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競走部

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2012.09.07

【連載】『頂点へ』 第3回 蔭山愛×紫村仁美

 第3回は競走部女子を引っ張る存在である蔭山愛(教4=神奈川・相洋)と紫村仁美(スポ4=福岡・筑紫女学園)。共に関東学生対校選手権(関カレ)では複数の種目に出場し、全種目で入賞してチームの対校得点獲得に貢献した。二人のエンジ姿が見られるのももう最後。二人が思い描くラストランの姿とは――。

※この取材は9月1日に行ったものです。

「五輪は複雑な気持ちだった」(紫村)

笑顔で質問に答える蔭山
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――日本選手権のあとはどう過ごしていらっしゃいましたか

紫村 日本選手権後はすぐに教育実習が3週間あって、大会には出ずにずっと練習をしていました。教育実習中は福岡に帰っていましたが、そのあとの7月、8月はもうこちらに戻ってきていました。

蔭山 私も教育実習中に日本選手権があったので、大会後は教育実習を続行してその後は日本学生個人選手権に出場しました。

――この夏はロンドン五輪がありましたがどのようにご覧になりましたか

紫村 観てはいたんですけど、(競技時間が日本時間では)夜中だったので結果やハイライトをチェックするくらいでしたね。悔しいなあと思う反面すごいなあという感じで
複雑な気持ちでした。

――ディーン選手(元気、スポ3=兵庫・市尼崎)の応援はみなさんでされたのですか

蔭山 ディーンの応援はみんなで寮に夜中の2時くらいに集まってやりました。

 

蔭山は最後のエンジに特別な思いを抱きレースに臨む

笑顔を見せる野澤

――普段から仲良しというお二人ですが、お互いにどういう印象をお持ちですか

紫村 最初、蔭山は女の子っぽい感じかなあと思っていたんですけど、でも本当はさばさばしていて、几帳面なところも大雑把なところもあって、性格が合います(笑)。似ているところもちょっとあると思います。

蔭山 私は名門の筑紫女学園から来る女の子ということで、成績も良く頭も良くて真面目で、陸上以外はしません、というタイプかと思っていたんですけど、全然そんなことはなくて楽しいことが好きな明るい子でした。第一印象は暗い、堅い、というイメージだったんですけど、いまでは正反対だなと思っています。

――入学前から面識はおありでしたか

紫村 高校時代は一言も喋ったことなかったよね?

蔭山 うん、なかった。

紫村 全国合宿というのが高3の2月くらいにあって、そのときに初めて喋って、それからですね。

蔭山 「アドレス交換しますか?」とか敬語だったよね(笑)。

紫村 そうそう敬語だった(笑)。

――入学した頃のエピソードなどはなにかありますか

蔭山 1年生は女子の短距離が私たち二人だけだったので、ずっと一緒に居過ぎて先輩たちからちょっと離れなさいと言われたことはありました(笑)。

――お二人でお出かけなどはされますか

蔭山 この前スカイツリーに行きました。なんにも下準備をせずに行ったら登れないし、プラネタリウムには入れないし、何にもできなかったです(笑)。

紫村 とりあえず近くの浅草まで歩いて、戻ってきて…。たまたま水族館の整理券だけが取れたのでそれに間に合うように帰ってきて入っただけでした。

蔭山 普段から出かけるときはなんとかなるだろうという感じで行きますね。

――他の4年生の部員の方とはいかがですか

蔭山 夏の間に解散期間があって、その間に短距離だけでしたが男女で集まってバーベキューをしたり、三浦に旅行に行ってみたりしました。女の子だけで飲み会もしますし、わりと仲は良いのかなと思います。

――後輩とはいかがですか

蔭山 スイーツビュッフェが好きで新宿にあるビタースイーツに行ったり、水族館に行ったりしたこともありますし、よく出かけます。

――紫村選手は同じ種目に羽角選手(彩恵、スポ2=北海道・札幌第一)がいらっしゃいますがやはり仲は良いですか

紫村 練習以外でも話したり、お互い食べることが好きだったりするので、趣味も結構合いますしかなり仲は良いですね。

――蔭山選手は仲の良い後輩はどなたですか

蔭山 私も羽角とはよく話します。彼女はハードルが専門ですけど、やっぱり走りがベースになって跳んでいると思うので、そういった点では走りのアドバイスもしますし、土川(萌子、スポ2=栃木・那須拓陽)に関しても同じなので、会話はたくさんします。分け隔てなくみんなと仲が良いです。

――男子の選手とはいかがですか

蔭山 補強など、やはり女子が少ないので男子とやることもありますし、話す機会は良くあります。

――関カレの200メートルでは、レース後に竹下選手(裕希、スポ2=福岡大大濠)と喜び合っているのが印象的でした

蔭山 そうですね(笑)。竹下は色んな距離をやっていて、私たちも同じで彼の気持ちが分かりますし、苦労しているのを見てきて、そういう中でああやって勝ってくれたのでとてもうれしかったです。

――では女子が少ないことはあまり気になりませんか

紫村 やはり大会になると、もちろん人数が少ないと総合優勝は難しくなるので他大を羨ましく思うこともありますね。でも、それ以外では全然女子が少ないことは気にならないです。

