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2014.04.05

【連載】『~挑戦~ 逆襲への第一歩』 第1回 有原航平

 昨秋、最優秀防御率のタイトルを獲得した有原航平(スポ4=広島・広陵)。大学ナンバーワン右腕の呼び声も高く、不動のエースへ成長している。今回はその投球の秘訣、さらに六大学でのライバルや今季の抱負について伺った。

※この取材は2月12日に行われたものです。

力まずに投げる

エースの誇りに懸けてマウンドに立つ有原

――昨年を一言で振り返るとどのような年でしたか

昨年は悔しいというのが一番ですね。順位もそうですし、秋も個人の防御率は良かったのですが、シーズン序盤にケガをしてしまって。そういう意味で悔しい一年でした。

――納得いかなかったというのはチーム成績に結びつかなかったというところもありますか

そうですね。一年間で6勝しかしていないので、もっと増やしていかなくてはいけないと思っています。

――逆にここは納得がいったという点は

秋にケガが治ってからは粘り強く投げられたので、それは良かったと思います。ランナーを出してもなかなか点を取られなかったというところですね。

――要所を締めるということですね

はい。

――ピンチになると気持ちが切り替わるのでしょうか

いつもピンチにならないようにしているのですが、なっちゃうので。切り替わるというより、もっと集中するという感じです。

――集中するためにされていることはありますか

土屋(遼太、教4=東京・早実)や中村(奨吾主将、スポ4=奈良・天理)が声をかけてくれるので、それを聞いて、熱くならず冷静にいけば大丈夫だと思っています。

――相手打者との相性というのは意識されますか

3年間投げてきたら明らかに打たれているという打者もいるので、そういうときは考えてしまうこともありますね。

――春季から秋季で変えた点はありますか

あまり無いのですが、力を入れずに投げるということを意識しています。

――力まないということですね

そうですね。力んでもボールはいかないので。

――何割くらいの感覚で投げていますか

7、8割くらいですね。

――全力投球はあまりやらないのですか

大事なところは力が入ってしまいますが、基本的には力を抜いて軽く投げています。

――変えるきっかけはありましたか

ケガをしたときに、力が入らないというのもあって、秋の立大戦から軽く投げてみようかなと。

――その影響か、秋になって投球回数も増えたと思います

そうですね。でももっと(投げたいです)。小宮山さん(悟特別コーチ、平2教卒=千葉・芝浦工大柏)にも、もっと投げないといけないと言われて。

――小宮山コーチからはどういったアドバイスを受けているのでしょうか

ことしの練習が始まる時に、最後の学年だから悔いが残らないようにということを言われました。

――小宮山さんはワセダのエースとして先輩にあたりますが、その姿は参考にされていますか

今実際に投げていらっしゃるわけではないというところはありますが、アドバイスをくださるので参考にしています。

――早大野球部の伝統ということは意識されますか

そうですね。11番というのはエースの番号で、皆さんが成績を残されている番号です。自分はまだ(成績を)残していないので、ふさわしい成績を残していきたいです。

――伝統はプレッシャーになりますか

自分はあまり感じない方なので、それは大丈夫です。

――春季から秋季へほぼ全ての面で個人成績が良くなりましたが一番うれしかったと思う成績は

防御率もそうですが、四球の数が少なくなったことが守りのリズムにつながったかなと思います。制球も春より秋の方が良くなったので。

――制球と力を抜くということは関連していますか

いや、それはあまりないですね。

――昨季の最終登板となった慶大一回戦があわやノーヒットノーランという試合(1安打完封)でした

最初の方(3回)でバント安打をされてしまったので、意識していなかったです。意識していたら力が入ってしまったかもしれないのでちょうど良かったですね。

――あのバント安打が無ければという気もしますが

そうですが、まだまだ練習しろということだと思います。

――春の東大一回戦も途中まで無安打でした

