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ラグビー部

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2013.11.14

【連載・第5回】『NO LIMIT』小倉順平×岡田一平 ―ワセダを支えるHB―

 守備、攻撃の道筋をつける重要な役割を担っているポジション、SHとSO。息の合った連携を見せ、その活躍が光るのはSH岡田一平(スポ2=大阪・常翔学園)とSO小倉順平(スポ3=神奈川・桐蔭学園)のハーフ団コンビだ。ワセダのHBはチームをどう見ているのか。先日の帝京大戦、お互いのプレー、この先の戦いについてお話を伺った。

※この取材は11月6日に行ったものです。

充実の寮生活

リラックスして取材に応じる小倉(写真左)と岡田

――寮ではどなたと部屋が一緒ですか

小倉  一緒だよね。

岡田  そうですね。

――お二人だけですか

小倉 あと金くん(正奎、教4=大阪・常翔啓光学園)です。僕は1年半一緒です。部屋長を決めて、その人が後輩を選んで決めます。

――お部屋は楽しいですか

小倉  僕は変わらず楽しいですけど。

岡田 正奎さんとは1年生の前期に一緒だったので、特に緊張もなく楽しく過ごせています。

――オフの日は食事を一緒にしたりしますか

岡田 オフじゃない日のほうが一緒に行きますね。昼とか自分たちで食べるので、そういうときによく連れてってもらったりしています。

――お二人は学校で会うことはありますか

岡田 きょうも授業が一緒でした。

――お互いの私生活の印象はいかがですか

岡田  僕と一緒で横着かもしれないです。

小倉 金くんと僕と一平の机が3つあるんですけど、僕らの机は同じように汚いんですけど、金くんだけきれい。ちょっと違うんですよ。やっぱり違うよね?

岡田 正奎さんが僕ら2人に、「きれいにせい」とか言うことが多いです。

――小倉選手から見た岡田選手はいかがですか

小倉 パスが下手だよね。

岡田 そっち?ラグビーの方?

一同 (笑)。

課題が生まれた帝京大戦

小倉はキックを課題に挙げる

――先日の帝京大戦を振り返ってください

小倉 キックで負けました。結果論ですけど、PGであれ普通のロングキックであれ、一つ一つの精度の問題で負けたのかなと思います。チーム自体は、FWもよくやっていたし、負けるような要素は特になかったのかなと。キックが一番重要だと思いました。

岡田 個人的なことになるんですけど、あんなに自分の力を出せなかったのは久々というか。春だったら自分の力を出した上でダメだったからもっと練習しようと思ったんですけど、この前の帝京大戦は自分の持ち味や実力を出し切れずに終わったというか。それはチーム全体にも言えることで、ワセダが100パーセント出せれば、勝てるんですけど、逆に100パーセント出せなければ、どこのチームにも負けるようなチームだと思います。自分も力を出し切ってチーム全体も実力を出し切れるようにゲームメークしていきたいです。

――実力が出しきれなかったのはどういう点ですか

岡田 自分でも自信を持っているのがディフェンスのタックルなんですけど、帝京大には全然通用しなかったなと思っています。ディフェンスでFWを動かすのも自分の仕事なのですが、そこでも声も出ず、ただ引いて引いて。最終的に自分も力尽きてしまって交代になりました。

――実力を出しきれなかった原因はなんだと考えますか

岡田 チームをよく見れていなかったと思っています。自分の体調面やコンディションもよかったとは言えないので、その中で自分に目が行き過ぎてFWやチームに目が向かず、指示も怠ったりしてできなかった部分が多かったです。

――小倉選手は3戦ぶりの試合でしたが

小倉 違和感は特になかったです。練習で1週間やったので。

――チームの成長は感じましたか

小倉 そうですね。どんどん良い方向には行っていると思うんですけど、いつも勝ちきれないのが帝京大戦です。チームがずっと伸びていても、相手はもっと伸びているという状況なので。それをどう埋めるのかがこれからの課題なのかなと思います。

――岡田選手は、小倉選手の復帰前は他のSOと組みましたが、組み合わせによってプレーも変わるのでしょうか

岡田 SOが変わって自分のプレーが変わるよりは、お互い要求し合って自分が間島さん(陸、商4=東京・早大学院)や浅見(晋吾、スポ2=神奈川・桐蔭学園)に要求することが多かったと思います。いままでずっと順平さんとやってきたので、順平さんにあって浅見や間島さんにないものは要求して、向こうもどんな球が欲しいとか要求したりして、そこはお互い話し合いながらやっていました。