真剣な表情で取材に応じる紫村

――お二人が下級生の頃はリレーに出場されていましたが、いまは出場していないことはどう感じていらっしゃいますか

蔭山 正直に言うとリレーは私たちにも責任があって、出られない時期がありました。当時はリレーに対する考え方、ワセダを背負うということがどういうことかということに関して自分たちが未熟で、そういったことも含めていま4年生になってまたリレーをやりたいという気持ちはあるんですけど、いま私たちができることはリレーじゃなくて一人一人がどう勝つか、ということなので。確かに寂しい気持ちはあるんですけど、だからどうこうじゃないのかなとも思えるようにはなりました。

――ここまで大学3年半を振り返って印象に残っているレースはありますか

紫村 女子で戦っている、という気持ちでいたのは2年生のリレーがあった頃ですね。あとはもう個人のレースばかりです。自己ベストが出た時は印象的ですけど、チームとしてはリレーがあった頃です。

――ことしの関カレ200メートルではお二人でワン・ツーフィニッシュをされましたが

紫村 去年から(ワン・ツーフィニッシュしようと)ずっと言っていたので、それが実現できて本当にうれしく思います。

蔭山 どんな形でも、どっちが1位でもいいからとにかくワン・ツーしようというのは本当にずっと話していました。あのときは紫村が調子が良かったので、ワン・ツーできるかは私次第だと思って、あんまり1週目は調子が良くなかったんですけど、決勝では紫村の勢いに上手く乗せてもらえました。すごく印象に残っているレースではあります。

――紫村選手は4月の織田幹雄記念国際大会(織田記念)で学生新記録を樹立されましたが、そのレースについてはいかがですか

紫村 あのレースの感覚、走った感じもまだ残っていて、あれをもう一度みんなの前で見せたいなと思っているので、最後の日本学生対校選手権(全カレ)でそれを実現したいです。

 

「最後の雄姿をしっかりと見て頂きたい」(蔭山)

紫村は恩返しの走りで女子対校得点3位以内を狙う

――4年生になってここが変わったなと思うところはありますか

紫村 一番上ということで、チームを引っ張らないといけないなという気持ちはあります。下手なレースはできないですし、責任感を持とうという意識は強くなりました。

蔭山 私も責任というのはよく問われるんですけど、そればかりを追い求めているとのびのび走れないのかなと思うところもあるので、きょねんくらいからは二人で欲張らずにいこうという話をしてレースに臨んでいます。織田記念の前も紫村がどうしようどうしようと言っていたんですけど、大丈夫だからいつも通りやっておいでと声をかけました。逆に、4年生になったからこそ自分らしいレースをするというのも意識するようになりました。ワセダの競走部として走ってきた4年間を背負いながらできるようになったのが一番変わったところかなと思います。

――ワセダを背負って走る最後の大会である全カレまであと一週間ですが、いかがですか

紫村 まだあまり実感が湧いていなくて緊張もしていないんですけど、そのときになれば(気持ちが)盛り上がってくると思います。いまはそんなに意気込んでいるというわけではなくて、いつも通りです。

蔭山 私も同じですね。夏はわりと走りこんだというのもありますし、あとは当日走るだけだと思いますね。

――コンディションはいかがですか

紫村 まだあと1週間あるので、そこ(当日)にピークを合わせていくかたちでいまはまあまあです。これからしっかり仕上げていきたいです。

蔭山 私たちは多くの種目に出るので、そういった面も考えながら準備はしなきゃいけないと思っています。体力もそうですし、気持ちの面も調整していかないと途中で切れてしまったら大変なので、そのへんをあと1週間でやっていきたいです。

――お二人とも3種目ずつ出場されますが、それぞれ目標と意気込みをお願いします

紫村 3種目とも必ず決勝までは行って、まず得点に絡むこと。1点でも多く獲得していくことですね。今回は対校得点の総合3位以内を目標にしています。ハードルは
もちろん優勝したいですし、100メートルと200メートルは自己ベストを出したいですね。

蔭山 同じようにまず得点に絡むこと、1点でも多くとることですね。記録がうまく出れば順位もついてくると思うので、記録もどんどん出していきたいですね。

――最後に、いままで応援してくださった方々へメッセージがあればお願いします

紫村 4年間、ずっと応援してくださった方もいると思うので、そういった方々にしっかり恩返しをしたいです。恩返しをするにはまずは自分が笑っていないといけないと思うので、レースが終わったあとに笑っていられるような走りをしたいです。

蔭山 立派なことを言ってくれたので私からは特にないんですけど(笑)。最後のエンジになるので自分自身思い入れも強いですし、女子は本当に全員が最後のエンジになるのでしっかり雄姿を見て頂けたらなと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 浜雄介)

蔭山(左)、紫村

◆蔭山愛(かげやま・めぐみ)

 1990年(平2)8月21日生まれ。161センチ。神奈川・相洋高出身。教育学部4年。自己記録:100メートル10秒82。200メートル23秒99。400メートル53秒83。この対談前に行われていた男子4年生対談の話になると蔭山選手は「牧野はちゃんと話せたのかなあ」と同級生の牧野選手の人見知りを心配していらっしゃいました。しっかりお話しいただきました!

◆紫村仁美(しむら・ひとみ)

 1990年(平2)11月8日生まれ。166センチ。福岡・筑紫女学園高出身。スポーツ科学部4年。自己記録:100メートル障害13秒15。100メートル11秒94。200メートル24秒01。蔭山選手が可愛くて大好きという熊本県のご当地キャラクターくまモンに対し、紫村選手は「目が全く可愛くない。同じ九州出身だけどくまモンは全然好きになれない」と厳しい評価。似た者同士でもカワイイの感覚は違うようです。

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