あれは意識しました。7回まできたので。意識すると打たれちゃいますね。

――安打を打たれた瞬間というのは

まさかできるとは思っていなかったので、打たれて当然かなと思いました。

主将と副将はベストの人選

時折笑顔を交えつつ語る

――現在、チームは新体制へ移行されている段階だと思いますが、中村主将の印象は

しゃべる方では無いので、プレーで引っ張るという主将ですね。でもいいと思います。

――具体的にどのあたりがいいですか

あまり言わない中で、たまに言うと締まるところですね。

――今までに印象に残った言葉ありますか

投手と野手は練習が違うのであまりわからないですが、影響力はあります。

――バッテリーを組んでいる土屋選手が副将になったというのはいかがですか

土屋は下級生の時からまとめる役割でしたね。だから主将が中村で副将が土屋というのはベストなのかなと思います。

――中村選手が主将というのは適任ですか

そうですね。やはり中村しかいないと思っていたので。

――秋季早慶戦の事前インタビューで有原選手自身が後輩にアドバイスしていきたいということをおっしゃっていましたが、アドバイスはされていますか

それは継続的に続けています。吉永(健太朗、スポ3=東京・日大三)だったり内田(聖人、教3=東京・早実)だったりとか、竹内(諒、スポ2=三重・松阪)、吉野(和也、社2=新潟・日本文理)もベンチに入って、下級生が頑張ってくれないと勝てないのでアドバイスはするようにしています。

――投手陣のリーダーとしての自覚ということでしょうか

それはあまりなくて、自分がしっかり練習していれば後輩もやるので、意識することなく普通にやっています。

――今はどういったところに重点を置いて練習されていますか

いまは体力強化で、メニューはきついですが最後まであきらめないという思いでやっています。

――きつい練習ですか

きついですね(笑)。体力的にもそうですが、寒いので。

――一番きついメニューは

投手でリレーのようなことをやるのですが、負けず嫌いが多くて(笑)。みんなでうまく力抜けば楽なのですが、どうしてもきつくなります。

――足は速い方ですか

そこそこですね。

――一番足が速いのは

やっぱり吉永君じゃないですか(笑)。(通りがかった吉永選手に向かって)足が速いのは吉永君(笑)。

――新1年生も合流されていると思いますが、話はされましたか

実戦の投球などは見ていないのでわからないですが、後輩の柳澤(一輝、スポ1=広島・広陵)が来ているので頑張れよという風に声をかけました。

――練習は別ですか

一緒のグラウンドにはいますが、メニューは別です。まだ体力強化という感じですね。

――下級生や同期で期待している選手はいらっしゃいますか

(即答で)同期は安達(公亮、スポ4=埼玉・早大本庄)です。いい球を投げているので、オープン戦などでしっかり結果を出してベンチに入ってほしいですね。下級生は、吉永、内田は当然なのですが、竹内に頑張ってほしいですね。仲良いので(笑)。コントロールをちゃんとしてもらわないと(笑)。

――アドバイスもされますか

左投げというところで違いがあるので、アドバイスというよりは仲良くやっています。

法大・石田は友でありライバル

――昨年末には広陵高校のOB会に出席されたそうですが、いかがでしたか

プロ野球選手がたくさんいらっしゃって、その中で仲のいい先輩としゃべったりして、純粋にすごいなと思いました。

――どういう方とお話しされたのでしょうか

明大卒の野村さん(祐輔、現プロ野球・広島東洋)や早大卒の土生さん(翔平、平24スポ卒=現プロ野球・広島東洋)とか、高校から直接プロ入りした中田さん(廉、現プロ野球・広島東洋)です。カープの人が多かったのですが、小林誠司さん(現プロ野球・読売)とも少ししゃべりました。いろいろ刺激を受けて、もっと頑張ろうと思いましたね。

――法大の石田健大投手ともお食事されたそうですね。そういった記事を見ると石田選手が有原選手はよく食べると評されていました

自分はよく食べるので(笑)。らいねんまた頑張ろうという話をして。崇徳高から亜大に行った大下(佑馬)とあともう2人で行きました。中学からの知り合いなので、久々に集まって愚痴話もして、しゃぶしゃぶをいっぱい食べました(笑)。

