【特別インタビュー】 早大アルティメット部ソニックスの島杏璃が日本代表に選出!
2016.04.12
6月にイギリスで行われる「WFDF2016世界アルティメット&ガッツ選手権大会」のアルティメット日本代表メンバーに、早大ソニックス出身の島杏璃(平28スポ卒=神奈川・公文国際)が選出された。島はこれまでにU―23代表の経験はあったものの、社会人も含まれるフル代表に選ばれたのは今回が初めてである。
※この取材は3月23日に行われました。
――日本代表に選ばれる可能性があると感じられたのはいつ頃からですか
島 選考期間中は正直なところありませんでした。アンダーの代表経験はありましたが、今回受けたのがフル代表という年齢制限のないものだったので、社会人やベテランの方もたくさん受けられていて、その中で自分のポジションはベテランの方が多く代表争いが激しいところなので、最後まで私が選ばれるという確信はありませんでした。
――ベテランの方のほうが代表には選ばれやすいのですか
島 ポジションは大きく分けて2つあるのですが、私がやっているハンドラーというポジションは走ったり跳んだりというよりかは、パスを出したりシュートを出したりと技術が物を言うポジションとなってくるので、そちらはやはりベテランで長くやられている方のほうが代表には多くなりますね。学生の中ではトップレベルでやれているという自負はありましたが、そこに社会人の方が混じっていたので、自分が代表の枠に入れるとは最後まで思いませんでした。
アルティメットでは、フライングディスクをパスで運び、指定のゾーンの中でキャッチすると得点になる。パスの正確性、縦100mのフィールドを駆け回る持久力などあらゆる能力が求められ、まさに『アルティメット』、究極のスポーツだと言える。
その中でもハンドラーという、高い技術が求められるポジションについている島。「ベテランの方とプレーをすることで技術的な部分をたくさん学んで吸収していこうと思う」と、若手らしく向上心を示した。
卒業を間近に控える中、明るく取材に応じてくださいました
――代表ではどのように活動されていますか
島 月に2回ほど合宿があり、そこで試合に向けた調整を行っています。全国から選手が集まるので静岡の富士で行うことが多いですね。
――レベルは高いですか
島 高いですね。スタッフも含めると36名で取り組んでいますが、それぞれがそれぞれの役割をトップレベルでこなしていて、すごい環境でやっているなと思っています。
――早大ソニックスや所属チームの活動との兼ね合いは
島 いまはもう(早大ソニックスを)引退しているのでいいのですが、現役のときにアンダーの代表に選ばれることが私以外にもあって、そのときにソニックスの練習に参加できないこともありましたね。ソニックスとしての連携がなかなか上手くいかなくて苦労したこともありました。いまはもう代表のことだけを一生懸命やっていますが、そのような後輩も今後出てくると思うので、兼ね合いは難しいけれど頑張ってほしいですね。
――今後はどちらでプレーされる予定ですか
島 まだチームは決まっていませんが社会人のチームに所属して競技を続けます。
大学卒業と共に早大ソニックスを引退し、今後は社会人のチームに所属してプレーを続ける島。フル代表としても、世界を舞台に活躍してくれることだろう。またこの度の代表には、OBである志村雄太選手(平18社卒=埼玉・県浦和)、OGである高増彩菜選手(平27政経卒=東京・国分寺)の2名も選出されており、早大ソニックスとしては非常に喜ばしいことである。
ソニックスOBの志村。ベテランらしい高い技術を持つという
ソニックスOGである高増。島の1学年先輩ということもあり親交は深い
――代表には早大ソニックスのOBである志村雄太選手、OGである高増彩菜選手がいます
島 やはり同じワセダ出身の方がいらっしゃるのは大きいですね。何かわからないことがあってもすぐに聞けますし、心強いなと感じています。
――早大ソニックスの活動について、教えてください
島 アルティメットという競技を行っていて、他大のアルティメット部が出場する様々な大会にも参加しています。体育各部への昇格を目指していますが、まだまだ部になるのは難しいというところが現状です。初心者も多く、大学から始めて日本代表になる人もいます。
――ラクロス部は体育各部に昇格を果たして以来、部員数も多い部活となっています。早大ソニックスは部活になることでこれ以上に部員か増えることだと思いますが
島 部活になることは遠い遠いことのように思えますが、ソニックスOGとしていずれはそういうふうになればいいなと思っています。
島が大学時代に所属していた早大ソニックスは、数々の日本代表選手を輩出しているものの、未だ体育各部には昇格していない。大学から競技を始める選手も多く、部員数もまだまだ少ないというのが現状だ。そんな中でも学生のトップレベルプレーヤーとして活躍してきたことが今回評価されたのである。
――最後に代表に向けた意気込みをお願いします
島 チームの中では下から2番目ほどの若手なので、ベテランの方とプレーをすることで技術的な部分をたくさん学んで吸収していこうと思っています。代表の活動が終われば、今度はそれをソニックスや新しく私が加入するチームに還元して、さらにレベルの高い選手に、チームになれればいいと思います。
――ありがとうございました!代表でのご活躍、期待しております
(取材・編集 菖蒲貴司、記事 橋本望)