応援部

2014.10.23

【特集】『集大成に誇りを懸けて』仁熊佑太代表委員主将×木暮美季

 年に2度の絶対に負けられない戦い、早慶戦まで早くもあと2週間を切った。野球部だけでなく、応援部にとっても4年間の集大成となるこの秋の一戦に、幹部はどのような気持ちでいるのだろうか。今回はケイオーに対する意識、早慶戦の魅力や意気込みなどいくつかのテーマに関して応援部の幹部、仁熊佑太代表委員主将(創理4=埼玉・早大本庄)と木暮美季(法4=埼玉・早大本庄)に語っていただいた。

※この取材は10月9日に行われたものです。

「ライバル心と友情の表裏一体の関係」

笑顔で取材に応じて下さったお二人

――入学前のワセダとケイオーそれぞれのイメージは

仁熊 私は早大本庄出身で、ワセダの附属校でした。そして、弟が慶應ニューヨーク学院で。ですので、高校のときからずっとライバル関係ですね。ケイオーと言ったら自分にとって永遠のライバルです。

木暮 私も仁熊と同様、早大本庄出身で。高校に入るまでは早慶とかを意識したことはなかったです。大学の応援部を意識し始めると、高校の応援部にいたときも、ケイオーの応援部はどんな応援をしているのかと、どういう存在か気になる存在になりました。大学では一年から、スポーツでも応援でもケイオーに勝つようにと言われてきて、自分も上級生になるにあたって下級生に言うようになっていました。

――ケイオーの應援指導部との関係は

仁熊 六大学の中で一番中のいい2大学と言ったら、ワセダとケイオーです。早慶戦という大きい舞台もありますし、その前にはケイオーの應援指導部が早稲田にマラソンで走って来たり、逆にワセダの応援部が三田まで走りに行くということもします。そのような練習も日頃からやっていて、早慶の中はものすごくいいです。しかし、いざ戦いになったらライバル同士で、どうしても勝ちたい相手となります。

木暮 そうなんです。早慶戦前に限った練習で、三田マラソンというものをやっています。向こうに行くと、ケイオーが出迎えてくれて。逆に翌日には早稲田マラソンでケイオーが三田から早稲田まで走ってきます。お互いを激励し合う感じのイベントですが、そういうことをするのは早慶くらいですね。私は六大学の連盟委員長を務めているということもあり、六大学のつながりがすごく好きで色々な大学と仲良くさせていただいているのですが、ケイオーというのはやはり特別です。どこにいても顔を合わせると言いますか…よく犬猿の仲とは思われているのですが、一番仲が良く、「ご飯行こう」となったりするのはケイオーが多いですね。ただ、真剣勝負となったときは、ケイオーだけには負けたくないという気持ちは常にあります。ライバル心と友情の表裏一体という関係です。仲良いが故に本気でぶつかれるのかなという気がします。

――部同士以外のときのプライベートでは

木暮 食事や飲み、遊びなどにも行っています。毎年、早慶のリーダー卒業生でどこか卒業旅行に行っています。スキーや日光などの国内旅行が多いのですが、今年はタイに行こうなどと話したり。プライベートでも仲がいいです。

――早慶戦にまつわるエピソードは

木暮 先ほどにも上がりましたが、自分が一年生のとき、練習中に慶應が早稲田マラソンに来て、お互い練習を中断し応援歌をぶつけ合うということがありまして。そのときの両校の幹部の気合がすごく、とても格好いいという印象を得ました。ですので、今年もやりたいなと。一年生の時に感じた早慶の4年生の格好良さを忘れられません。


――マラソンは野球早慶戦の前になる度に行われるのですか

木暮 はい。毎早慶戦前なので、年に2回行われます。三田―早稲田間で、15キロちょっとくらいです。全員で走るのでとてもあっという間な気がしますね。早稲田から走って行くと終着地点に東京タワーが見えて、テンションが上がります。

仁熊 六本木のビル街なども通ります(笑)。

木暮 走っていくと、通行人がみんな振り返りますね(笑)。


――デモンストレーションや試合での学注はいつ考えているのですか

仁熊 いつものリーグ戦では、2、3個は用意しています。スタンドの雰囲気に合わせたり、試合展開を見ながらアドリブで考えています。前から用意するものと指揮台で考えるもの、それぞれあります。ただ準備ができていないと、頭から出てこずに何を言ってるのか分からなくなってしまったりと大変なときもあります。

