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水泳部

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2014.05.23

【連載】水泳部ルーキー特集 第3回 坂井聖人/競泳

 この春、ワセダに頼もしい新戦力が加入した。昨年の男子200メートルバタフライ高校総体王者にして、世界ジュニア選手権で2位に入った坂井聖人(スポ1=福岡・柳川)。ワセダデビュー戦となった4月の日本選手権でも初の表彰台に登り、その大器の片鱗を見せつけた。バタフライの『新エース』の期待を背負うルーキーにこれまでの競技生活について、ワセダ入学の経緯、大学4年間の意気込みを聞いた。

※この取材は4月24日に行われたものです。

ワセダとしての第一歩

笑顔で取材に応じる坂井

――入学から1カ月近くとなりましたが、大学の生活には慣れつつありますか

そうですね。最初の方は緊張感もあって、なかなかうまくいかない部分もあったんですけど、いまはだいぶ慣れてきました。

――福岡から合流したのはいつ頃だったのですか

3月の3日くらいだったと思います。

――そこからずっとワセダで練習を

そうですね。

――4月はいきなり連戦となりました。まず日本選手権を振り返って

日本選手権はできれば(パンパシフィック選手権、アジア大会の)代表権を取りたかったですけど、初のシニアでのメダルだったのでうれしい気持ちもありました。

――日本選手権はワセダとしてのデビュー戦でもありましたが、どんな意気込みで臨まれましたか

まずワセダとして恥じないタイムを出すということを頭に入れて泳ぎました。

――男子200メートルバタフライでは1分56秒台で3位。どういった自己評価になりますか

できれば1分55秒台が欲しかったので、それはやっぱり悔しいです。

――派遣標準記録まであと一歩でしたね

次にジャパンオープン(ジャパンオープン2014)があるので、そこでリベンジしようと思います。

――そのとき優勝したのが瀬戸大也選手(スポ2=埼玉栄)。坂井選手にとっては大学の先輩にもあたりますが、どんな存在ですか

ライバルでもありますし、チームメイトでもありますし、練習も一緒にしてますし、切磋琢磨(せっさたくま)してやれているかなと思います。

――一緒に練習して感じる瀬戸選手の良さとは

瀬戸選手はやる時はやるので、そこを見習いたいと思っています。

――ことしは日本選手権(25メートル)でも3位となりました。長水路と短水路で得手不得手はありますか

僕はターンが苦手なので、短水路だとそこで出遅れてしまうんです。なので長水路の方が得意かなと思います。

――その中で短水路を泳ぐ際に工夫していることはありますか

やっぱりターンが遅いので、練習ではターンを速くするように意識してやっています。

――そして日本選手権の翌週にあった東京六大学春季対抗戦(六大学対抗戦)では、1日で多くのレースに出場されましたね

六大はちょっと調子が悪かったんですけど、でも初めての六大学だったので良い経験になりました。

――六大学対抗戦で印象に残ったレースは

チャレンジレースがやっぱりすごかったですね。リレーとか。

――今後は坂井選手もそのリレーメンバーとして泳ぐことになるのでは

そうですね。(メンバーに)入れるように頑張ります(笑)。

――大学対抗戦は初の経験だったと思いますが、どんな印象を持たれましたか

正直あそこまで盛り上がる感じになるとは思っていませんでした。始まってみたら盛り上がりがすごかったので、驚きました。

――坂井選手もご自身のレース以外のときは一緒に応援されていましたね

はい、楽しかったです(笑)。

――この2試合では上級生の方たちとも笑顔でお話しされている姿がよく見受けられました。早くもチームに馴染んでいる印象があったのですが、雰囲気はいかがですか

多分僕は(1年生の中でも)先の方に入ってきていたので、他の人よりチームに馴染めている感じはあるかもしれないですね。

――ここまで高校と大学の違いを実感することは

練習で泳ぐ回数が高校のときと比べて少し減ったと思います。ウエイトなどをやっていて疲労がたまりやすいので、その部分で休む回数も増えてきました。変わったのはそれくらいですかね。試合はいつも通り臨めています。

――メニューなども高校まではやっていなかったものが多いのでしょうか

驚きはありませんでしたが、向こう(=福岡)でやっているメニューとは全然違いました。

――4月の2試合で出た課題とは

この前の日本選手権では前半は楽に入れたんですが、ラスト50メートルで失速してしまったので、そこが課題かなと思います。

――100メートルバタフライについはスピードのなさが課題だというお話もされていましたが、今後どのように強化していきたいですか

深谷皇さん(平26スポ卒=現富士通)は抜けてしまったんですが、瀬戸大也選手がいますし、瀬戸選手と競い合ってやっていくことで100メートルのペースも上げていけたらいいなと思うので頑張ります。

