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2014.10.29

【連載】『伝説を刻め~Make Legend』 第4回 重信慎之介

 今季、不動のレギュラーに定着した重信慎之介(教3=東京・早実)。代名詞の俊足だけでなく今季は打撃面でも大きな成長を見せている。ワセダの切り込み隊長として早慶戦でも重要な役割を担う重信に今季の成長の要因、盗塁への意識などを伺った。

※この取材は10月24日に行われたものです。

迷いを断ち切った秋

今季好調の打撃について語る重信

――今季は打撃、守備どちらの面でも成長されたと思うのですがご自身の手応えはいかがですか

守備に関しては外野手なので内野手の選手ほど際どい球は少ないですが、フェンス際のプレーなどはうまくいきました。外野手として当たり前のプレーを当たり前にするというのをいつも心掛けているのですが、それはできたと思います。打撃に関しては春のオープン戦が良かったのに春季リーグ戦では全然ダメで、それが悔しかったので秋季リーグ戦は何とかしたいという思いがありました。夏のオープン戦では春同様、調子が良くてチームで一番打てて、かたちとしては春とまったく同じ心境でリーグ戦に入りましたね。それで法大戦でいきなり、2本打っていいかたちでスタートできたので、うまく今回はのれました。あと自分の打撃フォームが固まりましたね。そこが春との違いです。

――春はフォームに試行錯誤されていたのですか

そうですね。迷いがありました。さぐりながらやっていましたね。

――それを夏の間に改良したということですか

改良というよりも、フォームを固めました。

――以前から引きつけて打つというのを意識されていますが何か関係はあるのですか

まず大きく違うのは、バットをさらに短く持ち始めて、コンパクトにスイングするようになったことです。いままではどうしても強い打球を打ちたいというのがあって、思い切り振って力んでいましたが、そうじゃなくてバットのヘッドを走らせることで強い打球を打つというふうに意識するようにしました。それで引きつけて打つという感じです。コンパクトにスイングするのでスイングスピードは速くなりましたね。

――フォームを固めるというのは夏にされたのですか

固めるというよりも、春のシーズンでも取り組んでいたのですが結果がうまく出なくて、迷いが生じていました。夏はその迷いをなくすためにひたすらそのフォームで取り組みました。その結果、自分に迷いがなくなったので、固めるという表現を使いました。

――1日何回バットを振ったなどはありますか

回数よりは満足いくまでという感じです。体が疲れている時であっても納得いくスイングができなければ納得いくまでやります。でも例えば10回でもし満足できたらそれで終わりにします。

――春はリーグ戦で15個と飛球が多かったという印象があったのですが、それが秋は現在4個とほとんどありません。これは重信選手にとって良い指標になると思うのですがいかがですか

もう飛球を上げたら自分はもう意味がないので、長打があるわけでもないですし。ゴロ性の打球を打てば内野安打だったり足が速い分相手の失策を誘えたりするので、飛球が減ったというのは自分にとってはいいことですね。

――飛球が減ったというのは先程のフォームを固めたことにつながるのですか

やっぱり引きつけて打つとバットヘッドが下がることがないのでそれで、減ったのだと思います。

――打率が現在リーグ4位と目に見える結果で成果が出ているというのはいかがですか

率直にうれしいですね。

――首位打者への意識はいかがですか

まだいけると思っています。

――明大戦のあとから少し、調子を崩したというお話がありましたがどのように修正されたのですか

明大戦に関しては力みがありました。東大戦でもたまたま安打になってくれたという感じです。でも調子がいいというときは自然に安打が出るものともいうので、そういうことなのかなとポジティブに捉えました。できるだけプラスに、プラスに考えて、迷いが生じないようにして立大戦に臨みましたね。立大2回戦も安打は出なかったですが、こういう日もあるとポジティブに考えていたら3回戦(の好結果)につながりました。

――ことし3年生になってから不動のレギュラーになったと思うのですが試合に出続けられて変わった点などはありますか

その辺は特にはないですかね。試合に出ればやるべきことは塁に出ることだけなので。

――打点がチームで2位の6打点ですが、好機でも心構えなどはありますか

とにかく積極的に、甘い球がきたら打ちにいくという感じですかね。そういう場面が来たら、「ここで打ったらヒーローでしょ」と思っています(笑)。

――いつも強気な言動やポジティブな発言が多いですが、ネガティブに考えてしまうことはないのですか

打撃で打てない時が続くと、ネガティブになるというよりもかなり練習をしますね。そして試合の当日はやるしかないというふうに気持ちを持っていきます。

――そういった自信の裏付けというのはやはり練習ですか

練習してないと自分自信が一番不安になりますし、打てないともっと練習をやっとけばよかったなって思うので、自分で納得するまで練習して、打てなかったらもうしょうがないです。

――打撃の面で現在、課題などはありますか

ちょっと三振が多いですかね。そこを凡打でも良いのでなんとかゴロにしたいです。

「足では誰にも負けない」

打点はチーム2位と勝負強さも誇る

――具体的な試合の話に移らせていただきます。立大戦からはこれまでの2番ではなく春から切望していた1番を打つようになりました。1番というのを告げられた時の心境はいかがでしたか

試合前にロッカールームで言われたのですが、「おお来たな!」という感じでした(笑)。

――2番と1番の違いというのは

2番だと前の打者が早めに終わったりすると自分は早めに終われないので、粘って粘って、というのがありました。前の打者が長く投げさせても、初球を打ちにいくことは2番だとなかなか難しかったですね。1番だと初球からいけるのでそこは大きいですね。

