バレーボール部

2013.06.11

早慶戦直前男子部主将対談 早大・吉村康佑主将×慶応・岡田拓巳主将

 早慶戦は野球だけじゃない!両校のプライドをかけて戦う伝統の一戦はバレーボールにも存在する。リーグ戦でも激しい順位争いを繰り広げるワセダの主将・吉村康佑(スポ4=長崎・佐世保南)と慶大の主将・岡田拓巳(商4=埼玉・熊谷)。普段から親交のある二人に早慶戦への意気込みを語ってもらうとともに、チームをまとめる両主将の胸の内に迫った。

※この取材は5月6日に慶応スポーツ新聞会と合同で行ったものです。

早慶戦の意義

――前々からお二人の交流はありましたか

吉村 僕と岡田は、高校のジュニアオールスターというところで会いました。僕は全日本ユースで出て、岡田は埼玉県選抜として出て、そこで交流をしました。

岡田 最初に会ったのはそこだったのですけど、そこで僕が活躍して、そのあとに全日本ユースが世界大会に出る時の選考会に呼んでもらって、そこで実績を残してその後もユースやジュニアの選考会に呼ばれるようになったんです。吉村はもともと選考会に呼ばれるような選手だったので、交流はそこから始まりました。

――いまでも交流はありますか

岡田 そんなに頻繁ではないですけどね(笑)

吉村 試合会場で会ったりしたら話しますよ。

楽しそうに話す吉村(左)と岡田

――お互いの印象はいかがですか

吉村 正直、岡田はしっかりしていて僕とは正反対だと思うんですけど、でも自分が話しやすい感じで岡田と接しているんで、けっこう仲が良いです。

岡田 もともと吉村は僕よりかなり上のレベルでやっていたので、バレーの面で僕が学ぶ面がすごい多かったです。こういうプレーをしたいな、と思うことも多いです。さっき言ったように吉村はフランクに接してくれて、僕も肩の力を入れずに話せる相手なので、そこはすごいありがたいです。

――早慶のバレー部同士で交流はあるのでしょうか

吉村 まだ一回も行ってないよね。

岡田 今度飲み会したいね。OBの方は早慶戦後に飲み会とか開かれたらしいのですけど、そういう伝統が今はないので、今年とかはぜひやりたいです。お互いに4年生なので、最後にそういう交流をもって終われたら良いですね。

――お互いをプレーヤーとしてみるとどのような印象がありますか

吉村 ポジションはオポジットとサイドで少し違うのですけど、岡田は高さもあってすごいパワフルで、球も重そうだし。だから戦うときは厄介というか、マークを外せないと考えています。いつもミーティングでは要注意人物として名前が挙がっています。

岡田 すごいありがたいですね。さっきも言ったのですが、吉村は僕よりも全然上のレベルでやってきて、スパイクの技術もそうなのですけど、サーブレシーブからとか器用になんでもこなせる選手だったので、プレー全体として自分が今のところまでステップアップできたのは吉村のおかげもあると思っています。

吉村 そう言ってもらえるとうれしいです。自分も岡田から学べるところがあるので、残り少ないですけど、そこで学んで次のレベルへ進みたいです。

――お互いのチームについてはどう見ていますか

岡田 僕らのチームは、僕が入学してからメンバーがそろい始めて、やっとワセダがずっといる1部の舞台に立てるということになったので、そういう意味では早稲田はすごい格上という心づもりでしたけど、今はきょねんの実績もありますし、メンバーもお互いによく知る相手となったので、お互いに高め合っていけるライバルとして、絶対に負けられない相手だと思っています。

吉村 自分も僕らの代から1部にあがって、でも1年目、2年目、3年目と早慶戦は3連敗しているので、今年は絶対に勝ちたいです。ことしはワセダのホームで早慶戦をやるので、そこで校歌が歌えるように、頑張りたいです。

――早慶戦をホームでやるというのは、やはり心強いですか

吉村 そうですね、応援にもたくさん来ていただけるし、男のチアリーダー部(SHOCKERS)も今年は呼んでいるので、今年は魅せないといけないかなと思っています。

――リーグ戦と定期戦での早慶対決の違いはありますか

岡田 きょねん、一昨年あたりから広報のスタッフの方たちが早慶戦を盛り上げようとしてくれているので、そういう意味では、普通のリーグ戦よりも場を整えてもらっているので、特に負けられない試合となりますね。