木暮 例えばデモンストレーションなどであれば用意しておけるのですが、試合中に早稲田が失点したりして観客席が沈んでしまっているときなどは、ぱっとその場で考えなくてはならないので、頭をフル回転させなくてはいけないです。準備するとしたら大体、前日ですね。こんなことを言いたい、とか。その他は普段の生活で、ぱっと出てくることもあります。

仁熊 神宮に行くときは、その電車内で頭をフル回転差させてずっと考えています。神宮に着いて、スケッチブックに書くという感じで。そういうことも多いです。


―――学注の上手い、下手はありますか

木暮 間のとりかたなどですね。口べたで苦手な方なのですが、上手く喋ろうと心がけつつも、早口になってしまったりとか。そうするとお客様に伝わらない学注になってしまいます。

仁熊 自分結構上手いです。事前に考えたときは結構うけるのですけど、全く考えてないと、何を言ってるんだという感じになってしまいます。メリハリが大事です。

木暮 練習中も、走りながら参加している全員に面白いことを言ったり気合の入るようなことを言う練習もしています。極限の状態で考えてものを言う練習が学注につながっていると思います。


――リーダーの好不調はどこに表れますか

仁熊 私はジャンプに表れます。リーダーも足上げのジャンプをするのですが、調子がいいときは高く飛べるのに悪いとうまく飛べなかったり。また、最初の発声で観客席まで声がなかなか広がらないときであったり、テクの乱れにも好不調は表れるかもしれません。また、上手く飛ぶためにジャンプの練習はチアリーダーズがやっているジャンプなので教わったりしています。家だと下の人にご迷惑をお掛けしてしまうので戸山公園などでやっています。

木暮 学注には顕著に表れるかもしれないです。また、私はコンバットマーチの持久力などですね。私はコンバットを売りにしたいと思っているのですが、それでも調子の良し悪しがあらわれてしまいます。後は、7回エールの校歌は、自分のステージだとも思っていて、相手のスタンドも自分に注目するというところでは、気持ちも高まります。


―――今シーズンで一番調子が良かったのは

木暮 苦しい戦いでしたけども、初戦の法政戦です。自分がセンターの回でたくさん得点が入ったので良かったと思っています。

仁熊 自分は明治戦です。観客を盛り上げて選手に声援を届けたいとずっと思っていて、頑張れました。結果は残念ながら負けてしまったのですが。

――4年生となって迎えた春の早慶戦はいかがでしたか

仁熊 本当にいつものリーグ戦と比べて観客席が埋まっていて、また普段神宮になかなか足を運んでくれない学生の皆さんも多く来場してくれました。そういう学生の皆さんに、「本当に応援っていいな」って思っていただけるように頑張りました。後はやはりいつもより人が多く、またいつもと違ってマイクの使用により声が球場全体に響くので、緊張は本当にしました。

木暮 高校時代から、大学野球の早慶戦は規模が違うという印象を抱いていて、「いつかあの舞台に4年生として立つ日が来るんだな」と思っていましたが、思っていたよりもあっという間にその日が来たというのが感想ですね。4年間やってきて良かったな、と思いましたが、負けてしまったときは本当に1週間以上引きずりました。早稲田祭と被ってしまうなど、なかなか好条件がそろわないのですが、秋こそは『早稲田の栄光』を歌いたいですし、春よりもいい早慶戦にしたいと思っています。

夏を越えて

稲穂祭への取り組みを語る仁熊

――早慶戦とは話が変わりますが、ことしの夏合宿はいかがでしたか

仁熊 なかなか天候に恵まれない合宿で、晴れたのは最終日だけでしたね。そんな状況だったので、熱中症などは大丈夫だったのですが、逆に神宮での暑さへの耐性が無くなってしまうという弊害もあります。ですが、やっぱり涼しかったので、やりやすかったと思います。

木暮 新人が初めて参加した合宿で、軽い怪我はあったのですが5人全員が乗り越え、秋のリーグ戦で成長した姿を見ていると、合宿が力になってくれているといいな、と思いますね。また、新人が部員に昇格するのは12月なので、まずは夏合宿を乗り越えたことはうれしいですね。