――小倉選手の復帰に対していかがですか

岡田 実際、合う合わないはわからないですけど、自分の中では一番しっくりくるというか。アピールとかいろいろわかりやすいのはやっぱり順平さんなので。顔見て言えないですけど(笑)。早く帰ってこいとも思っていましたし。

――ペナルティーが明らかに少なくなりました。原因はどんなところにあると思いますか

岡田 日々の練習ですかね。自分自身も普段から気にしていることです。練習でもノーペナルティードリルというペナルティーをしないような練習を取り入れています。練習の成果だと思いますね。

――ペナルティーの多さは、昨季からも課題でしたが、ノーペナルティーを取り入れた練習は今季からということですか

小倉  練習まで取り入れたのはことしの夏からです。夏の菅平合宿でペナルティーが多すぎて、それでドリルが入りました。

――春と夏の帝京大戦では先制するも逆転されていましたが、今回は一度追いつきました。その部分の成長はどう感じますか

小倉  言われてみればそうですね。

岡田 後半の途中からワセダが頑張る時間帯です。自分たちが意識しているのは後半の後半です。後半の中盤で追いつけたというのは自分たちの評価できるところですが、集中力高めて追いつけたところからもうひと頑張り集中するというのが自分たちの我慢が足りないところで、もう一つ課題ができました。その課題が見つかったのはよかったと思います。

――最後の詰めの甘さの原因は何だと考えますか

小倉 同点に追いついたあと、プレーを守り始めたということをキャプテンが言っていました。僕とか一平はいつもどおりやっていたつもりなんだけど、プレー選択がそうなっていたのかなと思います。同点になって落ち着いてしまったという。

岡田 帝京大相手に同点になるのは経験上初めてです。経験がないというのが弱いところです。帝京大に勝てるところまでくるのですが、そこからが自分たちの弱いところですね。

勝たせることこそがHBの仕事

岡田は体の強さを生かしたプレーが持ち味

――つらくなってきたときのゲームメークを、HB団としてどのようにしていきたいと思いますか

岡田  僕は正直、順平さん任せにしてしまっている部分が多いので。自分がつらくてもみんなもつらいので、そこで余計に負担をかけるのは良くないので、少しでも自分で判断してゲームを動かしていきたいと思います。

――小倉選手は負担に感じるところはありますか

小倉 慣れてるんでそれは別に。自分の責任なんで。一平のケツを叩くのが僕の仕事なので。

――ご自分のチームの中での役割を『勝たせる』とおっしゃっていましたが、どういった意味ですか

小倉 真似したの?(笑)

岡田 いつもラグビーを知っている人からは、ハーフ団の大事さについていろいろ言われます。勝つときもハーフ団、負けるときもハーフ団と言われたこともあります。負けたときに責任を感じるようになって、自分の調子が悪かったときにチームが勝てば「よっしゃ!」というふうにもなるし、ワセダのSHとして出るのならやはり勝たせるのが役割かな、と順平さんのアンケートを見て思いました。

小倉 一緒ですね。高校のときから、負けたらハーフ団のせいという教えでした。チームがどう思っているかは分かりませんが、僕はチームの頭脳が9と10だと思っています。一番最初にボールを持ってさばくのが9、そのあと判断するのが10なので、その2人次第です。チームが弱くても9と10がしっかりしていれば勝てるチームはあるとずっと言われていました。自分の役割といったら、勝たせるということしかないですね。

――ハーフ団の相性は重要だと思いますが、いかがですか

小倉 相性ってなんだろうね。

岡田 僕と相性良い人なんていないよ(笑)。

小倉 パスが下手だからね。

岡田 SOが僕に合わせてくれているという印象があって。やっぱり平野さん(航輝、スポ3=長崎南山)や中尾さん(康太郎、スポ3=福岡)よりも距離が近くなるよね。

小倉 一平はパスが下手で、そうすると近くに寄らなければいけないし、自分の位置を正確に伝えなきゃいけないんです。でも平野と中尾は上手いから、ちょっとおおまかにここって言っておけばパスがきます。一平が買われているのは明らかにディフェンスで、僕はそれを分かってプレーしています。日ごろはいろいろ言いますが、パスが下手だからといって試合になったら違和感なくできます。

