言っていただきました。

――渡辺監督の直属の後輩にあたりますが、何か特別に言葉を掛けていただくことなどはありますか

特別に言葉を掛けていただくことはないのですが、よく練習後などに声を掛けて下さって、この前母校の市立船橋高校が全国駅伝を決めた際には「やりましたねえ(笑)」みたいな会話をしました(笑)

――現在のチームの雰囲気は安井選手から見られていかがですか

箱根に向けた集中練習に入り、もう抜けたりだとかケガできないなという凄い緊張感がありますね。

――箱根でのチーム全体の目標は

やはり総合優勝することが目標だと思います。

――個人の目標を教えてください

もし任されたら区間3位以内で走ることが自分の使命かなと思っています。1年生だからというのもあれなのですが、やっぱり1年生なので他の大学の方々も凄く実力がありますしそこに食らいついて行ければ良いかなと思います。

――他大学で特に意識されている選手はいますか

特に意識している選手は居ないのですが、やっぱり同学年の選手には絶対に負けたくないという気持ちがありますね。

――上尾ハーフの際に同学年の工藤有生選手(駒澤大)が好記録を残し、悔しがっていた印象がありましたが

工藤は高校時代、僕も全然知らなくていきなり出てきた選手だったので正直驚いているのですが、だからこそいままで全国で頑張ってきた自分にとっては非常に悔しいことなので負けたくないですね。

――以前、ライバルとして名前を挙げていた川端千都選手(東海大)はいかがですか

>川端もしっかり力をつけていて一緒に走らないと分からないですけれど、オーストラリアにも一緒に合宿に行った仲でもあるので凄くライバル意識はありますね。

――箱根ではここを見てほしいというアピールポイントは何かありますか

僕はそんなに特徴がないです(笑)積極的な走りが特徴と言っていますが、箱根駅伝になると自分の走りを貫くというよりはチームのことを考えないといけないので、ここを見てというのはないですけれど、確実にタスキをつなぐ走りといいますか、1年生らしくチームに勢いを与えたいなと思います。

――最後に、箱根への意気込みをお願いします

総合優勝に向かって、田口さん(スポ4=秋田)だとか山本さんは一年浪人してワセダに入ってきてまだ一度も勝ちを経験していないということで、4年生には笑顔になってほしいという思いは後輩みんなが感じていることなので、4年生のためにという訳ではないのですが総合優勝して笑顔で終わりたいなという思いがあります。

――ありがとうございました!

(取材・編集 菅真衣子)

箱根への意気込みを書いていただきました

◆安井雄一(やすい・ゆういち)

1995(平7)年5月19日生まれ。170センチ、56キロ。千葉・市船橋高出身。スポーツ科学部1年。自己記録:5000メートル14分09秒39。ハーフマラソン1時間3分30秒。母校である市船橋高校の全国高校駅伝出場(都大路)を喜んでいた安井選手。特にことし800メートルで高校新記録を樹立した前田恋弥選手には「中距離選手だが長い距離も強い」とその実力に太鼓判を押していました。その市船橋は前田選手の大活躍もあり、21日の都大路で6位入賞。母校の勢いに安井選手ものってほしいです。

« 特集に戻る