――黒鷲旗はいかがでしたか

吉村 ワセダは東レ(東レアローズ)さん、つくばユナイッテッドさんと当たって、どちらも格上だったということだったのですけど、うまく自分たちのバレーができなくて、すごくもったいない試合でした。でも逆に良い方向へ考えると、新しい課題も見つかって、さらに一つ上のチームになれると思うので、頑張りたいです。

岡田 僕らも大分三好さん、サントリーさん、警視庁さんと格上のチームと戦ったのですけど、どの試合も1セットないし勝ちを得られたというのが成果でした。僕らが力を出し切れば互角に戦えるという自信にもなった試合でしたし、吉村が言ったように上のレベルの人と戦ったからこそ見えた課題もあったので、初めて慶応が出た大会でしたが、とても意義のあった試合だったなと思いました。

主将として思うこと

――チームについて、今季のキーマンはどなたですか

吉村 ワセダは司令塔であるセッターに1年生の山口頌平(スポ1=長崎・大村工)が入って即レギュラーでやっているのですけど、1年生だということでメンタル面での不安はあると思うので、そこは自分たち4年生がフォローしていければ彼の持ち味も発揮できると思います。

岡田 去年の大黒柱であった間宮(秀太、平24卒)さんが抜けたところに入っている益田(万太郎、4年)がキーマンだと思っています。サーブレシーブももちろんなのですけど、僕らのチームはメンタル面が課題であったので、もともとコミュニケーションが上手い益田と一緒に、チームがバラバラになりそうなときにまとめていきたいです。

早大・吉村主将

――話題は変わりますが、オフなどはどのように過ごされていますか

吉村 月曜日がオフなのですけど、僕はほぼ授業ですね。僕は最初、心が緩んだというか、ちょっと休みすぎてしまったので(笑)。今も苦労しているのですけど、授業終わったら同期のやつらとご飯に行ったり買い物に行ったり、リフレッシュしています。

岡田 僕は超インドア派なので、家で過ごすことが多いですね(笑)。

――長期の休みをもらったら、どのようにされていますか

吉村 僕らは同期5人がすごく仲良いので、レンタカーを借りて箱根に行ったり、結構遠出をしたりして、楽しんでいます。卒業旅行とかもできれば良いですね。

岡田 僕らは結構個人主義のところがあって、何人かで集まることもあるのですけど、基本的にはオフにはあまり集まらないですかね。でも、最後の年なので、もし1週間のオフをもらったら同期でなにかしようか、という話はしています。

――吉村選手の趣味は何ですか

吉村 自分は音楽が好きなので、音楽鑑賞とか、あとは買い物とか。僕は外に出るのが好きなので、友達連れて行ったりします。

――どのような音楽を聴くのですか

吉村 そこ聞いちゃいますか(笑)。自分は高校のときからEXILEとかですね。ボーカルの人が僕と同じ長崎出身で、家も近いので、それがきっかけで好きになりました。ライブにも行きたいのですけど、まだ暇がないので、1週間のオフをもらったら同期とかと一緒に行ってみたいと思っています。

――岡田選手の趣味は何ですか

岡田 僕はアニメとかマンガ、あとニコニコ動画を見ながら過ごしています(笑)。そういう風に見えないとよく言われるんですけど、昔から大好きです。

――どんなアニメですか

岡田 何でも見ますよ。深夜アニメも見ますし、仮面ライダーもいまだに朝起きて見てます(笑)。

慶大・岡田主将

――主将としての悩みは

吉村 自分は小学校からバレーをやってきたのですけれど、キャプテンになるのは初めてで、周りの方からも期待されて、新チームが始動した時に「上手くいくのかな」と。選手主体のチームなので、練習メニューや合宿など全てを決めなければならなくて、最初は困ったりもしました。でも、同期がいろんなアイデアを出してくれたりして助けてくれるので、そういった面からしたら、自分は楽をしているのかなと思うのですけど。プレー面でも、副将の本間隆太(スポ4=神奈川・弥栄)やエースの七里幸洋(社4=大阪・清風)が声をかけてカバーしてくれるので。そういった面からしたら自分は助けられているので、今よりさらにチームを引っ張っていければと思っています。