岡田 僕のおかげで、(小倉の)パスが上手くなってる。

小倉 ずっとこいつ言ってるんですよ(笑)。「僕のおかげでキャッチが上手くなってる!」

岡田 プラスに考えましょう(笑)。

――小倉選手が岡田選手に合わせているということですか

小倉 どうなんですかね。というよりかは、9と10が仲が良いかどうかが大事だと思います。日ごろ話すか、とか。

岡田 確かに。話す量がやっぱり違うね。

小倉 1個下で一番話すのはこいつです。部屋も一緒だしね。

――そのようなことを考えて、金選手は二人を同部屋に選択したのでしょうか

小倉 だとしたら天才だな(笑)。いま聞いたら絶対に「考えてんでー」って言うよね、金くんのことだから(笑)。

――お互いのプレーの印象をお願いします

小倉 パスが下手、ディフェンスが上手いということ以外であれば、これからこいつに追求していってほしいのは、パスというよりFWのコントロールの部分ですね。FWをひっぱって指示を出していってほしいと思います。

岡田 ディフェンスの指示はできるんですが、アタックがね。順平さんは…タックルが結構すごいと思う。周りにはあまりタックルキャラとか思われてないよね、そんなことない?タックルで負けないなと思う。悪い所はあんまり…確かにキックは他のSOの方が飛ぶしね。でもワセダで一番強気なSOだと思います。少しでもいけると思ったら、つっこんできめこんでいくので。うらやましいなと思います。

――プレースタイルは岡田選手も似ているのではないですか

岡田 僕あんまりいかなくないですか?

小倉 こいつ後悔してるんですよ(笑)。いきすぎって言われていかなくなって。

岡田 いって良いときと悪いときがあります。そこを判断できるようになると良いんですけどね。

――お互い成長しているなという面はありますか

小倉 ない(笑)。

岡田 ラグマガの取材のとき言ってたやん!パスが上手くなったって。

小倉 ああ(笑)。前はここらへん(頭からこしあたりまで)で、いまはここらへん(胸部、腹部)あたりに来るようになりましたね。

岡田 順平さんは自分でよく言っているように、考えるようになったと思います。頭を動かしながらプレーするようになったというか。いろいろ指示も増えたし、ダメ出しだけじゃなくて、こうやった方が良いとかアドバイスをくれます。試合中も話しかけてくれるようになって、そこは自分が言うのは後輩なのであれですけど…(笑)。

小倉 別にさっきまで意識してなかったじゃん(笑)。

――チームはどのあたりが成長しましたか

小倉 練習前は各自適当にやっていたのですが、いまは複数で何かをやるというのを自分からやるようになっていて、そういう部分でも良い方向に向かっているのかなと思います。練習以外の部分でも、チーム力が上がってきていると思います。

――その原因は後藤禎和監督(平2社卒=東京・日比谷)の指導ですか

小倉 いや後藤さんはやりたいラグビーを自分たちに落とし込んでいくということをやっています。やっぱりキャプテン(垣永真之介主将、スポ4=東福岡)ですかね。

岡田 よく練習中に集合することが多いです。練習の区切りで集まって、これからやる練習の意味を僕たちみんなに聞きます。それをまとめあげてから円陣を組んで練習に臨むということをやっています。練習に意識して取り組むので、毎回の集中力が上がっていると思います。

さらなる成長を

小倉はBKの成長に手ごたえを感じている

――BKの印象はどうですか

小倉 最初とはかなり変わりましたね。帝京大戦の最初の深津が決めたトライ、ああいうトライを春から見たことがありませんでした。自分で言うのはあれですが、あれこそワセダのトライだなと。CTBも春からすごく伸びてきて、深津もコンバートしてからだいぶマッチしてきて。あとはSHのパスだけ上手くいけば…(笑)。

岡田 (笑)

小倉 いままで本当にBKに自信がなかったです。FWでゲインしてもその分BKが下げてしまった。帝京大戦は本当にだいぶ伸びたなと感じました。

岡田 SHからしたらBKのパス回しは見る側なんですが、春からそこを見ていて、いまは本当にすごいなと思います。特にCTB陣はきわどい部分のパスなどかなり練習をしているだけあって、すごく上達しているなと思います。それが帝京大戦に出たのかなと。全国大学選手権(大学選手権)まで時間があるので、まだまだ成長できると思います。