――名前が挙がった深谷選手はバタフライのエースとしてワセダを引っ張ってこられた方でした。坂井選手はその後継者としての期待もかかっているのではないでしょうか

僕にやれるのであれば、できれば深谷さんの後継ぎとしてやっていけるレベルくらいまで頑張っていこうと思います。

――深谷選手とは3月は一緒に練習されていたのですか

そうですね。

――深谷選手はどんな方ですか

話しててすごく面白いです。でもメイン練習のときの気迫が一人すごいので、そこは見習いたいです。

憧れの先輩を追って

バタフライの大型新人として期待が懸かる

――ここからはこれまでの競技生活についておうかがいします。水泳を始められたきっかけは

お兄ちゃんが水泳をやっていて、僕も一緒に始めました。

――幼い頃のエピソードはありますか

小さい頃はあまり良い思い出はないんですよね。練習していて壁にぶつかったりして、よく怒られていました。昔からターンが得意じゃなかったんです(笑)。

――専門種目がバタフライになったのはいつ頃ですか

小学6年生くらいです。最初は個人メドレーをやっていたのですが、平泳ぎが遅かったのでコーチに「バタフライをやった方がいい」と言われたことがきっかけでバタフライの選手になりました。

――柳川高入学後は1年時から男子100メートルバタフライで高校総体優勝。それまでと変わった点はありましたか

生活などは特に変わっていないんですけど、食事の管理は意識し出して、レース前にあまり肉をガツガツ食べないようにとか。そういったところは意識して変わっていきました。

――食生活に気を遣うようになったのは自主的にだったのでしょうか

いや、コーチに言われてだったと思います。

――それが成績につながっていると実感することは

はい。やっぱりそうだと思います。

――そして3年時には男子200メートルバタフライで高校総体優勝、世界ジュニア選手権2位、国体優勝など華々しい成績を収められました。飛躍の要因は

(高校総体で)200(メートル)は優勝できてうれしかったんですけど、100(メートル)で獲れなかったのは心残りです。その後の世界ジュニアだったり、国体だったりはもっとカバーできるように頑張りました。

――トレーニングで変えた部分はありましたか

トレーニングについてはメニューはあまり変えていませんでしたけど、質をもっと上げるようにしていました。

――国際大会に出場して感じたこと、刺激を受けたことは

外人の選手はレース前はあんまり集中しないんです。喋ったりしていてあまり集中しているように感じられないんですけど、日本人だけ下向いて静かに気合を入れてて…。さすがに招集場で前に立ったりすると目の色が変わっていて、その切り替えがすごいなと感じました。

――坂井選手も海外の選手に話しかけられることもありましたか

たまに話しかけられたりするんですが、自分が話せないので、何を言っているのか分からないんですよね(笑)。

――ドバイ遠征の思い出は

お金持ちの国なので、みんな金銭感覚がおかしいなと思いました。スーパーもまとめ買いみたいな感じでみんなが買っていて。あとはブランド店ばっかりですし、高すぎて手が出せなかったです(笑)。

――高校時代に特に意識していたライバルは

豊川高校の安江貴哉(日大)を意識していました。

――そういった他大の選手とも連絡を取られたりしているのですか

連絡とかは取ったりしないんですけど、大会とかで会えば話しますね。

――ワセダに入学を決めた理由は

一つは瀬戸選手と泳げるということ、あとは深谷さんがいたことです。決め手はそこですかね。

――環境への不安はありませんでしたか

ワセダの環境は抜群なので、そこに関してはあまり不安はありませんでした。

――実際に練習に加わってみて、ワセダの雰囲気はいかがですか

ワセダの水泳部はまとまっていると思いました。月に何回かは学内、学外のメンバー全員が集まって一つのメニューを合同練習したりもしていますね。

――寮生活も始まりましたが、特に苦労されていることなどはありますか

やっぱり掃除ですね。1年生が基本的にみんな掃除をすることになるので大変です(笑)。廊下とか、食堂担当、洗面所担当とかあるんですけど、毎日40分くらい掃除します。

――食事は自炊だというお話をうかがったのですが、料理にも挑戦されているのですか

最初自炊は全然できなかったんですけど、こっち来てから携帯で(レシピを)ググったりしてだいぶ作れるようになりました(笑)。

――ちなみに今までのところ何を作られましたか

チンジャオロースーとかですかね。あとホイコーローとか。

――すごいですね!