岡田 去年のキャプテンの間宮さんは部内で1番上手くて、カリスマ性のある方だったのですが、僕は部内で1番上手いわけではないので、僕たちも普段はワセダと同じように選手たちで練習を決めるのですが、そこはみんなに助けてもらっています。プレーは今までは自分のことで一杯だったのですけど、そういうのはやめて、自分が主将であるということを頭において、声かけであったり、パフォーマンスでチームの雰囲気や流れの中心にいることを心がけています。

――主将としてお互いに質問してみたいことはありますか

吉村 もし自分が困ったときは、思っていることを周りに相談するのか、それとも主将であるからぱっと決断してしまうのか、どっちかな?

岡田 おそらく周りから求められているのはきょねんの延長線上であると思われているので、やっぱりぱっとキャプテンが決めたことについて行くというかたちが求められていると思うのですけど、僕はそういう感じにはできないというか、確固たるものがあってそれをやるという感じではないので、僕は色々な人に相談をして、そこから最善のものを選んでいくようにしています。周りからは「お前がぱっと決めろ」と言われることもあるんですけど、僕の理想としてはみんなで決めて、最善の方法をとりたいと思っています。

吉村 自分と意見が似ていると思ったので、安心しました。

岡田 負けが立て込むと、練習とかも全部自分たちで決めているから、それが全部自分たちに返ってきてしまってすごく落ち込んじゃうんですけど、そういうときにいつもどう切り替えれば良いのか悩んでしまうので、早稲田ではどうやって切り替えているか聞きたいです。

吉村 ことしから、先輩がいると言いづらいこともあるので、学年ごとにミーティングをして、思っていることを全部紙に書き出して、発表させてそれを4年生がまとめて次の日から実行するということをやっています。ことしは合宿があるたびにミーティングしていますよ。「なんでこの練習をするのか、その目的を教えてほしい」とか本当に率直な意見が出るので、けっこう「うっ」とくるときもあるんですけど、そこはみんなが思っていることであって、チームは同じ方向性を持って練習していかなければならないので、ミーティングは続けていこうと思っています。

岡田 すごい参考になりました。自分たちで練習を決めるのにはプラスの面もあるのですけど、その分マイナスの面も大きくて、そのマイナスの部分をどれだけ取り除くかというのがお互いに課題であると思うので。そういう意味ではこういうメソッドがあれば良いチームになると思うので、学年ミーティングを開いて忌憚(きたん)のない意見を聞かせてもらうというのは大事だと感じました。

会場に響くのはどちらの校歌か

――お互いのチームで特に警戒する選手は誰ですか

吉村 やっぱり岡田・柳田(将洋、3年)という両エースが気になりますね。僕らのチームはブロックが良いという訳でもないし、レシーブが良いチームでもないので、どうやって勝つかというのをいつも考えていて、ミーティングもしているのですけど、やっぱりこの二人がワセダにとっては気になります。早慶戦では3年間負け続けているので、戦い方は見直さなきゃいけないのかなと思っています。

岡田 僕らは七里ですね。ワセダはみんな打力があるのですけど、その中でも1枚で十分に打てる選手ということで、七里に自分の調子でやられてしまったらこちらに不利な状況は必ず来ますし、逆に七里を止められれば僕らに勝つチャンスが増えるので、早慶戦をやる時にはいつも七里をどうするかというところからミーティングを始めたりします。

――ワセダは1部リーグの中でも、サーブが強力なチームだと思うのですが

吉村 サーブに関して特に時間を取って工夫した練習をしているわけではないのですけど、七里は良いサーブを持っていて、自主練でもサーブの練習をしているので、それを後輩たちも見て、真似して早練や後練でサーブを打っているので、チーム全体のサーブへの意識が高くなったのだと思います。

岡田 きょねんワセダと5試合ぐらいやっていると思うのですけど、唯一負けた試合はサーブでやられた試合でしたね。もともとうちはサーブレシーブが苦手という意識があるので、早練や後練でもまずはサーブレシーブをやろうというのは、春が始まる前から言っていたので、今年はワセダのサーブにやられないようにするというのが目標ですね。