――FWの印象はどうですか

岡田 スクラムなどすごく練習をしているなと思います。

――垣永主将の印象はいかがですか

岡田 高校時代から見ていて、楽しそうというか、私生活から場を盛り上げています。

小倉 良いキャプテンだと思います。チームが静まってしまっていても、一人だけうるさいし。帝京大戦でもずっと声を出していました。チームにいなければいけない存在だと思います。

――後藤監督の印象はいかがですか

小倉 いま2年目で、やるラグビーは全く変わらなくて。一つのことを貫くなと思います。誰にでも飾らず思ったことは言うし、本当に男の中の男だと思います。

岡田 選手とあまり近くないようで、近いなと思います。普段あまり話していないようで、話すとすごく近くに感じます。いつもは挨拶してもそっけないときが多いんですけど。でも選手と近いか近くないかと言われたら、近いです。

小倉 すごい分かるな(笑)。なんなんだろうね。後藤さんが笑うとすごくうれしいよね。いままでにない人間関係です。監督やコーチに対する不満ってよくあるものなのですが、後藤さんに対しては誰も言わない。言う理由がないんです。自分を持っていて、かっこいいです。

――出げいこではどのあたりを鍛えましたか

岡田 自分たちの課題を見つけにいったというのが正しいと思います。リコーのときはとにかく体の大きい相手に、体をぶつけるということを重点的にやりました。コンタクトの部分では十分通用すると思いましたが、外国人選手に対しては当たり負けてしまったかなとも思います。サントリーで見えた課題は、ペナルティーです。ビデオを見返すと、グレーな部分が多かったです。アタック面ではトライを取れましたし、感触は良かった。リコーもサントリーも練習で得るものがたくさんありました。

――岡田選手は早慶戦・早明戦に初スタメン出場されると思いますが、気持ちのほどはどうですか

岡田 早慶戦、早明戦はテレビのなかの世界で、憧れの世界でした。その雰囲気を味わえるという意味で、楽しみにしています。

――小倉選手からのアドバイスはありますか

小倉 ないです。試合なので、ただいつも通りやるだけです。

――早明戦は『最後の国立』と言われています

小倉 最後になってしまうのはいやですね。観客の動員がことしうまくいけばなと。

岡田 みんなあれだけがんばっているしね。

――一般学生に来てもらうためにはなにをしていきますか

小倉 これから食堂などで販売していくので、来てもらえたら良いと思います。

――Facebookではエンジニアンズがアピールをしています

小倉 出た!四銃士(笑)。一番最後に一人いらない人(垣永主将)いましたよね。ポーズとって(笑)。ドン引きだわ!

岡田 ええんちゃう?(笑)ちょっと面白いのもないとな。

小倉 メイジの(イケメン特集)見ましたか?

岡田 見た!田村(煕)めっちゃかっこよかった。ちょっと腹立ったけど(笑)。

――最後に、早慶戦・早明戦や、大学選手権に向けて意気込みを教えてください

小倉 僕はもうキックだけです。キックだけやります。

岡田 僕はいま要求されているFWのコントロールやパスなど、やることがたくさんあります。経験がまだまだ足りていないので、順平さんに助けてもらいながらレベルを上げていきたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 高橋真耶、田中みずき)

仲の良さをアピールする2人

◆小倉順平(おぐら・じゅんぺい)(※写真左)

1992年(平4)7月11日生まれ。172センチ、81キロ。神奈川・桐蔭学園高出身。スポーツ科学部3年。ポジションはSO。昨年の副将、西橋勇人選手(平25スポ卒=現NTTコミュニケーションズ)のことを勇人、垣永選手のことを真之介、金選手のことを金くんと呼ぶ小倉選手。良い意味でリラックスしており、泰然とした大物っぷりが伺えました。

◆岡田一平(おかだ・いっぺい)

1994年(平6)2月16日生まれのO型。165センチ、77キロ。大阪・常翔学園高出身。スポーツ科学部2年。ポジションはSH。無人島に持っていきたいものに、「仙豆」と答えた岡田選手。漫画『ドラゴンボール』に出てくる、食べるとお腹がいっぱいになる豆だそうです。キラキラした目で熱く語ってくれました。

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