――石田選手とは中学から仲がいいのですか

高校の時はあまり会わなかったので、仲良くなったのは大学入ってからです。

――やはり石田選手はライバルになってきますか

そうですね。地元も一緒で、石田も下級生の頃から投げているので。

――その他、意識する選手というと

石田と山﨑福也(明大)はやはり同学年なので、食事に行ったりもして、エース同士負けられないです。あとは明大の福田(周平)ですね。広陵高の同級生で、打たれているというのもあって。それから広陵の後輩の上原(健太、明大)も。あいつはめっちゃ良い投手なので(笑)。秋も危なかったですし、負けられないという思いはあります。

――山﨑選手とも食事に行かれたりするのですか

石田ほどではないですが、全日本の合宿で一緒になったときなどは行っていますね。

生命線は直球と制球力

――春季リーグで狙っていくのは第一先発の座でしょうか

そうですね。でも狙っていくというよりは、そこで投げると思うので、1戦目を絶対取ってその後投げるくらいの余裕を残したいです。

――1戦目ということに関して自信はあるということですね

1戦目で投げると思います。そういうつもりでやっています。

――他の投手はライバルになってこないですか

そこで負けていてはいけないなと思います。

――エースとして残したい成績は

絶対5勝、6勝して、優勝しないといけないと思います。

――最終的な目標は個人成績よりも優勝ですか

はい。個人成績が良ければ結果は出てくると思うので、優勝したいですね。

――昨秋は打線の援護の少なさに泣くという試合もありました

打線は打てる日と打てない日があると思うので、1点取ってもらったら抑えるという気でいます。

――先制点を与えないということですね

そうですね。頑張って、先に点取ってもらえるまで我慢するということです。

――ご自身の打撃としては

好きにやっているので、当たればいいなという感じです(笑)。

――きょねんは本塁打もありました

本塁打はまぐれですね。まあでも打てればいいかなと思います。

――目標は

特にはないですが、好機でしっかりバットを振りたいと思います。

――現在、ドラフト候補としてマスコミからも注目されていますが、戸惑いはありますか

特にないですね。自分はやることやるだけなので。

――ご自身の記事が載っている本や雑誌は読みますか

ちょっと見るぐらいです(笑)。

――注目されることは嫌いではない

悪い気持ちはしないですね。でももっと頑張らなくてはいけないなと思います。

――将来的にプロ入りという目標は前々からおっしゃっているところですが、プロ入りに向けてやっていくことは

結果をもっと出していかないといけないと思っています。5勝6勝というのと優勝という結果があれば評価も変わってくると思うので、そこを大事にしたいですね。

――今かなりスカウトからの評価が高いと思われますが自信はありますか

秋にちょっと良かっただけで、まだまだ成績的にも足りないと思うので、この春に結果を出して狙っていけるようになれればいいなと思います。

――近いところでは大石さん(達也、平23スポ卒=現プロ野球・埼玉西武)の6球団競合ということもありましたが

そこまでいくのは厳しいですね(笑)。上位で指名されるように頑張りたいと思います。

――投球面で生命線になってくるのは直球でしょうか

直球と、制球力ですね。

――その持ち味の直球というのは成長している実感がありますか

球も速くなっていますし、シュートせずにまっすぐいくようになっていると思います。

――変化球で一番自信のある球種は

自信があるのは直球なのですが、変化球だったらチェンジアップですね。

――強化していきたい球はありますか

特にはないのですが、全部の球種で制球をよくしたいなと思います。

――オープン戦やキャンプへ向けての意気込みは

結果というよりは1試合1試合に課題を持って、その課題を達成していきたいです。

――最後に春季リーグに向けての一言をお願いします

優勝するというのは最大の目標なのですが、その中で優勝するために一つでも多く勝ち星を積み上げられるように頑張っていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 三尾和寛)

有原

◆有原航平(ありはら こうへい)

1992年(平4)8月11日生まれ。189センチ、93キロ。広島・広陵高出身。スポーツ科学部4年。投手。右投右打。法大・石田選手らと食べに行ったしゃぶしゃぶは有原選手の一番の好物だとか。食べ放題の時間いっぱいまで食べ続けるそうです。その食欲がパワーの源ですね。

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