――吉村選手にとって、これまでを振り返ってもっとも印象に残っている瞬間は

吉村 自分は去年の秋リーグに慶応と戦った試合です。フルセット、最後は15-13で勝ったあの試合が印象的ですね。慶応がホームだったので、相手への応援がすごくて、1セット目から4セット目までジュースもある本当に良い試合で、「これは負けられない」と思いました。そして最後の最後で勝ってみんなで喜んだのが1番印象に残っています。

岡田 あの日はお互いにすごく良いプレーが出て、どちらが勝ってもおかしくないという試合で、しかもリーグの順位を左右する大事な試合でもあったので、落とした時は本当にショックでしたね。すごい悔しかったです。

――岡田選手にとっての印象に残っている瞬間は

岡田 やっぱり、きょねんの全日本インカレの準決勝が早慶戦だったので、そこで勝てたというのがうれしかったですね。吉村が言った秋季リーグでは悔しい思いをしたので、そういう意味では、全日本インカレの決勝を懸けた戦いで、自分たちが勝つことができて決勝の舞台に立てたということが大きかったです。

吉村 本当はワセダと慶応で決勝をやりたかったのですけどね。結果的には負けたのですが、自分たちのバレーができなかったというのが本音なので、慶応には優勝して欲しかったのですけど。早慶はずっと続くライバルでもあるので、ことしの早慶戦で勝って、そして最後の全日本インカレの決勝で早慶で戦うというのを目標にして頑張りたいです。

――今度の試合はお二人にとって最後の定期戦としての早慶戦になります

吉村 自分はずっと負けているので、素直に勝つぞという気持ち、チャレンジャー精神を持って、とにかく勝ちたいです。ストレートでもフルセットでも、とにかく勝てれば良いと思っているので。観客の方にも良い試合だったと言ってもらえるようにお互いに一生懸命プレーをすることが1番重要だと思います。

岡田 僕らは4連覇という大変な記録を懸けて戦う試合だと思うんですけど、そのために勝つのではなく、一昨年から早慶戦を盛り上げようとしてくれているスタッフの方たちであったり、ファンの方や試合を観に来てくれる友達や家族がたくさんいるので、お互いに良いプレーが出て、会場が何回もどよめいて、会場の空気が一体化した上で、勝利がどちらに転ぶかわからないというような良い試合ができれば、と思います。

――最後に意気込みをお願いします

吉村 盛り上げてくれる人たちや、友達、家族の思いを水の泡にはできないと思っているので、そういった人たちのためにも自分たちがバレーをしっかりすることで恩返しできると思うので、その気持ちを忘れずに、最後のホームでの早慶戦で、会場のみんなでワセダの校歌を歌いたいと思います。

岡田 早慶戦のために働いて下さる方々がいるので、ああいう場が設けられているのを当たり前に思わずに、感謝の気持ちを持ってプレーするというのと、早慶戦4連覇というのは僕たちが部に残せる一つの宝であると思っているので、ワセダのホームで申し訳ないですが、慶応が勝って、その場にいる慶応のみんなで堂々と丘の上を歌って終われたらと思っています。

――お忙しい中、本当にありがとうございました!

健闘を誓い合った両主将

◆吉村康佑(よしむら・こうすけ)

早稲田大学スポーツ科学部4年。佐世保南高校出身。189センチ。サイド。ガッツ溢れるプレーが魅力の吉村主将。同期はもちろん、下級生とも仲が良く、先日行われた野球の早慶戦にはチームみんなで観戦に来られていました。頼れるキャプテンを中心に早慶戦では4年ぶりの勝利を見せてくれるでしょう

◆岡田拓巳

慶応大学商学部4年。熊谷高校出身。191センチ。サイド。サウスポーの長身から放たれるスパイクは脅威。早慶戦4連覇が懸かる慶大の主将は『ケイオーボーイ』という言葉がぴったりの風貌で淡々と取材に応じてくれました。一方で、アニメが好きで大学4年の今でも「仮面ライダー」を見ているという意外な一面もうかがうことができました