――ことしの新人の印象はいかがですか

木暮 キャラクターが濃いというのもありますし、垢抜けない感じもありますね。可愛い存在です(笑)。

――他の学年に関してはいかがですか

木暮 3年生はいま9人いるのですが、個性が強いですね(笑)。ですが、1人1人得意分野があり、束になれば怖いものはないと思います。秋のリーグ戦、そして来年も頑張ってほしいです。2年生は、そんな3年生の下でやっているので色々大変だとは思いますけれど(笑)、みんなすごく誠実に色々こなしてくれるので、いまの時期を大切にして、部を運営する立場となる来年に備えてもらいたいです。近年まれに見る人数の多さで、来年も2人以上は必ず入ってくると思うので、どんどん盛り上げていってほしいですね。

――いままでの合宿と比べ、ことし変えようと思ったことは何かありますか

仁熊 自分は3年の春までは吹奏楽団として合宿を迎えていたのですが、夏からはリーダーとして参加しました。その練習の際、下級生がきつい練習をしているのを、前の方で幹部の方々が見守っているという場面がありました。ことしはそれを変え、幹部であっても部員の1人なのだから、一緒になって走るなど、共に練習する機会を増やすように心がけました。

木暮 下級生よりも運動量が多いのではないかと思うくらい、一緒になって動いていましたね。私はサポートする側だったので、1人1人の体調に常に気を配っていました。

仁熊 ランニングのようなトレーニングの際には、必ず遅れるグループが出てきます。立場上自分は先頭に立たなければならず、後ろの方に気を配れないので、そういうときも木暮がサポートしてくれましたね。

――合宿の際に食事のしきたりがあるとお聞きしたのですが

木暮 3年生以下が準備をするのですが、箸の向きなどにも注意を払います。また、4年生を席まで案内する役も新人は担いますね。最後に1番前の席に主将が着いてからいただきますの挨拶をします。大学によっては、食事中に一言も喋ってはいけなかったり、幹部が全て食べ終わるまで待たなければならないところもあるのですが、早大の応援部では食事を楽しむ場だと考え、下級生も積極的に幹部に話しかけていますね。

仁熊 他の幹部と下級生が楽しそうに話している中、僕は1番前の席に一人で居る関係上、1人でぽつんと食べています(笑)。

木暮 主将が箸を置いたら、みんな一斉に箸を置かなければならないんですよね(笑)。

仁熊 そうなんです。夏合宿ではやらなかったんですが、箸を置いた後におもむろにみかんを取り出して再び食べ始めるという、フェイントのようなこともしましたね(笑)。寂しいので、そういうところでしか関われないんです。

木暮 主将の食事が早すぎたときは、「ちょっと待って!」と文句を言うこともあります(笑)。

――合宿を乗り越えて迎えた今季はいかがですか

仁熊 下級生のやっていることにまとまりがでてきましたね。合宿はそこを意識して行ったので、良かったと思います。

木暮 新人に関してですが、春の時点では自分のやるべきこと、やらなければならないことがあまり分かっていませんでした。ですが、合宿を乗り越えたことで、自分の役割・使命が分かったようで、自分で考えて行動する姿勢が見られるようになりました。それは本当にうれしいですね。

――稲穂祭でことし特に力入れている部分は

仁熊 開催が平日ということもあり、一昨年まで稲穂祭は半分くらいしか席が埋まっていない状態でした。ですが、昨年はAKB48の高橋みなみさんをお招きし、会場が満席となりました。もちろんことしも満席にしたいと考えていて、高橋みなみさん、デーモン閣下、そして応援部OBのしまぞうZさんをお招きします。稲穂祭というのはリーダーの舞台ではなく、野球部の壮行会ということで、ステージを盛り上げることも重要だと思いました。ですので、そういったゲスト関連で特に力を入れましたね。当然のことなのですが、だからといって早慶合同の応援ステージで手を抜いているわけではなく、ケイオーと綿密な打ち合わせを重ね、いいものを作ろうと頑張っています。

――見どころは

仁熊 早慶戦の前夜祭ということで早慶合同でステージを作って観客も大隈講堂を満員にして。本当に前夜祭として盛り上がるので、観客の方も一緒になって盛り上がって楽しんでいただけたらと思います。

木暮 12月に一応引退ではあるのですが、実質一番大きな応援というのが早慶戦で。最後の神宮が11月2日で終わりなので、その前にある稲穂祭というのもまた特別なもので。早慶で作り上げる最後のステージなので早慶、同期と下級生同士とも早慶の関わりというのを再認識して楽しんでやりたいと思います。