――立大1回戦の9回に適時打を放たれました。負けてしまいましたが次の日につながる得点だったと思います。あの場面を振り返られていかがですか

しびれましたね。あの場面って9回2死満塁フルカウントっていう野球をやった人なら誰もが想像したことあるしびれるシュチュエーションだと思うんですよ。ああいう場面で回ってくることってまずないですし楽しかったですね。

――立大3回戦では2死から出塁して、盗塁して河原右京(スポ3=大阪桐蔭)選手の適時打で本塁に帰ってくるという場面がありました。重信選手の良さが出た場面だったと思うのですが

そうですね。その先制点の場面もそうですし、勝ち越しの場面もそうですけどやっと仕事できたなっていう感じです。やりたいことがかたちとしてできました。チームとしてもああいうのを臨んでいるのだと思います。

――勝ち越しの場面の盗塁などはギリギリのプレーでした。ああいった場面でスタートを切るときはどんな気持ちなのですか

立大3回戦にいくまでは盗塁が一つしかありませんでしたが、自分が走らなきゃ勝てないと思っていたので、3戦目に入る前に絶対どこかで走るぞと決めていました。なので、あの場面で塁に出たときに絶対盗塁するってもう腹はくくっていました。1球目は向こうの捕手も肩に自信があるので外してくると読んで走らなかったのですが、そしたらボールになったので次は絶対ストライクを投げると思って走りにいきました。

――立大戦までで盗塁が1つしかなかったというのはなぜですか

走りたかったのですが、場面がなかったですね。前に走者がいたり、点差が開いていて走る場面じゃなかったりしたことが多かったので。

――いま盗塁の話がありましたが、重信選手と言えばやはり俊足というイメージがあります。やはり足には自信がありますか

足では誰にも負けないですね。スピードには自信があります。

――1年生の時は代走で15試合に出られていました。その経験というのはいまに生きているのではないですか

正直かなり大きいですね。1年生の時は二塁手だったのですが中村さん(奨吾主将、スポ4=奈良・天理)がいて諦めていたわけではないですが試合に出るのは難しいと思っていました。だったら先を見据えて盗塁ができる選手になろうというのをその時に决めていて、それでもうほとんど練習は盗塁の練習ばかりでした。1年生なのに4年生の優勝かかった試合で代走として出て、盗塁を期待されている中で走るというのは普通に試合に出るよりも緊張しましたね。あの時の経験はいまにすごく生きています。

――盗塁のコツなどはありますか

一番大事なのは気持ちですね。ビビったらもうスタートを切れないです。

――同じ俊足の選手としては後輩の中澤彰太(スポ2=静岡)選手がいますが、今季は少し苦しんでいます。何かアドバイスなどはされますか

盗塁面ではスライディングが甘いかなというのはあります。スライディングで減速してしまっているので、そこは言いました。

――きょねん目指す像が青木宣親選手(平16スポ卒現ロイヤルズ)というお話がありましたが、きょねんより少しでも近づけたなどはありますか

そうですね。自分の打ちたかった逆方向の打球がかなり増えましたね。それに追い込まれてから厳しい球にもついていけるようになりました。

「借りは返します」

――いま3年生で主力として活躍されているのが、河原選手と茂木栄五郎(文構3=神奈川・桐蔭学園)選手ですがどういった仲なのですか

けっこう仲良くて、ふざけてますねいつも。特に河原とは一緒にネタを考えたりしています(笑)。

――4年生はどんな存在ですか

かなり大きいですね。精神的にも。寮内でもお世話になっています。特に土屋さん(遼太副将、教4=東京・早実)は高校、大学の学部と同じなので一緒に授業を受けたり、よくご飯に行ったりしています。かなり自分のことも理解してくれていますし、すごく大きい存在です。でもそういった土屋さんとか小野田(俊介、社4=東京・早実)さんとか早実の先輩だけでなく、中村さんとか武藤さん(風行、スポ4=石川・金沢泉丘)とかにも最後の早慶戦なのでいいかたちで終わってもらいたいというのはありますね。

――その4年生で組まれているクリーンナップは強力です。やはり重信選手の出塁というのが重要になってくると思いますが、いかがですか

そうですね。自分が出れば中村さん、武藤さん、小野田さんと続くのでどこかで打ってくれると思っています。

――日頃の取材からも重信選手は出塁について並々ならぬ意識を持たれている印象を受けます。

そうですね。そうしないと選手としての良さ、価値が出ないので。死球でも失策でもなんでもいいので塁に出たいです。

――早慶戦は昨季悔しい思いをされました。今回はどういう気持ちで臨まれますか

まずは絶対優勝したいです。借りは返そうと思います。

――春の早慶戦は優勝決定戦ということで盛り上がりましたがいかがでしたか

楽しかったですね。気持ち良かったです。

――意識されている選手はいますか

いないです。ただたまに代走で出てくる原田直道(3年)は同じチームでやっていたことがあるので出てきたら楽しいですね。

――春は早慶戦で2盗塁されましたが、やはり盗塁は狙っていますか

そうですね。機会があればいきます。それが仕事なので。

――では最後に早慶戦への意気込みをお願いします

借りは返します。

――――ありがとうございました!

(取材・編集 石丸諒)

重信

◆重信慎之介(しげのぶ・しんのすけ)

1993年(平5)4月17日生まれのB型。172センチ、68キロ。東京・早実高出身。教育学部3年。外野手。右投左打。自分にとって早慶戦とは、という色紙の言葉に「早慶戦」と書き込んだ重信選手。早実時代も含めてワセダ歴6年の重信選手にとって早慶戦とはほかの言葉では形容できないほど特別な試合のようです。

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