いや、美味しくはないですよ(笑)。

――そこでも栄養面を気にされたりしますか

それもいろいろ調べて野菜は何を取ったらいいのかということを調べたりするんですけど、結局食べれればいいと思って適当にぶち込んでます(笑)。

――授業、練習、自炊をこなすのは大変ではないでしょうか

いまはあまりそういう風には思わないですが、これから思うんじゃないかなと…。きつすぎてご飯作る余裕がなくなるかもしれないです。

――仲の良いチームメイトは

同期の高木遼司(スポ1=大阪・生野)っていう自由形の短距離の選手とは結構遊びにいきます。

――オフの日に出かけるとなるとどこに行かれることが多いのですか

こっちの人間じゃないのでよくわからないんですけど、池袋に行ったりします。

――これまでの競技人生の中で水泳について特に悩んだり、つらいと感じた時期はありますか

あります。基本ずっと思っていました(笑)。中学生のときは辞めたいとしか思ってなかったです。そのときはただ単にきついというようにしか思えなくて、他のスポーツをやろうとか思ったりもしました。でも前のコーチと話し合った結果、続けることにしました。

――憧れの選手は

マイケル・フェルプス(米)というバタフライの選手に憧れて、何回かその人の泳ぎを意識してやってみたことがあったんですが、ちょっと真似できない泳ぎなので、そこから自分の泳ぎでいこうと思うようになりました。

――自身の泳ぎの強みはどんなところだと思っていますか

僕の中では人より大きな泳ぎをしていると思うので、その部分は良いのかなと思います。ただ100になるとどうしてもテンポが上げられないので、短い距離では課題はあります。

――体格の良さを生かすということ以外に技術な部分で現在意識していることは

キャッチの部分を最近意識しています。

――具体的には

キャッチのときにきつくなってくると肘を引く癖があるので、しっかり水をつかんでキャッチして回すということを意識してやっています。

「みんなに応援される選手に」

日本選手権では瀬戸(写真中央)と共に表彰台に登った

――次のレースはジャパンオープン2014です。代表権獲得を目指されると思いますが、どんな泳ぎをしたいですか

周りを見ないでまず自分の泳ぎをしたいと思います。

――具体的な目標タイムはありますか

目標タイムは1分55秒台。できれば55秒0くらいを出して、この前の平井健太君(明大)くらいのタイムを目指していきたいと思います。

――日本選手権の際に瀬戸選手も坂井選手が表彰台に上がられたことを喜ばれていて、「一緒にワセダを引っ張っていきたい」とお話をされていました。もう一つレベルを上げるために必要になることは

やっぱり後半の100メートルだと思います。前半まではよいのですが、後半置いていかれてしまうので後半の強化をしていこうと思います。

――それは体力面での強化ということでしょうか

そうですね。

――ことしの目標は

日本学生選手権で優勝することと、もちろんジャパンオープンで代表権をとることを目標にしてやっていきます。

――ワセダでの4年間の目標は

まずリオデジャネイロのオリンピックに出るために代表権を獲得することです。

――五輪への特別な思いはありますか

小さい頃からずっとテレビで見てきた舞台だったんですけど、いま少しは手に届くかもしれないというレベルまできたので、ここまできたら狙うしかないと思います。頑張ってリオの代表に入ろうと思います。

――リオデジャネイロ五輪までの2年間の構想は

2年しかないので、いまから切り替えて五輪目指してがんばっていかなければならないと思います。

――6年後の東京五輪については考えていることはありますか

その頃にはみんなに応援される選手になっていたいです。リオに出場して、東京ではメダルを取れるくらいのレベルに持っていこうと思います。

――あらためて今後に向けての意気込みを

リオの代表権を獲得して2020年の東京オリンピックに出場はもちろん、メダルをとれるようにいまから頑張っていこうと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 荒巻美奈)

色紙には『チャレンジ』と書いてくださいました

◆坂井聖人(さかい・まさと)

1995(平7)年6月6日生まれのO型。182センチ、72キロ。福岡・柳川高出身。スポーツ科学部1年。専門種目はバタフライ。水泳一筋でやってきた坂井選手。ほかに興味があったスポーツについておうかがいしたところ「バスケをやろうかなと思ったことはあります」というご回答が。身長を生かしてリングに迫る姿も似合いそうですね!

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