「早大生で良かったと実感できる場所」

早慶戦の魅力を語る木暮

――早慶戦の魅力は

仁熊 やはり永遠のライバルであるケイオーと、ケイオーとの一戦を応援できるというところです。あとは学生が本当に多く集まるということですね。その多くの学生の中で一体感のある応援を行えることで自分が早大生であることを再認識できますし、そういうところが魅力だと思います。早大生で良かったと実感できる場所だと思います。

木暮 規模の面もそうですね。早慶戦では自分の大学も相手の大学も校旗を4本ずつ揚げるのですが、それには人数が必要で。人数が少ない大学もある一で、お互いにそれができるということがすごいことなんだなと思いますし、内外野にステージがあるということも通常のリーグ戦では考えられないことなので。早慶戦に向けてデコレーションがあったりですとか、早慶戦のために特別にグッズも販売されます。ワセダで良かったというのはもちろんですが、早慶で良かったな、と。どこにも真似できない規模で長年続いてきた長い歴史の末裔(まつえい)にいま自分がいるんだな、すごく貴重なことだなと思っていて。応援でも野球でも色々な面で負けたくない、と自分の大学の名前に誇りをもってぶつかり合えるというのは早慶戦ならではの気合といいますか。そういうことをかみしめながら最後まで今回もやりたいと思います。

――早慶戦まで残りわずかですが、自分たちの活動も終わりに近づいているという感じはありますか

木暮 カウントダウンされている感じがしますね。通常リーグ戦も残るは立大戦のみなので。早慶戦はある意味別物という意識があるので、通常リーグ戦はもう終わってしまうんだというのを思うと神宮に行くのもあと何回なんだ、ということは常に脳裏にあります。

仁熊 早慶戦が4年生リーダーにとって一番大きい最後のステージであって。そこに向けての通常リーグ戦も立大戦が最後ということで、それが終わったら一つ一つの練習が最後になってくるので。そういうところで自分にしかできないこと、自分がこの一年リーダーで責任者だったり応援部の主将をやっていた証といいますか、自分にしかできないことをやりたいと思っています。本当にもうカウントダウンを自分の中でも感じていて。最後引退するとき、後悔のないように全力で全ての活動に取り組みたいと思っています。

――最後に早慶戦への意気込みをお願いします

仁熊 幹部最後の戦いというか、本当に自分が1年生の吹奏楽団だったころから4年間かけて考えてきた応援だったり、そういうものの集大成なので。本当に後悔することのないように、自分の考えていること、下級生のことからやりたいと思っていた応援を全てやり、観客をまとめ、野球部に応援を届ける。そして野球部に早慶戦で勝ってほしいと心から思います。

木暮 大学の応援部自体が高校のときからの憧れで。高校のときはチアリーダーズだったのですが、高校生のうちから、あの指揮台にいつか立てたらと思っていました。その長年思ってきたことがついにかなって、でももう最後なんだなと思うと感慨深いです。色々なことが下級生時代にあり、つらいことも苦しいこともあったのですが、ここまでやってきてよかったなと春は思ったので、全て出し切り、振り返ってみてもあれ以上はないと思えるように、自分の中の全てを出し切りたいです。あとは私たちのみならず4年生は最後なので、平成26年度の幹部が全員、最後本当に勝って良かった、応援できて良かった、最後全員で校歌を歌えて良かったというように全員が感動して終われるようにしたいですね。野球部のプレッシャーを拭い去れるような応援をして、応援部がついているという事を常に内外野から届けて選手の背中を押せたらなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 伊能由佳、落合修平、難波亮誠)

早慶戦への意気込みを書いていただきました!!

◆仁熊佑太(にくま・ゆうた)(※写真左)

埼玉・早大本庄高出身。創造理工学部4年。最近早稲田で一人暮らしを始めた仁熊主将。ラーメンをいかに安く美味しく作れるかを試行錯誤しているそう。ちなみに秘蔵のレシピはネギとニンニク、札幌の塩ラーメンがベストだそうです。確かに美味しそうで、納得です!!

◆木暮美季(こぐれ・みき)(※写真右)

埼玉・早大本庄高出身。法学部4年。最近のマイブームはとの問いに、「本を読んでいます。本屋に行って大人買いします」といきいきと語ってくださいました。夜に小説を読むと感情移入して寝れなくなるため、昼間に小説を読むとのこと。本当にはまっているのですね!!